仕事が忙しく、中々更新が出きなかったです。
「はぁー美味しかったー」
店を出るとルサが大きな伸びをする。
「確かに美味しかった」
ルサの言葉に同意をするとこちらを向き頷いてきた。
「でしょでしょー。あともう一軒オススメの場所があるんだ!」
ルサは期待の目で俺のほうを見てくる。
「わかったよ。夜はそこに行こう」
俺がそういうとルサはガッツポーズをした。
もちろん、ルサのオススメなだけあって美味しいのだろう。
「それじゃあ、買い物を済ませちゃおっか!」
ルサが小走りで大通りへと進んでいく、後ろから着いていく俺も多少は小走りになってしまう。
今まで、狩りばっかりしていた俺はルサ以外の人とは話すことがなかった。
少し他の人と話しをするのが楽しみになっていたのだ。
「いらっしゃーい! 青トカゲの肉串がたったの三十コルだよー」
最初に聞こえてきたのは露天で串焼きを売っている青年の声だった。
「あー買いますー!」
続いてルサの声。
声がしたほうに走っていくと、串焼きを四本持っているルサの姿があった。
「さっきご飯食べたばっかりなのに良く食べられるな」
苦笑いをしながら串焼きを頬張ってるルサに話しかける。
「らって、ほいひそうらったんだもん」
「おいしそうだったの?」
聞き取れる範囲で聞きなおすとルサは頷く。
「よく食べられるな」
飲み込んだときを見計らって話しかける。
「お肉は別腹ですっ!」
それはちょっと違う気もするが……。
話し終わると同時に、再び食べ始めるルサを横目に串焼きを売っていた青年に話しかける。
「俺にも一本ください」
おいしそうに食べているルサを見ていると何故か腹が減ってしまう。
「にーちゃんも腹減ったか! はいよ三十コルな」
串焼きを売っている青年は気さくな様子で話しかけていた。
薄い茶色のシャツに緑色のベストを着ている、駆け出しの町商人と言った感じだ。
串焼きを受け取る、湯気までも再現されていてとても美味しそうであった。
「あれを見ていると腹がへるよなぁ」
町商人風の男はルサの方へと指をさす。
そちらに視線を向けると、美味しそうに肉を頬張っているルサの姿があった。
「そうなんですよ。さっき昼食をとったばっかりなんですけどね」
苦笑いをしながら答える。
ルサ以外の人と話すのが久しぶりなのか、少しだけ青年の声が大きく聞こえる。
「だよなぁ。俺も腹が減っちまったよ」
町商人風の男は自分で焼いていた商品を手に取り、頬張る。
「そら、食わんと冷めて不味くなってしまうぞ」
そう言われたので肉を頬張る。噛んだ瞬間に肉汁が溢れてくる。
トカゲの肉と言われていたからどんな味だか不明ではあったが、鶏肉に近い味であった。
「おいしいです」
素直な感想を言うと、にこっと青年は笑い。
「だろー。プレイヤーから買ったのはいいんだが売れなくて困ってたからよ。それなら自分で料理にしちまえば売れんじゃないかっておもったわけよ」
「なるほど」
俺が相槌をうつ。身なりからして料理人じゃないと思ったのだが、その予想は間違っていなかったらしい。
「本職は商人なんだが、色んな商品を扱いすぎてなー大通りからはぶられちまったわけよ」
確かに大通りの隣の路地で商売をするのは得策じゃない、客はほとんどが大通りに取られてしまっているだろう。
商売をするために必須の《ベンダーズ・カーペット》を二枚敷いて大きな範囲を陣取っていた。大通りでもこの商売スタイルは変えていなかったのだろう。
片方に並んでいる商品は武器や防具がメインとなっていて、他にもポーションなどの狩りに出かける際に必要な物が揃っていた。もう一つは主に食糧や武器強化に必要な素材などが並んでいて、大きく買い取りしますの看板。おそらくこちらは物を買い取りがメインとなっているのだろう。
「買い取りもしているんですか?」
看板の文字が気になった俺は青年に質問を投げかける。
すると、青年の顔が少しだけ真面目な顔になる。
「やってるが、にーちゃん売れるもん持ってるのか」
あまり整った装備をしていない俺を見て品定めをしたのだろうか。先ほどの真面目な表情は見えなくなっていた。
「最前線の素材を持っているんだけどどうかな?」
そういうと、青年は少し驚いた顔になるがすぐさま笑顔になった。
「そうかそうか! じゃあ、とりあえず見せてもらおうか」
