魂接魔物語   作:紡縁永遠

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 倒れた少女が二人。服装は学生服。通学先は白羽女学院ですか。死因は頭部の損傷。片方は魔力が残っていますね。魔法少女です。

 

 「紺色のロングヘアーの子は、浅古小巻さん。白羽女学院の三年生。そして、ツインテールの子は行方晶さん。同じく白羽女学院の三年生だ」

 「行方、なめかたって、珍しい読みですね。浅古さんが魔法少女です、」

 

 オールマイトの説明正直な感想を答える。

 

 「そ、そう……よく見れるね。ヒーローでもキツイよこういうのは、」

 「事故に遭っていますからね。頭部破壊程度なら問題はないです。どちらかといえば焼死体の方がキツイですね。焼かれる傷みが、音となって耳を叩くんです。就学児童がたくさんいましたからね。火はトラウマです。熱を使う個性を持ってますけどね」

 「二週間前にあった、交通事故か、君が唯一生き残ったという子どもだったんだな」

 「ええ、それよりも、臥煙さんから具体的な指示は出されていませんか?魔法少女であるかの確認のために、強権を発動する必要もないと思いますけど」

 「それが、メールには余正木くんに見てもらえだけでね、私も何もわからないんだよ」

 「余正木くん、ですか。初めてですね。あの人に普通に呼んでもらうのは。いつもは忍接臥をもじってシノンって呼ばれていますから。まぁ、相手がヴィランではなく魔法少女で、鞭の様な武器を使うという事が分かりましたけど」

 「そんなこともわかるのかい?!」

 

 オールマイトの驚いた声がするが無視をする。その程度で驚かないでほしい。フランス旅行で、百年戦争を見てきたんですよ?武器による怪我の仕方も少しは見ました。

 

 「頭部の損傷の仕方です。一点をきり裂くような傷ですが、骨が割れているので、斬撃ではなけ鞭の様な武器です」

 「そうなのかい?検屍官は、ウルミとか蛇腹剣とか複数候補を出してたけど……」

 

 外れましたね。しかし、蛇腹剣は分かりますけどウルミって何ですか?

 

 「ベルトのように柔らかい剣だよ」

 「そうなんですか?まぁ、候補に入れておきましょう。取り敢えず、僕から言えることは終わりです」

 「うん、お疲れ様。そしてごめん」

 「大丈夫です、見滝原にまだまだ別の魔法少女がいるとわかったので、御の字です……」

 「どうかしたのかい?」

 「腕のいいカウンセラーの方っていますかね?多分僕だけじゃ魔法少女は救えません。彼女達の実力は助けることはできても、精神は別です。助けられた時に、僕に依存するようなことはないとは言い切れません」

 「少し助けられた程度で、依存はしないんじゃないかな」

 「少しではないですよ。真実を話した場合、命どころか人生にすら影響しますからね。魔法少女の真実、聞きたいですか?」

 「聞くなと言っているように聞こえるね」

 「ええ、ヒントは出します、あまりしゃべりすぎて、しらやみが出ても問題なので」

 「しらやみ?」

 「しらやみ、簡単に言えば世界の修整力です。人間に限りますけどね」

 

 しらやみ、人間が生き過ぎた存在になると現れるかもしれない、幻想であり、妄想であり、都市伝説、街談巷説、道聴塗説でもある。臥煙伊豆湖さんの姉、臥煙遠江はこのしらやみによって殺された。しかも、僕とまったく同じ事故で。

 くらやみ、というのもあります。それは怪異に発生するもので、怪異が自分という存在を偽ったときに現れます。鬼が神を名乗ったり。迷子の怪異が家に帰れたのに彷徨っていたりと、そんなことをすれば現れます。

 しらやみも同じ、人として、常軌を逸しすぎれば、人としての、道を外れすぎたなら、現れる。

 

 「実例が一件しか知りませんからね、貴方は平和の象徴ですが、表社会でよ平和の象徴です。魔法少女に関することは裏の事柄です。怪異は総じて裏に分類されます」

 「裏にも平和の象徴がいるのかい?」

 「いるじゃないですか。

 「高校卒業後、世界中を旅してボランティア活動や紛争・問題の解決に尽力し、その圧倒的な行動力とカリスマ性から、各国や世間で「和製ジャンヌ・ダルク」と称され。

 「23歳時点では、国境すらも彼女が向かえば自然と消せる、あるいは国家や人々の意識を動かしてしまうほどのスケールを持つに至った。

 「すでにその名は無くなりましたが、その人もまた、平和の象徴と言われましたよ。貴方が日本に縛られているぶん。世界から言われたので、スケールとしては貴方を凌駕している」

 「ツバサ・ハネカワ」

 「その通り、灰色、正解のない世界に、真っ白な、正解と言える正しさを持つ、本物の化物です。あの人にもしらやみは現れる可能性がありますが、って話がそれすぎましたね。ヒントは一つ。彼女達魔法少女が契約する相手はインキュベータ、インキュバスとも言える存在です」

 「インキュベータとインキュバス。わかった。こういう事件以外は、なるべく関わらないようにしよう」

 

 これで一先ずは良いでしょう。問題は、今臥煙さんから送りてきたメールの内容ですね。

 

 『未来視の魔法少女。美国織莉子の問題を一週間で解決しろ。同時に、佐倉杏子、美樹さやか、巴マミの対処。二週間後に、うちの専門家を三人向かわせる。それまでに、美国織莉子、暁美ほむら、美樹さやかと良好な関係を気づいておくように。魔女化をしていなければ、対処はできるがなるべく事態を好転できるようにしておいてくれ。

 それと巴マミと佐倉杏子は君一人でも助けられると信じているよ。臥煙伊豆湖より』

 

 いつになく、切羽つまった内容ですね。しかも、二人はこちらで確実に助けないといけないとは。臥煙さんいわく1つ目の山場、ワルプルギスの到来まであと3週間と言うのに、準備期間が一週間しかないじゃないですか。

 この街は詐欺師も陰陽師もアロハも出禁ですよ、全員専門家なんで何も言えないですけど。

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