この作品は魔法少女ノ魔女裁判のネタバレが含まれます
また作者は設定資料集を持っていないため原作と矛盾する設定や少女達のおかしな喋り方が出る可能性があります
その場合共犯者さんたちは【反論】それはおかしいよ(感想欄)
してくれるとありがたいです
この作品は原作魔法少女ノ魔女裁判を最大限リスペクトして執筆しておりますので
指摘をしっかりと受け止め原作の雰囲気を壊さないように努力していきます
以上のことを踏まえた上でお読みいただくようお願いいたします
その少年は
政府にとってみれば
検査に引っかかった魔女候補の一市民であった。
牢屋敷運営にとってみれば
国に処分されるのを可哀想に思い
ついでに目的の為に入れた魔女化推進要因であった。
ゴクチョーにとってみれば
規則が増えそうな面倒な囚人であった。
本人にとってみれば
国からも認められた罪人であった。
◆
ジメジメとした空気の中目覚める。
「ん…あれ……?」
「どこだ…ここ……?」
目の前の景色に見覚えがなかった。
それどころか、身の回りのものさえ見たことがないものだった。
「服も…いつの間に……?」
周りを見渡す。
まるで牢獄のような部屋に閉じ込められていることに驚きながら
自分が寝かされていた二段ベッドから降りると
さっきまでの自分のように眠っている
何者か分からずとも同じ目にあっている少女を起こそうと歩み寄ろうとしたその時
「ねえ!ここどこなのかな!」
扉の向こうから声がする。それを皮切りに
他の少女達の声も聞こえる。
どうやら同じ様な目にあっている人が他にもいるらしい。
だがそのことよりも優先すべきことが目の前にある。
「だ…誰…ですかぁ……」
「そしてどこなんですかぁ…ここぉ……」
さっきの声で起きたのであろうこちらを見て怯える少女を前に
(俺も同じ事を聞きたい)
と思いつつもそれを目の前の怯える少女に伝えられるはずもなく
手に入れた情報から推測した
[自分達は何者かに監禁された]
という事を目の前の少女に伝えた所で更に怯えさせるだけと判断し、
まずは敵意の無いこと
そして自分も状況を把握していないと伝える事を優先する。
「え…と、まず俺は関藤ハヤト。そしてここがどこなのかは俺も分からない。」
「俺は普通に寝て……起きたらここにいた。君は?」
「わ…私は氷上メルルです…私も……寝て起きたらここだったんですぅ……」
こちらを警戒していたのが噓だったかのように
こちらの質問にスラスラと答えてくれる氷上さんを前に
(……案外肝が座っているのかもしれない)
と思いつつ、外に出る方法を探そうとした時
「……あ……もしもし……?映ってます……?これ……」
壁に掛かっていたモニターにフクロウ…のような生き物が映し出され音声も聞こえ出す。
その内容は今の状況についての説明の為にラウンジに集合するようにといったものだった。
「看守が案内しますので……逆らうと……命とかなくなっちゃうので……」
不穏な事を伝えられ……少女達の悲鳴を聞きながら……
何かを引きずる音と共に現れたその姿を見て
(……一般常識や会話通じるのか?この……看守?さん……)
(2メートル以上あるよな……?あと腕も多いし……)
超常のものを見て考えることとは思えないほど吞気なものだった。
「ひっ……」
横から聞こえた怯えた声を耳にしてようやっとその看守が
警戒するべきものかもしれないと考えるものの、
自分達を見つめているのに気づき、同じく見つめ返していると
「あ、あの……廊下に出ませんか……?指示に従わないと……殺されるって……」
気付く。
看守が見ているのは自分達が出てくるのを待っているのだと。
「あっと……すま…すみません?直ぐに出ます……?」
その言葉を聞くと看守は覗き込むのをやめ、部屋から少し離れる。
(案外言葉は通じるらしい……人が操ってるのかな?)
それを見て部屋を出るとそこには少女達がいた。
(2…4…13……自分も含めて14人……あれ)
(男女半々じゃない……どころか他に男いなくね?)
