リコリスリコイル 不可能犯罪   作:鼻眼鏡26号

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自分が見たいために作りました。





未知なる敵

リコリコメンバーがハワイから戻る少し前

 

『リコリス・リコイル × 仮面ライダーアギト』

 

 夜の路地裏。

 乾いた銃声が、幾度となく響き渡っていた。

「撃って! 撃ち続けて!」

 サードリコリスの少女たちが、一斉に拳銃の引き金を引く。

 銃口から火花が散り、無数の弾丸が標的へと殺到する。

 しかし――。

 アンノウンは、歩みを止めなかった。

 弾丸を受けても、怯む様子すらない。

 まるで、自分たちが何をしているのか理解できないとでも言うように。

「う、嘘でしょ……!」

「効いてない……! 全然効いてない!」

 少女たちの声に、明らかな動揺が混じる。

 訓練されたリコリスであっても、目の前の存在は常識の埒外だった。

「弾が――!」

「下がって! いったん距離を――」

 言葉の途中だった。

 アンノウンの姿が、消えた。

「……え?」

 次の瞬間。

 隊員の一人が、横合いからの衝撃で吹き飛ばされた。

「きゃあっ!」

 地面を転がり、動かなくなる。

「そんな……!」

 別の隊員が銃を向ける。

 だが、引き金を引くよりも早く、アンノウンの腕が振るわれた。

 鈍い音。

 少女の身体が地面に崩れ落ちる。

「全員、撤退! 撤退して!」

 隊長の叫びが夜に響いた。

 しかし、逃げ道はすでに塞がれていた。

 アンノウンは、ゆっくりと彼女たちへ向き直る。

 その異様な姿が、街灯の下に浮かび上がった。

 人間ではない。

 人間であるはずがない。

 少女たちは、ようやく理解した。

 自分たちが対峙しているのは、訓練や装備で対処できる相手ではないのだと。

     ◇

 同時刻。

 DA本部、管制室。

「現場班との通信が不安定になっています」

「映像は?」

「ノイズがひどく、確認できません!」

 オペレーターの報告に、管制官が眉をひそめる。

「現場の状況を確認して。隊員に応答させて」

『こちら本部。現場班、応答してください』

 通信機から返ってきたのは、激しい雑音だった。

 ザザッ……ザザザッ……。

『こちら…………』

「聞こえています。状況を報告してください」

『対象……銃撃が……通用しな……』

 そこで音声が途切れた。

「現場班?」

 管制官が身を乗り出す。

「現場班、応答してください!」

 返事はない。

 数秒後、再び通信が繋がった。

『たすけ……』

 少女の声だった。

『お願い……誰か……』

 その声に、管制室の空気が凍りつく。

「現場班! 現在位置を報告!」

『死にたく……ない……』

 微かな嗚咽。

 そして。

『いや……来ないで……!』

 ――ブツン。

 通信が途絶えた。

「……現場班?」

 管制官は、もう一度呼びかけた。

「現場班、応答してください」

 返事はない。

「応答してください!」

 オペレーターが慌ただしくキーボードを叩く。

「通信ロスト。現場の映像も消失しています!」

「再接続は!」

「できません! 信号が完全に途絶しています!」

 管制室に、重苦しい沈黙が落ちた。

 やがて、誰かが呟く。

「……全員、やられたのか?」

 誰も答えなかった。

 ただ、モニターに表示された文字だけが、無機質に現実を告げていた。

 ――現場班、通信途絶。

     ◇

 夜の路地裏。

 そこには、もう銃声も悲鳴もなかった。

 地面に散らばった薬莢。

 砕けたアスファルト。

 そして、そこに残るのは少女達が着ていたであろう制服

 アンノウンは、その光景を一瞥すると、何事もなかったかのように歩き始めた。

 その姿が闇に消えていく。

 誰も知らない。

 この夜、何が起きたのか。

 なぜ彼女たちが襲われたのか。

 そして――。

 この事件が、これから日本を揺るがす異変の始まりに過ぎないことを。

 未知なる敵、アンノウン。

 その存在を、DAはまだ知らない。

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