「
地元からはだいぶ離れた、急速に発展している新興都市。古い歴史と最先端が入り混じる味わい深く洒落たこの街が、新天地。
俺は
「…‥‥‥はぁ。」
そんな俺がどうして平日の昼間から溜息をつきながらトボトボ歩いているかと言えば、バイトの面接の帰り道だからだ。
今のところは金銭的には困っていないが、この先何があるかは分からないし社会経験を積むと言う意味でもバイトはしたいのだ。
「‥‥‥あのコンビニ、絶対やばいだろ。」
店長と面接していたのだが、聞こえてきた店長とバイトのやりとりがちょっとやばそうなのである。勝手にシフトを倍にされてるとかレジの金額が合わないから自分で補填しろだとか、仕入れが違うだとか。どう考えても入って後悔する。そんでもって簡単にはやめさせてくれないのが眼に見える。店長も害悪ロックバーン使いそうな感じだし、採用通知きても絶対に断ろう。てかシカトしてやる。二度と行かない。
「早めにバイト先決めたいんだけどなぁ…‥‥‥」
幾つか候補はあるとはいえ、また振り出しだ。今すぐ始めなければならないという訳ではないにしろ、時期的にバイトを始めようとする人も少なくない。良いところが埋まってしまう前に良いところを見つけられればいいのだが…‥‥そう簡単にいくものか。そんなに上手くいくのなら手札事故とか起きるわけがないし、箱を開けてお目当てが無かった時の絶望とか無い訳で。
「‥‥‥‥取り敢えずお昼にするか。」
もういい時間だし、少し気疲れしてしまった。休憩がてら他の求人を見たりもしたいし、どこかゆっくりできるところが良い。ラーメンは選択肢から除外して、うーんファミレスか‥‥‥?
「おい、姉ちゃん。美人さんだねぇ~。」
「うっさい何ですか?バイトあるからどいてくれません?」
‥‥‥‥何かそこの路地裏から声がする。
ちょっと気になっての字て見ると、ピアスとかネックレスとかジャラジャラ付けてるいきりヤンキーお三方が黒いキャップを被った淡い水色のポニーテールの若い女性を囲んでいる。こういうナンパってフィクションじゃないのな‥‥‥って、違うか。
「たまには遊ぶことも大事だぜ?オレらみたいなイケてるヤツとさぁ~。」
「牛みたいに鼻に輪っか付けてるヤツのどこがイケてるのよ。正直ダサい。そういうの付けてないと外出れないの?」
「なんだとテメェ!?そういうそっちは、そういうの
「触るな気持ち悪い!!」
ヤンキーの一人が女性に手を上げようとして素早く右手を伸ばすが、素早い反応で払いのける。
「お前ェ‥‥‥!!」
一校にいう事を聞かない女性の強気な態度にとうとう怒りが頂点に達したのか、ヤンキーどもが3人揃って拳を振り上げ‥‥‥‥‥ることは無く、左腕に付けた決闘盤を展開してデッキをセットする。
「‥‥‥‥いいよ。1人づつ叩きのめ「勘違いしてねェか?」!?」
「オレ達、3人纏めて決闘するんだよ姉ちゃん~?」
「なっ!?」
「オレらが勝ったら、デートしてもらうぜェ‥‥‥
「アンタら…‥‥‥!!」
「どうしたァ、目ェかっぴらいて?行くぜ、デュエ「オラアァ!」ルぐあぁっ!?」
「なっ!どうした‥‥‥って誰だお前は!?」
通り過がりのいっぱんぴーぽーっス。
「こんにちはからのアッパアァァァアッ!!」
「グふぉブぅっ!!??」
俺の見事な背後取りからの後頭部ダブルスレッジハンマーからの昇竜拳を決めた俺はすかさず女性の手を掴んで引き寄せ、肩に担ぐように抱きかかえる。
「ちょっと!何なのアンタは!?」
「逃げるぞ!舌嚙むなよ!」
流石に不慣れな道とはいえ多少は鍛えているので中々の速さでヤンキーとの距離を離していく。やはり決闘者たるもの鍛えなければな。
「よし、これなら‥‥‥‥!」
「この道は…‥‥!ダメ!引き返して!」
「え、ちょっ痛い痛い!?‥‥‥‥‥あ。」
担いだ女性が俺の背中や頭を中々の力で叩きまくるのでいったん止まると、必死に走っていたのもあって見えていなかった状況が嫌でも理解っ出来てしまった。
行き止まり?
