銀鬼は浜辺で橙、禍瘋、秤、鋏鈷、鎌竹、呪翼、ミンツチ10 体とたたかっていた。
side銀鬼
ギピィィィ!
キシィィィィッ
兄貴や吹雪鬼のダンナとはぐれたオレは、魔化魍共と戦っていた。
鶴みたいなやつとイッタンモメンもどきが眼前を飛び回って鬱陶しい……!
たまに飛んでくる笹の葉とミンツチが鬱陶しい。触れると凍る液体を吐いてきやがる……
ハサミが欠けたバゲガニは、かけた方の鋏を地面に突き刺し砂を飛ばしてくる。目眩しのつもりかよこざかしい!
side out
銀鬼は魔化魍たちの翻弄するような動きに苛立っていた。
呪翼と禍瘋が空を飛びながら翻弄し、鎌竹が森に潜みながら攻撃を仕掛ける。ミンツチたちも液体窒素粘液を吐き出してサポートする。
【苛ついていやすね。それでは次行ってみましょうか】
逃げ回るのをやめ、禍瘋、秤、鎌竹、呪翼、ミンツチがそれぞれ攻撃を放つ。
風、火炎、毒液、水、笹の葉、液体窒素粘液、鬼火、石礫が連続で繰り出される。
【苛立ってる苛立ってる】
【翻弄された後の波状攻撃。冷静さを失った相手にはどうすることもできやせん】
ギピピピ♪
【ざーこざーこ♪】
禍瘋は嘲るような笑顔を浮かべ銀鬼の目の前に現れたり素早く移動して挑発する。
「クソが!鬱陶しいんだよォォォッ!!」
銀鬼は音撃鼓を展開し、音撃金棒「銀暴」を無茶苦茶に打ち鳴らす。
音撃剛打 素波銀濤
【拙僧に任せろ】
六角形の連なった橙色のバリア泡をハサミから放ち、仲間を護る。
【ありがとう鋏鈷!】
銀鬼は苛立ちのあまり八つ当たりの如く叫んだ。
「大勢でよってたかって!卑怯だと思わねぇのか!」
【何言ってるのかしら】
【鬼だって複数人で攻めてくることあるくせに】
【よわよわじゃん。】
「そんなに一対一がいいなら俺が相手をしてやる」
橙が,一対一に名乗り出た。カニボウズと同じく防御の力を持つ泡を使いながら銀鬼を叩きのめしていた。そして、海の方に蹴り飛ばされる。
「ぐ!が!ぶぁ!?びっ!」
【いけいけー!】
【橙ってこんなに強いのね】
【バリア泡を攻撃にも転用しているのか】
【戦闘センスは下手したら妖姫たち以上かも】
「刀も錫杖を使う必要もないな」
その時どこからか琵琶の音色が聞こえてきて魔化魍達が突然苦しみ出した。
「ははは!誰だか知らねぇが、助っ人に来てくれたらしいな!」
「ええ。助っ人に来ました。
「は?」
青海波柄の着物を着、琵琶を持った青年が撥を使って銀鬼の首を刎ねた……
刹那、銀鬼の首は宙を舞いながら目にした。
ザトウクジラが大きく口を開け待ち構えていたことを。そして、自分の体が食べられてしまったことを。
銀鬼の首は禍瘋が空中で上手くキャッチした…。
【見事な演技でやんした】
【あいつ,完璧に騙されてたねー】
【あまり練習してなかったけど、意外と行けるものなのね】
【騙されたことにすら気づいていないようだった。何故なら周りが見えて…む!?】
実は琵琶に苦しんでいたのは演技であった。彼等の迫真の演技に銀鬼は騙されていたのだ。
マンネンタケの言葉をスルーして皆で夜真の元へ向かうのだった。