おまわりさん、能力者です   作:pemotaro

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第19話 探せ!悪の秘密結社(飛行おじさん6)

いつもにこやかなボディビルのおじさんには、人に言えない秘密があった。

裸になって笑顔で呼吸を止めている間は、空を飛ぶことができるのだ。

ただし、人前で裸になんてなれないし、飛んでいたらすぐに見つかってしまうだろう。

 

ここ最近、SNSで妙な目撃情報が増えている。

いつものように自宅でトレーニング中のおじさんは突如ひらめいた!

これは偶然じゃない。きっと俺以外にも超能力者がいる!

 

おじさんは思案を続ける。

俺のような超能力者が何人もいるとして、みんな正体を隠している。

なぜ誰も名乗り出ない?答えは…

 

「そうかっ!…悪の秘密結社だ!」

 

ダンベルを持ち上げながら考えていると、完璧な推論が次々と思い浮かんでくる。

きっと裏で何かを企んでいるに違いない!

もし本当にそうならば、正義の超能力者のおじさんが、彼らの陰謀を止めなければいけないだろう。

 

ダンベルを一旦下ろすと、スクワットしながらスマホをのぞき込み、調査を始める。

まずはネットで事前調査だ!

直接SNSで投稿者に聞いてみるが、「いや、遠くから見ただけ」「顔は分からない」ばかり。防犯カメラも問い合わせてみるが、「情報セキュリティが…」「いや映っていなかったですよ」等。

なるほど、情報統制は完璧。映像を残さないとは徹底している。

 

おじさんは腹筋トレーニングをしながらスマホを見て考える。

『怪鳥・ハバタキ男』、まず、これは俺だな。除外しよう。

『新種のUMA・巨大トビウオ』、これも違うな、ただの魚だ。そういえばあの海水浴場、良かったな。また夏になったら遊びに行こう!

それにしてもスマホを見ているとちょっと体勢が崩れる。やはり「ながらトレーニング」は良くないな!

 

仕方がない、現地捜査するしかないようだ。

 

 

数日後。

おじさんはまず妖怪が現れたという学校に来てみた。

しかし、全く無関係の学校に入るのは無理だろう。仕方なく諦めた。

 

次におじさんは、奇跡の生還者が出たらしい通りにやってきた。

とりあえず、近所の人に話を聞いてみようとインターフォンを鳴らして尋ねてみた。

「こんにちは!事故現場に現れたという男性について何かご存じありませんか?」

「…セールスですか?おかえりください」

勘違いされたらしい。白髪の老人にはすげなく追い返された。

 

次に妖精が目撃されたらしい雑居ビル跡にやってきた。

通りすがりの少女を捕まえて話を聞いてみると…。

「お嬢さん、ここで出たっていう妖精について何か知らないか?」

少女は焦ったような、怯えた様子で証言を拒んだ。

「そっ…そんなの見たことありません!知りません!」

「そうか、ありがとう…。」

何かに脅されているのだろうか…。

 

更に次の休日、おじさんはかつて訪れた山に来ていた。

この山では天狗や仙人の噂が流れている。

複数の証言がある為、奴らのアジトが山中にある可能性を疑ったのだ。

だが、噂の発端になっていたのは、以前彼自身が助けたことのある老人であった。

「うわ、あのおじいさんだ!…ってことは、天狗って俺のことか」

バレないように運転席で身を縮めながら、おじさんは急いでアクセルを踏み込んだ。

 

更にその次の休日。

妖精の目撃情報と同じ頃に、変質者が現れたという山にも向かうことにした。

妖精は飛んでいたらしいので、秘密結社の構成員は飛行能力を持っている可能性がある。

深夜に空を飛んで確認してみよう。

 

翌日、SNSを確認していると、先日の山での新たな目撃情報が上がっていた。

「夜中に同じ高さをすい―っとゆっくりと飛んでいくUFOがいた!」

 

ついに尻尾を掴んだぞ!あんな山の中にいたのか…。俺のことを監視していたのかもしれない。

やはり相当な組織だ。このままでは世界が奴らの手に落ちてしまう!

 

「よし次は座敷わらしの山だ!」

 

おじさんは、「悪の秘密結社がある!」と思っている。

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