エマワトソンと結婚だ!!……え?誰この金髪デコロリツンデレヒロイン?? 作:さくらいJAN
やあ、僕はロン・ウィーズリー。
そう、あのハリーの親友にしてエマワトソンの旦那さ!
まあつまりは転生者ってこと。
前世では小説で途中まで、映画では最後までハリーポッターシリーズを観てたから最低限の知識はある。
そんな僕だからこそ、自分がロンだと自覚したときは驚いたよね。
マーリンの髭!
ってね。
何より驚いたのは全員の容姿が映画準拠だったこと。
僕と兄たちと妹が絶妙に似てない。
パパとも似てない。
でも誰も違和感を覚えてない。
まあ僕としては慣れ親しんだイメージ通りで混乱せずに済んだけど。
キャスティングが変わったことで有名な可愛すぎるパンジー・パーキンソンとかはどうなるんだろうね。
もう捕まってるけどグリンデルバルドも。
まあそんなことより。
僕が冒頭で紹介したことの意味が分かったかな?
この先僕は原作通りにすればエマ・ワトソンと結婚できるということさ!
凄いことだと思わない?
こんな約束された勝利がある?
しかも魔法大臣になるキャリアウーマン。
その夫の僕はフリーター。
人生イージーモードじゃん。
そんな夢のような未来を夢想しつつ、
前世ではなかった魔法というおもちゃで(こっそり)遊びつつ、
暇つぶしに兄たちの教科書を読んだりジニーを可愛がったり、
スキャバーズからなるべく距離を置いたりしつつ幼少期を過ごした。
そしてとうとう迎えたホグワーツ入学の日。
双子が僕に色んなデマを吹き込んできたけど、原作を知ってる僕はへらへらと笑って聞いてた。
ジニーは恐れおののいてた。
というか誰か訂正しろよ。
ママも細かく教えてくれればいいのに。
そんなこんなでホグワーツ特急へ。
ダニエルラドクリフことハリーポッターを探して列車内をうろつくと、
早々に発見できた。
こんな可愛い男児おる?
流石大ヒット映画の主演だ。
比較的普通の見た目の僕は若干慄きながらも声をかけて向かいに座る。
「相席いいかな?他どこも開いてなくてさ」
映画のロンはどんな感じで声かけてたっけ?
あんまり細かいところは覚えてないや。
まあいいでしょ。
要点だけ抑えておけば。
適当に話を転がす。
デコの傷も見せてもらった。
変な形の傷だけど、偽物っぽくはない。
ちゃんとした傷跡に見える。
まあ魔法がある世界だしね。
これくらいは普通か。
ハリーの話を聞いたり、うちの貧乏鉄板トークを話したり、
気前よくお菓子をおごってくれたりした。
ちゃんと腹は減ってたのでうれしかった。
だから感謝はするけど、次は断らなきゃな。
歪な友人関係になっちゃいそうだ。
そうしてハリーと話してると、
ノックもせずに気の強そうな美少女が入ってきた。
「誰かヒキガエルを見なかった? ネビルのが居なくなったの」
僕の嫁!
と叫びそうになった。
やべ可愛い。
非のうちどころのない美少女だ。
これが他の人には芋っぽく見えてるの?
ハリーを見ても照れている様子はなく、急に現れた女の子に戸惑ってる感じだ。
マジかよ。
僕なんて顔が真っ赤になってる自覚あるよ。
もはや美醜逆転物じゃん。
彼女は自己紹介もそこそこに、すでにハリーについての知識をひけらかしている。
そういえばこんな子だったな。
まあまだ子供だし、自分の話ばかりになるのは仕方ないよね。
一通りしゃべって満足したのか、ハーマイオニーはヒキガエルを探しに戻っていった。
「あの子はレイブンクローかな?」
「レイブンクロー?」
こんな感じで寮の話に誘導した。
「ホグワーツにはグリフィンドール、ハッフルパフ、スリザリン、レイブンクロー
の4つの寮があるんだ。
1年生の最初にそれぞれの寮に割り振られて、あとは卒業までずっと同じさ。
寝泊りも寮でするから、友達は同じ寮の人が多くなるね」
「それってどうやって割り振られるの?」
ハリーは不安そうにこっちを見てる。
ダドリーのトラウマがあるのか、共同生活にいい思い出はないのかな?
