雲隠れによる日向ヒナタ誘拐事件からしばらく──
あの事件は雷影の「自分の知らぬところで使節団の上層部が暴走した」という筋書きに木ノ葉は乗ってやり、多額の賠償金とあの時木ノ葉に来ていた使節団の副使の首で事を収めた
火の国と雷の国の国境地帯に賠償金とその男の首を持ってきたのは四代目雷影の右腕のダルイだった
「この度はほんとすいませんね、ウチの馬鹿が」
ミナトは面識があったその雲隠れのダルイに答えた
「ダルイさんでしたか、この期に及んで雷影が出てこないとは…本当に雲隠れは木ノ葉を舐めているようですね、まあ良いでしょうこちらの提示した条件をのんでもらった以上はこの件に関してはこれで終わりです」
ソウマも相席している
「四代目雷影の右腕のダルイか、確か三代目雷影の部下だっけ?」
「そうっすね……(これが『火猿仙人』志村ソウマ…『黄色い閃光』もいるし戦闘になったら絶対オレ死ぬわ)」
「まあそうビビることはない、使者を殺すなんて野蛮な事は雲隠れじゃないんだからやらないとも、じゃあ約束のモノは貰ったからこれにて解散ってことで」
木ノ葉に帰ったソウマは『根』の底で雲隠れから差し出された死体を調べていた、横には大戦で捕虜にした他国の忍が居る
「今さら何する気だ?もう俺の情報なんて古いだろうに、さっさと死なせてほしいぜ」
「お望みをかなえてやろうってね、さて……」
ソウマは大きな巻物を取り出しそこに死体から採取した血を付け、地面に巻物を置き、複雑な術式が展開された、その中心には捕虜の男がいる
「何すんのか知らんが、やめてくれぇ!」
「『口寄せ・穢土転生』」
「ギャアアアアアアア!!!」
捕虜の男に塵がまとわりつき、その顔は雲隠れの副使の顔になる
「???なんだ?俺はダルイさんに……」
「ちょっと質問に答えてもらおうと思ってね」
「志村ソウマ!?俺はどうなった!?」
「『人格封印』っと」
「…………」
「さて質問だ、『日向ヒナタ誘拐の計画は雷影は知っていたか?』」
「…知っていた」
「やっぱね、『立案者は誰だ?』」
「…実際に侵入した使節団の頭領だ、雷影様は計画を聞いて承認された」
「『雲隠れは木ノ葉と同盟する気はあったのか?』」
「…ない、初めから木ノ葉に侵入して情報収集するために同盟の話は進めていた、そこに日向ヒナタという絶好の標的が居たから狙っただけだ」
「全く……砂ぐらい友好的な国は他にないもんかねえ、このまま雲隠れに戻して互乗起爆札をぶっ放してやりたいが流石にダメか、『穢土転生・解』」
ズザザザザザ…
穢土転生の塵が崩れて中から捕虜の男の死体が出てくる
「どうやら雲隠れ上層部は穢土転生をすっかり忘れたみたいだな、知ってたら死体は渡さない、まあ扉間先生も亡くなったし、長年表立っては使ってなかったから当然か、俺だって知らなかったし」
ソウマは扉間、そしてダンゾウから穢土転生を受け継ぎ、こうして情報収集に使っていた
「(生贄が必要なのがな…こうして生贄につかった奴を次に穢土転生して情報を抜き取ろうと思ったらまた生贄が必要になってそのループだ)とりあえずこいつはもう要らないから死体は処分だな」
今日も木ノ葉の『根』は影から木ノ葉を支えていた
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日向ヒナタ誘拐未遂事件から三年が経過した、今日はナルト達のアカデミー入学式だ
檀上では前火影にして今はアカデミー校長のヒルゼンが話している
「入学おめでとう諸君、ワシは三代目火影をやっていた猿飛ヒルゼンだ、今はもう引退したので校長先生と呼んでくれ、さてこの忍者アカデミーとは──」
