「……流石なんでも知ってるおねーさん、」
今日は学校を、休んで見滝原市の駅に向かう。強力な助っ人、それも日本はもちろん、世界でも通用するほどの強力な助っ人が来た。
まぁ、助っ人って言ってもたまたまこの街に来ているから仲間に引き入れろっていう連絡なんだけどね。それでも、魔に連なる技を持たずに魔女を倒せる実力者だ。
「初めまして、八木俊典さん、」
やせ細ったスーツを着た男に声をかける。
「……君は、誰だい?普通の子供が私を知っているとは思えないが」
「確かに、八木俊典という名前を知らない人間が多いですが、貴方を知る方は多いでしょう。それこそ日本なら、ねぇ、オールマイトさん?」
個性出力だけで、魔女を倒せる実力者。それが、日本を支えるNo.1ヒーロー、平和の象徴、オールマイトこと、八木俊典さんである。
「本当に、何者だい?私は君にあったことがない、それどころか、異形系個性をもつ知り合いに、君の特徴のような人はいない」
「ええ、会ったことはありませんよ。ですが、貴方を知っている人から連絡がきましてね、」
そうして、スマホの画面を見せる。
『今日中に、オールマイトが見滝原に着くから、声をかけて仲間に引き入れるといい。写真も送ろう。名前は八木俊典(やぎとしのり)だ。
貴方の友、臥煙伊豆湖より、』
メールにはそう書いてあった。僕はなんでも知っているおねーさんにアドレスを渡した覚えはない、もちろんラインも交換していない。それなのに、連絡が来た。さすがである。
「臥煙伊豆湖?聞いたこともないな」
「そりゃそうでしょうね、あの人、ヒーローじゃありませんから。ともかくとして、話をしてくれませんか?僕に時間はありませんので、」
「わ、わかった」
スーツを来た大人と、異形系個性をもつ子供が平日の昼間からカフェで相席をしている。異質な光景だ。まぁそんなことはどうでもいい。今すべきことは、現状の説明だ。
「私の力が欲しいのか?ならば、普通にヒーローに協力を仰げばいいと思うが」
「いえいえ、協力を仰いでも戦力になれるかは別ですからね、現状、対応できる人間が二人候補にありましたが、片方はこういう利益に、評価にならないことはあまりやってくれないだろうということで、貴方に白羽の矢が立ちました」
「私以外は誰だい?」
「エンデヴァー、言わずとしれた、貴方を越そうとする、努力の化身、No.2ヒーローです。もちろん、トップヒーローと言うだけで選んではいません。個性での戦闘になるならば、高火力が必要ですからね。それこそ、貴方やエンデヴァーと言うよな、人間相手なら一発で終わるほどの火力がね」
「確かに、エンデヴァーは子供との関係がいいとは言えないが、私達レベルでなければ対応できないこととは何だ?」
「百聞は一見にしかずと言いますからね、直接出向きましょう。見せるだけなので八木さんが何かする必要はないですよ、どうせすぐに尽きる命ですから」
席を立とうとすると、最後の言葉に疑問を持った八木さんが腕をつかんでくる。
「どういうことだい?」
「余命が二ヶ月なんです。少し無茶をした延命だからね、本来ならば一週間ってところを、あなたが来ることを教えてくれた、臥煙さんに安定させてもらいまして、それでも二ヶ月が限界ですが、その為タイムリミットは二ヶ月です」
「ならば、こんな事をしている必要は」
「無い、わけじゃないんですよ。これは契約です。二ヶ月で蹴りをつけられることに、二ヶ月しかない人間が選ばれただけです。それではいきましょうか」
改めて店を出て、魔女を探す。魔法少女はソウルジェムが魔女の散策に使えるが、魔法少女ではない僕はもちろん持っていない。ではどう探すのか?簡単だ。魔法少女に魔女に連なるものを使えばいいのだ。
僕の延命に使われた心臓、髪、足、両手、頭の五つを使えばいいんです。
「見つけました、こっちです」
「あ、ああ」
怪しさしかない路地裏、ビルの隙間を抜けると、魔女の結界に踏みはいる。
「なんだ…ここは」
「魔女の結界です。説明は後にしますので、ついてきてください」
落書きだらけの、空間。どこかで見たような芸術遺産、ええ、悲しいことに彼女達は救えない、それこそ、鹿目さんが本気で救おうとしない限りはね。
「見つけましたよ、」
「凱旋門か?なぜここに?」
「凱旋門ではないです。魔女です、結界の内容的に、芸術家の魔女というのがいいんですかね……取り敢えず、速攻で終わらせますか」
「終わらせるってなにをだい?」
「右手に浄火、左に妄執。組み合わされば
光の剣を作り出し、柄だけを伸ばすと、唾の部分から旗が出てくる。螺旋状に光の剣に巻き付くと、槍のようにも見える。それを、魔女の頭上に作った門の対面に立ちながら、振るって、魔女を、門のなかに押し込む。
「君は、ヒーローなのか?」
「ヒーローではないですよ、それに、八木さんやエンデヴァーレベルじゃないとアレは倒せません」
「なら、ヒーローでもない君がわざわざ戦う必要もないだろう」
「必要ならあります。個性は、魔女に対してかなりの威力軽減が起きます。十分の一か、百分の一か、まぁ、その差はいいんです。ただ、無効ではないので、百分の一でも魔女が耐えられない威力を出せる貴方なら倒せると言うだけで、正攻法とは言えないんですよ。ようはレベルマックスで、相性が悪い敵に殴りに行くようなものです。それに怪我をしている貴方を戦わせる気もありません。
「今日は、こういった存在がいるという事を知ってもらいたかっただけです、」
「では、魔女?と戦える存在は?」
「魔法少女、第二次性徴期の少女達です。大人でも対応できる人達はいますが、対魔女の魔法少女と違って、魔に連なる存在全般の専門家達では魔法少女よりも適任とはいえません。延命する過程で魔法少女に、近くなったので、他に聞きたいことは?」
「私に何をしてほしい?」
「言い方悪くいえば隠蔽です。臥煙さん曰く一ヶ月後に大きな山があるとのことで、余波の対象です、本格的に力を貸してもらうのは二ヶ月後の最後の時でしょうかね」
「わかった。協力しよう。未来ある子どもたちに任せてはいられない」
「ありがとうございます、正し、周りに言いふらさないように、非公認ですからね、場合によっては個性不正使用になる可能性もあるので」
「わかった」
これで、大丈夫ですね。幾つかはなしていないこともありますが、馬鹿ではないですからねあの人、脳筋の権化みたいな戦闘してますけど、普通に勉強できますし。
怪我、治すことできませんよね、臓器摘出までしてたら、それこそ魔法じゃなければ。