ナルトが生まれてから数日、九尾に破壊された街並みの復興が開始していた
火影邸の会議室では先日の九尾事件の詳細とその際に現れた面の男についての情報共有が行われていた
集まったのは四代目火影・波風ミナト、暗部の長・志村ソウマ、相談役としてヒルゼン、ダンゾウ、当事者のクシナ、うちはフガクとごく限られた人数だけだった
情報を集めたソウマが話を始める
「九尾事件の死者は25名、そのうち10名はクシナの護衛についていて例の"面の男"に殺された暗部と…ビワコ様です、残りは九尾出現から俺が駆け付けるまでに不運にも近くに居た人達、流れた破片の当たり所が悪かった人たち、といったところです」
それ聞いたヒルゼンは
「ビワコの事は残念じゃった……しかし全体的に被害は最小限に留められたと言ってよいじゃろう、それもソウマが飛雷神ですぐに九尾のもとに駆け付けたのと、ミナト達が欠けることなく九尾の再封印が出来たおかげじゃな、本当によくやってくれた」
「いえ、オレはソウマさんが居なかったら『屍鬼封尽』で死ぬつもりでしたしクシナも助からなかったでしょう、本当にギリギリでした……、それから遺族への補填は十分に行う予定です」
「それはそうじゃな、して問題はやはり"面の男"か…会ったのはミナトとクシナだけ、戦ったのはミナトだけじゃ、どんな奴じゃった?」
「少しお話ししたと思いますが、改めて…こちらの攻撃がすべてすり抜けますが、こちらに触れておそらく自分の空間に取り込む時は実体化する、その一瞬のカウンターしか攻撃するタイミングが無いというとても不可解な能力でした、印も一切結ぶことなくそんな術を使うなど信じられません…最後も一瞬で消えて俺のマーキングの反応も消えました、その能力を使って結界をすり抜けたんだと思います。
そして、これはクシナや中にいる九尾に確認しましたがやはり写輪眼を持っています」
写輪眼、その言葉に自然とうちはフガクへと部屋の視線が向かう、フガクが口を開いた
「あの晩のうちは一族の全員の居場所を確認しました、夜だったため家族だけで家に居たという事でアリバイの成立しない者達も多かったですが、それを言い出したら影分身なども考慮したらキリがないため、少なくとも全員がどこに居たのかという証言とそれに矛盾はない、という事は確かです。なおかつ俺の"万華鏡写輪眼"を上回り、九尾をコントロールするような猛者は居ない、と思います」
ヒルゼンは腕を組んで唸る
「うーむ、そうか……そうなるとますます一体どこの誰なのか分からんな」
ダンゾウは別の可能性を提示する
「フガクの把握していない写輪眼の開眼者や万華鏡写輪眼の開眼者が居るという可能性は?」
「俺以外万華鏡写輪眼を持っている者は居ないと思いますが…俺からすれば万華鏡写輪眼はうちは本家に伝わる秘密だったのに皆さんがご存知な事が驚きです、存在を知っているだけならともかくソウマさんに至っては俺が万華鏡写輪眼持っていることを確信していたでしょう?」
「俺は扉間先生からうちは一族と写輪眼の研究資料を引き継いだから知ってんのさ、俺の嫁はうちは一族だし息子も娘も開眼する可能性があるだろ?三代目と父上も同じような理由で知ってるし、ミナトも火影だから知ってる、クシナは……知らなかったか」
「知らなかったです、万華鏡写輪眼って普通の写輪眼とは違うの?フガク」
「全くの別物だ、写輪眼の能力は知っているだろうが万華鏡写輪眼になると加えて固有の瞳術を獲得する、俺の左目は『建御名方(タケミナカタ)』と言って視た相手のチャクラ制御を奪う能力だ、九尾のチャクラが規格外すぎて少し動きを止めただけだったが本来なら相手が一切チャクラを練れなくなる」
「強力な代わりに使い過ぎると失明のリスクが伴う、だろ?フガクは平気か?」
「連続使用したわけでもないのであれぐらいなら平気です、チャクラは大量に使いますがね、砂の守鶴と戦った時は砂隠れに見られるのを恐れて使いませんでした、すみません」