保護者席には里の重鎮たちが勢ぞろいである、この世代のには里の上役の子供達が多くいた
何を隠そう四代目火影の息子『波風ナルト』がその中心だろう、そのナルトはだらっと座っている
「じいちゃんの話は長いってばよ」
隣の幼馴染のうちはサスケは背筋を伸ばして座っている
「静かにしてろナルト(うちは一族としてだらしない姿を見せるわけにはいかない!)」
すこし離れた所には次世代の猪鹿蝶三人、犬塚一族やサングラスをかけた油女一族の者、更には日向宗家の長女ヒナタがいる
一般家庭出身の者も混じっており、桜色の長髪が目立つ子も緊張した表情で座っている
「(めんどくせ~早く終わんねえかな)」
「(お腹すいた……眠くなってきた)」
「(彼がうちは一族ね~!イケメンだわ!)」
「(赤丸!強そうなやつは誰だ!?)」 「(わんわん)」
「(静かにしていなければ、なぜなら今は校長先生の大事な話だからだ)」
「(私やっていけるかな…ネジ兄さんと一緒の学年が良かったな…)」
「(やっぱ皆有名一族の子ばっかり見てるわね、しゃんなろーよ)」
保護者席ではそれぞれ談笑していた
「ナルトとサスケ君はアカデミーでも喧嘩しないか不安ね」
クシナの不安にミコトが答える
「男の子ならあれぐらい普通って皆言うじゃない、なんだかんだいっつも喧嘩していっつも一緒に遊んでるんだから仲いいわよね」
「シカクさん達の子、次世代の猪鹿蝶と同じ学年ですね、知ってはいましたけど改めてよろしくお願いします」
「ま、それは子供達が決めることだぜミナト」
「む、チョウジの奴寝てるぞ」
「いのは男の子ばっか見てるな、ハァ…女の子ってああなのかねえ」
「ソウマは今日は警備か?」
「そうですね、モミジちゃんは一つ上ですから去年入学式でしたし」
会場の外、アカデミーの建物上には面をつけて座り印を結んでいる仙人モードのソウマが待機していた
「(おかしな反応は無し……っと結局イタチの時以降"面の男"の目撃情報も無しか……)」
あれから面の男は一度も目撃されず、ソウマの感知にも里の結界にも引っかかってはいない
「(とはいえ日向の時のような警戒にも使えるしこの結界システムはどんどん進化させていきたいな。
そろそろ話が終わったか?三代目も長話だねえ、モミジは父上が構い倒すから自重してたが、木ノ葉丸が生まれてからはすっかり甘やかし爺さんだよ)」
去年のモミジの入学式は祖父ダンゾウが滅茶苦茶に気合を入れた格好で向かおうとしたため祖母ユウリとソウマが必死に普通の恰好で行くように止め、妹大好きシスイも写輪眼でガンガン周囲を威圧しながら記録していた、写輪眼は見たものを記録できるのである
そうこうしているうちに入学式が終わり生徒たちは教室に集まっていた
「はーい注目!俺が皆の担任のうみのイルカだ、よろしくな、知り合いもいるだろうけど皆に自己紹介を順番にしてもらおうかな、名前と……まあ趣味、夢、アカデミーで学びたいことでも何でも何か一言言ってくれ」
「秋道チョウジ、お腹いっぱいになる」
「油女シノ…蟲集めが趣味だ」
「犬塚キバ!最強になる!」
「うちはサスケ、兄さんを超える忍になる」
「春野サクラです、勉強頑張ります」
「日向ヒナタです、が、頑張ります」
「波風ナルト!夢は火影だってばよ!」
「奈良シカマル、え~……楽しく生きる」
「山中いの!結婚相手を探す!」
次世代を担う子供達のアカデミーでの日々が始まった──
流石のダルイもこの状況で「だるい」は言えなかったらしい
これが穢土転生の正しい使い方です
波風ナルトです、違和感半端ない
いや~原作キャラは分かりやすいですね、これがプロのキャラクターデザインですか
評価、お気に入り、しおり、感想ありがとうございます
誤字修正も感謝