始末屋は魔化魍
ある日、禍瘋が歩いていると、公園のトイレで何やら複数の声が聞こえた。
向かってみると、複数人の女子高生が1人を甚振っていた。どうやら逃げてきた娘をこの公園のトイレに追い詰めていたらしい。
「こんな大勢で囲んで叩いて楽しい?」
「なに?ちっさいの」
「邪魔しないでくんない?」
女子高生たちの言葉に対し、
「あ、そっかぁ。1人じゃ何もできないから群れるんだぁ」
と煽る禍瘋。
「あんたも同じにしてやろうか?」
「やってみなよ。」
そこに、灰色の、鶴の特徴を持つ怪人が現れる。
「大丈夫?」
「ウチは平気だけど、あの子が。」
「分かったわ」
突然の怪物の出現に恐怖に慄くいじめっ子たちを無視してクレインオルフェノクはいじめられていた少女に手を差し伸べ、一緒に出る。しばらく呆然としていた女子高生たちであったが………
外にイノシシのような外観の怪人が待っていた。
「鉄火オジサンの親戚?」
「鉄火…?オレにそういう名前の親戚はいないな」
その時、たまたま夜真が通りかかる。
「あれ?禍瘋。どしたのその人たち」
「あ!主様!」
「「主様?」」
夜真が魔化魍の主人だと言うことを聞いた2人は、夜真をある魔化魍のところに案内したいと申し出た。そして夜真と禍瘋を連れて移動する。
【戻ったか】
【あら、お客さん?それとも依頼主?】
頭から胸までを濃い体毛に覆われ、ヒヒを思わせる赤い顔に鷹の嘴を持つのが特徴の魔化魍と、シュモクザメの顔と大蛇の体を持つ魔化魍、ヤギのツノを生やしたイボイノシシ顔の研究者のような魔化魍が出迎えた。
【テングだ】
【ロクロクビよ】
【ワシはヤギョウ。発明家じゃ】
「夜真。魔化魍を統べる者…になりました」
夜真が「魔化魍を統べる者」だと知ると、2体は、共に始末屋をしている魔化魍がいると言い、地下水道に案内された夜真はそこでワニのような怪物を目撃した。そして、ワニの怪物が口を開くと,舌がヒルとなっていた。舌の方が本体らしい。
「ハナコサン…トイレの花子さんか!?」
「現代魔化魍」という部類の魔化魍だ。
実を言うと昔から存在していたが、つい最近になって認知されるようになったから現代魔化魍の括りに入れられているようだ。
【わたしはハナコサン。始末屋よ】
「始末って……」
【いじめ、ってあるじゃない?わたしは少し前までは誰から構わず襲ってたけど、ある日トイレで泣いてる女の子がいてね。それで、知り合った魔化魍たちといじめを行う人間を始末するって活動を始めたの。ただ……猛士に目をつけられてしまって】
「……………俺もいじめにあったことがある。いじめをやってる人間はいくら食っても問題無いだろ」
【テングから聞いたんだけど、まあすぐこの辺に調査が入るみたいで】
「ならウチに来るか。みんなまとめて」
【【【!!!】】】
【願っても無いことだわ!】
【あいつが帰って来たら俺が話を伝えておこう】
「あの,私たちもいいのかしら」
鶴の怪人が遠慮がちに答える。
「ハナコサンの仲間なら歓迎するよ」
「ありがとう。わたしはクレインオルフェノク。本名は長田結花。」
「俺はファントムのオークだ。本名は広畑タカシ」
「ファントム……って確か人格乗っ取られるんじゃなかったっけ?」
「実はファントム人格の方がやる気がないやつでな。アンダーワールドでぐうたらしたいんだと」
「身体だけ貸してくれたってことか」
そして、禍瘋が会ったいじめの主犯たちを糸で縛りつけた状態で現れた蜘蛛のような魔化魍が現れた。
【ハナコ、この人間は?】
桃色の、魔化魍ツチグモに似た魔化魍にテングが声をかける。
【俺から説明する。彼は夜真。魔化魍の主となった者だ。俺たちを仲間として受け入れてくれるらしい】
【そうなのね。わたくしはジョロウグモ。こちら、手土産よ】
「秤呼んで保存してもらうか」
そして、ハナコサンたちが仲間に加わった。
下水道に調査に来た猛士は何もいなくて拍子抜けしたとか。
ハナコサン
テング
ジョロウグモ
ロクロクビ(原種)
ヤギョウ
が仲間に加わった!
クレインオルフェノク
ファントム・オーク
が仲間に加わった!