ミナトが答える
「それが正解だね、砂は同盟国とは言えフガクの万華鏡を見られたくはないね、守鶴は元から封印手段あったから九尾とは事情が違うしね」
「一尾の守鶴と九尾両方と戦ったことのある俺の感想だが、九尾は一尾とは桁が違った、一尾と戦った時も規格外のチャクラに驚いたもんだが九尾はもうスケールが分からないぐらいのデカさに感じた、あれを封印出来てるクシナがすごいよ……」
「照れるってばね、でもソウマさん、体調の回復してきた私の感覚だけど九尾が半分になったから少し負担がマシになったかもしれません、これなら私も少しは九尾チャクラを使えるかも……将来ナルトにも教えてあげないといけないし」
ミナトも同意する
「オレもクシナからその話は聞いています、九尾は半分にしてやっと他の尾獣と同じように扱えるかもしれないってことですね」
ダンゾウも
「それは良いな、木ノ葉は九尾の人柱力が二人という少々おかしな状態になったが、制御できるなら問題はあるまい」
ソウマは言う
「そのことなんですけどね、木ノ葉ももう人柱力を秘密にするのはやめましょう、戦場に出ている者達はとっくに知っていることですし、大人は皆クシナが九尾を持っている事は察していたでしょう、それにあの晩の九尾は里の全員が見ています、事情を知らない者はどこから湧いたのかって話にもうなっていますから下手に隠すよりも九尾の人柱力の封印が解けてしまってミナトが半分に分けてクシナとナルトに封印したってことを話してしまったほうが良いです。面の男の事は秘密にしますが」
「ふむ……ミト様ですら九尾のコントロールなどとてもではないができなかったし、木ノ葉は人柱力に頼らすとも戦力豊富であったから秘密にされてきたが、ずっとそうである必要は無いか、ミナトも同意見か?」
「はい、遺族の目線はどうしようもありませんが存在を秘密している方がデメリットだと考えます、オレは戦争で雲隠れの八尾の人柱力・ビーと戦いましたがかなり尾獣を使いこなしていましたし、忍としても超一流、四代目雷影となったエーとの絆は間違いありませんでした、そして雲隠れは人柱力の存在はオープンになっています。ナルトにもそういう絆を結べる相手を探してほしい……」
「俺も岩隠れの四尾の人柱力・老紫とはさんざんやったが滅茶苦茶使いこなしてたし、強かったしな、言動からして土影とはライバル?みたいな感じだったぞ、木ノ葉で言うなら父上が人柱力みたいな感じかな」
「戦争で活躍したお前たちの判断のほうが大事じゃな、それに火影としての判断ならワシは止めん、ただ今までの人柱力が秘密にされていた時代に育った者への通達方法とこれからの教育内容は考えねばならんか……まあそこは火影を引退しアカデミーの校長業に集中するワシの仕事だな」
フガクが再び話を整理する
「万華鏡写輪眼の話からそれてしまいましたがなぜソウマさんは俺は万華鏡写輪眼持っていることをご存知だったんです?」
「ああ、それは万華鏡写輪眼の開眼前後だとチャクラの感じが違うんだよ、仙人モードは感知もそこらの感知タイプより上だからな、多分お前砂との戦線のどこかで開眼しただろ?なんか違うなって気づいて扉間先生の資料で色々読んで知ってたから多分万華鏡写輪眼の開眼だなって当たりを付けたのさ」
「そういう事でしたか……確かにそうです」
「それから……フガクの他に万華鏡写輪眼使える奴も多分いる、キキョウと……多分カカシも使える、本人たちは気付いてないと思う」
その言葉には会議室全員が驚く
「姉上が!?」「カカシまでじゃと!?」
ミナトは驚きながらも質問する
「ソウマさんがそう判断した理由はチャクラの雰囲気だけですか?」
