餓死寸前の獣人少女に餌付けをしたら、ヤンデレハーレム村の村長になっていた 作:破滅
ガサゴソと藁と衣の擦れ合う音が鳴る。
目を開けると、小窓の隙間から日の光が漏れ出ていた。焚火の火は消え、木は真っ白な灰になっている。どうやら朝が来たらしい。
「んむぅ」
半裸のケモ耳美女が、隣で寝ていた。
処女雪の白い肌、しっとりとした黒髪、同じく艶やかなふさふさの尻尾。
肋骨が少し浮き出てしまっているけど、それなりに大きな胸が藁のベッドに押しつぶされている。
掌から溢れ出るあのサイズが柔らかさがまだ感触として残っている。
したのだ、俺は昨夜。ツバキさんと。
さらさらと耳の付け根を撫でてみるとくすぐったそうに身を捩らせていた。
青い瞳と目が合った。
「すみません、起こしちゃいましたか?」
何も言わず、ツバキさんは俺の膝に頭を乗せて鼠径部の辺りに鼻を埋めてくる。すぅぅっと息を吸い込まれて少し恥ずかしい。
「いや、どの道起きる時間だ。むしろ寝過ごしてしまった」
隙間から見える外の明るさを見るに、日は既に高く昇ってそうだった。
猫みたいに腕をピンとしながら背中を伸ばしたツバキさんはそのまま立ち上がって外に出ようと――
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「なんだ?」
「服、着ないと」
「あっ……」
一糸纏わぬ自分の姿に気付いたみたいだ。しかし恥じらったり隠したり様子はなく、むしろ胸を張って丸出しのおっぱいを強調してくる。
なんかムカついたので、ドアを勢いよく開けた。薄暗かった部屋に光が差し込んでくる。
「乳首、綺麗なピンクなんですね」
「……そ、そんなジロジロ見るな」
胸を片腕で隠して、尻尾でお尻も隠していた。恥じらいがないというわけではないらしい。
着流しを着て、俺も倣ってズボンを履く。服。洗濯したいけど替えの服がないな。
……いや、待てよ?
思いついて、
出せた。
イメージしたのは飲食店の制服だ。
料理には衛生的な格好が不可欠だし、それ用の服であれば調理具の一種と言えるだろうと思ってのことだったが、上手く行ったらしい。
「ミチル、今服を出したのか?」
「はい」
「在庫はまだあるのか……?」
ツバキさんの着流しもそうだけど、それ以上にこの村の人たちの格好も大分ボロボロだったことを思い出した。
「村の人全員に配れるくらいは」
「本当か!? だったらその……」
「任せてください」
黒ズボンとシャツを出そうとして思いなおす。
着心地は良いし便利ではあるけど、せっかくのケモ耳美少女たちが飲食バイトの制服で過ごすのは些か味気ない気がする。
せっかくだし可愛い服も出せないだろうか。
そう思ってフリフリのメイド服をイメージしたら、出せた。
あ、そうか。メイド喫茶が存在してるから、これも広義だと調理服って解釈をすることも出来るのか。
「な、なんだこの服は……。ひらひらし過ぎてないか? スカートの丈も短いではないか……」
着流しの上から出したメイド服を当てたツバキさんは顔を赤くしている。
「これ、村の子供たちには似合うだろうが私には無理だな。与えて貰う立場で我儘言って済まないが、私にはミチルのような服装を用意してほしい」
「えー、ツバキさんはこれ着たくないってこと?」
「流石にその、恥ずかしい」
刀を帯びたメイドさん、格好良いし絶対似合うと思うんだけどなぁ。まあでも、嫌がるところに無理強いは出来ないか。
エプロンを出す。
「ミチル! 今度は後ろがないぞ! なんだこの服は!」
「それはエプロンって服で、料理の時に服が汚れないように上からかけるんだ」
「な、なるほど。ではなぜ、このタイミングで?」
「あ、いや、その……女の子が裸のままそれだけを着るみたいのが全男子の憧れでありまして」
「……ミチルは、私に裸でこの服を着て欲しいのか?」
「まあ、はい」
「……そうか。まあ夜であれば、こういう破廉恥な格好をするのも吝かではないが」
「ってことは着てくれるってこと!?」
「……その代わり、たっぷり責任は取ってもらうからな!」
人差し指を向けて言ったツバキさんに、昨日のことを思い出す。一度出しても全然満足してくれなくて、何度も搾り取られた。
エロい格好をしてくれて、エロいこともしてくれるという宣言。それなんて天国?
