破面ヒーロー『アランカル』   作:揚げパンcat

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戦闘訓練③

「……気味が悪いほど、静かで暗い」

「ええ、そうね……常闇ちゃん、黒影(ダークシャドウ)ちゃんの調子はどう?」

「問題ない。そちらは大丈夫か?蛙吹」

「梅雨ちゃんと呼んで」

「……善処する」

 

 俺と蛙吹は現在、ヒーロー基礎学で2対2の戦闘訓練をしている。相手は口田と魄面という2人の男だ。

 

「……2階に上がるぞ」

「前の警戒は任せたわ」

 

 

「おお……あの2人初対面だってのに連携凄えな!」

「鳥の羽根を使って窓から入ってくる光をなくしてるのか……暗室での実戦も、ないとは限らない」

「照らせたらいいんだけどなー……あの2人の個性だと厳しそう?」

 

 

「……何もないな」

「……ええ」

「っ、蛙吹しゃがめ!」

「!」

 

 俺の声の直後、すぐ横の壁に何かが当たった音がした。蛙吹が立っていた場所だ。

 

「へぇ……気づくんだ」

「個性柄、光に対して敏感なのでな……貴様が敵か?」

「そうそう、俺が敵だよ。……かかってきな、ヒーロー」

 

 


 

 

 さっき放った虚弾(バラ)は避けられました、と……。

 

「っ、強……!?」

「行くぞ、黒影(ダークシャドウ)!」

「アイヨ、フミカゲ!」

 

 成程、自律性の影!そして恐らく闇が深まれば深まるほど強くなる……!!

 

「厄介だな、ヒーローってのは」

「ええ、街を守らなきゃいけないもの。強くなくちゃ、守るものも守れないわ」

 

 で、さらに厄介なのが蛙吹梅雨さん。本当に見えてないの?ってくらい正確に嫌〜なところを突いてくる。冷静すぎて怖いね。この暗闇も、多少怖がってくれたらいいなっておもってたんだけど……ちょっと誤算だったかな。

 

「そろそろ目も慣れてきたろ?明るくしようぜ」

「……?何を言ってる」

「常闇ちゃん、離れて!」

「──虚閃(セロ)」

 

 放たれた虚閃は核の部屋を避けて天井を貫き、綺麗な青空が目に入る。突然の光で目が眩むか?

 

「ぐっ……!」

「悪どいわ」

「敵ですから。……口田くん!」

「!?羽根……!?」

 

 まずは蛙吹さんから。口田くんの「生き物ボイス」で暗闇の中這わせていた鳥の羽根を使い、蛙吹さんの視覚を奪う。光に目が慣れていないのもあって、かなり効果も高いと思う。

 

『蛙吹少女、確保!』

 

 そのまま捕縛テープをくっつけて、蛙吹さんを確保した。

 

「……私を残したのは、常闇ちゃんをひとりで倒せる自信があるから?」

「さあ?」

 

 訓練はまだ、終わっていない。

 

「油断したな、敵よ」

「あ」

 

『魄面少年、確保!』

 

 

・

・

・

 

 

 えー、はい。負けました。俺のせいでごめんなさい口田くん。

 

「それじゃ、講評だね。今回一番いい働きをしたのは誰かな!?」

「……俺以外の3人でしょう。状況判断、戦闘時の連携、作戦含めて……俺は最後に油断した」

「それがわかっているなら、君はまだ成長出来るということさ!励めよ!!」

「はい」

「お疲れさん!緑谷少年以外は大きな怪我もなし!しかし真摯に取り組んだ!初めての訓練にしちゃ、皆上出来だったぜ!」

 

 ……相澤先生の後でこんな真っ当な授業が来ると、なんだか拍子抜けって感じかしなくもない。

 

「真っ当な授業もまた私たち教師の自由さ!それじゃあ私は緑谷少年に講評を聞かせねば!着替えて教室にお戻り!」

 

 ……やけに急ぐな、あの人は。

 

「……一旦戻るか」

 

 


 

 

「……戦闘訓練の映像を見た限り、『虚閃(セロ)』とやらは極力人に向けないようにしてるみてえだな」

「ええ……セロ、多分スペイン語で「0」でしょう。名称もまぁ、ヒーローに憧れてカッコつける学生のそれです」

「ただ、どうも引っかかる……似たような技、どっかで見たことあるんだよなー」

「……オールマイトさんくらい全国飛び回ってたら、そりゃ似たような技くらい見ることもありますよ」

「そうかなぁ?」

「そういうもんです」

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