俺の言った言葉を信じていないのか冗談まじりの声を出す。
「自己紹介がまだだったな、俺はアキンドっていう名前だ」
「商人らしい名前だな」
冗談を言い、笑いあう。
笑いあうと少しだけ頭に響くが、それも我慢できる範囲内だ。ルサと一緒に笑いあう時はいつも平気なのだが、ルサの声よりもアキンドの声が大きく聞こえる。
「俺はクリス。よろしくアキンド」
右手を差し出し握手を交わす。
「向こうで食べてばっかりいるのはルサティって名前だ」
俺とアキンドがルサの方を向くと、手を振ってくる。
それと同時にこちらへ走ってきた。
「クリス君。大通りいかないの?」
「行こうと思ったんだけど、ここで買い取ってもらえるらしいよ」
俺がそう提案すると、ルサは少し考える。
「そうなんだ、でもちゃんと行きつけ決めたほうがいいとおもうよ」
「それじゃあ、ここを行きつけにすりゃあいいじゃんか!」
ルサがいい終わると同時にアキンドが口を挟む。
行きつけを決めると後々楽になるだろう。アイテムを売りさばくのに一箇所で済むのは大変ありがたい。しかし裏路地で店を開けているところを、行きつけにするかは考えものだ。
「クリス君、どうする?」
ルサが俺の顔を覗いてくる。考えていることは大体一緒なのだろう。
「まあ、いいんじゃないかな。アキンドも悪い人じゃなさそうだし」
俺がそういうとアキンドは、ぱちんと手を叩く。
その音に多少はびっくりしたが、表情に出すのはなんとか抑える。
「よっしゃ。決まったことやし商談にしようか」
アキンドは、さあ来いと言わんとばかりに両手を広げていた。
メインメニューからトレードの画面を開き、アキンドを選択する。そこに今まで狩りで手に入れたアイテムを入れていく。
「うおっ、まじか!」
アキンドが声をあげる。
アイテムを入れていく毎にびっくりした表情になるのが少し面白い。
「あんたたち何やねん!」
アイテムを出し終えるとアキンドは興奮した様子で声を荒げる。
「全部最前線のアイテムやないか! 本当に最前線のプレイヤーだったんか」
「信じてなかったのか」
俺は苦笑いをする。
隣にいるルサは偉そうに胸を張っていた。
「ちょっとまっててな」
アキンドが紙を取り出し、じっと見つめる。おそらく相場一覧表なのだろう。
ルサから聞いた話によると、商人たちは独自にコミュニティーを作っていて、そこで相場を管理しているらしい。
もちろん、それより安く買い取る場合もあれば、高く売り出すこともある。
「それじゃあ、六万五千コルでどうだ?」
一通り計算が終わったアキンドが顔をあげる。
ほとんどが相場通りに計算してある。
「もうちょっと高くできないかな?」
俺がその値段で了承しようと思っていた矢先に、ルサがアキンドに値上げ交渉を行なっていた。
アキンドの顔に焦りの文字が浮かんでいるような気がする。
「これからもここに売りに来るからお願いします」
ルサが頭を下げる。
アキンドを少し困った顔をしたが、すぐに笑顔になり。
「わかった。じゃあ切りのいい七万コルで!」
トレード画面の数字が少し増え、了承ボタンが押される。
視線をルサの方へ向けると、にっこりと笑いうなづく。
指がトレード確認ボタンに触れ、トレード完了の文字が出てくる。
「取引成立やな」
アキンドが満面の笑みで話しかけてくる。
「そうだけど、良かったのか」
「構わん構わん。これからもここで売ってくれるなら大丈夫や」
アキンドは立ち上がり、商談用カーペットアイテムを片付け始めた。
「これからどこかいくの?」
不思議に思ったルサがアキンドに話しかける。
「鉱石とかを鍛冶プレイヤーに届けに行くんや。他のもんを買い取る金も尽きちまったしな」
片付け終わったアキンドは、俺たちにお礼をもう一度言ってから走り去って行った。
「なんか面白い人だったね」
ルサが笑いながら話しかけてくる。
確かに特徴的で話してて飽きないタイプの人だった。
「そうだね」
俺が返答すると、ルサはアキンドが走っていった方向へ走り出し。
「それじゃあ、中央通りに行こっか!」
と笑顔で振り返る。
日が暮れるまでに帰れることを期待しつつ、走っていくルサを追いかけた。
さて、皆さんはいかがお過ごしですか?
私は風邪をひいてしまって、会社をお休みしました。
そして更新です!
月末に休む会社員!
休みを使って更新する会社員!
反省します。