決闘喫茶「PLAY・KING」   作:鋼蛙

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いかん、出そうとしたデッキ候補が全部エクシーズテーマだ‥‥‥
丁度いいファンデッキを探さねば…‥‥‥


面接決闘!遊一VS透!

「透‥‥さんと決闘すればいいんですね?」

 

「はい。珈音は既にあなたのデッキを少し見ているでしょうし、自分ともう一人の店員は営業に回らなければならないので丁度いいかと。しかし勘違いしないでください。ここの店員に、弱い決闘者はおりません。」

 

公平性を保ちつつ店を回す為の人選というわけか。どこか自慢げに言うと、店長は手招きしてポニテのメイドさんを呼び寄せる。

 

「なんです店長?」

 

「これから瀬名さんの面接決闘を行います。透、貴女が相手です。」

 

「はあ?‥‥‥まあ、いいけど。何処でやるの?テーブル?スタンディング?」

 

「スタンディングでお願いします。」

 

「スタンディングって、一体どこで?」

 

まさか店内でソリッドビジョンを使う訳じゃあるまいし、一体どこで?

 

「こっち。ついて来て。」

 

「あ、ああ。」

 

スタスタと歩いていく彼女に付いて行くとテラス席に出る。そこは広めの庭となっており、綺麗に整備され花も植えてあるが、よく見るとソリッドビジョンの補助システムが設置されている。どうやら最初からデュエルフィールドとして使う事を想定しているらしい。決闘喫茶というだけはある。

 

「ライフポイント8000、手札5枚スタートのマスタールール。いい?」

 

「ああ。問題ない。じゃあ、よろしく、ってもう準備してるし‥…。」

 

俺が言い終える前に透は決闘盤を装着しながら背を向けて決闘の準備に入っていた。普段のバイトでクレームとか入っていないのだろうか‥‥‥。

 

「…‥‥‥そうだ。一応言っとくね。」

 

「?」

 

「さっきも言ったけど、いきなり蹴っちゃってごめん。でも、それとこれは別。要は‥‥‥手加減なんて、してあげないから。」

 

「そっちの方が助かるよ。言い訳なんてされたら困る。」

 

決闘盤、装着。デッキをシャッフルしてセット。オートシャッフル。決闘ターゲット、ロックオン。ソリッドビジョン・システム、起動。

 

「じゃあ‥‥行くぞ。」

 

「いつでもどーぞ。かかってこい、なんてね。」

 

 

「「決闘(デュエル)!」」

 

遊一:LP8000

透:LP8000

 

 

「先行は‥‥‥あたしか。あたしは〈マドルチェ・マジョレーヌ〉を召喚。」

 

 

〈マドルチェ・マジョレーヌ〉 星4/地/魔法使い族/攻1400

 

 

フォークとお菓子を組み合わせたような箒に乗って絵に描いたような可愛らしい魔女がピンクの髪を揺らしながら飛んでくる。ウィンクしながら指を振ると先がピンク色に光り、透のデッキも同様に光る。

 

「召喚に成功したから、効果でデッキから「マドルチェ」を1体手札に加える。〈マドルチェ・プティンセスール〉。で、プティンセスールはあたしの墓地にモンスターがいなければ特殊召喚できるから特殊召喚!」

 

 

〈マドルチェ・プティンセスール〉 星4/地/天使族/攻1400

 

 

続いて現れたのは金髪の幼女。髪やスカートのフリルがお菓子っぽいし、髪飾りはフルーツの葉のようだ。

 

「お菓子みたいな可愛いモンスター‥‥‥喫茶店にはピッタリだ。」

 

「でも、見た目ほど甘いかは別。プティンセスールは特殊召喚に成功した時、手札かデッキからプティンセスール以外の「マドルチェ」を一体、レベル1つ下げて特殊召喚できる。このターン「マドルチェ」しか特殊召喚できなくなるけど、関係ない!デッキから来て、〈マドルチェ・プディンセス〉!」

 

 

〈マドルチェ・プディンセス〉 星5→4/地/天使族/攻1000

 

 

金髪縦ロールの、まるでプリンのような姿のお姫様。プティンセスールが嬉しそうにしながら上品にお辞儀するのを見るに姉妹か何かなのだろう。それより、レベル4のモンスターが3体か。

 

「フィールド魔法〈マドルチェ・シャトー〉を発動。そして、あたしは〈マドルチェ・プディンセス〉と〈マドルチェ・プティンセスール〉の2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!」

 

フィールド魔法によってお菓子の城下町に変わったフィールドに金と黒の渦が発生し、光球と化した2体のモンスターが螺旋を描きながら跳びこむ。

 

「ランク4、〈ティーチャーマドルチェ・グラスフレ〉!」

 

 

〈ティーチャーマドルチェ・グラスフレ〉 R4/地/天使族/守2500/OU:2

 

 

二体のモンスターが光と化して金と黒を渦へと飛び込んで呼び出されたのは、眼鏡をかけローブを着た緑の女性。

 

「言い忘れてたけど、〈マドルチェ・シャトー〉があるとマドルチェの攻撃力と守備力は500アップね。」

 

 

〈ティーチャーマドルチェ・グラスフレ〉 守2500→3000

 

 

「あたしはカードを全部伏せてターンエンド。」

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

守備のエクシーズモンスターに伏せカード3枚、フィールド魔法か。守りを固めているのか?

