誤字脱字や、設定の違い、どこか読みづらい点などがございましたら、一言言っていただけると恐縮です。
狩りを初めておよそ三時間が経っていた。
すでに、青イノシシは百体近い数を倒して、レベルも一つ上がり、青イノシシのドロップアイテムである《フレイジーボアのツノ》も三十個ほど集まった。
青イノシシはSAO内では最も弱いモンスターであるが、そのドロップアイテムは最下級の刺突系武器の強化材料にもなる。
強化できるのは、始まりの町に売っている武器のみではあるが、それでも強化をすればそこそこ強くなる。
「一旦、町に戻るか・・・・・・」
薬も切れてしまった俺は渋々町に戻ることにした。
町までの帰り道の途中で団体の一つが何やら騒いでいた。
「本当にログアウトボタン本当にねぇよ・・・・・・」
「GMコールしてみろよ、システム側から落としてくれるかもよ」
普通の人間であれば聞こえもしないような声であったが、聴力が異常を来たしている俺にとっては十分な大きさだった。
そんな訳無いだろうと思いつつも、右手の人差し指と中指をまっすぐ揃えて掲げ、真下に振る。
すると、《メインメニューウィンドウ》が鈴を鳴らすかの様な効果音と同時に現れた。
半信半疑でメニュー画面を下に滑らす、一番下にこの仮想世界から脱出するログアウトボタンがあるはずだ。
メニュー画面がこれ以上下がらなくなった、一番下のボタンは空白になっている。情報サイトではここにあると書いてあったはずだ。
もう一度メニュー画面を見直す。
無かった。
どこを探しても無い。
「まあ、公式サービス初日だしな、バグもあるだろ。そのうち直るって」
先ほどの団体の言葉で少し安心したが、一抹の不安を抱えながらも町にも戻ることにした。
町に戻ると、聞こえるのはログアウトボタンが無くなった話題ばかりであった。
皆が不安になって声のボリュームが小さくなっているのか、それとも狩りに行っている人が多いせいか、声があまり聞こえない。
そのおかげで、気分が悪くなることなく、鍛冶屋にたどり着くことができた。
店内に入ると、聞こえる声も小さくなり、肩をなでおろす。
すぐさま、カウンターにいる店員に話しかける。
「いらっしゃいませ。メンテナンス、強化のどちらですか?」
「メンテナンスと強化どちらもで」
NPCとの会話は単語のみでも成り立つ。
例えば、今の強化か修理かと聞かれた場合、「強化と修理」だけでも成り立つがそこは雰囲気を味わうためだ。
「メンテナンスと強化ですね」
「はい」
NPCとは言え、年上の女の人には敬語を使ってしまう。
「強化品はショートスピア二本で、素材は基盤のみ買取で」
「了解しました」
カウンターの上にショートスピア二本と《フレイジーボアのツノ》を三十個を出す。
「一本に添加材を十五個づつ使って、+1づつにしてください」
SAOの武器強化素材には二種類あって、一つは《基盤》で固定で必ず必要である。
もう一つがもっと重要で《添加材》と言う。これは任意であるが、どの添加物をいくつ使うかで成功率と強化の種類が決まる。
俺が出した《フレイジーボアのツノ》は鋭さの強化素材なので、攻撃力があがるというわけだ。
「了解しました。スチールが八個で400コル、それとメンテナンスと強化の手数料を合わせまして、800コルになります」
先ほどの狩りで稼いだ金額の七割近くの金額だが、仕方の無い出費と割り切り支払う。
今回出した添加材が十五個で成功率は九割。最悪の場合でも安価なショートスピアが攻撃力がアップしないまま帰ってくるだけだ。
そこまで悪い出費ではないと考えながら、支払うと店員は材料を持って奥の鍛冶場へと運んでいった。
カン、カン、と言う心地の良い音であるはずのインゴットを叩く音も、常人の十数倍の聴力を持っているとなると頭痛の種にしかならなかった。
インゴットを叩く音が終わり、しばらくすると店員が裏から出てきて、ショートスピアを二本カウンターの上に置く。
「おめでとうございます!二本とも成功です」
成功したときは、いつもこう言う様にプログラムされているだけのNPCの言葉が妙に嬉しかった。
ありがとうございます!と言うとNPCが話しかけてきた。
「冒険者さんはこれからお出かけですか?」
「えっ、はい・・・・・・そうですけど」
NPCから話しかけられるとは思ってもみなかった俺はうまく話せない。
少々戸惑ったがNPCはそれ以上話しかけてこない。すると店員の頭上に金色のクエッションマークが点灯した。
これはクエスト発生の証で、幾つかあるクエスト発生フレーズを思い出す。
「何かお困りですか?」
今回、少し説明が多くなってしまってごめんなさい。
うまく説明できたのかも不安です・・・