猿獄山、猿たちの住まう山の中でも仙猿と呼ばれる熟練の猿が修行する場所にソウマと猿空はやってきていた
二人を連れてきたのは修行を付けるために同行した猿魔だ
「さて、ここが仙猿が修行するための地だ、以前おぬしたちが修行していた住処の集まっている言わば『住宅街』と違ってここは気候の厳しい場所だ、その分自然エネルギーに満ちているぞ」
「たしかにだいぶ暑いね、ちゃんと水分補給しないとすぐ干からびそうだよ」
「オレは慣れてるから多少は平気だが…大体自然エネルギーなんて感じねえぞオジキ」
「今のおぬしたちでは自然エネルギーを感じることはできん、それから喉が渇いてもこのあたりの湧き水は今のおぬしたちが飲んだら死ぬから気を付けるのだぞ、飲み水は少し山を下ってここから離れたところにある湧き水を汲んで飲むのだ」
「え!?毒でも入ってるの?いや"今の"ってことは修行次第では平気ってことか?」
「うむ、勘が良いなソウマその通りだ。では早速修行を始めよう」
そういって猿魔は二人を引き連れて少し奥にある温泉に向かった
「温泉か、あの…温泉に何匹か入ってる猿がいるけど、あの猿たちも仙猿なの?」
「そうだぞ、そしてあれは修行でもある、ここの温泉や湧き水には自然エネルギーが大量に含まれていてな、それに触れることで自然エネルギーが流れ込み、感じとりやすくなるのだ」
「へー、便利なもんがあるじゃねえか、それなら修行も楽勝なんじゃねえのか?」
「そうもいかんぞ猿空、先ほどの湧き水を飲んではいけないのと同じ話だ、自然エネルギーの扱いが未熟なものが触れたり、飲んだりすると自然エネルギーがどんどん体に入り込んできてしまい、体が猿に変化していき、最終的には猿の姿をした岩になり自然の一部となる、ホレ周りに猿の岩が沢山あるだろう、あれはかつての修行者の成れの果てだ」
猿空がゴクリをつばを飲み込んだ
「ま、周りのこれが全部か…やべえじゃねえか、どうやって修行すんだよそんなの」
「そのためにワシがおる」
パンッと手を合わせた猿魔の手の中に小さい棒が現れた
「これは自然エネルギーをはじき出すハタキ棒だ、これでおぬし達が岩になる前に自然エネルギーをはじき出す、とはいってもはじき出すのも限度がある、取り込み過ぎたら戻れんぞ」
ソウマと猿空は引きつった顔になる
「ではソウマ、温泉に手を入れてみろ、指先だけでいいぞ」
「わ、わかったやってみる」
ソウマが温泉に指を突っ込んだ
「あったかいな、良い湯加減だ、ん……なんかぞわぞわする、これが自然エネルギー?」
「そうだ、そのままチャクラを練ってバランスをとってみろ」
「いきなりだな…ん~特に何も変わった感じがしないが…ってわああああああ!?腕が!」
ソウマの腕に猿のような体毛が生え始めた
猿魔がソウマに棒をたたきつける
「フンッ」
「イタァ!…あっ良かった元に戻った…」
「とまあこのようにしてここの湯で自然エネルギーを体に取り込むきっかけを作り、自身のチャクラとバランスを取りながらまずは自然エネルギーを感じ取ることができるようにならなければ話にならん、そしてその間は『動くな』、これが出来なくて猿飛は仙術を諦めたと話しただろう?」
「うーん思ってた修行の難しさとは違ったけど確かに難しい、体がアザだらけになりそうだよ」
「よしでは猿空も行くぞ、おぬしは元々猿だから猿化するというのは変だが、毛が伸びたり体がデカくなったりするのが前兆だぞ、今後二人でお互いに修行を見ることになることもあるだろうからハタキ棒で叩くタイミングはワシがやるのを見て覚えるのだぞ」
「わかったよオジキ」
猿空が湯に手を付けた
「ん~?確かに特に変わった感じはしねえな…って腕の毛が!?」
猿魔がソウマに棒をたたきつける
「フンッ」
「いでぇ!も、戻った…」
猿魔はため息をついた
「これは時間がかかりそうだのう…」
修行は始まったばかりだ
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猿獄山での修業開始から2週間後
温泉の脇で座って印を結んでいるソウマ
「────はっ!」
ソウマが目を見開く、体中にアザが出来ているが猿のような毛は生えていない
それを見た猿魔が
「きっかけは見えたようだな?」
とソウマに問いかけた
「うん、見えたよ、これが自然エネルギーか…」
「(想定よりもだいぶ早かったな、正直ここまでで二ヶ月と言っていたつもりだったが、やはり飛雷神などという複雑な術の運用でチャクラコントロール技術が鍛えられたか?実戦では飛雷神で飛びながら他の術も使うわけだしな)」
「遅かったなソウマ、オレのほうが自然エネルギー見えるまでが早かったな」
「そんなこというけど三日しか違わないじゃないか!」
