魔法少女リリカルなのは ~ kaleid liner ~ 作:クオリア778
燃え尽きたぜ、真っ黒に···
書き溜めていた分ががががg···
でもまぁ、お楽しみ戴けるなら幸いですね~
~ 社務所 ~
「じゃあユーノ、回復術式を頼む」
「うん。ここは安全だし、単純な設置型でいいかな」
術式を敷いてユーノが畳に座り込む。
尤もその姿は小動物なので微妙にコミカルなのだが。
「さてと、改めて自己紹介······なのは?」
「············ソーマ君の布団···」
「あー、なのは?」
「······はっ!? な、何かなソーマ君!?」
「······いや、何でもない」
目を逸らしつつ気にするなと告げる。
「ちょっと待って!? 何か重大な勘違いをしている気がするの!?」
「安心しろ。なのはがどんな子でもみんな気にしないから。······あ、そっからこっちには入らないでな?」
「違うのー!?」
滝にような汗を流しつつ否定するなのは。
当たり前だが必死だ。
「···さて。なのはいじりも済んだし、自己紹介を始めよう」
「いじっただけなの!?」
「何を叫んでいるんだ? ほら、なのはから自己紹介」
「······高町なのは。聖祥小学校3年生」
「ユーノ・スクライア。職業は遺跡発掘です」
「オレは八束ソーマ。ここ八束神社の神職代行を務めている」
顔と名前を一致させるように1人1人を確かめていたアルフ。
小さく頷いてソーマに向けて口を開く。
「あたしはアルフ。この子、フェイト・テスタロッサの使い魔だよ」
「使い魔?」
「生物の素体を利用して作る人工的な生命体だよ。素体と魔導師によって能力に差が出るんだ」
「ざっと見た感じだが、かなり上物だな。素体もだが、魔導師の腕もなかなかだ」
「そう思うかい?」
「ああ。こうして何気なく話していながら、警戒を緩めていない処なんかは特にな」
「······気に障ったなら謝るよ。あんた達はあのバケモノを倒したんだから、流石にね」
頭を掻きつつ白状するアルフ。
「気にしてはいない。当然だしな」
「っていうか、私もおんなじに見られてるの!? 無理だよ!? 私には無理だからね!?」
「え? そうなのかい?」
「なのははソーマの合図で封印砲撃を撃っただけなんだ」
「早く片がついて助かったぜ? オレには封印できないからな。·····そう言えば、なのは。家族に連絡は?」
「ふぇ? ······にゃあああ!? 忘れてたぁぁぁ!」
電話を掛けにいくなのはを見送り、ソーマが気配を変える。
「っ!」
「時間もあまりないから単刀直入に訊く。何の為にジュエルシードを集めている?」
「······!?」
「······だんまりか? まあいいが···」
アルフの耳元に顔を寄せるソーマ。
「プレシア・テスタロッサに話がある。案内を頼みたい」
「っ!? アンタ!?」
気色ばむアルフが手を伸ばすが、既にソーマはその場を離れている。
「此方から危害を加えるつもりは無い。内容は······そうだな······蘇生魔法について、とかはどうかな?」
「···っ······本当だね?」
ソーマの言葉はアルフにとって見過ごせない内容を含んでいた。
最大限の警戒をしつつ話に乗る意志を見せる。
「そも敵対の意志があるなら、こんな遠回りはしないさ。[庭園]の存在する空間その物を消し飛ばせば終わりだろ?」
場所の名称まで告げられては、理解しない訳にはいかなかった。
目の前の少年はこの次元に居ながらにして、[時の庭園]を破壊できるのだと。
「わかったよ。······今すぐかい?」
「いいや? 管理局が来る前に片付けたいから早い方が好ましいのは事実だが、特に期日は設けない」
つい、と視線をフェイトに向ける。
「流石に疲れきった女の子を残す訳にもいかないだろう?」
「そりゃそうだけど······そう言えば、アンタ親はどうしたんだい?」
何だかんだしている内に、もう日も暮れかけている。
だというのに一向に帰ってくる気配も無く、それどころかソーマ以外の臭いがしない。
「育ての親なら3年前に死んだよ。以来、1人暮らしでな。自宅と同じようにとはいかないだろうが、ゆっくり休んでもらって構わない」
[予備の布団はどこやったっけな?]等と呟き部屋を出ていくソーマ。
その後ろ姿を見送ったアルフは、傍らのユーノに視線を向ける。
