「……気味が悪いほど、静かで暗い」
「ええ、そうね……常闇ちゃん、
「問題ない。そちらは大丈夫か?蛙吹」
「梅雨ちゃんと呼んで」
「……善処する」
俺と蛙吹は現在、ヒーロー基礎学で2対2の戦闘訓練をしている。相手は口田と魄面という2人の男だ。
「……2階に上がるぞ」
「前の警戒は任せたわ」
「おお……あの2人初対面だってのに連携凄えな!」
「鳥の羽根を使って窓から入ってくる光をなくしてるのか……暗室での実戦も、ないとは限らない」
「照らせたらいいんだけどなー……あの2人の個性だと厳しそう?」
「……何もないな」
「……ええ」
「っ、蛙吹しゃがめ!」
「!」
俺の声の直後、すぐ横の壁に何かが当たった音がした。蛙吹が立っていた場所だ。
「へぇ……気づくんだ」
「個性柄、光に対して敏感なのでな……貴様が敵か?」
「そうそう、俺が敵だよ。……かかってきな、ヒーロー」
さっき放った
「っ、強……!?」
「行くぞ、
「アイヨ、フミカゲ!」
成程、自律性の影!そして恐らく闇が深まれば深まるほど強くなる……!!
「厄介だな、ヒーローってのは」
「ええ、街を守らなきゃいけないもの。強くなくちゃ、守るものも守れないわ」
で、さらに厄介なのが蛙吹梅雨さん。本当に見えてないの?ってくらい正確に嫌〜なところを突いてくる。冷静すぎて怖いね。この暗闇も、多少怖がってくれたらいいなっておもってたんだけど……ちょっと誤算だったかな。
「そろそろ目も慣れてきたろ?明るくしようぜ」
「……?何を言ってる」
「常闇ちゃん、離れて!」
「──
放たれた虚閃は核の部屋を避けて天井を貫き、綺麗な青空が目に入る。突然の光で目が眩むか?
「ぐっ……!」
「悪どいわ」
「敵ですから。……口田くん!」
「!?羽根……!?」
まずは蛙吹さんから。口田くんの「生き物ボイス」で暗闇の中這わせていた鳥の羽根を使い、蛙吹さんの視覚を奪う。光に目が慣れていないのもあって、かなり効果も高いと思う。
『蛙吹少女、確保!』
そのまま捕縛テープをくっつけて、蛙吹さんを確保した。
「……私を残したのは、常闇ちゃんをひとりで倒せる自信があるから?」
「さあ?」
訓練はまだ、終わっていない。
「油断したな、敵よ」
「あ」
『魄面少年、確保!』
・
・
・
えー、はい。負けました。俺のせいでごめんなさい口田くん。
「それじゃ、講評だね。今回一番いい働きをしたのは誰かな!?」
「……俺以外の3人でしょう。状況判断、戦闘時の連携、作戦含めて……俺は最後に油断した」
「それがわかっているなら、君はまだ成長出来るということさ!励めよ!!」
「はい」
「お疲れさん!緑谷少年以外は大きな怪我もなし!しかし真摯に取り組んだ!初めての訓練にしちゃ、皆上出来だったぜ!」
……相澤先生の後でこんな真っ当な授業が来ると、なんだか拍子抜けって感じかしなくもない。
「真っ当な授業もまた私たち教師の自由さ!それじゃあ私は緑谷少年に講評を聞かせねば!着替えて教室にお戻り!」
……やけに急ぐな、あの人は。
「……一旦戻るか」
「……戦闘訓練の映像を見た限り、『
「ええ……セロ、多分スペイン語で「0」でしょう。名称もまぁ、ヒーローに憧れてカッコつける学生のそれです」
「ただ、どうも引っかかる……似たような技、どっかで見たことあるんだよなー」
「……オールマイトさんくらい全国飛び回ってたら、そりゃ似たような技くらい見ることもありますよ」
「そうかなぁ?」
「そういうもんです」