第三演習場。
汗を流す若者たちの中心には、自来也不在の自来也班を指導する志村ソウマの姿があった。
「くっ……! やりづらいってばね、ソウマさんのフェイントは変幻自在すぎて捕まえられない!」
鮮やかな赤髪を揺らしながら、うずまきクシナが悔しそうに短刀を引く。その傍らでは、波風ミナトが息を整えながらクシナを優しく支えていた。
「ハハッ、手加減なしだからな。戦争は終わったけど、いつ何が起きるか分からないのはお前たちが一番よく知っているだろ」
ソウマは木刀を肩に担ぎ、爽やかに笑いながらも、その眼の奥でクシナの纏うチャクラの揺らぎを鋭く観察していた。
自来也が雨の国に残り、不在となっている今、ソウマは任務の合間にミナトやクシナ、そして妹のカエデたちの稽古をよく面倒見ていた。
一区切りつき、木陰で冷たいお茶を飲む休憩中、ミナトが少し真剣な面持ちでソウマに切り出した。
「あの、ソウマさん……少し相談があるんです」ソウマが視線を向けると、ミナトはクシナにちらりと目をやりながら言った。
「螺旋丸のもとになった尾獣玉を見た時の話なんですが、その時僕らは岩隠れの四尾と五尾の人柱力と戦ってたんです、もちろん僕は飛雷神でクシナとカエデと一緒に逃げ回るのに必死で最終的に自来也先生が何とか隙を作ってくれたタイミングで飛雷神で逃げたんです」
「人柱力か…木ノ葉では人柱力自体が秘密だからな、俺だって上忍になるまでミト様やクシナの九尾のことは知らなかったよ。ミナトやカエデだって本来は知らないはずだからな?たまたま遭遇したのとクシナも居たから自来也さんが教えてくれたんだろうしな。
俺は霧隠れとの前線に居た時に一回見たことがある、多分あれは三尾かな、ただあんまり制御できてなくて大量に水遁をばらまいてたけどそれでもあれはやばかったな」
ミナトが頷いて続ける
「クシナの中にも、あの『九尾』がいる」
クシナはビクリと肩を震わせ、俯いた。クシナは一度九尾にそそのかされて封印を補強する結界から出てしまった結果封印が弱まり尾獣化しかけたことがある、今はミナトとクシナの封印術で閉じ込めているが自分の内側に巣食う強大な化け物の存在は、彼女にとって幼少期からのトラウマであり、恐怖の対象だった、
「ミナト……」
「クシナ、怖がらせるわけじゃないんだ」ミナトは柔らかく微笑み、クシナの手をそっと包み込んだ
「でも、いつまでも蓋をして封印だけに頼るんじゃなくて……少しずつ、自分の意志でそのチャクラをコントロールする方法を学んだ方がいいんじゃないかって、僕は思ってさ。僕らが戦った四尾と五尾の人柱力は半分尾獣化しても意識を保っていたし…」
ソウマも深く頷いた。
「そうだな…保険は十分にかける必要はあるし、ちゃんと三代目と父上に相談しないとな、俺が一緒に行くよ、ほんとなら自来也さんにも相談したいけどこういう時に居ないしなあの人は。
クシナお前はただの人質や器じゃない。うずまき一族の強靭な生命力とチャクラを持つ一人の忍だ。ミナトの言う通り、少しずつでいい。九尾のチャクラを『飼いならす』ための第一歩を踏み出してみないか?」
カエデも「うん、私も手伝うから!」と力強く頷く。
仲間たちの温かい眼差しと真摯な言葉に、クシナは潤んだ瞳をぱちぱちと瞬かせた後、決意を込めた強い表情で顔を上げた。
「……うん! わかった。怖がってばかりじゃ、いつまでもミナトやソウマさんたちに追いつけないもんね……! やってみる!」
こうして、自来也の不在を補うように、ソウマとミナトの主導でクシナの「九尾チャクラの段階的コントロール訓練」がひそかに始動したのだった。
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それから数日後。
クシナの九尾チャクラコントロールの準備のための場所確保等を見届けたソウマは、火影室へと呼び出されていた。
室内に足を踏み入れると、三代目火影・猿飛ヒルゼンが煙管の煙をくゆらせ、その傍らには巨躯の猿・口寄せの猿魔が腕を組んでどっかりと座っていた。さらに、影から父・ダンゾウも静かに控えている。
「志村ソウマ、参りました」
「呼出しご苦労、ソウマ」ヒルゼンが厳かに切り出した。
「今日の呼び出しは、暗部の任務ではない。……猿魔から、お前に重要な話があるそうだ」
猿魔が鋭い眼光をソウマに向け、重厚な声を響かせた。
「ソウマよ。第二次忍界大戦におけるおぬしの働き、見事であった。猿飛やダンゾウから聞いたぞ。その肉体、チャクラの器、そして修羅場をくぐり抜けて培われた精神力……どれをとっても、すでに一端の上忍を遥かに超えている」
猿魔は一歩前に踏み出した。
「今こそ、ワシらの霊峰に伝わる『仙術』の修行を始める時だ。……受ける気はあるか?」
「……! 仙術か」
ソウマの胸が高鳴った。
以前聞いていた「仙術」それを使いこなせば使う術のレベルが跳ね上がるという、自来也からも少し話は聞いて、相当難しいということは聞いていた
ソウマは力強く答えた。
「ぜひ、その修行を受けさせて!」
しかし、その返答にダンゾウが難しい顔をして腕を組んだ。
「しかしなヒルゼン。仙術の重要性は分かるが……問題はスケジュールだ。現在の『根』は、戦後の不穏分子の摘み取りやブラックマーケットの調査で、ソウマの能力を大いに頼りにしている。霊峰に籠もって何ヶ月も里を空けられなどするのか?」
「問題はそれだのう…ソウマが頼りになるのは嬉しいのだが抜けられてしまうとそれはそれは困ってしまう」
ソウマは少し考え、きっぱりと言い切った。
「そ、そうですよね…猿魔、仙術の修行ってどれぐらいの期間がかかる想定?」
「それはな、分からん。」
「え?」
「仙術の修行というのはとてつもない時間がかかるのだ、それこそ極めようと思ったら何十年だぞ、おぬしは忍術を極めるのに何年かかるか?と聞いているようなものだ。
ただ基礎が出来ればあとは猿獄山でやる必要もない、あとそもそも適性が無くてはどうしようもないからの、猿飛が仙術を習得できなかった話は昔したろう?
