第二次忍界大戦の停戦協定が結ばれてから数か月。
木ノ葉隠れの里が平和な日常に包まれていく裏側で、忍界の国境線周辺にはいまだ燻り続ける「火種」が幾重にも残されていた。
戦乱によって行き場を失った抜け忍、忍崩れの盗賊、停戦協定を受け入れず独断で木ノ葉への報復を企てる旧他国軍の残党、そして敗戦国となった砂や岩の混乱に乗じて軍需物資や忍術資料を密売する裏社会のブラックマーケット。
これらの火種は、一見すると小規模な治安悪化に過ぎないように見えた。しかし、放置すれば新たな軍事衝突の口実となり、せっかく手繰り寄せた講和協定を根底から破綻させかねない危険性を秘めていた。
「表の部隊が動けば、他国へ余計な刺激を与える。特に雨や砂の国境付近で木ノ葉の正規部隊が戦闘を行えば、『木ノ葉は講和条約を反故にして侵略を継続している』と他国に言い訳の口実を与えることになる」
地下深く、薄暗い燭台の炎だけがゆらめく空間――暗部特命組織『根』の地下本部。
重厚な石造りの机を挟み、長官である志村ダンゾウが静かに語りかけていた。
その前には、暗部の黒い装束を纏い、狐の仮面を傍らに置いた志村ソウマが立っていた。
「……だからこそ、『根』の出番というわけですね、父上」
「そうだ」ダンゾウは深く頷いた。
「我が『根』は里の繁栄を陰から支える裏の『土台』。表に出せぬ火種は、火が大きくなる前に闇の中で完璧に摘み取る。……ソウマ、お前の力を存分に使え」
ソウマは静かに仮面を手に取った。
18歳にして木ノ葉最高峰の戦闘力を誇り、さらには『飛雷神の術』と『影分身の術』を完璧に使いこなすソウマは、諜報・強襲・迅速撤収を求められる暗部工作において圧倒的な適性を持っていた。
「ターゲットは、雨の国境地帯に潜伏する『黒い流星』を名乗る過激派の崩れ忍集団。岩隠れの抜け忍と砂隠れの傀儡師の残党が手を組み、木ノ葉の補給線を襲撃する計画を進めている。……明日未明までに、跡形もなく消せ」
「了解しました。……行ってきます」
ソウマが仮面を装着した瞬間、その姿はフッと薄暗い部屋から消失した。
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湿り気のある冷たい風が吹き抜ける、雨の国との境界付近。
崩れかけた古い砦の地下に、数十人の男たちが集まっていた。
「おい、例のブツは揃ったんだろうな?」
「ああ。砂の傀儡師から買い叩いた高濃度の劇薬と、岩の爆発塗料だ。これを使えば、木ノ葉の定期連絡所を一網打尽にできる。講和だと? ふざけるな、俺たちの仲間がどれだけ木ノ葉の忍に殺されたと思っているんだ!」
怨嗟の声を上げるのは、岩隠れを脱走した抜け忍の男だった。周囲を取り囲む男たちも、血走った目で武器を磨いている。彼らは大戦の講和に納得がいかず、野盗同然となって木ノ葉への凄惨な復讐を企てる者たちだった。
「木ノ葉の油断を突く。奴らは大戦が終わって平和ボケしている最中だ。明日の夜明け、木ノ葉の第一監視所に爆薬入りの傀儡を突撃させる。……いいか、生存者は出すな!」
「「「おお!!」」」
怪しげな熱気が地下空間に充満した、まさにその時――。
「……平和ボケ、ねぇ。戦場で生き残った人間が、そんなに簡単に気を緩めるわけがないだろう」
頭上から、冷徹で落ち着き払った声が響いた。
「なにっ!?」
首謀者の男が一斉に見上げると、地下天井の梁の上に、黒い装束と狐の仮面を身につけた一人の忍が腰掛けていた。
「敵襲だぁぁッ!! どこから入ってきた!?」
「殺せ!! 逃がすな!!」
即座に反応した忍たちが、劇薬を塗った千本や手裏剣を一斉に放つ。黒い暗器の雨が、梁の上の影を容赦なく穿つ──前に仮面の男の姿が消えた
「消えた!?」
「『手裏剣影分身の術』」
パニックに陥る男たちに多数の手裏剣が襲い掛かり、男たちや地面に突き刺さった
「ぐっ、恐らく木ノ葉の暗部だが敵は一人だ!囲んでしまえば──ガハッ…」
指示役の男が背後から忍刀で心臓を貫かれた
そしてその光景に驚く他の男たちが動き出そうとした次の瞬間には
ズガッ!ザシュ!「ぎゃあ!」「何が!?」ズバッ!