 

「なら崩しにかかるか。このカードは1ターンに1度、自分のフィールドにモンスターが存在していなければ手札から特殊召喚できる。来い、〈幻影騎士団ドゥームソルレット〉!」

 

 

〈幻影騎士団ドゥームソルレット〉 星3/闇/戦士族/守1400

 

 

ボロボロの赤いマントと全身甲冑を纏った青いの亡霊。一段とがっしり固められた足を踏み鳴らすと地面から青い炎と共にカードが現れる。

 

「ドゥームソルレットは召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから「幻影騎士団(ファントム・ナイツ)」の魔法・罠カードを1枚セットできる。俺は〈幻影騎士団ミストクロウズ〉をセット。更にフィールドに「幻影騎士団」が存在することにより、手札から〈幻影騎士団サイレントブーツ〉を特殊召喚する!」

 

 

〈幻影騎士団サイレントブーツ〉 星3/闇/戦士族/守1200

 

 

鎖を揺らしながらボロ布を着込ん亡霊が何処からか駆けつける。てかフィールドにいるのどっちも足絡みのモンスターだな。余り関係は無いけど。

 

「俺もエクシーズ召喚させてもらう!ドゥームソルレットとサイレントブーツでオーバーレイネットワークを構築!闇を切り裂く戦士達の魂よ、今蘇り敵を討て!エクシーズ召喚!ランク3、〈〈幻影騎士団ブレイク・ソード〉!」

 

 

〈〈幻影騎士団ブレイク・ソード〉 R3/闇/戦士族/攻2000/OU:2

 

「ブレイクソードの効果を発動。オーバーレイ・ユニットを1つ取り除き、フィールドの自分と相手のカードを1枚ずつを対象に破壊する!ブレイクソードと〈ティーチャーマドルチェ・グラスフレ〉を破壊!」

 

青い炎を斬撃と共に振り抜いて飛ばすが、直前で炎が拡散してグラスフレには傷一つつかない。そのまま立ち尽くすブレイクソードは剣から移った炎によりその身を焼かれて爆散する。

 

「グラスフレの効果か‥‥‥。」

 

「そういう事。オーバーレイ・ユニットを1つ使う事でグラスフレはターン中に自身以外のモンスター効果を受けなくなる。残念だったね。」

 

「だが、ブレイクソードが破壊されたことで効果発動!墓地の同じレベルの「幻影騎士団」を2体、レベルを1つ上げて蘇らせる。」

 

これでレベル4のモンスター2体を揃えてランク4のエクシーズ召喚を‥‥…

 

「だからさ‥‥残念だったね、っていったでしょ?グラスフレの効果発動。モンスターゾーンに居る時に墓地に「マドルチェ」が置かれた時、お(・)互(・)い(・)の(・)墓(・)地(・)の(・)カ(・)ー(・)ド(・)を(・)2(・)枚(・)ま(・)で(・)選(・)ん(・)で(・)デ(・)ッ(・)キ(・)に(・)戻(・)す(・)。」

 

「何っ!?」

 

「アンタがエクシーズ召喚で使ったそいつらにはお帰りになっていただきます。」

 

わざとらしく丁重にそう言うと、墓地のサイレントブーツとドゥームソルレットが墓地からデッキに戻されてしまう。これによりブレイクソードの効果は不発。加えて、幻影騎士団は墓地から除外することで効果を発揮するのが特徴。これでは展開もリソース補充もあったものではない。

 

「くっ‥‥‥〈幻影騎士団ダスティローブ〉を召喚。カードを2枚セットして、ターンエンドだ。」

 

 

〈幻影騎士団ダスティローブ〉 星3/闇/戦士族/攻800

 

 

「あたしのターン、ドロー。はぁ、珈音を助けたって割には大したことないね。ちょっとは期待してたんだけど、ガッカリ。もう、終わらせるね。グ(・)ラ(・)ス(・)フ(・)レ(・)で(・)オ(・)ー(・)バ(・)ー(・)レ(・)イ(・)。」

 

「モンスター1体でオーバーレイ!?‥‥そ(・)っ(・)ち(・)も(・)そういうエクシーズするのかよ…」

 

「エクシーズチェンジ!ランク5、〈マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モード〉!」

 

 

〈マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モード〉 R5/地/天使族/攻2500→3000/OR:2