この時のハリーの心理描写とか流石に覚えてないや。
「性格かな?
グリフィンドールは勇敢だけど猪突猛進の猪みたいな感じ。
ハッフルパフは大人しくて真面目なアナグマ。
スリザリンは姑息だけど身内を大切にするハイエナかな。
レイブンクローは勉強大好きで自分の世界に閉じこもってる研究者みたいな?」
「レイブンクローだけ人間で例えるの?」
「そりゃそうさ。
勉強するのなんて人間だけだもんね」
寮ごとの性格診断は僕オリジナルさ♦
多分合ってると思うよ。
「僕の家は全員グリフィンドールなんだよね。
みんな性格は違うけど猪突猛進なのは共通かな」
「ボクはどこの寮になるんだろう?
追い返されたりしないよね?」
「それは大丈夫だよ。
絶対どこかには割り振られるから。
まあでもスリザリンはお勧めしないかな。
あそこは純血主義って言って、血統を気にする魔法使いが多くてさ。
混血の魔法使いを嫌うんだ。
ハリーのお母さんはマグル出身なんでしょ?
ケンカになったら悪口とか言われちゃうかも」
「……そうなんだ」
はい、グリフィンドールへの誘導完了。
これは嘘でも偏見でもないぞ。
本当のことだ。
そんな話をしていると甲高い少女の声がコンパートメント内に響いた。
あれ?僕らが列車で会うのはハーマイオニーだけじゃないっけ?
「このコンパートメントにハリーポッターが居るって本当なの?
汽車の中じゃその話で持ち切りなんだけど……もしかして君?」
これはマーリンの髭!だ。
エマワトソンことハーマイオニーに勝るとも劣らない美少女。
長くて綺麗な金髪。
デコを出した髪型と、若干つり目がちの大きい瞳が素晴らしいバランスだ。
低めの身長と尊大な態度で、まるでアニメのようにキャラ付けされている。
古き良きツンデレだ。
ホグワーツの制服もよく似合ってる。
「そうだよ」
ハリーが答えた。
マジかよこいつ。照れてないぞ。
こんなにかわいいのに。
マジでこの世界の美醜がわからん。
むしろハリーは側近の大きめの男の子2人が気になるようだ。
彼らは映画で見た記憶がある。
……ということは、マジか!?
「あぁ、こいつはクラッブで、こっちがゴイル。
そして私がマルフォイ。
ドラセナ・マルフォイ」
「君がマルフォイ!?
あのマルフォイ!?」
思わず叫んでしまった。
未来の嫁には抑えてたのに。
これは予想外すぎた。
なんで女の子になってるんだ。
日本で大人気で有名なマルフォイの俳優さんはどこに消えてしまったんだ。
返せ!
いやでも目の前の子も残しておいて。
だって可愛すぎる。
「私の名前が変だとでも言うの?
君が誰だか聞く必要も――」
「あっごめんごめん。
そうじゃないよ。
君のお父さんについてよく聞いててさ。
すごく……、あー、仕事が的確で根回しが上手いってさ。
だからちょっと驚いたんだ」
「あらそう。
そういう君は……その赤毛で分かったわ。
ウィーズリー家ね。
あー……、子供が多くて大変そうだと聞いているわ」
「それは本当にそう」
こっちがケンカを売らなかったからか、
尊敬する父親を(含みがあるとはいえ)褒めたからか、
自称マルフォイもある程度気を使っているようだ。
「ポッター君?
