仮面ライダー鎧武 アナザーストーリー   作:佐々木 空

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変身!空からオレンジ!?

「ここか…」

 

次の日。

 

バイトが早めに終わった将汰は、裕也から『面白いものを見せてやる!』というメッセージと変なものが写った写真のメールが送られてきて、指定された場所に来ていた。

 

「あれ、将君?」

 

「まどか? 何でここにいるんだよ」

 

「何でって、裕也さんに呼ばれて…将君も?」

 

「ああ」

 

まどかも裕也に呼ばれていたようで二人は周りにいないか探していた。

 

しかし、予定の時間になっても裕也は姿を現さなかった…。

 

「おっそいな……一体どうしたんだ……。…って、あれ? まどか?」

 

ふと、周りを見ると一緒にいたはずのまどかの姿も消えていた。

 

 

「どこに行ったんだよ…たくっ、お~い! まどか! 裕也!」

 

二人の名前を呼びながら探していると、まどかを見つけ、いたいた、と言いながら近付く。

 

「……まどか? どうしたんだよ、ぼーっとして…」

 

「ねぇ、将君……これ………」

 

「あ? これってな、に……」

 

まどかが指差す方向を見て将汰は言葉を失った。

 

コンクリートの建物のすぐ横の空き地のようなところに何か入口らしきものがあり、その周りが不自然なほど植物に溢れていた。その周りには明らかに見たことのない植物もあった。

 

「なに…これ…」

 

「これ…どっかに繋がってんのかな……?」

 

「あっ、将君待ってよっ!」

 

植物をまじまじと見ていたまどかだが先に行く将汰を見て追いかけていく。

 

 

 

 

「何だ…ここ……」

 

入口を抜けた先にあったのは森だった。

辺りを見回しても森、森、森。沢芽市のことは知らない所もあるが、少なくともこの沢芽市にここまで深い森は存在しない。

 

「っ! 将君、こっち!」

 

「ちょ、おい、どうしたんだよ」

 

「あれ………」

 

いきなり腕を引っ張られ、木の陰に隠れる。

何事かと思い、まどかの指差す方を見るとそこにいたのはインベスだった。

それもインベスゲームで見るような大きさではない。インベスゲームのインベスは小さいが今目の前にいるのは人間とほぼ変わらない大きさだった。

 

「あれって、インベス……だよね…?」

 

「ってことは……ここって、インベスの住み処なのか…?」

 

近くの木を見ると、果実の様なものがあることに気付いた。

二つほど手に取る。よく見ると先ほどインベスが食べていたものだった。

 

「(なんだこれ………なんか………すげぇうまそう…)」

 

美味しそう、果実を手に取って最初に思ったのはそれだった。

腹がへっている訳ではない。

だが、食べてみたい。

今すぐかぶり付きたい。

不思議にそんな気持ちになった。

手が動く。そして、果実を食べようとして――――

 

 

「きゃあぁぁ!!」

 

 

――――直前で手を止めた。

 

「!? まどか!」

 

まどかの悲鳴で我にかえる。

声のした方を見ると、そこにいたのはインベスだった。

しかし、ただのインベスではなかった。

上半身は緑の鎧の様なもので覆われ、鋭利な爪を持ち、虎の様な顔をしていた。

 

一瞬、その姿に驚くがすぐにまどかの手を引き走り出す。

少し走った後、木の陰に身を隠す。

 

「はぁ…はぁ…大丈夫か?」

 

「うん…でも、あれってインベス、なのかな…?」

 

「分からない…けど、ただのインベスじゃないのは確かだ…」

 

「! ねぇ、将君…あれ……」

 

驚いたような声のまどかが指さす方を見ると裕也のメールに写っていたものが落ちていた。

 

「っ! ……これって、裕也が言ってたやつだよな…?」

 

「じゃあ、裕也さんもここに?」

 

将汰が拾って確認し、まどかは周囲に裕也がいないか探す。

 

「それにしても…これなんだろう……?」

 

「なんかベルトのドライバーみたいだけど……?」

 

そう言いながらドライバーを腰にあてる。

すると、ドライバーが勝手に巻き付きプレートの部分に顔が浮かび上がり――――

 

「え?」

 

――――手に持っていた二つの果実がロックシードに変化した。

 

