ソウマと綱手が岩隠れに援軍についてから数日、木ノ葉からの補充要員も到着し岩隠れ戦線は安定していた
安定、といっても散発的に常に戦闘は起きておりお互いに攻め時を伺っている状態だった
ソウマは飛雷神で前線を飛び回って岩隠れを蹴散らして回っており、戦況は木ノ葉優位に持ち込んでいた
そんな状態がしばらく続いたある日、感知部隊の指揮をとる山中いのいちが声を上げた
「岩隠れの大部隊を感知!中にデカイチャクラがいる!土影だ!」
それを聞いたソウマもその場でじっと目を閉じて集中、自然エネルギーを集めて仙人モードで感知した
「これが土影、両天秤のオオノキか…」
まるで岩のように固く、重厚なチャクラの印象を受けるソウマ
「出ます、周りはお願いできますかダンさん」
「任された、チョウザ前衛は頼む」
「ええ、行きましょう」
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岩隠れはオオノキと黄ツチを先頭に進軍していた
「親父、移動ぐらいフワフワ飛ばないでチャクラを温存したらどうだ」
「最近腰にきとるんじゃ、歩きより多少チャクラを使ってもこっちのほうが楽じゃぜ」
そうして木ノ葉と岩隠れの部隊が対峙する
「あの若者が『火猿仙人』志村ソウマか…父のダンゾウは知っておるが今や息子のほうが有名人じゃぜ、黄ツチ、予定通りお前は他にあたれ、ワシがあやつの相手をする」
黄ツチが悔しそうに答えた
「分かってる」
ソウマも土影を視界に捉えていた
「あれが土影の両天秤のオオノキか、本当に浮いてるんだな」
既に籠手に収まっている猿空は興味深そうに
「聞いた話じゃアイツの主軸は土遁で塵遁は必殺技なんだろ?土遁で浮けるならオレもできんのかな」
「他の里に術は教えてくれないだろうなあ」
「ならよ、戦争に勝った時のジョーヤク?に入れてもらおうぜ」
「そのためにはまず勝たないとな」
「おう!」
両軍は自然とソウマとオオノキから離れ、ダン、チョウザらの率いる部隊と黄ツチの率いる部隊が交戦距離に入った
ソウマとオオノキも目があう距離になり、ソウマが仕掛ける
「『仙法・風遁真空大玉』」
「『土遁・剛隷武の術』」
ソウマの風遁をオオノキの土遁が防ぐ
「(これが土影…他の忍と違って風遁で土遁を貫通できなかった)」
「(一発防いだだけで剛隷武がもう使い物にならんか…これは予想以上じゃぜ)」
ソウマは猿空を伸ばして構えた
オオノキは
「『土遁・拳岩の術』」
拳を岩で覆った
「(拳岩…やはり基本は土遁というのは間違いないか、しかも接近戦をやる気か?あの年齢で?)」
ソウマはオオノキが素早い動きはできまいと接近戦を仕掛けるつもりだったが相手から接近戦をする術を使用したことに疑念を持つ、その瞬間オオノキがその年齢からは想像もつかないような速度で宙を飛び、ソウマに殴りかかった
「(速っ!?こんなに早く飛べるのかよ!)ハアッ!」
思わぬ速度に驚いたのは一瞬、素早く如意棒で拳を迎撃した
カン!
拳を弾いたソウマはその感触に違和感を持つ
「(なんだ?あの速度の割に威力がなさすぎる…?)」
そしてオオノキが次の拳を放ち、迎撃の如意棒とぶつかるその瞬間
「『土遁・加重岩の術』!」
「(っ!これはっ!?)」
ドガァァン!
ソウマは後方に吹っ飛ばされたが空中で体勢を立て直し素早くオオノキに向き直る
「なるほどな、重さを操る術か空を飛べるのもそれの応用ってことか?」
「ふむ、流石に上手い、初撃の軽さを見て侮った相手に次は重い一撃を叩き込むワシお得意の流れじゃぜ?