「一体どんなヤツなんだい?」
「僕もよくは知らないよ。今日初めて会ったからね。ただ···」
「ただ?」
「なのはだけじゃなく、沢山の人から信頼されてた。悪人とは思えない」
「······まあ、確かにね。···あたしらは敵のはずなんだけどなぁ···」
「ただいまー。今からアリサちゃん達が······あれ? ソーマ君は?」
「布団を探しに行ったよ。それにしても、長かったね?」
「アリサちゃん達から怒られたの」
跳ねた2本の前髪が[へにゃり]と萎れる。
「······あの髪、生きてる···?」
「そんな事は···」
「どうしたの?」
ピコン♪
「······あるかも」
「······人間、だよねぇ?」
「非常識な変身をしないから······多分?」
「アルフー、ちょっと手を貸してくれ」
「っと、行ってくるよ」
「うん。フェイトなら僕たちで看ておくよ」
手をヒラヒラさせて出て行くアルフ。
それを見送ってユーノはなのはに身体を向ける。
「なのは、この世界の英雄には、どんな人がいたの?」
「わ、私に訊くの!? そんなに詳しくないけど、アーサー王とかヘラクレスとかかなぁ?」
~ 空き部屋 ~
「あのバケモンはヘラクレスって英雄なのかい?」
「ああ。尤も、理性をぶっ飛ばした代わりに戦闘能力を引き上げた[バーサーカー]って代物だがな」
「はあぁ······昔のこの星にはあんなのがゴロゴロしてたのかねぇ?」
「視界内の全てを石にする女性や、必ず心臓を貫く槍を持つ男性はいたらしいな」
「物騒な話だねぇホント」
眼下で布団を敷いている少年が、実はそれらの英雄になれる能力者だったりするのだが(笑)
尤もアルフのソーマに対する認識は、[英雄という規格外に勝てるバグキャラ]という物だったりする。
「じゃあアルフ、そこの布団をバインドで持って行ってくれないか?」
「さっき部屋でいいんだね?」
「ああ。オレはちょっと本殿に用があるから、頼む」
「まかせときなよ」
ソーマ部屋を出て行く。
「············どうだい? あの子がフェイトを助けた魔導師だよ」
ゆっくり5つ数えたアルフが虚空に向かって呟くと、何もない空間から歪み小型の機械が現れる。
「ああ、間違いないわ。アリシアを救ってくれる方よ」
感極まったように語る女性は、ウィンドウを反転させるや否やアルフの目と鼻の先にまで近付く。
「いい、アルフ。条件は基本的に何でも飲んでいいわ。くれぐれも失礼のないように。い・い・わ・ね?」
「わかった、わかったから、顔が近い、だから怖いよ!?」
血走った目で、鼻息は荒く、解れた髪が口元に一房、極めつけの呪詛でも吐きそうな口調。
病に侵され悪い顔色を隠す為に、濃いめの化粧を施した女性というのも相まって、ぶっちゃけ怪談なみの迫力だ。
「···あら、ごめんなさいね、アルフ」
「しっかしあの子が本当に[そう]なのかねぇ?」
「民間もダメ、管理局もダメ、最後の手段のスカリエッティは論外だったし。······もう手立ても時間もないのよ」
「そもそも1つの魔法効果を何年も継続させるとか、原理すらわからない[呪い]って魔法とか。一体どうやってるんだか」
「それが解れば苦労しないわよ」
「だよねぇ」
アルフが目に見えて落胆する。
「···さってと。じゃ、あたしはこれ運んじゃうからさ」
「ええ。フェイトをお願いね。それと、あなたもちゃんと休みなさいね?」
「わかってるよ」
~ 時の庭園・玉座の間 ~
アルフが布団をチェーンバインドで雁字絡めにして引っ張っていく。
それを見届けたプレシアは、ウィンドウを消して呼吸を整える。
「かつての大魔導師がサーチャー3つでこのザマか。やんなるわね」
自嘲したプレシアは映像から切り取った写真データを開く。
写っているのは赤い槍を振るうソーマ。
「あなたが[ゴーストライナーを宿す者]かどうか···いえ、そもそも[ゴーストライナー]が何を表している言葉かすら解らない。けれど···」
愛おしげに写真に触れる。
「けれどそれでも、見せられた姿は間違いなく貴方。呪いを掛けた男と敵対していた彼女の言葉を信じるのなら、貴方がそうなのよね」
祈るように呟かれた言葉は、冷たい床に吸い込まれて消えていった。
仲良くなった少女たち
その光景はとても貴重で、まさに奇跡のような···
これを壊さない為にも、彼は次元を超える
次回[幕間2]