酒寄彩葉は音楽が好きだ。   作:冴月

15 / 15
前話の後書き、一体誰なんだオタねぇ……。

何とは言いませんが、2人のうちもう片方は↑の人です。


13

 動画を投稿してから、早くも1週間が過ぎた。

 

 世界が変わった気がしたものの、相変わらずバイト、勉強、学校に忙しい日々。ちょっと休める隙間時間に、次はなんの曲を投稿しようか考えるくらいしか、出来なかった。

 

 因みに、芦花と真実は既に見てくれていた。何回、 か、二人の前では披露していた筈だったけど、それとこれでは話が違うらしかった。

 

「ねぇ、彩葉。次なんの曲弾くの?」

 

 学校の昼休み。お弁当を3人で囲っている中、芦花が聞いてきた。

 手元には鶏のささみとブロッコリー、ゆで卵とトマト。白米が入ったピンク色の弁当箱が置かれている。美容系インフルエンサーらしい、低脂質高タンパクのお弁当だった。

 

「やっぱり、この前弾いてた"Tell your World"とか?」

 

 そう話しながらも、食べる手を止めないのは真実。

 真実のお弁当は、豚の生姜焼きと豚野菜炒めが盛大に入った1段と、鶏そぼろ、卵、ほうれん草の3色ご飯の2段目で構成された弁当だった。沢山食べる真実らしく、男子高校生並の弁当箱の大きさだ。

 

「うーん。既存の曲もいいけど、次は自分で作った曲もあげてみたいんだよね」

 

 前回投稿してから、密かに決めていたことだった。

 弾いてみたもそうだけど、自分の曲を世界に公開するのは、また違った感覚になると思う。

 自分の考えていることや、感情などが流れ出して曲になる。楽しかったり、悲しかったり、誰かを想う気持ちだったりが自分の曲になる。それらを世界に共有するのだ。届けたい何かを誰かに届ける、その為の1歩。そうなればいいかなと、私はここ数日思っている。

 

 

 ……尚、私の弁当は昨日のBAMBOOcafe(バイト先)で貰ったタコライスだ。そのままではなくて、きちんとお弁当箱に詰めて持ち込んでいる。

 スパイシーさと共に新鮮さが売りのそれだが、昨日の夜貰ったものの為、野菜がしんなりしてしまっていた。まぁ節約の為だ、贅沢言っていられない。

 

 そんな昼食を、私はもくもくと食べ進める。午後も活発に行動する為の栄養補給、若(・)干(・)味(・)が(・)薄(・)い(・)よ(・)う(・)な(・)気(・)が(・)す(・)る(・)けど、あんまり気にせずスプーンを運ぶ。

 

「いいじゃん、いいじゃん!」

 

「彩葉の自作曲、気になる~」

 

 二人とも、身を乗り出す勢いでそんなことを言ってくれた。まだ聞いてもらってもないのに、もう評価をしてくれたみたいで気分が良かった。

 

「なら聴いてみる? 一応、ボーカルある想定で作ったやつがあるんだけど……」

 

 そう言って、私はスマホを取りだした。

 次の投稿は自作曲と決めてから、ノートパソコンから1部の楽曲を移していたのだった。こうしておけば、バイトとか学校の休憩時間に曲を聞き直して、編曲し直したり、ビートを足したりする助けになるからね。沢山時間も取れないし、こういうのは大事だ。

 

 スマホの音楽アプリを起動して、ワイヤレスイヤホンと接続する。あとは流すだけ……だったのだが、2人からの断られてしまった。

 

「私達、"iro"のファンだし?」

 

「ファンは、推しに対して度が過ぎたことをしないのです」

 

 そんな、適度に距離感を保つファンの鏡のようなことを言う二人だった。

 ……ん? ファンと言ってるってことは……。

 

「もちろん、チャンネル登録は済んでるよ~」

 

「"iro"先生、次の投稿も期待してます!」

 