その内家柄の良い魔法族とそうでないのとが分かってくるはずよ。
ウィーズリー家も……まあ歴史の長い純血の家だけど、マルフォイ家ほど格式は高くないわ。
間違ったのとは付き合わない事ね。
その辺は私が教えてあげましょう」
その言葉にむっとしたのか、
さっきの僕の純血主義の話を思い出したのか、
ハリーははっきりと断った。
「間違ったのかどうかを見分けるのは自分でも出来ると思うよ。
どうもご親切さま」
その言葉を聞いてマルフォイ(♀)の顔が赤く染まる。
恥をかかされたと思ったのだろうか。
さっきの僕に対する処世術を発揮すればよかったのに、
なぜそんな言い方をしてしまうのか。
坊やだからさ!
いや少女なんだけども。
「ポッター君。
私ならもう少し気を付けるわ。
……礼儀を心得ないと、君の両親と同じ道を辿る事になるわよ。
君の両親も、何が自分の身の為になるかを知らなかった様だし」
ひ、ひどい。
顔が良くともこれはダメだ。
教育が悪いよ教育が!
分からせが必要ですねこれは。
「ウィーズリー家やハグリッドみたいな下等な連中と一緒に居ると、
君も同類になってしまうわよ?」
「『シレンシオ 黙れ』」
流石に目に余ったので魔法を使った。
30分ほど声を発することができなくなる魔法だ。
入学式までには解けるでしょ。
魔法を使われたと気づいたマルフォイ(♀)
……もういいや。ドラキナと呼ぼう。
違和感が強すぎる。
魔法を使われたと気づいたドラキナは怒り狂ってクラップとゴイルを嗾けてきた。
その選択肢は間違ってない。
闇払い数人をぶっ飛ばすハグリットが証明したのだ。
フィジカルis正義だと。
とはいえ向こうもまだ子供。
ましてやトロい2人だ。
この呪文でいいだろう。
「『ペトリフィカス・トタルス 石になれ』」
クラップの方に石化呪文を使った。
原作でハーマイオニーがネビルに使ってたやつだ。
突然倒れて動かなくなったクラップに動揺するドラキナとゴイル。
捨て台詞をはくこともできず、ゴイルがクラップを担いで撤退していった。
え?スキャバーズの見せ場?
そこに無ければ無いですね……。
そんなこんなで危機は脱した。
華麗に魔法を使った僕に対してハリーが尊敬のまなざしを向ける。
ふふふ、暇つぶしに兄の教科書を読んだかいがあったぜ。
「一体何をやってたの?」
と、ハーマイオニーが顔を出した。
あら可愛い。
「ちょっと揉めただけさ。
もう問題ないよ」
僕はクールに言い放つ。
だがハーマイオニーは「あっそう」と軽く答えた。
もしやこいつダメンズ好きか?
じゃあカッコつけるのやめようかな。
僕はただスタートダッシュを決めただけで優秀な魔法使いってわけじゃないし。
そっちの方が本来の僕に近いだろうし。
「2人共急いだ方がいいわ、もう間もなく着くって。
――ケンカしてたんじゃ無いでしょうね? まだ着いてもいない内から問題になるわよ!」
「ケンカにはなってないよ」
一方的だったし。
「じゃあ僕たちも着替えようか」
「そうだね」
動きだした僕たちを見て、ハーマイオニーはコンポーネントから出て行った。
いやーしかし驚いた。
あのマルフォイが女の子になってるなんて。
しかも超絶美少女。
ちょっと炎上しそうなくらい口が悪いけど、
属性は間違いなく古き良きツンデレヒロインだ。
なにかで主人公に分からせられて惚れるやつだ。
相手はきっとハリーだよな。
マルフォイのライバルといえばハリーだし。
もう学園ラブコメじゃんこれ。
いやー楽しみだなっ!
…………あれ?これもしかしジニーの恋が危ない感じ?
マルフォイはハリーと転生ロンどちらに惚れる展開が面白いだろうか。
そんなことを考えながら書きました。