僕は友達が少ない-バタフライエフェクト-   作:金木令

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4話

目が覚めた。いや正しくは目が覚めてしまったが正しいか。俺は時計を確認する。午前5時だった。

 

午前1時に寝たから4時間しか寝てないことになるのか。7時に目覚ましをかけたはずなのに、勝手にこんな時間に起きてしまった。二度寝しようにも目が冴えてしまって寝れない。

 

ここは割り切って起きるか。ベッドから起き上がり洗面台に行く。睡眠時間は短かったが、目のクマはできてないし肌荒れもしていない。コンディションの確認が済んだ俺は、蛇口を開き水を出した。

 

冷水で顔を洗う。寒いから肌に触れる水が冷たく、より一層意識がはっきりとする。タオルで顔を拭き、櫛で寝癖を整える。

 

俺はキッチンに行き朝食を作る。冷蔵庫からハムとレタス、それに卵を3つ出し、棚から食パンを4枚出した。

 

レタスは葉を2、3枚取り一口大に手でちぎり水にさらす。卵をかき混ぜ塩胡椒を加える。熱したフライパンにバターを溶かし、溶き卵を流し入れる。すぐに菜箸でかき混ぜいくつかの塊ができる。これでスクランブルエッグの出来上がりだ。

 

レタスの水気を切り、マヨネーズを塗った食パンの上にレタス、ハム、スクランブルエッグの順番に載せ、食パンで挟み包丁で半分に切る。サンドイッチの出来上がりだ。

 

これは小鳩の分なのでラップに包んで冷蔵庫にしまう。同じものを再び作り、コーヒーを飲みながら口に詰め込んだ。

 

時刻を確認する。午前6時。家を出るにはまだ早い。

 

俺は小鳩の昼食を作ることにした。冷蔵庫からピーマンと玉ねぎ、ベーコン、ケチャップ、戸棚からパスタを出した。慣れた手つきでナポリタンを作り、ラップをかけて冷蔵庫にしまう。

 

午前6時20分、なぜ俺はこんなにも手際が良いんだ。夕食の下ごしらえをしよう。

 

玉ねぎ、ジャガイモ、ニンジンを出す。玉ねぎを細切りにして、ジャガイモとニンジンは乱切りにする。切った具材はタッパーに入れて、冷蔵庫にしまう。肉も切っておきたかったが、買い置きがないためデートの帰りにスーパーに寄ることにした。

 

6時40分。まだ7時になっていないのか!?

 

何をすれば良いだろうか、そうだトイレを掃除しよう。

 

トイレには神様がいるようで、綺麗にすれば良いことがあると歌ってた歌手がいたな。手袋と洗剤、ブラシ、雑巾を用意して便器と対峙した。

 

トイレ掃除は意外にも白熱し、時刻は午前7時30分を回っていた。そろそろ良い頃合いだろう。掃除道具をしまい、洗面台に行き歯磨きと髪を整えた。

 

昨日編み出した渾身のコーディネートに着替えた。しかし何か物足りない。そうだアクセサリーをしよう。これで少しは見栄えが良くなるだろう。

 

財布はケツのポケットにしまい、携帯電話をショルダーバッグに入れた。完璧だ、これなら星奈とのデートも大丈夫だな。

 

時計は8時を示していた。家でする事はもうないだろう。出発するか。

 

部屋を出ると小鳩と出くわした。目を擦る小鳩に俺は星奈とデートしに行くと告げた。小鳩は自分の頬をつねった後いつもの口調で、

 

「我が半身よ、魔女に惑わされること勿れ。」

 

大丈夫だろう。俺は健全な恋愛をするつもりだ。それに星奈も同じだろう。

 

いや、前言撤回だ。昨日いきなり押し倒され、挙句キスされたことを考えれば一線を容易に越えかねない。俺がしっかりしなくちゃ。

 

小鳩に朝食と昼食を冷蔵庫に入れてあることを伝えて、家を出た。

 

遠夜駅に着いた頃には、まだ9時だった。予定の時間まで1時間はある。本でも読むか。

 

バッグから本を取り出し、文字を辿る。あれ、この本いつも読んでいるよな、内容が全く頭に入らないぞ。星奈とのデートに緊張しているのか、まともに本が読めない。

 

読書に悪戦苦闘する中、声をかけられる。

 

「あれ、小鷹?アンタなんでもういるのよ。」

 

星奈だった。

 

星奈は今ここに俺がいることが意外なようだ。それは俺も同じだ。待ち合わせは10時だというのに、星奈も30分前に来ていることに驚いている。

 

「早く目が覚めてしまってな、家でやることがなくなったから、早めに来た。」

 

俺の言葉に何か察したのか、星奈はにんまりと俺を見る。

 

「早く目が覚めたって、そんなにあたしとのデート楽しみだったんだ。」

 

イタズラな笑みが地味に腹立つ。

 

「お前の方こそどうなんだ?まだ待ち合わせより30分も早いじゃないか。お前だって楽しみにしてたんじゃないか?」

 

俺の返答に面食らったのか、顔を赤くしていた。

 

「そんなことはないわよ!それより小鷹、アンタその格好何?」

 

何って、オレンジのニット帽、白いパーカー、その上にショルダーバッグをかけて、白いウインドブレーカーを羽織り、黒いスウェットパンツに白いスニーカー、シルバーのネックレスとブレスレットだ。どこもおかしいところはない。渾身のコーデだろ。

 

「ダッサいわね。ヤンキーの中学生かと思ったわ。」

 

え、ヤンキーの中学生?

 

夜更かししてまで考えたコーデを一蹴されて、自信がなくなった俺は虚無感に包まれた。

 

「予定変更ね、午後からゲーセンに行くつもりだったけど、服屋に行くから。」

 

星奈の提案に俺は目を丸くした。

 

「え?昨日承知しないって言ってたから、俺はてっきり服がダサいから帰るかと…」

 

「そんなわけないじゃない。まあ、あたしとのデートなのに変な格好してることには呆れてるけど、それで帰るほど器は小さくないわよ。」

 

そう言って星奈は腕組みした。

 

うん、確かに小さくないな。何がとは言わないが。

 

「でも午前中は一緒に見たい映画があるから、映画館に行くわよ。」

 

そう言って星奈は俺を連れて歩き出す。




恋愛経験0の小鷹少年のファッションは、おそらく中学生で止まっていると勝手に想像して書きました。
あとトイレの神様って16年前の曲なんですね。アニメはがないが15周年ですから時が経つのは早いですね。カール・ルイス並みに速いですね。
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