 そう言って、私にスマホの画面を見せてきた。

 まだひとつしかない動画、丸いアイコンはデフォルトの人型のまま。"iro"というアカウントの名前と、「よろしくお願いします」と一言書かれたチャンネルの説明文。二人の画面には、ベルのマークと"チャンネル登録済"という表示がされていた。

 ……ほんと。二人には、とことん頭が上がらないな。

 

──ありがとう。

 

 精一杯の感謝を、一言だけど伝える。そう言って画面から目を離そうとした……その時だった。

 

「……ん???」

 

 思わず2度見してしまう状況があった。

 アカウント名の下。"@Nihohe1616"というハンドルの横。そこには、"TukuyomiTube"におけるチャンネル登録者数が表示されている。

 そのチャンネル登録者数、最後に見た投稿直後だと2人ほどしかいなかった筈だったが……。

 

「……300人?」

 

 なんか、1週間のうちに爆増していた。

 

 

 

 

 

 

 

 




ヤ?ヨ「よし! チャンネル登録一番乗り~♪ これで最古参を名乗れるね♪」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

隠れ鬱な彩葉さん?(作者:レントン)(原作:超かぐや姫!)

本編後、隠していた色々が暴露されていく彩葉。その行く末は……?▼かぐいろ、ヤチいろです。他キャラも登場しますがメインは彩葉、かぐや、ヤチヨのお話。最初はややお茶らけ、徐々に暗くなっていきますので苦手な方はご注意を。▼pixivでも投稿していますので、よろしければお願いします。▼https://www.pixiv.net/novel/series/155155…


総合評価:630/評価:8.56/完結:17話/更新日時:2026年10月25日(日) 12:00 小説情報

超かぐや姫!の超担当になった偽物(作者:赤いイヤフォン)(原作:超かぐや姫!)

旧題名: 偽:かぐや姫▼彩葉に憑依して、罪悪感に蝕まれる主人公。▼贖罪として彩葉を演じる日々の中で主人公はかぐやと出会い、ハッピーエンドへ駆け上っていく。そういうお話です。▼原作キャラへの憑依など、そういうのが許せる人のみお読みください。


総合評価:1260/評価:8.96/連載:9話/更新日時:2026年11月02日(月) 12:00 小説情報

余命数年の私の元に現れたかぐや姫(作者:グランドマスター・リア)(原作:超かぐや姫!)

中学二年の夏、余命四年と告げられた▼余命宣告を受けてから、変わりゆく周囲の環境や精神的な苦痛に耐えられず上京を決意▼そこに、とっても可愛いかぐや姫が現れる話▼+++▼ようするに本編の彩葉が『もしも余命数年だったら?』というコンセプトのIFです▼PIXIVの方でも掲載してます▼https://www.pixiv.net/novel/series/1597157…


総合評価:1953/評価:9.07/連載:30話/更新日時:2026年10月31日(土) 07:00 小説情報

酒寄彩葉に泣かされる優柔不断で悪いモブの話~逆行編~(作者:ゴリラ皇子)(原作:超かぐや姫!)

今は昔ー仮想空間『ツクヨミ』へ1人の電子生命体が流れ着きました▼その電子生命体はこことは違う世界で、この世界の物語をおとぎ話として楽しんでいた記憶を持っていました▼名前を『モブちゃん』と自称し始めたその者が、好奇心から幼い頃の酒寄彩葉と仲良くなってしまったことから始まる…笑ったり泣いたり爆発したりしながら、少しだけ幸せな未来を目指していくような▼そんな物語……


総合評価:713/評価:8.76/連載:13話/更新日時:2026年10月29日(木) 18:00 小説情報

月夜に謡うトラツグミ【本編完結】(作者:宵煌夜)(原作:超かぐや姫!)

超かぐや姫!に変な子を混ぜただけ。▼それは突然現れる。▼ちょっと不気味で、シュールな言動で、彩葉を翻弄する後輩の女の子の話。▼2026/10/24 原作視聴推奨等のタグを追加しました。


総合評価:711/評価:8.94/完結:10話/更新日時:2026年10月23日(金) 21:04 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>