ダンゾウの息子、志村ソウマ   作:へたれん

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やっと第二次忍界大戦が終わります


25.戦火の収束

砂隠れが誇る最強の傀儡師夫妻の討死――その報は、鉛色の砂嵐が吹き荒れる砂隠れ本陣を激震させ、そして一瞬にして第二次忍界大戦の均衡を完全に崩壊させた。

 

前線の要であった精鋭傀儡部隊を丸ごと喪失した砂隠れは、前線の維持が不可能となった。木ノ葉の猛攻と追撃を前に、砂忍たちは雪崩を打って国境線からの全面撤退を開始。砂隠れ上層部は度重なる資源の摩耗と、これ以上ない重要戦力の喪失という現実を突きつけられ、「これ以上の戦争継続は里の破滅を意味する」という苦渋の決断を下さざるを得なくなっていた。

 

そして、戦火の収束を決定づけたのは、砂隠れの敗退だけではなかった。

 

同時期、別の戦線――雨の国の境界付近において、長年血で血を洗う対立を続けていた岩隠れの二代目土影・無と、霧隠れの二代目水影・鬼灯幻月が、歴史に残る激突を果たしていた。

 

互いの意地と里の尊厳をかけた死闘の末、両者は相打ちとなり、共にこの世を去った。

 

絶対的なカリスマとトップの指導者を同時に失った岩隠れと霧隠れの両里は、激しい混乱と戦意喪失――圧倒的な「厭戦ムード」に包み込まれた。特に岩隠れは若いオオノキが急遽全軍の指揮を執ることとなったが、膨大な戦費と犠牲に見合う戦果を得られぬまま、軍を引き揚げざるを得ない状況へと追い込まれていた。

 

さらに、初代雷影の遺志を継ぐはずだった同盟調印式の最中、金角・銀角によるクーデターにより二代目雷影が死亡してからなし崩し的に大戦へと巻き込まれていた雲隠れも、三代目雷影による平定で安定化しつつあり、長引く戦乱による経済疲弊を嫌がり、元より積極的ではなかったこの大戦からの離脱と早期講和へと舵を切ったのだった。

 

大国同士が互いに傷を舐め合い、泥沼の戦火から自ら手を引き始める中、ただ一つ――木ノ葉隠れの里だけが、圧倒的な国力と豊富な戦力を保持したまま勝利者として戦場に君臨していた。

 

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木ノ葉隠れの里、火影室。

 

洗練された木目調の室内には、重苦しくもどこか安堵の混ざった独特の空気が漂っていた。中央の重厚な机の前に立つ暗部から手渡された一巻の極秘文書を読み終えた三代目火影・猿飛ヒルゼンは、愛用の煙管から紫煙を大きくくゆらせ、深く息を吐き出した。

 

「……以上が、各国の最新動向でございます。砂隠れより公式に停戦交渉の打診が届きました。岩、霧、雲の各里もすでに前線からの撤退を完了させ、積極的な軍事行動を全面的に停止しております」

 

暗部が消え入るように退室したのち、ヒルゼンは窓の外に広がる木ノ葉の街並みを静かに見つめた。

 

「ふぅ……これでようやく、長かった戦いに終止符が打てるか」

 

その傍らに腕を組み、鋭い赤眼を光らせて立っていたのは、二代目火影・千手扉間であった。扉間は青い戦闘服の襟を正し、冷徹かつ合理的な判断を口にする。

 

「うむ。ここで勝利に酔い、無理な追撃や過度な賠償を他国へ強いるのは上策ではない。追いつめられた獣は牙を剥く。我が木ノ葉すでに国力的に圧倒的優位、実質的な勝利国ではあるが、停戦の条件は欲張る必要は無い、この大戦を速やかに終わらせるのが最善だ」

 

火影室の影に腰を下ろしていた志村ダンゾウも、厳格な面持ちで静かに頷いた。

 

「同感です扉間様。我が木ノ葉は、サクモや自来也達"三忍"にソウマたちの第七班をはじめ、少数精鋭の運用により戦力の消耗を最小限に抑えることができた。元より他国とは経済力も国土の豊かさも段違いだ。実質的な『単独勝利』の形で大戦を締めくくることこそ、今後数十年間の木ノ葉の安寧を保障することになる」