「フガクの開眼前後の変化を見たからな、チャクラの雰囲気もあるが…俺はキキョウの写輪眼の模様が通常の三つ巴から変化しているのを見たことがある、カカシは雰囲気だけだが……アイツは十分以上に"万華鏡写輪眼の開眼条件"を満たしている、うちは一族の体じゃないのに開眼できるのか、流石の扉間先生もそこまでは調べてなかったから分からないけどな」
ミナトはカカシの境遇を思い、目を閉じながら
「そういう事でしたか、確かにカカシは……」
万華鏡写輪眼の開眼条件を知らないクシナは首をかしげる
「万華鏡写輪眼の開眼条件って何なの?フガク」
「────最も愛するものを失う事、だと言われている、もしくはそれに近い絶望感を感じるか……ソウマさん姉上の眼の模様が変わったのは……?」
「……アイツの結婚と、俺とキョウカの結婚が決まった時だ、当時は万華鏡写輪眼なんて知らなかったけどな……」
「やはり、そうですか……ただ元の話に戻しますと、姉上は実戦から遠ざかって長く、カカシもまたありえないでしょう、やはり面の男が写輪眼、及び万華鏡写輪眼を持っているのは確実ですが候補が居ません、居るとすれば……」
ミナトがフガクの言葉に続く
「『うちはマダラ』だと言いたいんだね?フガク」
その名前に反応したのはヒルゼンとダンゾウだ
「ありえん!マダラは柱間様が倒した!」
「マダラの死体は誰も知らぬところに扉間様が隠した、ワシらにも引き継がれておらぬから誰も知らんぞ」
「おそらく『うちはマダラ』本人ではないのだと思います、ただ九尾の封印が弱まるタイミングを知っており、あれだけの暗部を瞬殺し、九尾を瞳術で操る、マダラの思想を受け継いだ何者かが行動を起こしたと思えばある程度説明がつくと思いませんか?
写輪眼を持っている理由は謎ですが、把握していない所にうちは一族の誰かが居たとかですかね……」
ソウマは面の男に対する対策を考える
「とにかく、奴は結界をすり抜ける以上今この瞬間にも木ノ葉に入り込んでも誰も気づけません、木ノ葉を覆う結界は触れた時に感知するタイプですからね、中に入られた時に反応する結界を貼らないと」
ダンゾウが反論する
「しかしそんな大規模な結界はとても張れまい?今の木ノ葉を覆う結界も交代制で持たせているのだ、しかも特定の人物を感知する結界は対象のチャクラを知っていなければ出来ぬ」
「やり方は一応考えました、奴のチャクラを知っているのは多分俺だけでしょうから特定の対象を感知するタイプは無理です、それは俺が定期的に木ノ葉で仙人モードになって感知すればいいだけです。
もう一つの方法は里をいくつかの区画に区切ってその範囲内に何人人間が居るかの数だけ数える物が作れないかという事です、里の人口調査はしているでしょう?もし人数が合わなかったら何者かか侵入しているか、出生手続きをしていないってことですね、まあしない意味は無いので皆ちゃんとしているはずですが…」
ヒルゼンは思案する
「ふむ……どの道大規模な術式や設備は必要か…影分身等がどうなるかは気になるところだが」
「まだ構想段階ですからそういう問題も含めて結界班と協力して開発していこうと思います」
「火影を引退してゆっくりできるかと思ったが一年程度でこれとはのう…だが四代目火影はおぬしだミナト、ソウマもクシナもフガクもおる、頑張るんじゃぞ」
「分かっています三代目、今の火影はオレです、せっかく息子が生まれたのに四代目火影が情けなかったら申し訳ないですからね」
こうして『九尾事件』と呼ばれるこの事件は木ノ葉に大きな変化をもたらし、終結した
ミナト、クシナが生存したので面の男に対して色々対策をします、原作では誰も知らなかったからアイツは木ノ葉に入り放題でした、しょっちゅう墓参りに来てる黒幕って何なんだよ
ソウマが飛雷神で速攻駆け付けたので原作より九尾事件の被害は全然少ないですね、多分原作では百や二百は死人が出ているはずです
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