扉間が息を引き取ってから数ヶ月
忍界全土を覆う空気は、日に日に重く、そして荒んでいった。
国境付近からは連日のように不穏な報せが届いている。霧隠れの潜入工作部隊が補給線を脅かし、土の国国境では岩隠れの大規模な部隊展開が確認され、砂隠れや雲隠れもまた、その動向を虎視眈々と窺っていた。
「戦争になる――」
まだ前回の大戦から約五年、里の大人たち、とりわけ実戦経験を持つ上忍や中忍たちは多く、言葉にせずともひしひしと伝わる張り詰めた緊張感が漂っていた。
だが、そんな緊迫した情勢の直前だからこそ、木ノ葉の里には奇跡のような、穏やかで澄み切った秋の陽気が広がる日があった。
演習場の一つ、赤や黄色に色づいた木々に囲まれた広い敷地で、汗を流している子供たちの姿があった。
「はぁっ! はぁっ……! くそっ、待てカカシ!」
威勢の良い声を張り上げながら、額に汗を浮かべて走っていたのは、ゴーグルをつけた少年――うちはオビトだった。その目の前を、銀髪の少年――はたけカカシが、一切の無駄がない洗練された足さばきで軽々と飛び越えていく。
「遅いぞオビト。そんな鈍くさい動きじゃ、実戦なら一瞬で首を刈られてる」
「なんだと~!? 言わせておけば冷血カカシめ! 俺が本気を出せば写輪眼が開眼して一発で――」
「はいはい、オビト。走りながら喋ると舌噛むわよ」
オビトの隣で苦笑していたのは、のはらリンだった。
「ふはははは! 青春の汗が止まらんぞ! カカシ! オレと演習場百周の勝負だ!!」
濃い眉毛を揺らし、一人で謎の爆走を続けるガイの横では、三代目の息子猿飛アスマが呆れたように頭を抱え、夕日紅が「ガイは今日も元気ね……」と苦笑いを浮かべていた。
アカデミーで忍について学んでいる幼さの残る子供たちであった。
そこにソウマがやってきた、まだ戦争は始まっていないので暗部として情報収集を主に行っているソウマは仕事帰りや仕事の休みの日には演習場や公園を回って里の平和を実感するのが習慣になっていた
「(今日は演習場誰か使ってるかな?ん、あれは) アスマにカカシか他のみんなはお友達か?」
演習場の入口から、呑気で温かい声がかけられた。
従兄弟である猿飛アスマが第一に反応した
「あ!ソウマの兄貴、なあなあ修行付けてくれるって話はいつになったらやってくれんだよ、親父は忙しいとか言って相手してくれねえしよ」
父サクモを通じて少し交流のあるカカシも会話に入ってくる
「ソウマさんは滅茶苦茶忙しいんだぞ?三代目様も忙しいに決まってるし、父さんだって最近はほとんど帰ってこないし、修行を見てもらう暇なんてないって」
ソウマが頭を掻きながら
「いやー悪いなアスマ、カカシの言う通り忙しくてな、休みの日はシスイの顔も見たいしな、今はぶらぶらしてるけど…」
「じゃあ今修行してくれよ!木ノ葉は風遁使い少ないから教えてやるって言われたのにさあ、俺最近チャクラ練れるようになったし兄貴と同じ火遁と風遁だから色々教わりたいのにー!」
「いいけど先に友達を紹介してくれよ」
オビトが一番に目を輝かせ、パーッと顔を明るくして駆け寄ってくる。
「オレ!うちはオビト!アンタが『不可視の風刃』の志村ソウマ!?」
「(表の俺はそんな二つ名ついてたっけ最近の任務じゃずっと面をした『フウガ』だから忘れてた) あ~なんかそう呼ばれたこともあるね、俺は結構うちは一族と交流あると思ってたけどオビトの事は知らなかったな、ご両親は?」
「両親は前の大戦で死んじまった、今はばあちゃんと暮らしてんだ」
「そっか……」
「オレ早く写輪眼開眼してさ、あの火影岩に写輪眼を刻んでもらうのが夢なんだ」
「そりゃデカい夢だ、なったらうちは一族初の火影だな、いいじゃないか」
「だからさだからさ!写輪眼のコツとか知らないの?同じ班だった『炎舞のキキョウ』とか奥さんのキョウカさんとか跡継ぎのフガクさんとか皆開眼早いでしょ!」
「(写輪眼の開眼条件なあ…教えてどうこうできるもんじゃないけど) 俺に聞く前に本人たちに聞けばいいんじゃない?」
「聞いたけどさ、教えてくんないんだよ『修行あるのみ』みたいな事しか言わないし」
「本人たちがそう言ってるなら俺からも同じことしか言えないな」
「ちぇ~」
「そっちの女の子達は?」
かなりの有名人である志村ソウマと初めて話す女子たちは緊張していた
「(オビトの奴はなんであんな平気なのかしら)ゆ、夕日紅です」
「(志村ソウマ!本物だ~!)のはらリンです」
「邪魔して悪いね、うーんやっぱ女子はチャクラがきめ細かな気がするな…繊細な術向きか?」
「一応私は父から幻術向きだと言われてます」
「私は医療忍術の勉強をしてます」
「やっぱりか、幻術は便利だけど気を抜いている相手とか格下にしか効かないからちゃんと基礎も訓練しないとね、医療忍術は滅茶苦茶重要だから、適性アリなら勉強する価値はすごい高いよ、俺も同じ班にいた医療忍者に何度も救われたし。
それで最後顔の濃いキミは…?」
「燃える漢!カカシのライバル!マイト・ガイです!志村ソウマ殿!」とビシッとポーズを決めた。
その熱量に引き気味になるソウマ
「お、おう………カカシ、お前のライバルは強そうだな」
「別にオレはライバルとか言ってないんですけどね…」