全ての抜け忍達は急所を突かれ、首を落とされ絶命した
周囲の気配を探り、残敵が居ないことを確認したソウマが息をついた
「ふぅ、よし俺、一応周囲をもう一周してきてくれ、俺は帰還して後処理部隊を呼ぶ」
もう一人のソウマが答える
「了解だ俺、一応チャクラ切れの直前まで潜んで周囲を探っとく」
「頼むな」フッ
本体のソウマは後処理部隊の待機地点に飛んだ
後処理部隊の隊長が反応する
「フウガ!?早かったな、まさかもう終わったのか?」
「あ、フウガって俺か…まだ慣れないな。もちろん終わったから帰ってきたんだよ、現地に俺の影分身を残してある、後処理を頼む」
「了解した、では(これがダンゾウ様の息子ソウマの実力か、早すぎる)」
後処理部隊だが暗部の歴自体は長い男は現場に向かいながらソウマの実力に内心驚愕していた
残ったソウマは後処理が終了するまで待機しながら自身の戦闘の評価を行っていた
「ある程度空間が限定されている場合、マーキングをばらまいて影分身と同時に攻めて一気に制圧するのは強力だな、ミナトは螺旋丸使いながら『螺旋ナントカカントカ』みたいな技名つけてたがやっぱアイツの命名センスは終わってんな──おっ終わったか」
現場で待機していた影分身が後処理班と合流し、影分身を解除したのを認識し、ソウマは帰路についた
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翌朝。木ノ葉隠れの里、火影室。
洗練された朝の光が差し込む部屋で、三代目火影・猿飛ヒルゼンと二代目火影・千手扉間が、テーブルの上に置かれた一冊の厚い報告書に目を通していた。
報告書には、雨と草の国境地帯で暗躍していた過激派組織の完全解体、押収された軍需物資のリスト、そして裏で糸を引いていたブラックマーケットのルートが、克明かつ完璧に記録されていた。
「……相変わらず、手際が見事だな」
ヒルゼンが感嘆の息を吐きながら煙管を置いた。
「表の部隊が偵察を出して警戒網を張っていた段階だったのだが……『根』が動いて、すでに一夜で元絶ちしてくれたか。敵に警告を与える暇すら与えず、被害ゼロでの完全鎮圧。見事としか言いようがない」
腕を組んで立っていた扉間も、赤眼を細めて満足そうに頷いた。
「ソウマの『影分身+飛雷神』の運用の真骨頂だな。単身で多重の索敵と強襲を同時にこなし、情報の収集から敵の抹殺までを即座に完結させる。時空間忍術の最も効果的な実戦使用例だ」
そこへ、火影室の影からゆっくりと志村ダンゾウが歩み出てきた。
「我が『根』は里の『影』として汚れ仕事を引き受ける。扉間様、ヒルゼン。今回のように他国へ言い訳の隙を与えずに不発弾を処理できた。我が根の存在意義はここにある」
二代目火影・扉間という絶対的な知恵袋と監修者が健在であり、三代目ヒルゼンとの信頼関係も保たれ、何よりダンゾウの息子であるソウマが「表と裏の橋渡し役」として完璧に機能していたため、「根」は極めて健康的かつ合理的な「特命諜報機関」として機能していたのである。
「感謝するぞ、ダンゾウ」ヒルゼンが穏やかに微笑んだ。
「お前とソウマが裏で火種を摘み取ってくれるおかげで、我々は堂々と他国との平和外交を進めることができる。大戦後のこの不安定な時期、木ノ葉が揺らぐことがないのは『根』の働きのおかげだ」
「フン……礼には及ばん。里の平穏こそが我が志だ」
ダンゾウは厳格な面持ちを崩さなかったが、その声には確かな自負が込められていた。
