「どーいうことだこらワケを言えデクてめぇ!!」
「うわああ!」
「!」
どうする、止めるか?
「んぐぇ!!……んだこの布、硬……!?」
「炭素繊維に特殊合金の鋼線を編み込んだ「捕縛武器」だ。ったく何度も個性使わせんな……」
「俺はドライアイなんだ!!」
(((個性すごいのにもったいない!!)))
「時間がもったいない、次準備しろ」
第六種目 上体起こし
「……」
「45回!また負けたー!……ところでさ、なんで顔赤くしてるの〜?」
「……見なかったことにしてくれ」
「透明人間にも目はあるんですよ〜!」
「くっ……!」
女子の身体って柔らかいな……。
第七種目 長座体前屈
「柔らかっ」
「女子ナメんなぁ!もっと行ける!」
「靭帯が逝くぞ、やめとけ」
「はぁい……」
「……38cm」
最終種目 持久走
「は、速い……!」
「悪いな、置いてくぞ」
「そんなぁ!」
どうにかして、あの前の原付に追いつきたいな……そも持久走に原付はアリなのか?いや先生が何も言わないかはアリだな。てゆーかどんな個性なんだあの子は。
「あら、足が速いですわね」
「足速くする方法は日頃から模索してるからな」
大体
「それでは、もう少し速くしましょうか」
「あ、待て」
「原付バイクといい勝負をする貴方も十分凄いと思いますが……」
「勝ちたいからさ」
「……」
「あっ無言でスピード上げないでてか法律的に大丈夫なの」
「んじゃぱぱっと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示する」
相澤先生がリモコンのような機械を操作する。
「あ、ちなみに除籍はウソな」
順位が表示される。……俺は6位か。
……ん?
「!?」
「君らの最大限を引き出す、合理的虚偽」
「「「はーーーーーーーー!?!?」」」
……いやいやいや、嘘だろ……嘘だよな。いや除籍者がいないのは嬉しいけど。それなら最初から除籍とか言わないでほしかったよ相澤先生。
「あんなの嘘に決まってるじゃない……ちょっと考えればわかりますわ!」
「そゆこと、これにて終わりだ。教室にカリキュラム等の書類があるから目通しておけ。あと緑谷」
「は、はい!」
「
「ふぅ……」
やっと校門を出られた……初日からここまで飛ばすか雄英。というか緑谷くんに色々聞くの忘れてたな。彼、もう帰っちゃったっぽいし。
「あ」
「ん?」
「首席の人だー!」
「……えっと、名前知らない……」
「あ、麗日お茶子!」
「む、魄面くんじゃないか。よければ一緒に帰らないか!?」
「……あ、飯田に緑谷くんもいるのか。いいよ、一緒に帰ろう」
「やった!」
「あ、え、僕……?」
雄英から少し離れたところで、たまたま緑谷くんに出会えた。これはラッキー。
「俺はこちらだ。また明日会おう!」
「ウチこっちなんだ。またねデクくん!」
「……デク?」
「あ、デクはその、幼馴染のかっちゃんの言う蔑称で……」
「かっちゃん……ボール投げの時突っかかってたあいつかぁ。何、一回シメとく?」
「や、やめてね!?」
「……デク、か」
つまるところ、緑谷くんは無個性だから何もできない木偶の坊、と。……子供がつけたあだ名にしては、少々語気が強いな。
(差別、かぁ)
「……指さ」
「?」
「治ったんでしょ、よかったね」
「う、うん。リカバリーガールが治してくれて……でも、いずれは使いこなせるようにならなくちゃ」
「……じゃあ、演習場でも借りて訓練しよう」
「え」
緑谷くんがピタッと固まる。
「大丈夫、手取り足取り教えてやるさ。……ただ、死ぬ気でついて来な」
「……わかった、やってみるよ」
「OK、じゃあ明日俺から書類出しとくよ。……俺こっちだから。また明日」