 

 

前のターンに出てきたプディンセスが現れたかと思えば、オーバーレイ・ユニットから発せられる光によりデコレーションされていくようにチョコケーキを思わせる衣装へと変化する。

 

「ショコ・ア・ラ・モードの効果!1ターンに1度、自分の墓地のマドルチェ1枚をデッキに戻す。更に〈マドルチェ・プディンセス〉をオーバーレイ・ユニットとしている時に墓地のマドルチェがデッキに戻った時、オーバレイ・ユニットを1つ使ってデッキから「マドルチェ」モンスターを表側攻撃表示か裏側守備表示で特殊召喚できる!」

 

「墓地回収とリクルートを同時に!?」

 

「あたしは〈マドルチェ・プティンセスール〉をデッキに戻して、〈マドルチェ・エンジェリー〉を特殊召喚!」

 

 

〈マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モード〉 OR:2→1

 

 

〈マドルチェ・エンジェリー〉 星4/地/天使族/攻1000→1500

 

 

「エンジェリーの効果発動!リリースしてデッキから「マドルチェ」モンスターを特殊召喚!エンジェリーが呼んだマドルチェは戦闘破壊されずにエンドフェイズにデッキに戻る!おいで、〈マドルチェ・ホーットケーキ〉!」

 

 

〈マドルチェ・ホーットケーキ〉 星3/地/獣族/1500→2000

 

 

「お姫様に天使に、フクロウか!」

 

メルヘンな割に幻影騎士団(こっち)より殺意高くないか!?

 

「ホーットケーキの効果、墓地のモンスター1体をゲームから除外してホーットケーキ以外の「マドルチェ」をデッキから特殊召喚!グラスフレを除外して〈マドルチェ・メッセンジェラート〉を呼んで!」

 

 

〈マドルチェ・メッセンジェラート〉 星4/地/戦士族/攻1600→2100

 

 

少しテイストが変わって今度は…‥‥イケメン配達員?

 

 

「メッセンジェラートの効果でデッキから「マドルチェ」魔法・罠カードを手札に加える。永続魔法〈マドルチェ・サロン〉を加えて、発動!〈マドルチェ・サロン〉はメインフェイズ中にもう1度「マドルチェ」を通常召喚できる!あたしは〈マドルチェ・シューバリエ〉を召喚!」

 

 

〈マドルチェ・シューバリエ〉 星4/地/戦士族/1700→2200

 

 

水色の馬にまたがったキャンディーのような剣をもった騎士か。ブレイクソードと要素は似てるけどだいぶ違うものだな。

 

「そしてメッセンジェラートとシューバリエでオーバーレイ!エクシーズ召喚!お菓子の国を統べる女王!〈クイーンマドルチェ・ティアラミス〉!」

 

 

〈クイーンマドルチェ・ティアラミス〉 R4/地/天使族/攻2200→2700/OR2

 

お菓子で出来た玉座に座る銀髪の若々しい女性。携えた杖で大地を一度ならせば王女もフクロウも頭(こうべ)を下げる、正に女王。これが頓宮 透のエース…‥!

 

「ティアラミスの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いてあたしの墓地の「マドルチェ」カードを2枚までデッキに戻して、同(・)じ(・)数(・)ま(・)で(・)ア(・)ン(・)タ(・)の(・)フ(・)ィ(・)ー(・)ル(・)ド(・)か(・)ら(・)カ(・)ー(・)ド(・)を(・)デ(・)ッ(・)キ(・)に(・)戻(・)す(・)。あたしはメッセンジェラートとエンジェリーをデッキに戻し、アンタの伏せカードを2枚デッキに戻す!”プル・ス・ミス”!」

 

「マジかよ!?」

 

デッキバウンスは強力な除去の一つ。デッキに戻ってしまう事で再び相手に再利用させかねない欠点はあるが、破壊体勢をすり抜け第2の手札ともいえる墓地にカードを置かせないのだ。

 

「”ここの店員に、弱い決闘者はおりません”、か。強いな…‥‥‥メイドさんとお菓子がやることにしてはえげつないお(・)も(・)て(・)な(・)し(・)だ。」

 

「お気に召されたようでして、心からお礼申し上げます。‥‥‥どうする?勝ち負けは直接影響しないとは言ってたけど、サレンダーする?」

 

「はっ!‥‥ここからだろ?来いよ。」

 

エクシーズモンスター2体に魔法・罠4枚に対してモンスター1体と伏せカード1枚。状況は圧倒的不利。でも、だからこそ面白い。

 

決闘は、カードゲームは、勝負は。

 

「ひっくり返すのが一番燃えるんだよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 




因みに遊一の決闘盤はARCーVのレジスタンス組とほぼ同型(パネル部分が若干大型でUSBポート付き。諸事情により改造済み)。
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