だが初撃が軽すぎて違和感を覚えて次の攻撃が重いと判断するや自ら後ろに飛んで衝撃を逃がしたか」
「こういう意識の裏を突くのが大得意な師匠に鍛えられたんでね」
「扉間殿か…」
「流石ご年配、先生と顔見知りか?」
「少しだけだがな、柱間殿はその…面白い方だったからその舵取りが大変そうじゃったな、マダラの事もあったしな」
「うちはマダラ、ね…」
扉間が生前研究していた様々な事はヒルゼンやダンゾウ含め、弟子達に分散して伝授されている、ソウマは自身がうちは一族を妻に迎えたこともあり、うちは一族や写輪眼に関する研究内容を引き継いでマダラに関しても寿命が近づき寝込むことの多くなった扉間本人から詳しく聞いている、いかに脅威だったかも含めて…
「話がそれた!続きじゃ!さあこれをどうする!」
オオノキが両手をかざし、そこに光が生まれる
『塵遁・原界剥離の術』!」
あらゆる物質を分解して塵にする必殺の光がソウマを襲う──!
「遅すぎる」
フッ
ソウマは離れた位置にあらかじめマーキング付き手裏剣を配置してあり、飛雷神で飛んで避けた、そして近づきながら言う
「塵遁、防御不可能、当たったら終わりの術、それだけ聞いたら最強のように聞こえる、だが俺からすれば発生が遅すぎる術だ、当たるわけがない。若い頃はもっと発生が早かったのかもしれないが、今はもう固定砲台としてしか使っていないのが答えだろ?」
オオノキが怒りに震える
「くっ!若造がなめおって…」
「聞いた話じゃサクモさんがやられた時は人柱力も集中して消耗させてやっとだったんだろ?今見せてもらった速度じゃそりゃサクモさんには当たらないだろうな、飛雷神なしの単純な速度ならあの人俺と大差ないし」
「ならばこうじゃぜ!『塵遁・原界剥離の術』」
オオノキは再び両手から塵遁を放つ、ソウマは同じように飛雷神で躱すがオオノキはそれに追従するようにその場で回転した
「ハアアアーーー!」
塵遁の光を周囲すべてに放って周りの岩地をすべて平にしてしまった
「ハァ…ハァ…これで消し飛んだじゃろ」
だが──
「『仙法・火遁火龍炎弾』!」
「っ!『剛隷武』!」
放たれた巨大な火炎の龍をオオノキはゴーレムで自身を覆うように出して防御する
炎が晴れてオオノキの眼に映ったのは依然健在の志村ソウマだった
「あんた、俺を舐めすぎだな」
ソウマは仙人モードの感知力を持つので目に見えない遠い距離でも自身と融合している猿空だけなら一瞬でチャクラも少なく転移できる、今は少し離れた後方の医療部隊に付けてあるマーキングに飛んで、塵遁で消し飛ばされた範囲を確認、最短距離にあるマーキングに再度飛んで火遁を叩き込んだ
オオノキは『飛雷神の術』は周囲のマーキング手裏剣を消してしまえば逃げられないと思い込んでいた、ソウマの仙人モードの感知力を知らなかったのだ
「(まずいな、これは塵遁は当たらんぜ、土遁でやるしかない)」
「土影、ここであんたを仕留める!」
ソウマは如意棒を構え、瞬身で一瞬で距離を詰めた
「『仙猿火一閃』!」
「防げ『剛隷武』!『土遁・岩分身の術』!」
オオノキはソウマの一撃を岩のゴーレムに防がせて、その隙に岩分身を数体生み出す
「「『土遁・拳岩の術』!」」
岩分身が拳に岩を纏わせてソウマに殴りかかる
それに対してソウマは如意棒に風遁を纏わせて薙刀のように刃を作った
「『仙猿風真空斬』!」
ズバンッ!