「そうだな、それに猿空はずっと猿獄山で生まれ育っているのだから早くて当然だ。住処周辺だってここほどではないが自然エネルギーは多い、ソウマの過ごしている木ノ葉の里に比べたら遥かに濃いぞ」
「し、知ってるし!そ、それでオジキ次はどうすんだ」
「まずは湯を使って仙術チャクラを練るのを練習する、今おぬしたちはほんの少ししか自然エネルギーを扱えておらんからこれではとても術として使える量ではない、徐々に自然エネルギーを取りこむ量を増やし、仙術チャクラを練る量を増やす、目標はあそこで温泉に浸かっている仙猿達のようにここの温泉に平気で浸かれるようになるなるまでだ」
「あそこまでか…また大変そうだ」
「ハタキ棒はすぐ扱えるように構えるのだぞ、取り込む量を増やしたら下手すると一気に岩になってしまうからな」
「わかったぜオジキ」
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さらに二週間後
ソウマと猿空は温泉に浸かっていた
「ふう…いい湯だなあ猿空」
「そうだな、慣れちまえばただの良い温泉だぜこれは」
もちろん自然エネルギーに満ちた温泉だ
周囲の仙猿達も
「若いのにやるのう~おまえさん達」
「ワシがここに浸かれるようになるまで何年かかったかのう」
「覚えとらんぐらい前だのう」
猿魔も
「よし、もう湯を使ったコントロールは会得したようだな、その状態で術を使ってみろ」
「分かった」
「オウ」
二人はざぶざぶと湯から上がり、ソウマが仙術チャクラの効果に驚く
「すごいよな仙術チャクラ、ハタキ棒で叩かれまくってアザだらけになったのに湯に浸かれるようになってからはすぐ治ったし」
猿魔がその疑問に答える
「通常のチャクラは体内のエネルギーを消耗するから使えば使うほど疲れるが、仙術チャクラは外から自然エネルギーを取り込む関係上疲れるどころか回復するわけだ」
猿空も湧き上がる力に興奮して
「すげえぜ仙術、こんなに修行が楽しいなんていつぶりだろうな」
「よし行くぞ『風遁・真空大玉』!」
「オレも!『火遁・豪炎』!」
ソウマが放った風遁は木々を貫通し、遠く離れた岩に大穴を空けた
猿空の放った火遁も木々を燃やし尽くすどころが一瞬で消滅させ、岩をドロドロの溶岩に変えた
「こ、これが仙術チャクラか、やばいな」
「ああ!すげえぜ!」
そんな二人の様子をみて猿魔が笑いながら話しかける
「まあまだはしゃぐのは早いぞ、これからは湯はなしでやらねばならんからな?」
「そういえばこの湯を持っていればここじゃなくても修行できるんじゃないの?」
「そうもいかん、ここの湯は猿獄山から離れたところに持っていくとすぐに気化してしまう」
猿空が残念そうに
「なんだ、そんな簡単にはいかねえってことか」
少し温泉からは離れたところに移動したソウマ達三人
猿魔が語りだす
「さてここからが本番だぞ、湯を使わず、動きを止め、自然エネルギーを感じてみせろ」
「了解!」
「いくぜ!」
早速座り込み、印を結んでじっと集中するソウマと猿空
「…………っ」
「…………あ」
バシバシィ!
猿魔が二人をハタキ棒で叩いた
「痛い…、お湯なしだと取り込むのが難しいな」
「ああ、湯があればあんまり意識しなくても自然エネルギーが取りこめるから簡単だったが湯の補助なしだとこんなにむずいのか」
「だからここからが本番だと言っただろうが、まずは基本の『動くな』からやり始めてそれから自然エネルギーを取り込むようにしろ、この辺には土遁でできた針山みたいなのが沢山あるだろう?あの上に板を乗せてその上に座り、バランスをとるのだ、それが出来れば自然エネルギーも扱えるようになる」
「また基本からかあ~」
「チッ仕方ねえ、やるぞソウマ」
「(やはり早いな、温泉に浸かれるようになるのにもおよそ二週間、たった一ヶ月でここまで来れるとは、ソウマのセンスもあるが自然エネルギーを感じやすい猿空と共に修行したのが正解だったか)」
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それから一ヶ月、ソウマが修行に出てからはおよそ二ヶ月が経ち猿魔はヒルゼンに口寄せされて木ノ葉に来ていた
「どうだ猿魔、二ヶ月経ったがソウマの修行は?」
「フフッ、聞いて驚け、正直ワシの想定を遥かに超えた順調っぷりだぞ」
「な、なに!?おぬしの話では二ヶ月で適性が見れるかどうかという話ではなかったか!?」
「ソウマの筋がなぜこんなに良かったのか理由は分からんが、ソウマはもう仙術チャクラを練れるようになったぞ、猿空は元から人間と違って種族的に仙術に向いていたからもっと早いしな」
これには共に聞いていたダンゾウも驚きの声を上げた
「なんと!?ソウマがもう仙術を使えるという事か!?」
