ダンジョンに銃火器を持ち込むのは間違っているだろうか 作:遺物
「でぇじょうぶだ。日本人の食への貪欲さ舐めんな。」
お腹が痛い。と~て~も痛い。ベルを広場に待たせているのに、俺のお腹は
数十分後、俺はようやくベルの元にたどり着くことが出来た。
「あぁ~…悪い悪いベル。ホント…待たせてゴメンよ…」
「全然気にしてないよ!お腹の調子は大丈夫?」
「うん…ひとまずは無事だ。いいよ、行ける…さ!いざダンジョン…へ…?」
違和感。ベルの横に少女がいる。いや、それ自体は別に違和感ではないな。ただ、全く知らない子だったのだ。しかし、大きいバック持ってるな。彼女が八人くらい入れそうなほど巨大なバックだ。何が詰まってるんだろう。まぁ、まずは一番気になることを聞くべきだろう。
「あ~…誰その子。」
「え~と、エン、この子は…」
「オホン!そこの目つきの悪いお兄さん!サポーターをお探しではないですか?」
「は?」
その後、俺は彼らの話を聞いた。この少女の名はリリルカ・アーデ。つい最近、ベルと俺の、アタッカー二人しかいない俺らのパーティーに目を付け、サポーターとして立候補したらしい。う~ん。でも、正直なところ…
「いらんな。二人で十分だ。良し行こうベル。」
「待って待って判断が早いよエン。」
「え……そうなんですか?」
「あぁ、いらんな。言っちゃ悪いが、荷物持ち以外に何が出来るんだ?水、食料や医療品などの物資は俺のスキルでどうにでもなる。魔石集めも、俺のスキルでバッグを出せるから、帰りはどちらか一人が荷物持ちになればいい。つまり、お前はいらないんだよ。分かったら、あそこら辺でたむろしている男臭い連中に、自分を売り込んだらどう…」
そこまで言って、俺は腹部に激痛を感じた。しばらく悶絶していて分からなかったが、ベルに殴られたのだ。たぶん殴った力自体は弱いのだろうが、今の俺を黙らせるには十分すぎる
「ぐおぉ……ツッ…パハァ……!」
「そんなキツイこと言わないでよエン!気にしないでリリ!一緒にダンジョンに行こう!」
「あ、ありがとうございます!行きましょうベル様!」
「分かった……分かったから…お願い……ゆっくり歩いて…」
ーダンジョン八階層ー
「ハアアァッ!」
「……ほっ、よっ。」
ベルが近くに湧いたモンスターを次々と切り伏せる。斬り分けられたモンスターの身体の部位が、地面に次々とばらまかれる。
ジャマな足元の破片や魔石を蹴り飛ばし、遠くから突進してくる集団を、
「エン様!5時の方向!ゴブリンです!」
彼女が言い終わるより早く、俺は腰に付けていた
「ソイツの魔石も回収しといてくれ。え~と…」
「リリルカ・アーデです!回収はお任せください!」
あぁそうだ、リリルカ・アーデ。気になるのは彼女だ。一体何なんだ。何故俺達に目を付けたんだ?言ってることは分かるが、芯の部分で何を考えているのか分からない。なぜ、俺達二人のパーティーにこだわるのか。サポーターとして働きたいだけなら、なぜあれほど積極的なのか。疑問と不安が入り混じり、いつものパフォーマンスが出来ていない気がする。実際は、そんなことないのだろうが。
ーーー
ダンジョンを出て、魔石をギルドに買い取ってもらう。確かに、荷物持ち専門のメンバーが一人いるだけで、復路の負担がかなり減ったような気がする。ただ問題は………
「ありがとうリリ!おかげですっごく助かったよ!」
「はい!もしよければ、また一緒にダンジョンに行きましょう!」
「うん!ぜひ行こう!エンも、それでいいよね?」
「あぁ……じゃ、俺はちょっと欲しい防具があるから、先帰っといてくれ。あと、世話になったな、リリルカ・アーデ。」
「う……はい…それでは…」
ー街の古店商ー
「うーん…良くて30バリスってところかな。ナマクラじゃよ。」
「……そうですか。」
(なんで?どうして?あんな動きをしておいて、刃こぼれ一つ起こさないナイフが、30バリスなわけないじゃないですか。何かがおかしい。もっとマトモな店に行かないと…)
リリルカは不満げな顔をして、裏道を歩いていた。すると、突然後ろから首根っこを掴まれ、壁に叩きつけられた。持っていたバッグを奪われ、投げ飛ばされる。地面に転がっていたところを、無理やり服を引っ張り上げられ、立たされる。