「ええぇぇぇえっ!?」

 

「これって…ロックシードだよね…?」

 

「じゃあ、ここになってるの全部……」

 

ロックシード、ということになる。

 

「グルル……!!」

 

「!? まどかこっち!」

 

ロックシードに気をとられすぎていたのか先程のインベスが近くに来ていた。

 

すぐに二人は走り出し、元来た道を通り街に戻るとインベスも後を追ってきて、その背後にあった入口は閉じていく。

 

 

 

二人は一旦、建物の陰に隠れて様子を見る。

 

「はぁ…はぁ…たぶん、まだ追いかけてきてるよね…」

 

「……………」

 

まどかの言葉を聞きながら、ロックシードと自分の腰に付いたドライバーを見ていた。

 

「(このドライバー……もしかしてロックシードを嵌められるのか? ……って、違う!! そうじゃない…!)」

 

この状況と似たものを知っている。

突然現れた化け物、逃げる自分、そして……このドライバー(・・・・・)

 

「(これじゃあ、まるで………)」

 

――――一年前と同じだ。

 

「グルァァアアアァァアッ!!」

 

「!? 伏せろっ!」

 

きゃっ、という声が聞こえた直後、インベスの叫び声が聞こえ、体から光線のような触手を出し、辺りの物を切り刻み、爆発が起きる。

 

「……まどか。俺があいつの気を引くからその隙にお前は逃げろ」

 

「え…で、でもそれしゃ将君は!?」

 

「大丈夫だ。それに………初めてじゃないしな」

 

「え………あ! 将君!」

 

 

 

 

まどかの制止を振り切り、インベスの前に出て気を引く。

案の定、インベスの注意は将汰に向いた。

 

「こっちだ化け物!!」

 

言うや否や、すぐに走り出した。当然、インベスも後を追うべく走り出す。

 

どう逃げるのか? どうすればあいつに勝てるのか? そんなことは全然頭に入っていなかった。

 

あいつを――――まどかを守らないと。

 

今考えていたのは……ただそれだけだった。

 

やがて、金網が目の前に立ちふさがり逃げ道がなくなる。将汰は近くにあった鉄パイプで殴りかかるがすぐに受け止められ、投げ飛ばされて金網ごと弾き飛ばされる。

 

「がは……っ…」

 

意識が朦朧とする中で右手のロックシードが目に付いた。

 

 

 

もしかして、と思う気持ちがなかったわけじゃない……。

 

 

 

だけど、それでこの状況をなんとか出来るなら――――――!

 

 

 

将汰は意を決して立ち上がり、インベスを見据えロックシードを開錠する。

 

『オレンジ!』

 

音声が鳴ると頭上にチャックが現れ、中から巨大なオレンジのようなものが出てきた。

 

「オラッ!」

 

『ロック・オン!』

 

ロックシードをドライバーにセットするとベルトから法螺貝のような音が鳴り音楽が鳴り響く。

 

「ど、どうすんだこれ………こうか?」

 

とりあえず、ドライバーに付いていた刀を降ろし、ロックシードを切る。

 

『ソイヤッ!』

 

すると、音声の後に頭上で止まっていたオレンジが頭に落ちてきた。

 

「えっ?」

 

『オレンジアームズ! 花道・オンステージ!!』

 

「えっ? オレンジって、俺!?」

 

驚く将汰をよそに、オレンジは開き、鎧のようになるとそこには一人の鎧武者の姿があった。

 

「え、ええぇぇぇーーーーーっ!!??」

 

なにかしら起こるだろうとは思っていた。だが、これは思ってもみなかった。いくらなんでも、オレンジが空から降ってきて鎧になるなんて誰も思わないだろう。驚いても仕方のないことだ。

 

「な、な、な、なんじゃこりゃーーーー!!?」

 

「グルゥアァァッ!」

 

「って、うおっ!?」

 

驚いているひまもなく、インベスは襲い掛かってきた。突然のことで驚いたがすぐにいつの間にか右手に持っていた刀、大橙丸を使いインベスに切りかかる。

 

「オラッ! オラッ! オゥ~ッラ!!」

 

「グゥゥゥ……!」

 

「もしかしてこれ…いける! ……うお!?」

 

