シャボンディ諸島の空には、いつ見ても虹色に反射するシャボン玉がフワフワと浮遊している。
陽光を弾くその光景は幻想的だが、足元に目を向ければ、島を覆うヤルキマン・マングローブの根元には泥と苔がこびりつき、決して綺麗な場所ばかりではない。
マヤは、ゆったりとした天竜人の装束の袖を無造作にまくり上げ、石畳の脇にある側溝に足を踏み入れていた。
彫刻のように研ぎ澄まされた筋肉質の腕が、泥にまみれたゴミや詰まった枯れ葉を次々と掻き出していく。
赤い髪が海風に揺れ、赤い瞳はただ淡々と目の前の汚れを見つめていた。
「……またそんなところで掃除してるでアマスか!?」
背後から、ヒステリックだがどこか呆れを含んだ高い声が響く。
振り返ると、透明な球体のヘルメットを被った豪奢なドレス姿の少女――シャルリア宮が立っていた。
周囲には数人の護衛が付き従っているが、彼らもまた、どぶの中で泥にまみれる天竜人の姿に困惑の表情を浮かべている。
マヤはゴミの塊をバケツに放り込み、面倒くさそうに首を鳴らした。
「汚いの、嫌だろ? 他に頼んでも、どうせ表面しか綺麗にしないからな」
「だからといって、貴方が汚くなる必要はないアマス! 天竜人の誇りというものがないアマスか!?」
「あとで風呂に入れば綺麗になるだろ。誇りでどぶの詰まりが直るなら、いくらでもかざしてやるよ」
「本当に……本当に変わってるアマス。貴方という人は」
シャルリア宮は深い溜息をつき、被っていたヘルメットを忌々しげに外して護衛に押し付けた。
綺麗な金髪が風に流れる。彼女は少しだけツンと顎を上げ、マヤから視線を逸らした。
「……あとで、綺麗に流してあげるアマス」
「結局、お前も俺の世話を焼いてくれるじゃないか。それも十分変わってるだろ?」
「貴方が世話を焼かせるからでアマス! それと、貴方のドブ掃除は別アマス!」
顔をほんのりと赤くして抗議するシャルリア宮を見て、マヤは小さく息を吐き、口角を上げた。
他の天竜人たちとは違い、マヤは奴隷を引き連れて歩くこともなければ、平民に対して理不尽な暴力を振るうこともない。ただ己の基準で「汚いから」「直したほうが早いから」と、街の環境を整えて回る。
シャルリア宮にとって、幼馴染であるマヤの行動は天竜人の常識から外れすぎていて理解不能だったが、決して嫌いではなかった。
ドォォォン……ッ!!
不意に、遠く離れた1番GRの方角から、建物が崩落するような轟音が響き渡った。
マヤの赤い瞳がスッと細められる。
空気が微かに震え、人々の悲鳴が風に乗って微かに届いた。
「今のは……人間オークションの会場の方でアマスね」
「お前の親父さんと、兄貴が行ってる場所か」
「お兄様がまた何か……っ、マヤ!?」
マヤはバケツを放り出し、側溝から跳び上がった。
泥で汚れた手足を気にする素振りも見せず、音のした方角へと鋭い視線を向ける。
「ちょっと見てくる。お前はここに――」
「私も行くアマス! お父様とお兄様が心配アマス!」
シャルリア宮の強い眼差しに、マヤは一瞬だけ思案し、「勝手にしろ」と短く告げて歩き出した。
人間オークション会場は、凄惨な地獄絵図と化していた。
外壁はひび割れ、豪華だった客席はひっくり返り、逃げ惑う貴族や平民たちが入り乱れている。
マヤが崩れた入り口から足を踏み入れると、壇上の近くで特有の宇宙服のような装束を着た男が、顔面を血まみれにして白目を剥き、倒れていた。
チャルロス聖。シャルリア宮の兄だ。
「お兄様……!!」
後から駆け込んできたシャルリア宮が悲鳴を上げ、倒れた兄に駆け寄ろうとした。
だが、その瞬間。
ドドンッ!!
