神無毘橋の戦いから数か月、戦闘は急速に減り始めた
雲隠れは三代目雷影の息子が四代目雷影を継ぎ、人柱力二名も未だ健在だが三代目雷影という圧倒的な力を失ったためか戦闘を控え始めた
岩隠れはすでにジリ貧、重要な補給線の寸断によって劣勢が濃厚になった、こちらも土影、人柱力二名共に健在だったが木ノ葉相手にはそれらを動かしにくくする志村ソウマと綱手がおり、通常戦力では常に木ノ葉に負けていた。実際は綱手は婚約者のダンを失ったショックで戦えないのだが岩隠れ側は知る由もない
霧隠れは忍刀七人衆という中心戦力の半数が死亡、その戦力不足を補う作戦を実施したが、はたけカカシが人柱力にされたのはらリンを殺害し、作戦は失敗に終わる
砂隠れは早々に木ノ葉に降伏して他里との戦闘も終了、木ノ葉の同盟国だが実質的には属国化していた
ここで三代目火影・猿飛ヒルゼンは戦争終結のため各国に知らせを送り、このまま木ノ葉が押し込んでしまえばいい状況の岩隠れにすら譲歩の姿勢を見せたことで岩隠れ、雲隠れ、霧隠れはそれぞれ戦争終結の条件を受諾、各国同士も戦争終結の条約を結び、ここに第三次忍界大戦は終戦した、開戦からおよそ五年──各国はあまりにも人的資源を失いすぎた……
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──各国と条約の締結が成される少し前、木ノ葉隠れの里、火影邸
ヒルゼン、ダンゾウ等上層部とソウマ、ミナト、自来也、大蛇丸──戦闘の終了した各戦線から主要メンバーが帰還していた、念のためまだ軍勢はある程度国境に残してある
ダンゾウはヒルゼンの思わぬ提案に聞き返す
「ヒルゼン本気か?雲隠れはともかく、状況からして対岩隠れはもう実質こちらの勝ちだぞ、対霧隠れも同様だ向こうはもう戦力が無い」
「分かっておるが…もう木ノ葉も、いや木ノ葉だけではない各国ともに命を失いすぎた、一体何人死んだか分からんほどの戦争じゃ…これ以上は必要あるまい、木ノ葉は勝ったのだ」
「それはそうだが、特に岩隠れ相手の条約がぬるすぎるぞ?せめて賠償金ぐらいはもう少し取らねば」
「オオノキはソウマにやりたい放題されて怒り心頭みたいじゃがいざとなったら怖い男よ、どんな手段を取ってくるか分からん、そうなる前に戦争を終わらせたい、そしてワシは責任を取って火影を引退する」
その言葉にはダンゾウは「やはりな……」とつぶやいただけだったが周りが反応した
自来也は
「なんだ、火影は疲れたか、猿飛先生よォ」
大蛇丸は黙ってみている
ソウマは
「引退する必要は無い気もしますが…辞め時を探してはいましたもんね」
ミナトは
「……三代目、お疲れ様でした」
そんな各人の反応を見てヒルゼンは
「ガハハ!まあ今すぐではない、引継ぎや根回しもある、ここにいる者は皆知っていると思うが、以前から相談していた通り四代目はミナト、おぬしに頼むからな」
「はい、この中で一番若いオレがやるのはなんだか責任重大ですが…」
「ワシだって自来也を勧めたかったがのう…」
「絶対いやだ、めんどくせぇのォ!」
「ワタシはやってもよかったんだけどねェ…先生が自来也がダメならソウマを推薦したいって顔に書いてあったし、綱手はアレだし、ワタシの研究時間がなくなるのもイヤだしねェ…」
「俺は父上から『根』を引き継ぐんですから火影なんかやってる暇ないに決まってるじゃないですか、分かってて言ってましたよね三代目、しかも俺が火影になったら色々政治的に面倒すぎるじゃないですか、嫁がうちは一族で妹は分家とはいえ日向に嫁に行ったんですよ?両方の一族から絶対突き上げられて俺の胃に穴が開きます」
そう、志村ソウマの妹カエデは日向の分家、『日向ヒザシ』の嫁に行っていた、すでに第一子を妊娠中である
「なぜワシの弟子達は火影になる気がないのかのう…初代様や二代目様が聞いたら悲しむわい…
とにかく!ミナトに色々託す前に終わらせねばならんことは沢山ある!おぬし達も協力すること!」
「へーい」「まあ一旦戦争は綺麗にしたいわねェ」「了解です」
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ソウマとミナトは並んで歩き、里の広場にある慰霊碑に向かった、目当ての人物がいつもそこに居るからである
「先生、ソウマさん」
「カカシ、今日もここかい」
「バカだった自分をいつまでも戒めたくなるんで……」
そんなカカシにソウマはあえて何も慰めるような台詞は言わずに
「カカシ、ミナトが四代目火影になる」
「!?そうですか、おめでとうございます」