「まあとにかく皆もうチャクラは練れるみたいだし、そうだな皆で俺にかかってきなよ、どの程度できるのか見てあげる」
その言葉にカカシが驚く
「全員で!?流石にそれは舐めすぎですよソウマさん」
アスマも同じように
「そうだよ兄貴、いくらアカデミー生だからって6人でかかったらいけ──っ」「ほんとに?」
アスマが言い終わる前に一瞬でアスマの後ろに回り込み、ソウマがアスマの肩を叩いた
アスマは絶句し、その動きに驚愕するカカシ達
「(な!?なんて速さ、全然見えなかった)」
「写輪眼があったら見えんのかな今の…」
「「(上忍ってこんなやばいの?)」」
「うおー!なんだいまの体運びは!?全然見えなかったぞ!」
アスマから肩を話してソウマが宣言した
「じゃ、改めて開始だ!」
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10分後にはカカシ以外は疲労困憊で座り込んでいるか倒れていた
カカシも今にも倒れそうで肩で息をしていた
「ハァ…ハァ…ソウマさん」
「ん?どうした?」
カカシは少し躊躇うように視線を泳がせた後、マスクで隠れた顔を上げ、まっすぐにソウマを見つめた。
「……あんたみたいに、強くなるには……どうすればいい?」
珍しく素直で、切実な問いかけだった。
カカシからみて父サクモは圧倒的な存在だったが、その父でも「もうソウマには勝てんな」と言わせるソウマへ、ひとりの忍として向けられた憧憬。
ソウマはフッと目を細めると、そっと手を伸ばし、カカシの銀髪の頭をぽんと撫でた。
「な、なんですか急に……!」
カカシが顔を赤くして身を引こうとするが、ソウマの手は優しくその頭を撫で続けた。
「カカシ。お前は誰もが認める天才で、めちゃくちゃ強い。技術もセンスも、10歳とは思えないレベルだ」
「……」
「だがな、本当の『強さ』ってのは、自分の腕前や術の凄さじゃない。……どれだけ仲間を想えるかだ。一人で背負い込むな。仲間たちを信じろ。それさえ忘れなければ、お前は俺なんかより遥かに強い忍になれる」
ソウマの言葉が、カカシの胸の深いところにじんと染み渡っていく。
カカシは一瞬、言葉を詰まらせた後、深く小さく頷いた。
「……分かりました、覚えておきます…」
「よし、じゃあ一旦ここで休憩な、とりあえず皆にアドバイスしてやるか…カカシ以外は術とか以前に基礎体力を鍛える時期だからそっちの方が大事だな」
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夕暮れ時。
ソウマは家に帰ってきた
「ただいま」
シスイを抱っこした妻キョウカがソウマを出迎える
「お帰りなさい、ほらシスイ、お父様が帰ったわよ?」
シスイが小さい手を振って答える
「おーありー」
ソウマがキョウカからシスイを受け取って抱き上げる
「お~偉いなシスイ」
シスイはキャッキャッと騒ぐ
日が暮れ、シスイを寝かしつけた後ソウマとキョウカが語らっていた
「今日はお仕事帰りにどこに寄ったんです?」
「ああ、演習場を覗いたらサクモさんの息子のカカシとアスマがいてな、その友達と修行──とも言えない程度に遊んでた」
「ああアスマ君ですか、実はたまに家に来て『ソウマ兄貴は居ないんですか…』なんて言ってシスイと遊んでくれたりしますよ」
「なんだそうだったのか、言ってくれれば少しくらい時間作るのに、アイツも三代目の息子として思う所があるのかねえ」
「そうですね、三代目の長男は早くに火影直属の暗部に入ってしまって名前が表に出てこないですから、ほとんどの里の人が彼を三代目の息子として見ていてプレッシャーがあるのでしょうね、同い年のカカシ君は相当出来る子のようですし」
「ああ、今日見たから分かるけどカカシはすごいなアレは、サクモさんが自慢するのも無理はない、10歳とは思えなかったよ俺の10歳の時よりも出来るんじゃないかな」
「そうなんですか?ソウマさんも10歳の頃にはもう術が使えていてすごかったと思いますけど」
「術も使えるだけじゃなくて戦いの組み立て方まで考えてる感じだったな、サクモさんが仕込んだのかねえあれは。それでもまだ10歳だ、せめて下忍になる12歳まではアカデミーで過ごせるようにしてやりたい、俺達の時もそうだっただろ」
「そうですね…前の大戦は私たちが幼い頃は大きな戦いが無くほとんど小康状態だったから私たちは里で過ごせましたが、もし大きな戦いが頻発して人手不足になったら…」
ソウマはキョウカの手を握った
「そうさせないために俺が、他のみんなが頑張るんだ、キョウカはシスイと一緒に俺の帰ってくる家を守ってくれ」
キョウカはソウマの手を握り返した
「はい、待っています、この家で」
ゴロゴロ……と。
遠く、国境の方角から、まるで雷鳴のような低い地響きが風に乗って聞こえてきた。
各大国が蠢き、うちはマダラが暗躍し、世界を呑み込もうとする破滅の炎――『第三次忍界大戦』の足音が、すぐそこまで迫っている。
こいつらとは戦争前に会っておかないとね
ソウマは23歳、カカシ世代は10歳ですね、実はオビトってカカシ達より一歳年上なんだよね、留年したのか?ガイも入学試験に落ちたからカカシとは別学年のはずなんだけど…同期扱いだから良くわからん(NARUTOあるある)