「うむ、基本はできた、ただ今は大事な仕上げの最中でな、木ノ葉に戻して集中を途切れさせたくない。ソウマは一旦の区切りとすると決めていた二ヶ月が経ったことに気付いてすらいないぞ」
ヒルゼンは嬉しそうな寂しそうな表情を浮かべた
「なんとそこまでとは…ソウマが仙術を使うか…ワシも超えられてしまったかのう」
「分かった、ではまだしばらくソウマは預ける、こちらは特に大きなことは起きていない、何かあればヒルゼンから知らせを出す」
「分かった」
ボフッと猿魔が消えた
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猿獄山に帰ってきた猿魔はソウマ、猿空と向き合った
「見事だソウマ、仙人の証・隈取が出ているな、体が猿のように変化もしていない、完璧な仙人化だ」
「うん、なんだか体がすごい力に満ちてるよ」
ソウマの目の周りには黒い隈取が出来ており、瞳孔の中に二重の円が出来ていた
「へへっやっぱオレのほうが早かったな」
猿空も同じような隈取と瞳孔になっている
猿魔が二人に問いかける
「さて、これでお前たちは見事仙人、仙猿となった、正直想定よりはるかに速い。
だがよーく考えてみろ、自然エネルギーを取り込むためにはどうする?」
ソウマが答える
「え?そりゃ座ってじっと集中して自然エネルギーを感じて…ってあーーー!?」
「ハ?なんだよソウマデカい声出して」
「ソウマは気づいたようだな?そう自然エネルギーを取り込むには"止まらないといけない"これは絶対の決まりだ、それで猿空、おぬし戦ってるときに止まってるのか?相手が座って自然エネルギーを取り込むために目を閉じたら待ってやるか?」
「あ!戦闘中に仙人モードになれないじゃねーか!どうすんだよこれ!使えねえじゃん!」
猿魔が盛り上がる二人をなだめる
「まあ落ち着け、そのために二人一緒に仙術修行をしたんだからの」
そして言葉を続ける
「簡単に言えば役割分担をすればよいのだ、ソウマが動いている時は猿空が止まって自然エネルギーを取り込み、猿空が動いているときはソウマが止まって自然エネルギーを取り込んでお互いに渡すのだ」
「うーん理屈は分かったがどうやってやり取りを…あ、そうか如意棒か」
「そう、ソウマが猿空を呼び出し如意棒に変化した猿空を背負うなりして身に着けチャクラを繋ぎ合わせる融合状態になり、その間にソウマが動こうが猿空は"止まっている"から自然エネルギーを取りこんで仙術チャクラを練って受け渡す、そうすればソウマはずっと仙人モードで戦えるだろう?
ソウマが何かに変化して自然エネルギーを取り込む役をやってもいいが金剛如意できる猿空がいるからやる意味は無いな」
「な、なるほどな~!オジキ頭いいな!でもそうなると俺は短くなってソウマの懐に入ってたほうが良いか…俺を使って攻撃できなくなるぞ?もったいなくねえか?」
「はるか昔からワシら猿とその相棒に受け継がれてきたやり方だワシが考えたわけではない。
別に仙術チャクラをずっと練っているわけではあるまい?仙術チャクラを練ってソウマと共有したらそれを使い切るまでは今まで通りの如意棒になって攻撃に使えばよい。
それに初めのうちは溜める、使う、溜める、使うの度に如意棒を伸ばしたり縮めたりする必要があるだろうが、慣れればソウマが持っている状態でも"止まっている"と判断して自然エネルギーを取り込んだり、一瞬の隙に自然エネルギーを取り込めるようになると言い伝えが残っておる。
まあこれは猿空に限った話ではなくソウマももっと熟練すれば自然エネルギーの取り込みが早くなるだろうから鍛錬あるのみだ」
「なるほどなあ、よし猿空早速チャクラを受け渡す練習だ」
「よっしゃ、オレ達今までさんざん一緒に戦ってるからな息を合わせるのは得意だぜ」
「(フフフ、こりゃここ数百年に一度の仙人と仙猿が誕生するかもしれんな)」
猿魔は若き才能あふれる二人に期待を寄せるのだった
ぶっちゃけやってることはナルトと同じ(原作の仙術修行パート読んだ方が分かりやすいと思う)
ちなみにナルトの仙術修行は1週間~2週間(自来也死亡~ペイン襲撃までのほんの短い期間)ぐらいしかない、影分身修行ありとはいえ早すぎだろ
猿の仙人化の瞳孔はガマの仙人化が横線になるのとどう変えようかなって思った時に猿(えん)だけに円(えん)にするかって感じで決めた、写輪眼の周りに巴が浮かんでなくて内側が黒く塗りつぶされてる感じっていって伝わりますかね、色は黒です
自来也の肩にフカサクとシマが乗った状態で自然エネルギーを取り込むための"静"ができるってことは自来也が動いてようが肩に乗ってる二人は"止まっている"判定という事なので猿空が"動いてない"と判断できれば自然エネルギーの取り込みはできるって解釈です
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