オオノキの岩分身は振りかぶった拳岩ごと体を両断されただの岩に戻る
「(分身とはいえ拳岩ごと一刀両断とはとんでもない切れ味じゃぜ)」
ソウマは岩に戻った分身を蹴飛ばし、そのまま他の岩分身もすべて切り裂いた
「(こりゃあ接近戦は無理じゃぜ、空から術で攻撃するしかない)」
オオノキは上昇して高度を取り、術を放つ
「今度のは攻撃用じゃぜ!『土遁・剛隷武の術』!」
周囲の岩を巻き込んで大きなゴーレムを生み出し、ゴーレムはソウマに殴りかかりオオノキも同時に攻める
「『土遁・岩節棍』!」
ソウマはゴーレムの拳を避け、避けた先に降ってきた土遁の槍は如意棒で叩き落とした
そしてその勢いのまま大きなゴーレムの足に攻撃する
「(こういうのは足元から崩すのが鉄板!)『仙法・風遁真空斬波』!」
ソウマは風の刃を放ってゴーレムの足首あたりを切断する、ゴーレムはバランスを崩すがすぐに体の別の部位から岩を移動させて足を再生、その場に踏ん張る
「(流石にそう簡単じゃないか)猿空一旦戻れ、次の攻撃で決める」
「了解だ!」
猿空は縮んで籠手に収まる
「さて…『手裏剣影分身の術』!」
ソウマは得意のマーキング手裏剣をばら撒く
「(マーキング付き手裏剣じゃな…だが塵遁で消すにはチャクラ消費がでかすぎじゃぜ、とりあえず近いモノだけゴーレムで吹き飛ばしておくか)剛隷武!暴れろ!」
ゴーレムはその場で足を踏み鳴らし、足元の手裏剣を吹き飛ばしたがその隙を見逃すソウマではない
「『仙法・風遁風纏の術』 『風掌打』!」
ソウマはゴーレムの横っ腹に風遁を纏った掌底を打ち込み、ゴーレムの腹が欠け、バランスを崩した
「早すぎじゃわい!『土遁・土石流』!」
オオノキは土石流を放ってソウマを遠ざけ、その間にゴーレムは体を再生させ体勢を立て直した
ソウマは飛雷神で距離をとって次の攻撃に移る
「『仙法・風遁真空玉』!」
ソウマは風遁の弾丸をゴーレムの肩に乗るオオノキに向かって複数飛ばしたが、オオノキに当たるものは当然ゴーレムが手を掲げで防御し、それ以外は後ろに流れた
間髪入れずにソウマが術を放つ
「『仙法・火遁鳳仙花爪紅』」
「(飛雷神マーキング手裏剣に火遁を纏わせて放つか、じゃが!)剛隷武!薙ぎ払うんじゃぜ!」
ゴーレムが巨大な腕を振り回して手裏剣を吹き飛ばした、次の瞬間──
ゴーレムの左右で爆発が起き、吹き飛ばした手裏剣が軌道を反転して再びゴーレムを襲う、これには腕を振るった体勢のゴーレムは対処できず、胴体や腕にいくつか手裏剣が突き刺さった
「今の爆発は…そうか先に風遁に仕込んだんじゃな」
「そうだ、先に撃った風遁は一定時間が経ったら爆発して突風をまき散らすもんだ、『真空玉』に交えて撃っておいた、そこにタイミングを合わせて『鳳仙花爪紅』で手裏剣をばら撒いて二弾攻撃させてもらった」
「器用じゃのう…じゃが!」
ゴーレムはその場で体を流動的に動かし、刺さった手裏剣を排出した
「これで飛べんぜ」
「いや仕込みは済んだ、『影分身の術』」
「(影分身!一気に来るか)」
オオノキは警戒を高める
影分身で一人増えたソウマは両方が如意棒を伸ばして構え、そして──
フッと消えた
オオノキは離れた手裏剣に飛んだと考え即座に周りを見渡すがソウマは見当たらない
「(何!?奴はどこに行っ─)なんじゃと!?」
ソウマは本体、影分身ともにゴーレムの脇腹付近にいた、飛雷神のマーキングをゴーレムの横腹に『風掌打』を叩き込んだと同時に付けていたのである、その後の『鳳仙花爪紅』による攻撃などはただの時間稼ぎとマーキング手裏剣を処理したと相手に思わせるためのブラフ
そして
「「『仙法・飛雷神・風火双閃連舞』!」」
「オララララ!」「ハアアアアア!」
本体と影分身、二人のソウマが火遁を纏わせ打撃力を強化した如意棒と風遁を纏わせて切断力を強化した如意棒をそれぞれ持ち、ゴーレムを連続で襲った、しかも打撃の隙をついてさらにゴーレムの体の様々なところにマーキングを付与、あまりのスピードにゴーレムの巨体では対応できず、体が一気に崩れた、肩の上に乗っていたオオノキを射程圏内に捉える
「(いかんっ!)『岩分身の術』!」
オオノキはとっさに周囲に岩分身を生み出して盾とするが
「ぶっ飛ばす!」「切り裂く!」