 

扉間はダンゾウの言葉を聞きながら、ふっと表情を和らげた。

 

「……ソウマたちか。下忍からわずか半年で中忍となり、一六歳で上忍へ。そして今回の砂隠れ前線における活躍……まさか『飛雷神の術』をこれほどの短期間で実戦の攻防に組み込むまでに成長させるとはな。私にとっても、あやつらは誇り高き弟子であり、我が里の宝だ、波風ミナトという新たな『飛雷神の術』継承者を発見できたのも幸運だった」

 

「フッ、あいつが無茶ばかりしてヒヤヒヤさせられたのも事実ですがね」

ダンゾウは少し眉間のシワを緩め、父としての顔を覗かせた。

 

「ミナトは自来也がさんざん『ミナトは天才だぞ先生!オレを超える!予言の子かもしれん!』とか言っておりますからな、ソウマ、キキョウ、トキマの三人も、もはや里の誰もが認める木ノ葉の中核戦力だ」

 

「よし」と、ヒルゼンが煙管を置き、力強く立ち上がった。

「各里へ即座に講和の使者を送ろう。条件は『現国境線の維持』および『雨の国からの全軍撤退』、そして『相互不侵犯協定』だ。第二次忍界大戦の終結を、全忍界へ宣言する!」

 

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数日後。

 

秋の澄み渡る青空が広がる木ノ葉隠れの正門前には、早朝から大勢の忍や里の住民が集まっていた。長い戦いがついに終わりを迎えるという報せは、瞬く間に里中へ行き渡り、前線から帰還する英雄たちを一目見ようと大歓声が巻き起こっていた。

 

「来たぞ! 『木ノ葉の白い牙』さまと、第七班の皆さんだ!!」

 

誰かが上げた歓声を皮切りに、正門の向こうから歩いてくる四人の姿へ一斉に視線が注がれた。

 

先頭を歩くのは、背に一本の小刀を差した白髪の英雄――はたけサクモ。その圧倒的なオーラと穏やかな微笑みは、まさに里の守護神そのものであった。

 

そしてそのすぐ後ろを歩くのは、18歳を迎えますます精悍で頼もしい立ち姿となった志村ソウマ。腰には特製の平型飛雷神手裏剣をいくつも備え、その瞳には数々の修羅場を潜り抜けてきた絶対の自信と静かな知性が宿っている。

 

ソウマの右隣には、鮮やかな漆黒の髪をなびかせるうちはキキョウ。三つ巴の写輪眼を解いたその黒目には、若手最強の火遁使いとしての気迫と凛とした美しさが漂う。

 

左隣には、白眼の力を内に秘めた日向トキマ。医療忍術と柔拳を兼ね備えた参謀として、隙のない歩みでソウマとキキョウを支える佇まいを見せていた。

 

「お帰りなさい!!」

「木ノ葉の英雄たちに栄光あれ!!」

 

惜しみない拍手と歓声が降り注ぐ中、集まった群衆をかき分けて駆け寄ってくる人影があった。

 

「兄さん!!おかえりなさい!!」

 

凛とした声とともに飛び出してきたのは、15歳となり中忍ベストをしっかり締めた志村カエデだった。

 

「カエデ!」

 

ソウマが足を止めると、カエデは兄の無事な姿を確認するやいなや、瞳に涙をいっぱいに溜めてソウマの胸へと飛び込んできた。

 

「なんだ、甘えん坊か?」

 

「だって……砂隠れの恐ろしい傀儡使いと戦うって聞いて、お母様と一緒に毎日お祈りしてたんだもの!」

 

「母上にも心配をかけたな。後でちゃんと顔を見せに行くよ」

 

そこへ、カエデの後ろから歩み寄ってきたのが、自来也班の二人――波風ミナト、うずまきクシナであった。

 

「ソウマさん……本当にお疲れ様でした。前線でのソウマさんの飛雷神の活用方法や、キキョウさん、トキマさんとの連携の凄さ、伝令で聞きました。本当に凄いです……!」

 