油断した瞬間、インベスに大橙丸を弾かれ落としてしまう。首を押さえられ、右手を振り上げるインベスを見て、やばい、と思った時、左の腰に大橙丸とは別の刀があることに気づく。

 

「! これだ!」

 

すぐさま刀、無双セイバーを振りぬき、その要領でインベスを切りつけ拘束から逃れるとすぐさま大橙丸を拾い距離をとる。いっくぞー! という掛け声と共に大橙丸と無双セイバーを使いインベスを切りつけていく。

このまま押し切る、と思ったが、不利を感じたインベスはすぐにジャンプし、近くの建物に着地すると触手を無造作に放ってくる。

 

「うお!? っ、このやろ…!」

 

すぐさま将汰も近くの階段を使いインベスを追う。

 

「待たせたなーー!! ってあいた!?」

 

階段を上がり終わったと思ったところに横から蹴りを入れられ押さえ込まれる。

 

「くっ……ん? なんだこれ?」

 

無双セイバーの鍔の部分に何かを発見し、それを引っ張り持ち手に付いている引き金を引く。

 

パンッ!!

 

「うおっ!? だ、弾丸!? これって、刀にも銃にもなんのかよ………」

 

一発目でインベスが怯んだのを好機と思い、すぐに二発目、三発目と打ち出していく。

 

だが……………

 

「あれ? ……もう弾切れかよ!」

 

弾切れになったのを見て再びインベスが向かってきた。

 

「くそっ……ん? これって……」

 

両方の刀の柄に違和感を感じ、合わせてみる。

 

すると二つの刀はくっつきナギナタモードへと変形した。

 

「へぇ~~。これって、くっついたりもできるのか。はあっ!」

 

右上から切りつけ、すぐさま左から切りつける。ナギナタという両刃の流れるような攻撃にインベスも苦戦する。

 

だが、あまりダメージをくらっていないのか、それともやけくそになったのか、雄たけびを上げながら突っ込んできた。うお!? と驚くひまもなく将汰はインベスと共に地上へと落ちていく。

 

「っ、くそ…このままじゃ決め手がない……! 何か…何かないのか……!」

 

何か必殺技のようなものがあればインベスを倒せる。

 

だが、勢いで使っているだけの物のことなんてさっぱり分からない。

 

 

何か―――――何か――――――!!

 

 

 

 

 

『ロック・オン! 一・ 十・百・千 オレンジチャージ!!』

 

 

 

 

 

「!? ――――なんだ…今の………」

 

 

突然、頭の中で見たことのないヴィジョンが見えた。

 

いや……本当に、見たことがない……………? でも、何だ……この感覚は――――?

 

 

疑問に思ったが、無双セイバーとロックシードを見る。

 

「もしかして……」

 

『ロック・オフ』

 

ドライバーから外し、無双セイバーにセットする。

 

『ロック・オン! 一・十・百・千――――』

 

「やっぱり……!」

 

「グゥオオォォォッ!!」

 

「ハアアァァァアアアッッ!!」

 

インベスの触手を切り裂き、大橙丸から斬撃を放つとインベスをオレンジの形をしたエネルギーが拘束する。

すぐさま無双セイバーにエネルギーを溜めて突っ込む。

 

『オレンジチャージ!!』

 

「うぉらぁぁっ!!」

 

「グ………ガァァァアアアァァッ!!」

 

切りつけたあと後、断末魔のような叫びを上げながらインベスは爆発し消滅した。

 

 

 

「はぁ……はぁ…………」

 

ロックシードをドライバーに戻し、閉じて変身を解く。

 

 

「将君!!」

 

「……ああ、まどかか…………」

 

「大丈夫だった!? ねぇ、さっきのインベスはどうしたの………」

 

「あ、ああ…………」

 

戻ってきたまどかに聞かれるが全く頭に入ってこなかった。

 

 

 

さっきのインベスがなんだったのかは分からない。

 

でも、これだけは分かっている。

 

自分は変身し、そして―――――仮面ライダーになった。

 

 

 

「これが……俺の…変身…………」

 

 

 

 

 

 

 

「ここまでは概ね予想どうり…………」

 

少し離れた所、そこで戦いを一部始終見ている者がいた。

 

 

 

「今度こそ………必ず―――――」

 

 

 




原作と似たような所は同じタイトルで行こうと思います。
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