「「ハアアアアアーーー!」」
二人のソウマによって岩分身は砕かれ、切り裂かれ、ついに本体のオオノキにソウマの一撃が直撃する
「ぐぅおおおおお!」
『軽重岩の術』で軽くなっていたオオノキはソウマの一撃で大きく吹き飛んでいき、離れた地点に墜落した
ソウマはそれを追いかけトドメを刺そうとする
岩隠れの忍の一部はオオノキの様子を見ていたため、信じられない光景に目を疑う
「土影様が…負けた…?」「ありえん!」「流石にお年か……?」
黄ツチが救援に向かう
「お前達そんなこと言っている場合か!親父の援護だ!」
だが木ノ葉も黙ってみていない、チョウザらが立ちふさがった
「ソウマの元へは行かせん!」
ソウマがオオノキに追いついた
「ぐ、くそ……ワシがお前のような若造に…」
「年齢というより、相性だな爺さん、安らかに──」
「『熔遁・灼河流岩の術』!」
ソウマは飛んできた熔岩を避ける
「今のは火遁じゃない…熔遁、四尾の人柱力か、巨大なチャクラが近づいてるのは感知してたがその前に土影を仕留めたかったが間に合わなかったか…」
ソウマはオオノキの横に並ぶ老人を見る
「ふむ、だらしがないなオオノキ、そんな若者に負けるとは」
「ろ、老紫か…お前に助けられるとはな…」
「すまんな若者、ワシ個人としてはオオノキがどこの誰に負けようがどうでもいいが、岩隠れの忍として土影を見殺しにはできなかったので横槍を入れさせてもらった」
「構わない『仙法・火遁豪炎』!」
ソウマは火遁で広範囲をオオノキごと焼き払おうとする
「なんと見事な火遁、『熔遁・熔岩流』」
老紫も広範囲に熔岩流を吐き出し、ソウマの火遁を相殺するどころが飲み込み、ソウマに熔岩流が迫る
「(やっぱ火遁じゃ熔遁を相手にすんのは無理か!)」
ソウマは下がって回避した
「この死にぞこないを持って帰らないと行かんのでな、今日のところはここまでとさせてもらおう、さらば!」
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土影の敗北と老紫の救援によって岩隠れは撤退、木ノ葉も追撃したことで戦線を一気に押し返し、はたけサクモ死亡から追い込まれていた木ノ葉は戦況を一気に好転させた
シカクがソウマを労う
「良くやってくれたなソウマ、土影を足止めできればいいと思ってたが撃破までいけるのは想定以上だ」
「相性ですよ、塵遁はやはり避ける手段がある場合は大した脅威ではなかったです、その上接近戦では俺が圧倒的有利、あの年齢の割に動けてはいるんでしょうけど流石に俺の速度についてくるのは無理ですね。
三代目風影のほうが俺からしたらよっぽどキツイ相手でした」
「まあそれもお前に飛雷神があるが故だな、トドメを刺せなかったのは残念だが重傷な上におそらく土影もソウマとは相性が悪いと判断して今後はぶつからないだろうな、となると今回援護に来た四尾の人柱力と、五尾の人柱力だな」
「そうですね、熔遁はやはり火遁で相手するのは無理だと思うので風遁と棒術、体術で何とかするしかないと思います」
「とにかく岩隠れもすぐには動けないだろう、ちゃんと休んどいてくれ」
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岩隠れ戦線は土影撃退という戦果をあげ新たなる段階に進んでいた、ソウマは四尾の人柱力の熔遁から不思議な感覚を感じつつ、休息に入った──
オオノキってなんで両天秤って呼ばれてんだろう
「天秤がどちらに傾いても良いように両方と関係を持っておく」みたいな意味らしいです
裏では暁を利用してたらしいし、無(ムウ)もそんな感じの教えをしてたみたいだからそういうあくどい事をずっとしてたんですかね
でもBORUTOでまた闇落ちしてるのは絶対いらなかったと思う
塵遁、効果は強いんだけど術のパターンが一つしかないうえに、オビトがサスケを取り込んだ上(その間オビトは実体化している)ですり抜け出来るぐらいには発生が遅いのでどう考えてもソウマクラスの早い奴に当たらないと思う、ミナトにも当然当たらない、雷影も余裕だろうな
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