‥‥‥‥‥俺引っ越してきたばかりで土地勘なかったよそういえば!?
不味い。非常に不味い。プレミしちゃった。つい衝動的に動いてしまったが、普通に考えて引っ越してきたばかりのやつよりあのヤンキーどもやこの人の方が道を分かっている。
恐る恐る後ろを見ると怒り心頭といった様子の、一発も殴らずに置いていったヤンキーが徐々に近づいてきている。
「…‥‥‥ねえ、これどうすんの?」
「本当にすみません。‥‥‥でも、どうにかするよ。」
「どうにか?アンタが?」
どこか呆れ気味の女性を丁寧に下ろして、庇う様に前に立つ。俺が首突っ込んで走り出したりしなければ避けられたかもしれない事態だ。責任をもって対処しよう。
「テメェ…‥‥よくもオレの
全然顔似てなかったけど兄弟?複雑な家庭事情かソウルフレンド的なやつなのか…‥‥まあ、関係ないか。
「始末は、つけてくれんだよなァ?」
「勿論。俺と
リュックを下ろして中から
「俺が勝ったら俺達の事を見逃して報復もしない事。アンタが勝ったら…‥‥‥どうする?」
「オレが勝ったらその女を貰う。ついでに慰謝料代わりにテメェのデッキを寄越しな!」
「彼女は誰の物でもないと「うるせぇ!!さっさとやって負けやがれ!!」‥‥‥だって。いい?」
「トロフィー扱いなのはムカつくけど、仕方ないか。」
「それはどう「でもまさか、勝てるんでしょうね?勝手に首突っ込んできたからには?自信がないとか衝動的な偽善なら直ぐに私と変わって。デッキ取られるなんて、決闘者なら誰だって避けたいでしょ?」……ああ、そうだね。だから、
手でシャッフルしたデッキをディスクにセットするとオートシャッフルされ、プレートが展開。同じくディスクの展開を終えた相手のディスクと連動してソリッドビジョンを展開する。
「瞬殺してやらァ、ボケナス…‥!」
「始まってもないだろ‥‥‥‥行くぞ。」
互いにデッキから最初の手札5枚をドロー。それと同時に決闘開始の合図を行う。
「「
遊一:LP8000
ヤンキー:LP8000
ディスクのパネルにライフポイントと”SECOND”の文字が表示される。後攻か。
「行くぜ、オレの先行!手札から魔法カード〈暗黒界の取引〉を発動!互いにカードを1枚ドローして手札から1枚捨てる!」
こっちも引いていいのか?しかも墓地肥やしまで。まあ、俺のデッキは余り墓地を使いまわさないんだが。
「そして手札から捨てた〈暗黒界の術師 スノウ〉の効果!効果で手札から墓地に捨てられたとき、デッキから「暗黒界」カード1枚を手札に加える。オレは〈暗黒回廊〉を手札に加えそのまま発動!デッキから「暗黒界」モンスターを1体を手札に加えて、手札1枚を捨てる!〈暗黒界の門番 ゼンタ〉を加えて捨てる!この時、効果で捨てられた〈暗黒界の門番 ゼンタ〉の効果でデッキから〈暗黒界の門〉を手札に加えてこれもそのまま発動する!」
ヤンキーがデッキから持ってきたカードをディスクのフィールド魔法用のスペースにセットすると、周囲の景色は路地裏でから雷の鳴り響く冷たい岩場となり、ヤンキーの背後には不穏な気配の漂う巨大な門が現れる。
「コイツはフィールドの悪魔族の攻撃力と守備力を300アップする。それだけじゃねェ。1ターンに1度、墓地の悪魔族を一体除外して手札の悪魔族を一体捨てる。そして1枚ドロー。墓地から除外された〈暗黒界の門番 ゼンタ〉の効果で、フィールドに「暗黒界」カードがあるから復活するぜェ!効果で捨てた〈暗黒界の鬼神 ケルト〉も復活だァ!」
〈暗黒界の門番 ゼンタ〉 星4/闇属性/悪魔族 守1800→2100
〈暗黒界の鬼神 ケルト〉 星6/闇属性/悪魔族 攻2400→2700
墓地から特殊召喚されたのは、ヤンキーのフィールドに恐ろしい姿をした盾を持った悪魔と、角の生えた筋骨隆々の悪魔。だが、これだけじゃ終わらないだろう。
「魔法カード〈暗黒界の援軍〉!オレの墓地のレベル4以下の悪魔族を一体蘇生して手札を1枚捨てる!甦れ、〈暗黒界の術師 スノウ〉!」
〈弦魔人ムズムズリズム〉 星4/闇属性/悪魔族 攻1700→2000
「ここからだぜェ‥‥‥今捨てた〈暗黒界の魔神王 レイン〉の効果!デッキからレベル5以下の「暗黒界」モンスター1体を手札に加える!〈暗黒界の狩人 ブラウ〉だ!そして、〈暗黒界の魔神王 レイン〉は、オレのフィールドのレベル7以下の「暗黒界」モンスターを手札に戻すことで復活する!スノウを手札に戻し、来やがれ!〈暗黒界の魔神王 レイン〉!!」
〈暗黒界の魔神王 レイン〉 星8/闇属性/悪魔族 攻3000→3300
マントのような大きな翼を生やした黒銀の巨体。錨のような黄金の穂先を持つ槍を携えし、正に王と呼ぶべき姿の悪魔。これがエースか?