(何を基準として集められたんだろうか……)
ようやっとこの異常事態に頭が追い付いてきたようで
集められた理由を考えようとするものの
(説明してくれるらしいしそれを聞いてからでいいか……)
(あんま頭よくないしな……情報が無い状態で考えても的外れな答えになりそうだ)
◆
そのままついていくと途中前の方で言い争うような声が聞こえたものの直ぐに収まり
しばらく不気味な屋敷を歩くとラウンジとやらに到着する。
そこに集まるメンバーをしっかりみても……まあ、個性的で統一感のない集団だった。
そんな中、一人の少女が声を上げる。
それに釣られて会話をし始める者達。
(肝が座っている人が多いな……)
自身も吞気に壁際で見ていると、視線を感じる。
それは会話中の背の高い少女だったり、
同じく壁際で周囲を警戒するよう見ている銃を持った少女や、
それ以外からも薄っすら全員がこちらを警戒し観察しているのが分かる。
(腫れ物扱いは……
(まあ前回も今回も理由が察しが付くものだからいい…か)
(本人達も悪気はないようだし……)
「次は……壁際の君、名前を教えてくれないか?」
思索にふけっていたところに声をかけられる。
どうやら自己紹介を皆していたらしい。
(聞き逃した……後で誰が誰なのかもう一度確認させてもらおう……)
「ああ、俺は関藤ハヤト。……よろしく?」
「よろしく。次は……君の名前を教えてくれないか?」
「え!?えっと……ボ…ボクの名前は桜羽エマ!」
自分を警戒しているよう見えた割に深く掘り下げることなく
次へ行ってくれたことに感謝していると……
(ええぇ……)
おどおどしながらも見せた氷上さんの謎の力に注視する。
(傷を治す力……あれが俺の力だったらあの時……)
(いや、過去を振り返るよりまずは今の状況を把握しないと……)
「次、キミ、いいかな?」
一旦氷上メルルのことは置いておいて自己紹介を続けるようにしたようだ。
その場を仕切るリーダーシップを発揮する少女の顔を感謝しながら見ると
(?……目が……離せない…?)
(どこかで見たような……?)
そんなことを考えながらも、他の少女達の名前を聞き逃さないよう頭に入れておく。
全員の名前を聞き終えたころ先程モニターに映っていたフクロウが現れる。
現れたゴクチョーと名乗るフクロウの説明を聞きながら
(……魔女?)
疑問に思った事を問おうとしたところ
「待ちたまえ!その…魔女になる因子?とやらを彼も持っているのかい!?」
「彼は男性に見えるが…魔女とは男性もなるのかい!?」
「はぁい。魔女候補の条件としましては魔女因子の強さですので……」
「魔女因子自体は全国民に……あれ、これって言っていいんでしたっけ……」
「まあとにかく……魔女には男性もなるんですよぉ……」
先程のリーダーシップのある少女が先んじて質問してくれたため
目で感謝を伝えておく。
…なぜかドヤ顔をしているように見えるが。
そのまま自分達は囚人として扱われること
看守が「なれはて」と呼ばれる魔女になった者の末路だということを聞いていると
「間違いです。私は悪ではない。」
先程二階堂ヒロと名乗った少女が前にでる。
(……まあ普通お前は罪人だって突然言われたらそうなる…か)
(だがまずはここの外を確認してからでもいいんじゃないか?)
なにか様子のおかしい二階堂さんを見ていると
炉から火かき棒を取り出し歩き出す。
(やばいかもしれない)
魔法をいつでも使えるように意識しておく。
二階堂さんの火かき棒で差しながら見ている者を確認して……
世界が止まったのを確認し走りだす。
(……
(止まっている間運動エネルギーを
(時を止めた中動けるのに相手を捕まえる事も出来ない……)
(時間が動いた時対応できる場所に移動しておく使い方)
(説得に応じてくれるのを祈るしかないか……)
魔法が切れる。
桜羽と氷上の近くに現れた自分に驚きながらも向かってくる二階堂さんは……
そのまま自分達とは違う方向へと進む。
予測が外れたことに驚きながら後を追おうとし…その先をみる。
そこには……看守がいた。
(本気なのか?)
戦慄しながらも、魔法のインターバルがまだまだな中
何かできるよう後ろから追う。
しかし二階堂ヒロはそのまま看守にマウントをとり火かき棒を振り下ろし続ける。
「悪は死ね!」
血が舞う凄惨な光景を前に言葉を失う。
(二階堂さんは……平気なのか?)