空気を重く押し潰すような、強烈な威圧感が会場全体を舐め回した。
覇王色の覇気。
壇上から歩み出てきた白髪の老人が放った、魂そのものを刈り取るような気迫。
逃げ惑っていた者たちが次々と泡を吹いて倒れ伏し、兄に駆け寄ろうとしていたシャルリア宮もまた、ふらりとよろめき、そのまま糸が切れたように床へと崩れ落ちた。
「シャルリア……っ!」
マヤは一瞬で距離を詰め、床に倒れる寸前で彼女の身体を抱き止めた。
そっと指先から回復の念を流し込み、経絡と脳へのダメージを確認する。命に別状はない。ただ、強力な精神的ショックで意識を失っているだけだ。
ホッと息を吐いたマヤの胸の奥で、静かで冷たい怒りがチリチリと燃え上がった。
チャルロスが殴られたことなど、マヤにとっては心底どうでもいい。
だが、巻き添えを食らってシャルリア宮が倒れた。
ただ状況を心配して駆け込んできただけの彼女を、無差別に巻き込んだ。
マヤは気絶したシャルリア宮を抱きかかえたまま、ゆっくりと立ち上がり、騒ぎの中心へと視線を向けた。
そこには、麦わら帽子を被った少年を筆頭とする海賊の一団。
そして、いつの間にか会場を包囲していた海軍の兵士たちと、大将黄猿。
さらに、巨大な体躯を持つ王下七武海、バーソロミュー・くまの姿があった。
「パシフィスタまで出張ってきているのか。大層な騒ぎだな」
マヤの静かな声が、怒号の飛び交う会場に響いた。
声量は大きくないはずなのに、不思議と全員の耳に届く。
大将・黄猿が、間の抜けたような、それでいて警戒を含んだ視線をマヤに向けた。
「おやァ……これはマヤ聖。天竜人様が、わざわざこんな泥臭い現場へ来られるとはねェ」
「知り合いが巻き込まれたんでな」
マヤは視線を巡らせた。
麦わらの一味は既に満身創痍であり、海軍とくまの圧倒的な戦力の前に為す術もなく追い詰められている。
くまが、掌を構えてゆっくりと歩み寄っていく。その掌の先にあるのは、麦わらの一味の剣士だ。
――逃がそうとしている。
マヤの目は、くまの微細な筋肉の動きと、その奥にある『意志』を正確に読み取っていた。
くまの掌が、今まさに剣士を弾き飛ばそうとした瞬間。
「おい。そこのデカブツ」
マヤの声が、氷のように冷たく響いた。
「お前、今、何か『別のこと』をしようとしたな? そいつを捕まえずに、逃がそうとしただろ」
くまの動きがピタリと止まる。
黄猿の表情から、わずかに飄々とした色が消えた。
「……そいつの動きを抑えろ。反逆の疑いがある」
マヤの絶対的な命令に、海軍兵士たちが一瞬戸惑うが、天竜人の命令には逆らえない。数人の将校が銃を構えてくまを牽制する。
マヤはシャルリア宮を安全な瓦礫の陰に静かに寝かせると、真っ直ぐに麦わらの一味の前に進み出た。
「お前ら」
マヤの赤い瞳が、麦わらの少年を捉える。
「俺の知り合いを巻き込んでくれたな。チャルロスが気に食わなくて殴ったのはいい。そこはどうでもいい。だが、巻き込む理由にはならない」
「俺は悪くねェ!! あいつらがハチを撃ったから……!!」
「だから、お前の動機なんて聞いてない」
喚くルフィの言葉を、マヤは氷のような声で切り捨てた。
「俺はただの疑問を聞きたい。なんでお前ら、海賊なんてやってるんだ?」
公開尋問だった。
海軍大将と七武海が包囲する絶望的な状況下で、天竜人による奇妙な対話が始まった。
ルフィが何かを叫ぼうとしたが、マヤは完全に無視して他の仲間たちへ視線を移す。
「世界一の大剣豪になるためだ」
「オールブルーを見つけるためさ」
緑の髪の剣士や金髪のコックが答えるが、マヤは顔色一つ変えない。
鼻の長い男が嘘をついたのは一瞬で見抜き、サイボーグやトナカイの言葉も聞き流した。
「で、お前らは?」
マヤの視線が、何かを押し殺すように震える
オレンジ色の髪の女と、黒髪の女に向けられる。
「私は……自分の目で見た世界地図を描きたいからよ」
「…………」
黒髪の女は無言を貫く。
その沈黙を埋めるように、背後から黄猿が口を挟んだ。
「その女はニコ・ロビン。オハラの生き残りでしてねェ。もう一人のナミというのも――」
「そうか」
マヤは黄猿の言葉を遮り、小さく頷いた。
「海図を描くこと。歴史を研究すること。……どっちも、わざわざ海賊にならなくてもできることだな」
マヤはナミとロビンを指差した。
「なら、お前ら二人は俺の預かりにする」
「はぁ!?」
ナミが素っ頓狂な声を上げ、ロビンが目を丸くする。
「ふざけないでよ! なんであんたなんかに……!」
「俺からしたら、お前らが全員、わざわざ海賊なんて名乗って海に出てる意味がわからんがな。そんな目的、街にいればいくらでも安全にできるだろ」
一蹴だった。
そこへ、白髪の老人が静かに割って入った。冥王、シルバーズ・レイリー。
「マヤ聖と仰ったかな。彼らには彼らの船出がある。天竜人の権力で若き芽を摘むのは、感心せんな」
レイリーの目がスッと細められ、再びあの強烈な威圧感が放たれた。
今度はマヤ一人に的を絞った、濃密な覇王色の覇気。
だが、マヤは瞬き一つしなかった。
覇王が纏う、強靭な精神回路。
マヤの赤い瞳が、スゥッと冷たい光を宿す。
「……お前、なんだ?」
「今、話をしてる最中なんだけど。やり合いたいの?」
ズンッ……!!