「お前…ベルのナイフをどこにやった?」
「……クジョウ…エン…!」
「気付いてないとでも思ったか?お前がダンジョンで、ベルの腰からナイフを盗み取ったことくらい、お見通しなんだよ。」
エンは服の中に手を入れ、ヘスティア・ナイフを探し出す。
「少し泳がせておいて、その後どうするか観察していたが…思った通り、ただのコソ泥だったな。」
「く…ヤメろ…」
「あ、なんだあるじゃないか。店から出てきたから、もう売られたと思ったよ。その場合、この程度じゃ済ませなかったけどな。」
ナイフを手に取ると、エンはリリルカに詰め寄り、銃を向けた。
「俺は撃てるぞ。ウソやハッタリはよしてくれよ……さ、言い訳を聞こうかリリルカ・アーデ。一から千まで、しっかりと……」
チクショウ。バレてた。コイツに力で勝てるわけない。逃げることも出来ない。あぁ…リリはここで死ぬんですか。ならもういい。全部話してやる。これまでの冒険者への恨みつらみを。全部ぶつけてやる。
ーーー
「グスッ……グスッ…辛かったなぁお前なぁ…ホンマ……」
「エン様!泣き止んでください。なんでアナタが泣いてるんですか?」
「だってさぁ…頑張ったなぁ…親がいなくても…家が無くても…お前……本当に…一人で…必死になぁ…あ…さっき殴ってごめんね…痛くなかった…グスッ…?」
俺は、こういう感動話に弱い。もっとカスみたいな、泥棒みたいな理由だと思った。そんな理由だったなら、こんな露悪的な態度取らなかったのに。いや、こういう…マジで殺しかねない態度を取ったからこそ、彼女は自身の過去を話してくれた。まぁ正確には、無理やり話させたのか。
「じゃあ…私はもう行きますね……」
どうしよう。この子を何とかしてあげたい。確か…ファミリアから抜けるためにお金を貯めてるんだったよな…実は俺は、既にヘスティア様に借金を返し終えている。そう、俺はお金だけはあるのだ。
「待ってくれ!あの…えと……金ならあるから!」
「はぇ…?」
まずい。一番良くない言い方をした気がする。だが、俺が一番やりたいことを、やってあげたいことを。彼女に伝えなくては。
「あぁ違う…給料を払うってことなんだけど、言葉が上手くまとまらなくて…あぁもうウチ来い!取りあえず来い!な!」
「なんでですか?!いやですよ男の家に行くなんて!」
「いやいや!女子もいるから!ホントだって!あぁそうだ、ベルもいるし!」
「そんなこと言って!何かする気マンマンの顔してるじゃないですか!」
「大丈夫!なんもしないから!ホントなんも!いやすることはするんだけど、食事とか、寝床とかだから!」
ーヘスティア宅ー
ベルはとても悩んでいた。家の中を歩き回り、ヘスティアの言葉にちゃんと返事が出来ないほど、悩んでいた。
「ベ~ル~君~?何をそんなに悩んでいるんだい?」
「いえ…サポーターを雇いたいんですが…」
「ほうほう~。エン君かい?」
「えぇ。エンはサポーターなんか要らないと…でも、絶対に必要だと…サポーターは、彼女だからこそ、必要だと思うんです!」
ヘスティアはにんまりと口角を上げ、ベルの肩を組んだ。子供たちが可愛くてしかたないのだろう。
「そういうことは、彼に直接言うべきだぜベル君?互いに心をさらけ出し、ぶつかり合い、そんなドラマがあってこそ、冒険者ってもんだぜ?」
「神様…分かりました。エンともう一度、ちゃんと話し合ってみます!」
すると、ドアが開く音と、ドタバタとした足音が響いた。エンが帰ってきたのだ。
(よし…ちゃんと言おう!サポーターを雇いたいって。エンに、ちゃんと!)
「ただいまです!ベル&ヘスティア様!」
「エン!君に話したいことが……」
「この子をサポーターとして正式に、高給で、懇意に雇いたいのですがよろしいでしょうか?!」
「えぇなんでどうして!?てかなんでリリを連れて来てるの!?」
「とにかく、リリを降ろしてくれませんかね!?」
エンが身振り手振りを駆使して、彼女がどれだけ自分たちに必要か、彼女がどんな思いをしているかを伝える間もなく、ベルはそれを承諾した。リリルカも、高給で雇ってもらえるならということで、雇用を承諾した。
こうして、リリは
玖蒸のどうでもいいメモ
リリのことは、この先絶対に守る気でいるし、殴ったことを一生かけて償おうと思っている