(正気とは思えない。ゴクチョーの言っていた国に災厄を齎す魔女になるってのも噓じゃないのかもしれない……)
呆然と見ていると……首が飛んでいった。
「……は?」
目の前の光景が信じられない。
先程まで生きていた人間の死を視たのは初めてだ。
(……気持ち悪い)
こんな状況を軽く流しながら話すゴクチョーに嫌悪感を感じながら魔女についてを言われるがままに頭に入れる。
ゴクチョーが去り、看守が
魔女化の進行による殺人衝動によって二階堂さんは暴走したのだと察し
同じ様に飲み込まれないようこれからについて考えようと切り替えた時。
「彼女に手を出すな!」
今度は恐怖に駆られて逃げようとした紫藤アリサを看守が狙っているのを
庇った蓮見レイアに鎌が振り下ろされるその瞬間が見えた。
(間に合えっ!)
咄嗟に魔法を使い……近くに現れた自分に驚く蓮見さんを引き寄せる。
鎌はスレスレを通り過ぎる。看守の二回目を警戒し見つめ続けていると
興味を失った様に
「?」
「威嚇のようなものだった……ということかな?」
「おまえら……怖くねえのかよ……」
「危ない目に遭っている者を助けるのは当然のことさ。」
「それよりもアリサ君。看守を刺激するような危険なマネは控えてくれたまえ。」
「ハヤト君も、何か不思議な魔法をもっていたとしても、危ないから看守の前に立たない方がいい。」
「おめえもだろ……」
「私はあの程度躱せていたとも!」
「だから私を庇おうとしないでくれたまえ。君がケガをしてしまう。」
自分は危機の連続で疲労しているのに
それとは対照的に疲労を見せず周りを気遣う蓮見さんに尊敬の念を抱く。
それ以降も魔女図鑑や規則これからの行動指針について話す蓮見さんに
同調していると会話の流れがおかしい。
何やらグループが二つに分かれてしまったようだ。
(政府に危険と判断されたのだから従うべき……)
(いや、彼女たちはまだ魔女になって誰かを殺した訳でもないから不服なのは当然か)
「今は気になる事は多々あれど、規則に従い、皆自分達の部屋に戻ろう!」
(魔法についても後でにしようということか)
(魔法を見られた時女子相手の場合時止めって言わない方がいいって教えてくれたのは父さんだったか……)
(その場合何の魔法って言えばいいんだろう?)
◆
促されるまま地下の自分の監房に戻ると
氷上さんが少し遅れて入ってきそれと同時に扉に鍵がかかる音がする。
「あ……」
「?どうかした?」
「いえ……ハヤトさんは…脱走したいと言うと思っていたので……」
会って数時間なのにそう思われていた理由も気になったが
その質問の答えは簡単だった。
「恐らく国(だと思う)に危険だと判断された以上他者に危害を加えないよう過ごそうかなと」
「魔女化の殺人衝動とやらに心当たりもあるし……」
「えっ……」
「あっいや誰かを殺したいわけではなくて……」
(説明するとなると
(さっき泣きながら治療していた子に見せたくはないな)
「さっきの二階堂さんの件で…ね」
(死者を言い訳に使うなんて……他に思いつかなかったのか)
その後も少し氷上さんと話した後、自分用のベッドでこの先どうするか考える。
(脱走を考える人は間違いなくいる。蓮見さん達も規則に従いつつここを出る方法を探す可能性が高い……)
(俺は出るつもりは無い……彼女達を手伝うべきなのか)
(……少なくとも看守に殺されるのが正しいとは思えない)
(躊躇いなく人を殺せそうな子や殺されるべき悪人に見える子はいないが……)
(誘拐され捕らえられた状態では魔女化が進み殺人衝動に呑まれる可能性もある……)
(その結果二階堂さんの二の舞を踏み看守に殺される前に外に出させてあげた方がいい……のか?)
(俺は多分
(彼女達がそうならないようにストレスを溜めない手助けをする……)
これからの方針を決めながら少し体を休めようとすると
自分でも気づかないうちに疲れがたまっていたのか目を閉じた途端に意識を手放すのだった。
初投稿なので誤字脱字、文法の誤り、おかしな言い回しがあれば、報告していただけると幸いです。
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