「カカシにはオレ直属の暗部になってほしいんだ、オレが火影になるタイミングに合わせてダンゾウさんも引退してソウマさんが『根』を引き継ぐけどそっちとは別だね、情報連携はするけどカカシに命令できるのはオレだけって事、オレが最も信頼できる部下でしょ?カカシは」
「オレが先生直属の……分かりました」
「まあ今すぐという訳でもないからね、戦争は終わったよ…しばらく休むといい」
「分かりました(オビト…先生が火影だってさ、リンにも教えてやらなきゃ…)」
フラフラと墓地に向かうカカシを見つめるソウマとミナト
「ありゃあ、重傷だなあ…」
「オビトだけでなくリンまでですからね、リンは敵の何らかの術にかかっていたらしくカカシの千鳥に自ら突っ込んだと聞きましたからね…オレは肝心な時はいつも遅い…」
「お前もあんまり自分を責めんなよ、カカシのメンタルケアのためにお前のそばに置くのにお前がそれじゃ意味ないだろ」
「オレは家に帰ればクシナが居ます、カカシにも誰か…」
「まあ暗部の仕事させんのも良いけど、アカデミーの子とかと触れ合わせた方が良いだろ、なんかシスイは気付いたらすごいデカくなったし、俺とは似ても似つかない大人しい子供になっててビビったけどさ…」
「キョウカも次の子を妊娠してるんでしょう?赤ん坊とかと触れ合わせてやったら少しは改善するかも」
「そうだな、あとずっと戦争だったから有耶無耶になってたがカカシがオビトの写輪眼を受け継いだこともうちは一族に説明に行かないと」
「オレも行きますよ」
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──うちは居住区の中、うちは本家の屋敷
「うちは一族以外の者が写輪眼を持つなどありえん!いますぐ没収しろ!」
「老公、それは俺の息子が開眼したときも同じことを言う気か?」
うちは本家の屋敷では、はたけカカシがうちはオビトから死に際に写輪眼を託されたことを担当上忍のミナトとソウマが説明、案の定老人は反対をし、ソウマが自分の息子はどうする?と反論していた
「そっ、それは……」
「当主のフガクの意見は?」
フガクは腕を組み、静かに答えた
「オビトがはたけカカシに託した意志を尊重して、カカシに託す、オビトのおばあ様ももう亡くなった、一緒にカカシを見守ってくれているだろう…
聞いた話ではその後数か月使っているが使えているのだろう?うちは一族の体ではないから多少反動があるようだが」
ミナトがフガクの言葉に賛同する
「うん、オレはしばらく見ていたけど相当使えている、ハッキリ言って開眼数か月のうちは一族でもあそこまでは出来ない、やっぱりカカシは天才だったね…」
「分かった、今度俺も本人に話をしに行く、どの程度か見てやろう、それでいいな?」
フガクが『兇眼フガク』と恐れられた目つきでうちはの老人衆を睨んだ
「あ、ああ……」
老人は震えて頷くことしか出来なかった……
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自来也、大蛇丸、ソウマは里から去っていく綱手と亡くなった婚約者ダンの姪で綱手の弟子であるシズネを見送っていた
「女風呂を覗いたワシを半殺しにした綱手が、ああなるとはのォ…綱手を泣かすとはダンめ、罪な男だ」
「血を見れなくなったなら忍者としても医者としても終わりよねェ」
「あの時の綱手様はお二人には見せられません…一応シズネには俺のマーキング札と手裏剣を持たせました、場所は把握できるでしょう」
「しばらく、そっとしておいてやるしかないのォ」
「有利な戦況だったにもかかわらず、とにかく戦争を終わらせたかった三代目の気持ちが分かりましたよ俺は、あの綱手様を見たのもあったんでしょうね、あの人弟子は可愛がるタイプでしょ」
「猿飛先生は、甘いのよねェ」
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そうして、第三次忍界大戦は戦勝国である木ノ葉にも爪痕を残し、終結した
第三次忍界大戦のアレコレを片付ける回でした
これでも大事なイベント以外はすっ飛ばしたんですけどそれでも第三次忍界大戦12話もかかったわ、第四次忍界大戦の二日間で四年も連載してた岸影の気持ちが少しわかりました、どう考えても詰め込み過ぎ
あ、もちろん大蛇丸はヒルゼンが自分を推薦する気ないの分かってて見栄張ってるだけですよ、実際ははらわた煮えくりかえってます
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