ミナトは、ソウマの背中に未来の自分の姿を重ね合わせているようだった。

 

「ミナト、お前も着実に力をつけているそうだな。いつの間にか扉間先生が『飛雷神』教えてるんだもんなびっくりしちゃったよ、やっと落ち着きそうだし一緒に訓練しよう、ところで自来也さんはなんで居ないんだ?」

 

ミナトが言いにくそうに答えた

「いや~それがですね終戦前は少し自来也先生とは別行動してたんですけど、雨の国から帰る途中で戦争孤児を見つけてしまったから自立できるまで育てるとかいって残って来てしまったんですよね自来也先生。大蛇丸さんと綱手様から伝言で聞きまして…」

 

「えぇ?何してんだあの人……」

 

ミナトの言葉に、キキョウとトキマも顔を見合わせ、首を傾げた。

 

「良いのかな…?里の術なんかを他所に出すなんてのはダメだと思うんだけど…?」

「そうよね、絶対ダメよ、もし帰ってきたら三代目様が滅茶苦茶怒る…で済むかしら」

 

「忍術を教えるとは限らないですから、大丈夫なんじゃないですか?」

師である自来也を信頼しているミナトはあくまで希望的観測をするのだった

 

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その日の夕刻。志村家では、大戦の終結とソウマたちの生還を祝う、これまでで最も盛大な宴が開かれていた。

 

食卓には、母・ユウリが腕によりをかけた豪華な馳走が所狭しと並べられていた。尾頭付きの魚料理や温かい汁物、ソウマやカエデの好物が溢れんばかりに盛り付けられている。

 

席には、志村家の家族(ダンゾウ、ユウリ、ソウマ、カエデ)だけでなく、共に大戦を生き抜いたキキョウ、トキマ、はたけサクモ、キキョウの妹分のうちはキョウカの姿もあった。

 

「さあさあ、みんな遠慮しないでたくさん食べてちょうだいね! 今日は本当におめでたい日なんですから!」

ユウリが満面の笑みで料理を配り歩く。

 

「叔母様、ありがとうございます。前線ではずっと干し肉と糧食ばかりでしたから、叔母様の料理が本当に恋しかったです」

トキマがお椀を受け取りながら礼を言うと、ユウリは嬉しそうに微笑んだ。

 

「まあトキマくん、上手ねぇ。ソウマがご迷惑をおかけしたでしょう? 一人で敵の補給部隊に突っ込んだり、無茶ばかりするから……」

 

「母上、その話はもう勘弁してくださいってば……。あれは一番効率的だったからで……」

ソウマが頭を抱えると、隣に座っていたキョウカがクスクスと可愛らしく笑った。

 

15歳となったキョウカは、すっかり大人びた艶やかな黒髪と清楚な佇まいを纏っており、そっとソウマの湯吞に温かいお茶を注いだ。

 

「ふふ、ソウマさん。お母様が心配されるのも無理はありませんわ。でも……本当に、無事にお戻りになられてよかったです」

 

「ありがとう、キョウカ。お前が折ってくれたお守り、ずっと懐に入れて戦っていたんだ。おかげで一度も大きな怪我をせずに済んだよ」

 

ソウマが爽やかに笑いかけると、キョウカは頬をぽっと赤らめ、恥ずかしそうに俯きながらも嬉しそうに目を細めた。

 

少し離れた席では、ダンゾウとサクモが静かに酒杯を交わしていた。

 

「サクモ。前線での指導、感謝する。ソウマたち第七班がここまで化けたのは、お前の存在があったからこそだ」

ダンゾウが珍しく素直な感謝を口にすると、サクモは盃を傾けながら穏やかに首を振った。

 

「いえ、ダンゾウさん。彼ら自身の資質と、お互いを信じあう絆の力ですよ。ソウマ君の飛雷神、キキョウちゃんの写輪眼の見切り、トキマ君の隙のないフォロー……彼らはすでに、私と並んでも遜色のない一流の上忍です。これからは彼らが木ノ葉の柱となっていくでしょう」

