旅館の前の湖からイカの触手が生えたザトウクジラの姿の魔化魍が顔を見せた。
【お帰りなさい主。おや?お客人ですか?】
「おう海鳴。客だ。氷刃達にも伝えてくれ」
【了解】
そして門を通してもらい、旅館へ着いた一行。それぞれの自由時間を過ごすことに。
鳴風、兜、ひとみ、春風、壱嵐、禍瘋が湖の上空を飛んで遊んでいた。春風と禍瘋はキュウソの蝕と、ジョロウグモが連れてきた魔化魍シチホダの調合した薬で回復したようだ。
雷宙はタクロウビの導、アメフリコゾウの小雨、ノツゴの潜砂、ワイラの砂玖、ライチョウの鳴雷、アマビエの波音、そして、幽冥達が保護している少女ひなとヒダルガミの宿主である曙美と遊んでいた。
「イッタンモメン種一同に会す、だな」
「鳴風達,楽しそう。ひなも新しい友達が増えたみたい」
夜真と幽冥が鳴風達を眺めている隣では、
「私たちイッタンモメンの妖姫的にはイチモクレンやツジガミは托卵してくる存在で、先に生まれて子供達を喰らう恐れがあるのであまり好ましくはないのですが……」
「壱嵐と禍瘋は春風と同じ時期に生まれたんです」
「それで姉妹のように仲がいいんですね」
白と雪がイッタンモメン種について会話していた。
【ねえ、あの人間と幽、なんかいい雰囲気じゃない?】
【新たなライバル出現かも…】
【白は何やってるのよ……!】
【ニャンと……王と楽しそうに話してるニャン……】
ヤドウカイの朧、ヤオビクニの美岬、クラゲビの妖姫である赤、ネコショウの鈴音はなぜか夜真を警戒していた。
【なにやってんだ?あいつら】
【さあ………】
【いつもの、こと】
シロウネリの昇布、ジュボッコの命樹、ヌリカベの砦は興味なさそうに4人を眺めながら旅館内に入っていく。
アズキアライとアズキハカリはラゴーの元に来ていた。
【ほほう、これが………んっ!?これは王や美岬様に献上したいでやすねぇ】
【あっしが旅の魔化魍だった時に出会いやしてね】
【なるほど…これは美味い】
【はい。とても美味しいです】
ヤシャの荒夜とハンニャの狂姫、ミイラの屍王も和菓子を楽しんでいる。
【我が妻の口にも合うだろう!フハハハハ!】
【死王は捉えた鬼のひとりを妻にしたがっているのでやす】
【銃尾も確か仲のいい鬼がいやしたね】
*****
【あんたのところはあぐりっていうのか】
【そっちは沙雪か】
ショウケラの三尸とノデッポウの銃尾はそれぞれの彼女について話していた。話を聞いていたテングの緋翔に声をかける。
【そーいやテングのアンタにもあるんだよな】
【名は紗希だ】
【】
【人間をエサじゃなくて恋愛対象と見る魔化魍って意外と多いのね】
カツラオトコの桂とテオイヘビの屍
「なんか、三尸と銃尾って似てますよね」
「もしかしたら種族的に親戚なのかも」
「まさかこっちにも鬼の捕虜がいて、和鬼さんは銃尾と
「驚きました…」
「鬼……話についていけない」
調鬼ことあぐり、和鬼こと沙雪、彗鬼こと春詠と会話していたはずが、一般人なためか1人会話に取り残された紗希であった。
凛は土門、骸、暴炎、渦潮と話していた。
【一族の恥、か。わたしもツチグモの恥と同族から罵られたことがある】
【そうなんですか!】
【ジャラララ、一緒にいて楽しい奴らといる方が良いだろ。それより、キョウコツの頭っていい形してるよな】
【骸は頭蓋骨マニアなんだ。それよりもあんたの炎食わせてくれよ】
【こっちは
【一回食わせれば満足するだろう】
夜真と幽冥は旅館の一角に設置されたラーメン屋に来ていた。
「ラーメン屋をしていた魔化魍がいるんだね」
「バケネコの異常種ゴトクネコの徳蔵とバケネコたちだ。猛士に見つかって廃業なって」
2人でラーメンを待っていると、
【むむむ………】
どことなく、低予算勇者的なドラマに出ている某バイプレイヤーによく似た顔の子牛の魔化魍が突然唸り出し、何かを閃いたかのように口を開いた
【なんかねー、8代目の王みたいな感じのメッチャ強い鬼みたいな魔化魍が襲ってくるんだよ。頭蓋狼は10000の仲間を連れてきて、四方から大入道が出てきて、てんやわんや。大変なことになっちゃうねぇ】
【予言のお告げはあまり間に受けなくていいから】
小柄な半透明の山椒魚の魔化魍、シュチュウが呆れ混じりに言うも、夜真と幽冥は割と真剣に聞いていた。
【ちょ、ひっどーい!予言推しが激おこぷんぷん丸になっちゃうよぉー】
【なるか!あんたの推しなんて多くないでしょ!】
「お告げ、意外と侮れないんだよね」
「ちゃんと聞くと真っ当なこと言ってる………かも?」