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夕暮れ時。朱色に染まる木ノ葉隠れの街並み。
任務を終え、暗部の黒装束から着流しの私服へと着替えたソウマは、里のメインストリートをゆったりと歩いていた。
昨夜の雨の国での泥泥とした暗闘が嘘のように、里には子供たちの笑い声と、夕飯の香ばしい匂いが漂っていた。
道すがら、和菓子屋の軒先ではキキョウとトキマがみたらし団子を串ごと口に運んでおり、ソウマたちを見つけると
「あ、ソウマ! 」と手を振ってきた。
さらに向かいの通りでは、自来也不在の自来也班、カエデ、ミナト、クシナの三人が楽しそうに術の練習方法について談笑している姿が見えた。
ソウマが二人と同じテーブルに座った
「お前らは最近は家のアレコレか?」
「そうよ、私なんてうちはの若手でトップだし新しい火遁を作ったりしたから、戦争が終わって時間がある今のうちに広めろ!ってお父様もうるさくてね、まあフガクやキョウカを鍛えるのは楽しいからいいんだけどね」
「僕は分家なのに日向若手トップになってしまったのがややこしくてね本来宗家に口伝されてきた『回天』も使えるようになっちゃったし。
日向宗家の跡取りは男子が双子で生まれてしまったから兄が跡継ぎなんだけど弟の方は双子なのに分家として扱われていてちょっと精神的にね…、だから僕が分家の先輩として教えてあげてるんだ、お兄さんとの仲も悪くならないように気を使ってね」
「名家の方々は大変だねえ……志村は気楽で良かったよ」
「志村だって名家でしょ、たまたまダンゾウ様に兄弟が居ないからアンタ一人のんびりしてるだけで、アンタの結婚相手もカエデちゃんの結婚相手もご両親は頭を抱えて調整してるでしょうね」
「け、結婚相手!?俺はともかくカエデを他所になんてやらねえぞ!いや待て、トキマお前なら俺は認めるぞ」
「何言ってんのソウマ、僕はもう相手決まってるから無理だよ」
「な、なに!?いつの間に!?」
「アンタが居ない時に決まってたわよ、分家とはいえ戦争で名前が売れた『扉間班』の日向トキマの相手が決まった~ってそこそこ話題になったのにアンタいなかったじゃない、最近何してんの?」
ソウマは"仮面を被るジェスチャー"をしながら答えた
「それはな"コッチ"の仕事が忙しくてな、戦争が終わったとはいっても仕事は沢山ある」
意図を理解したキキョウは
「あ~そうよね、あんたは火影様達上層部のものすごい近い親族だから信頼もあるし飛雷神って"そういう事"向きだものね」
「ソウマ達のおかげで僕らは里の中で仕事できるんだからありがたいね」
ソウマは甘い団子を味わいながら、密かに胸の中で誓った。
「表の光」を守るために、「裏の影」として疾走する。
志村ソウマという男の圧倒的な力と覚悟は、大戦が終わった平和な時代においても、木ノ葉隠れの里を根底から力強く支え続けていくのだった。
ソウマは暗部のお仕事です、飛雷神が便利すぎ
あとソウマが年上相手にタメ口なのは暗部なんて経歴隠してんだから同じ隊でもなければ敬語無しでいいでしょ、という感じです
フウガ(風牙)はソウマのコードネームなんですが、暗部のコードネーム制度が良くわからないんで、本作では仮面をつけてるときの名前って事にしてます。
原作では"テンゾウ"は本名で"ヤマト"が偽名です、サイも偽名なのに結局そのまま、カカシ、イタチもそのまんまだし謎