冗談はさておき、着物を創り出した。
「これは……」
「やっぱりツバキさんにはこれが似合うと思うから」
料亭の給仕服は着物だから、出せると思った。
受け取ったツバキさんは、頬を綻ばせて大事そうに着物を抱え込んだ。
「こんな上等な着物を。ありがとう、ミチル」
ツバキさんの家を出て行く。
外では水道の周りに人が集まって何やら話したりしているようだった。
井戸端会議の水道バージョンってことだろうか?
「おはよー、お兄さん!」
赤茶色の髪の可愛らしいケモ耳少女、アカネちゃんが笑顔で駆け寄って来る。
「おはよー」
挨拶をしてくるわけではないけど、みんながジロジロ見ている。
あー、朝ご飯か。
寝坊したから時刻は昼前。みんなお腹を空かせている頃合いだろう。
作るか、朝飯。
厨房領域でキッチンを出す。
水道で手と顔を洗いうがいをする。
さて、何を作ろうか。
「アタシも手伝うよー」
献立を考えているとアカネちゃんが隣に着て、手を洗い始めた。
「ねえ、お兄さん。ツバキ姉ちゃんの家から出て来たよね。昨夜はお楽しみだったの?」
ニヤニヤと笑いながら指を手のわっかに抜き差しする下品なジェスチャー。
マセガキが……。
「子供がそう言うこと言うんじゃありません」
「子供じゃないもん! あと二年もすれば結婚だって出来るくらいの年だし!」
「ちなみにいくつなの?」
「12歳」
「子供じゃん」
ってかこの世界、14歳で結婚できるのかよ。早すぎない?
いや、獣人の文化かもしれないけど。でも中世ではみんな16歳で結婚してたみたいな話聞いたことあるし、そういうものなのか……?
「それよりアカネちゃん、何か食べたいものある?」
「食べたいもの? 何でも良いの?」
「なんでも良いよ」
少し考える素振りを見せてから、遠慮がちに。
「その、出来るならお肉が食べたい」
「肉ね」
この村の人たちは犬なのか狼なのかは理解らないけど、肉食獣のケモ耳をしている。肉を食いたくなるのは必然か。
とはいえ、肉と言っても色々ある。
肉で、朝ご飯で……。
「じゃあホットドッグにしようか」
「ホットドッグ? ワンちゃんを食べるの?」
「違う違う! ソーセージ……ひき肉の腸詰と野菜をパンに挟んで食べる料理だよ」
昨日の食事でみんなの消化器は回復しているだろうし、スープと一緒に出せば問題なく食べれるだろう。
「ワンちゃんのお肉?」
「違うから。豚肉だから」
「良かった。私たち、ワンちゃんのこと大事にしてるから、食べるって言われたら、大変なことになるところだった」
「流石に犬は食べないよ」
食べる地域はあるらしいけど。羊頭狗肉の狗肉って犬肉らしいし。見せかけのって意味の諺だし、犬肉自体そんな美味しいものでもなさそうに思えるけど。
でも、考えてみれば少し配慮が足りなかったかもしれない。
地域によっては豚肉や牛肉、そもそも肉自体を食べることを禁止している地域だってある。肉自体はアカネちゃんのリクエストだったし大丈夫だろうけど。
「ちなみに豚肉は大丈夫?」
「大丈夫だよ! っていうか昨日の汁に入ってたのもそうでしょ?」
「そうだね。確かに」
無限食料から太くて大きいソーセージとコッペパンを50本ずつ出し、それからキャベツも出していく。
「お兄さん、私は何をすればいいの?」
「包丁は使える?」
「刃物はあんまり得意じゃないかも」
「じゃあその鉄板にソーセージを並べて焼いていって」
「ソーセージってこの棒みたいな形のやつ?」
「そうそう。鉄板は熱いから直接は触らないようにね」
「はーい」
元気よく返事をしたアカネちゃんはソーセージを並べていく。俺はキャベツの千切りを始めた。
調整平均が8.0を下回りました。
面白いものを書こうと思っているつもりなんですけど、実力不足なんでしょうね。難しいです。