その判断ができるまではそうだのう……二ヶ月ってところだ、一旦の区切りはそこだな」
「二ヶ月か、三代目!父上!とりあえず適性があるかどうか確認する二ヶ月だけでも仕事を休めないでしょうか…?」
ソウマの言葉にヒルゼンはニヤッと笑って答える
「ふふ、すまんなソウマ、実はそんなことは最初からわかっておったダンゾウとも相談してお前が数ヶ月里に居なくても問題ないように調整済みだ」
ヒルゼンの言葉にダンゾウが続く
「今の問答はただお前の気持ちを確かめただけだソウマ、里のことは気にせずに修行にいってこい、二ヶ月と決めなくてもよい、本当に緊急の知らせの時はヒルゼンが猿魔を呼んでお前を呼び戻すことになっておる」
「三代目!父上!ありがとうございます!ミナト達のこともよろしくお願いします、ミナトは相当なヤツですがクシナの九尾のこともありますし」
ソウマの言葉に、ヒルゼンが答える
「わかっておる、九尾チャクラの特訓のための強力な結界を用意しているから問題ない」
猿魔が
「よしでは話は決まったな?猿空に合図を出しで逆口寄せで向かうぞソウマ」
「え?ちょっと待って挨拶ぐらいする時間あるでしょ?ってこれ前回もこうだっ」ボフッ
猿魔とソウマが消えて火影室残されたヒルゼン
「む?またこれワシがユウリに怒られるのか?」
冷や汗をたらすダンゾウ
「……(いかん、今回はワシも関わっているから怒られる)」
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数日後。
猿獄山に着いたソウマは猿魔に導かれて猿空と共に猿獄山を登り、仙猿達の修行の地へと足を踏み入れていた
周囲の空気そのものが重く、濃密な自然エネルギーに満ちあふれているがソウマと猿空はまだ何も感じ取れてはいない。
「なんか雰囲気は良いのは分かるけど自然エネルギーがどうとかはわからないなあ」
「オレも全然わからんぜ」
「そりゃそうだまだおぬしらは自然エネルギーを感じ取れる状態にはなっておらん。ここが、ワシら一族の修練場だ、ソウマ、猿空、心してかかれよ」
「「おう!」」
遠く木ノ葉の里では、ミナトやクシナ、カエデたちがソウマの不在を寂しがりつつもそれぞれの訓練に励み、ダンゾウやヒルゼンもまた、静まり返った平和の裏で次なる時代への備えを固めている。
「光」の日常と、「裏」の営み。そのすべてが次なる激動へと向かうための、束の間の、しかし重要な「修行の季節」が、こうして始まっていた。
原作において、九尾への言動を見るとミトもクシナも九尾チャクラを有効活用してやろう、という本来人柱力に求められる役割を全くしておらず、ただ九尾の檻でしかないという意味のない存在になっているのがすごい謎、木ノ葉は人柱力に頼らなくても国力も戦力も十分だからこうなってしまったのかなって思った。
木ノ葉では人柱力自体が上層部以外には秘密なのマジで良くない風習ですよね、結果幼少期ナルトの扱いがアレですよ?それも原作ダンゾウのせいなんだけどさ。
なので九尾チャクラの修行は全くしていなかったと思われます、ミトが悪意の感知が出来たのは九尾の人柱力だったからじゃなくてミトの能力なんじゃないの?
クシナとミナトの話はミナト外伝で描かれてる話です、螺旋丸を開発する話も入っているのでジャンプ2023年33号を買って読んでね、アプリならバックナンバーを買えますよ(唐突な宣伝)
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