その壱 襲撃
「シャーケケケ!クリスマスにはまだ早いが、シャケを食え!」
夜真たちは、買い物帰りに野良魔化魍「シャケノオオスケ」に襲われていた。更に燐の同族たるキョウコツも何体かおり、襲いかかってくる。
「急になんなんだ……」
「主人様とのでえとの邪魔はさせません!」
【じゃましないで!】
「っ…」
臨戦体制の冷華と壱嵐とは違い、なぜか怯えた顔の燐。その目線はキョウコツの群れに向けられている。
【こんなところにいたのか!一族の恥!】
【貴様を噛み殺す!】
【なぜ貴様如きが長の血を継いでいるのだ】
【貴様を殺し長殿に献上すれば後継者候補に……】
【いや、コイツらを皆殺しにすれば】
【出来損ないを人質にして出来損ないのお仲間を引っ張り出すのはどうだろう】
どうやらキョウコツたちは燐狙いなようだ。
「燐」
【っ……!は、はいっ】
「燐はオレの後ろに。残りのメンバーで追い払うぞ」
【そうはさせるかー!切り身配り!】
シャケノオオスケの投げつけた切り身を思わず食べてしまった雷宙と春風、禍瘋が倒れてしまう。
「なっ!?おい、大丈夫か!?」
【うう……】
【お腹が……】
【なんだぁー?おれのシャケにケチをつけるのかー?】
冷華が吹雪を巻き起こしシャケノオオスケとキョウコツたちの視界を遮る。
その間になんとか逃げ出した……。
********
「困ったな」
【食中毒か何かでしょうか……】
【主様、私の知り合いに薬学に詳しい者がおります。この付近に住んでると思われるので連れてきます】
苦しむ3人を見て考え込んでると、ジョロウグモが声をかけてきた。
【ホントか!よろしく頼む】
ジョロウグモを見送った後、苦しむ春風達を心配そうに見守る夜真たち。
「燐、大丈夫か?」
【…………】
「燐」
【え!?あっ、はい…いいえ…】
「一族となにかあったとか?」
【わたしは他の一族と違うのです。そのせいで住んでいた場所を追い出されて。】
「遠慮せずに倒していいんだよな」
【………】
【なにか来ます!】
冷華が何かの気配に気づいた。
その直後、空間が開き……
赤紫の着物を着た少女。少女の後ろには白のヴィクトリアメイド服を着て、左腕にたっぷりとした布を巻いた女性と三度笠を被った黒のポニーテールの黒の着物を着た女性、数十はいようかと思われる異形たちが現れた。
「ここは………私たちの世界とは別の世界かな」
「王、誰かいます。人間と魔化魍のようですね」
【人間と魔化魍が一緒にいる……?】
【私と同じイッタンモメンと、ひとみと同じイチモクレンがいる!】
【なにかあったのか……苦しんでいるようです】
【彼らが何かしたわけじゃなさそうでやすね…】
赤紫の着物を着た少女がずっと前に出て夜真と向き合う。
「この子達はあなたの家族?」
「家族っていうか、仲間……?ですかね。今ウチの仲間が薬に詳しい魔化魍を呼びに来てくれてます」
「薬ならウチにも詳しい子がいるよ」
「っ!?
「でも、その前に……」
【逃がさないぞ!モモンジイの仇ッ!】
全身が水色混じりの白の体色、鰭先が四尺ほどの長い腕で手のひらに眼がついている鯰の魔化魍と、何匹かの頭部が頭蓋骨になっている青い毛並みの狼の魔化魍が現れた。
「蝕!この子達を診てあげて。皆はテノメと狼みたいな魔化魍の撃退ッ!」
【はい!】
魔化魍達が一斉に臨戦体制をとる。統率された兵団のようであった。
ー続ー
夜真「なんだろ、ここ」
謎の竜の落とし子
【イエイ! こんばんはー! おまけコーナーはっじまるよーーー!!】
夜真「うわびっくりした!」
謎の竜の落とし子→迷家
【マヨイガの迷家だよー。】
夜真
「マヨイガ……」
冷華
【ここはどこですか!?】
燐
【主様になにするつもりですか】
迷家
【なにって、質問とか色々だよー。……夜真サンもモテモテだねぇ。ちなみに次回も続くよ】
夜真
「質問ないんかい」