「ふーん。いきなり攻撃力の高いモンスターを並べてきたか。デッキも結構回ってるし、意外とやるのね。」
「へへっ、まだまだこっからだぜェ?オレはカードを2枚伏せてターンエンドだァ。」
相手のデッキは効果で手札から捨てられることで効果を発動する「暗黒界」デッキ。既にフィールドには高ステータスのモンスター3体と伏せカード2枚。手札2枚の内1枚と伏せカードが怖いが、次のターンで更に展開、盤面を固めて決めに来るだろう。とはいえ、手札が手札だ。まずは盤面を整える!
「俺のターン、ドロー。魔法カード〈七星の宝刀〉を発動!手札かフィールドからレベル7モンスターを1体除外して2枚ドローする。俺は手札の〈
「アストジスタ?聞いたことがないカード‥‥‥。」
「へッ、どうせ雑魚だろ。」
「俺は〈
現れたのは赤のパーカーと白いマントを纏った金髪のお下げの少女。悪魔に立ち向かうには不釣り合いに思えるだろうが、俺にとっては頼もしい仲間の一人だ。
「「
「そしてこのカードは1ターンに1度、フィールドに魔法使い族「星想」モンスターが召喚された時、手札から特殊召喚できる。〈
〈
レッドパーカーの隣に出現したのは紺色の軍帽と軍服をキッチリと着込んで左目にモノクルを付けた静かな佇まいの狼男。
「赤頭巾の次は狼男?」
「レッドパーカーの効果を発動。1ターンに1度、Eカウンターを1つ取り除くことで相手の魔法・罠カードを一枚破壊する!」
レッドパーカーが青い光を周囲から収束して球状にし、それをヤンキーのフィールドに伏せられたカードに向かって少々不格好なフォームで投げる。光球がぶつかって露になったそれは〈暗黒界の洗脳〉。あれは確か、自身の手札が3枚以上の状態で相手の効果が発動した時に、場の〈暗黒界〉モンスター1体を対象に発動する通常罠。手札補充が上手くいっていなくて良かった。こっちは二枚の手札補充カードが無ければ展開どころか詰み一歩手前だった。調整ミスったな‥‥。でもやるしかない。
「魔法カード〈
フィールドに現れたメルヘンチックな造形のフラスコ。レッドパーカーとウェアウルフが手を翳し青いエネルギーのようなものを放ち、フラスコの中身の半分が夜空のようなグラデーションの光で満たされる。液体の様にも色つきの煙のようにも見える。
「そしてレベル3のレッドパーカーとウェアウルフでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!ランク3,刻めリズム!〈弦魔人ムズムズリズム〉!」
〈弦魔人ムズムズリズム〉 ランク3/風/悪魔族/攻1500 OU:2
2体のモンスターが地面に現れた金に輝く渦に吸い込まれると、眩い光と共にさすらいのギタリストといった風貌の二頭身の悪魔が現れる。
装備魔法〈
青白い光と共に現れたのは青い宝石がはめ込まれた小剣。ギターを立てて、ムズムズリズムが右手でキャッチする。
「これは自分フィールドに「星想」モンスターかEカウンターの乗った魔法カードがあれば装備できる。装備モンスターの攻撃力を500アップ!」
〈弦魔人ムズムズリズム〉攻1500→2000
「ハッ!そんだけやっても攻撃力2000とはなァ‥‥‥そんな雑魚でどうすんだ?このデュエル、もう先が見えたぜ!」
「ああ、そうだな。
LP8000でいい?
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おけ
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アニメに倣って4000で