「それで、二人に事実を教えるか教えないかですか」
「美樹ちゃんは駄目やね、貝木くんの担当やからウチは対応できへん」
「らしいので、美樹さんはまた後で、それで、巴さんのことですが……」
「もともと余正木くんの担当やろ?なら大丈夫やろ、まぁ、あまりお勧めできへん対処法もあるけど、それは今やることじゃないしなぁ、肩代わりできるん?」
グリーフシードを使った延命ゆえに、他の人間よりは穢れに耐性があるどころか、少し肩代わりできる。魔女纏で穢れの消費もできるから、
「少なくとも、あと五回は」
「少なくともって、全部やないか、ま、それなら説明してもいいんやないか?」
「いえ、すでに使ってから回復した分で五回なので、あと三回です」
「アホ、それは少なくとも三回や」
「すいません」
「ただ、他の子達のことも考えるんなら、貝木くんか忍野くもの到着を待ったほうがいいな」
まぁ、確かにそうだろう。となれば、
「待つしかないですか、」
「そうやな」
「じゃぁ、話してくれないの?」
「すいません。それと、少し確認したいことがあるので手伝ってくれませんか?」
「?」
確認したいことは、翼についてだ。前回熱が使えなかった。メインで使っていたから、今後どうするかを明確にしたい。使わないことが一番いいけれど、それでもどういう状態かは確認した方がいい。
「あら?これは、灰かしら……」
「まぁ、そうですよね……角と尻尾、あと耳は?」
「角は変わってないと思うわ。尻尾も大丈夫、耳も多分大丈夫ね」
翼の隙間に灰があるらしい。まぁ、なんとなくは予想していた。最近羽根の付け根が気持ち悪かったですし、それ以外は大丈夫ですか。まだマシですね。
「……斧乃木ちゃん、ちょっと聞きたいんだけど」
「なんだい?」
「死体の不死身でしょ?一つ聞きたいんだけどさ、体がバラバラになればどうなるの?」
「自力で再生はできないね、誰かに接着してもらわないと、僕は液体系の不死身じゃないから」
「……そうですか、」
これでわかった、熱系とは九割使えない。無理をすれば使えるけど、次使えば、羽根の何枚かは灰になるだろう。一番熱耐性のある部分なんだけどな……
「話は終わったな、なんぼワルプルギスと戦うんがウチら専門家っちゅうても、それ以外は戦わなきゃならんからな、稽古つけてやる。魔法少女のはならんでいいで、どうせ回復するさけ」
「はぁ、なら、片方は話しますよ?」
「ん?ソウルジェムのことか?ならいいで」
「何の話?」
「ソウルジェム、Soul Gem、魂の宝石……魔法は魂をソウルジェムにして、戦います」
本当は、言わないほうがいいんだけど、一度に魔女化まで説明するよりかはマシかな。
「まって、それって……」
「ソウルジェムが破壊されへん限りは生きていける。実質的な不死身やな、ま、まだマシな方やろ。不死身の死因の九割は自殺や。生半可な方法で死ねんから、四百年彷徨うこともあったら、世界を滅ぼしても死ねんこともある。万回自殺をしてしねんこともな。気休めにもならんけど、ソウルジェムを何とかしようって動いてんのが専門家や、やから、もうちょい辛抱やな。ほな、余正木くん。かかって来ぃや。個性使えんくらいでへこたれるわけあらへんやろ?」
ボッコボコにされました。七人がかりでやってるんだけど、どうなってんのこの人。ついでに、劈拳を教わりました。気とかはわからないけど、魔力とかそういうものに近いらしいから、多分いける。
「決死にして、必死にして、縮死の専門家……」
「二つほど、吸血鬼の始祖のものでは?」
「なんや、いちゃもんでもある言うんか?決まった死、必ず訪れる死、そして、自分から延命分を縮めて死に近づく。余正木くんを表すんにちょうどいいやろ」
「吸血鬼みたいな二つ名は御免ですよ」
「いいやろ、それこそ魔法少女の問題に対しては臥煙先輩の懐刀みたいなもんやし、二つ名あったほうが締まるで」
「……まぁ、そうですね。暴力陰陽師さん」
「黙れ」
「すいませんでした」
あと、一ヶ月と二週間……キツイな。