 

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宴が夜深くまで続き、心地よい酔いと疲労感の中で宴席が落ち着いた頃。ソウマは一人、志村家の縁側に出て夜空を見上げていた。

 

ひんやりとした秋の夜風が、ソウマの頬を撫でていく。満月が静かに木ノ葉の里を照らし、平和を取り戻した街並みが静寂の中に溶け込んでいた。

 

足音が響き、隣に誰かが腰を下ろした。父・ダンゾウであった。

 

「父上……」

 

「……良い夜だな、ソウマ」

ダンゾウは静かに夜空を仰ぎ、手に持った酒杯を揺らした。

 

「はい。前線では、毎日雨の音か砂嵐の音しか聞こえませんでしたから。里のこの静けさが、一番のご馳走です」

 

ダンゾウは少し沈黙したのち、重厚な声で問いかけた。

 

「第二次忍界大戦は終わった。……だが、ソウマよ。戦いが終われば、次は『政治』と『教育』の時代が来る。お前はこの大戦で忍界中にその名を刻んだ。二代目火影・扉間様の弟子であり、我が志村の跡取りとして、今後の里をどう導くつもりだ?」

 

ソウマは少し考え、夜空に浮かぶ月を見つめながら答えた。

 

「父上。俺は……圧倒的な武力で他国をねじ伏せるだけの平和は長続きしないと思っています。今回、俺たちがサクモさんとともに前線で戦って感じたのは、『個の強さ』以上に『次世代へ繋ぐ力』の重要性です」

 

「ほう……」

 

「サクモさんのお子さんも生まれたばかりだと聞きましたし、ミナトやクシナ、カエデのような若い芽が、安心して育っていける環境を作ること。そして、俺たちが扉間先生やサクモさんから受け継いだ術や意志を、惜しみなく彼らに伝えていくこと。それが、大戦を生き残った俺たちの使命だと思っています」

 

ソウマの言葉には、18歳とは思えない深みと覚悟が込められていた。

 

ダンゾウは暫く無言でソウマの横顔を見つめていたが、やがて満足そうに「ふ……」と鼻を鳴らした。

 

「……ユウリに似て、甘いことを言う。だが……悪くない考えだ。扉間様も、きっと同じことをお考えだろう」

 

ダンゾウは立ち上がり、ソウマの肩にガッシリと手を置いた。

 

「しっかり休め、ソウマ。明日からは『平和な木ノ葉』を守るための、新しい戦いが始まるぞ」

 

「はい、父上!」

 

父の背中を見送り、ソウマは再び夜空を仰ぎ見た。

 

数日後、五大国の首脳陣による歴史的な和平協定が正式に締結され、数年間に及んだ第二次忍界大戦は正式に終結を告げた。

 

実質的な唯一の「戦勝国」となった木ノ葉隠れの里。

二代目火影・扉間と三代目火影・ヒルゼン、そしてダンゾウたち首脳陣の巧みな外交政治と、はたけサクモや志村ソウマ率いる第七班という若き精鋭たちの圧倒的な戦果によってもたらされたこの平和は、木ノ葉に空前の繁栄と黄金期をもたらそうとしていた。

 

新世代の芽吹きを感じながら、ソウマたちの物語は、戦乱の世から「平和と次世代育成」の新たな章へと紡がれていくのであった。




な、長かったな第二次忍界大戦…

でもソウマがドンピシャ世代なのでここでめっちゃ戦ったから強くなったんだよ~という大事な時期、描写してたらキリがないのですごい飛ばしていますがソウマ達は12歳~18歳、ミナト世代も15歳で終結なので青春の時期をずっと戦争してる、第二次忍界大戦は小康状態が長かったおかげもあって(この作品の)木ノ葉は12歳までアカデミーでちゃんと子供らしい生活してるからすごいまともな子供が多いと思う

しばらく戦闘はお休みして各キャラの成長とか関係性の変化みたいな回を挟みます
そんなすぐ第三次忍界大戦は…割とすぐ始まるんだけどね、裏にアイツがいるからね、10年は無いかなってぐらいです
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