マヤの体から、無意識の内に練り上げられた『念』が、物理的な重さを持って会場に叩きつけられた。
それは覇王色とは似て非なるもの。圧倒的な死の気配を孕んだ修羅の威圧。
レイリーの顔に明確な驚愕の色が浮かび、背後にいたウソップとチョッパーが悲鳴を上げて気絶する。
「まさか……天竜人で、これほどの使い手とは……」
「なんのことだ? あのよ、天竜人がどうこうは今は関係ないんだわ。俺は『シャルリアを巻き込んだこと』に怒ってるんだよ」
「天竜人が、彼らの友人を奴隷にしようとしたからだ。それは悪ではないと言うのか?」
レイリーの言葉に、マヤは呆れたように大きな溜息をついた。
「あのさ……相手、海賊だろ? 海で散々悪さしてる連中だろ?」
マヤの言葉が、冷たい刃のように会場に響き渡る。
「略奪して、人殺して、男女関係なく力で蹂躙してるのが海賊だ。ピースメイン? 笑わせるな。目の前の可哀想な奴だけ救って、あとは海軍よろしく丸投げするのがピースなのか? ただの御山の取り合いだろ」
「それは……」
「それを『天竜人憎し』に話をすり替えるんじゃねぇよ。天竜人なんて存在すら知らない地域の住人から見たら、海賊のほうがよっぽど悪だろ? 奴隷? ふざけるな。それができたのも、ここに人間を売りに来てるのも、元を辿れば全部『海賊』だろがよ!!」
沈黙が落ちた。
「売り手が海賊。買い手が天竜人ってだけだ。たまたまここでは、天竜人が目立って見えてるだけだろ。違うか?」
黄猿が困ったように頭を掻く。
「……そうですねェ。他の海域では天竜人様なんて知られちゃいない。そんな場所でも、海賊による奴隷はいくらでもいますからねェ」
「で、そこのお前。名前なんていうんだ?」
「……レイリーと呼んでくれ」
「へぇ。で、お前は何しに来たわけ? このチャルロスを殴った奴の知り合いか?」
「こいつは、あの有名なゴール・D・ロジャーの右腕でしてねェ……」
黄猿の補足に、マヤは鼻を鳴らした。
「知らん。海賊だろ? 秩序もない、ルールもない、殴って欲しいものを手に入れる。天竜人と何が違う?」
「俺は悪さはしてねェ!!!」
ルフィが血を吐くような声で叫んだ。
「これですわ……」
マヤは心底うんざりしたように天を仰ぎ――次の瞬間、全員が見ている前で無造作に歩み寄った。
ルフィの頭から麦わら帽子を奪い取り、空いた手で彼の黒髪を鷲掴みにする。
「返せ!!」
ルフィが激昂し、マヤの顔面に向けて拳を振り抜いた。
ドゴォォッ!!
生々しい打撃音が響く。しかし、マヤは微動だにせず、髪も帽子も決して離さない。
「マヤ聖……ッ!」
「待て!」
海軍の将校たちや黄猿、そしてレイリーまでもが驚いて止めに入ろうとしたが、マヤは空いた片手をスッと上げて彼らを制止した。
ルフィは構わず、怒りに任せてマヤを殴り続ける。
「あのよ?」
数発の拳を顔面で受けたまま、マヤは底冷えのする声で口を開いた。
「お前、自分が何してんのかわかってる? 悪さしてるよね? 今、俺なんでお前に殴られてるんだよ? 帽子取られて殴るとか、お前子供か?」
ルフィの拳が、ビクッと止まる。
「こっちは、大事な女を気絶させられて、せっかく俺が毎日掃除して綺麗にしてる街を壊されてるんだ。今の外の惨状、わかってるのか?」
マヤの赤い瞳が、ルフィを射抜く。
「お前が仲間を救う? 大層な理由でだ。だが今、この街はよ、天竜人なんか関係なく大混乱して、もしかしたら逃げ遅れて死者が出てるかもな? それでも、お前は悪くないのか?」
「…………っ!」
「さっきも言ったがよ、お前らよく聞けよ!? ここに人を売りに来てる奴は、海賊だぞ!! いい加減にしろ!!」
ドゥンッ……!!
マヤの奥底から、さらに重く鋭い『念の威圧』が放射された。
空気が軋み、ルフィの息が詰まる。
「麦わら。お前さ、俺を散々殴ったよな? 今、俺がそのお返しをしてもいいんだぞ? そこの、お前の仲間を一人ずつ殺してもいいんだぞ? お前のやった行動は、そういうことなんだよ!」
ルフィの顔が、初めて明確な恐怖と絶望に歪んだ。
「俺の大事な街の住人がよ、今混乱して嘆いてる。それだけで罪だろうがよ! なんだい、お前の仲間以外の住民はどうなっても知らないってやつかい? 天竜人には下々民の意見がわからない? そうかもしれないが、お前らも俺らのこと、なんにもわかってないよな?」
「おれは……おれは……」
「そうだな。お前、死ぬ気があるから海賊やってるんだろ? なら、こんな場所で死んでも文句はないよな? クソ坊主」
マヤは鷲掴みにしていたルフィの髪を乱暴に突き放し、麦わら帽子を床に投げ捨てた。
「お前のおかげで、海軍に何名も負傷者が出て、住民に死んだ人がいたらどうする? 考えたこともないのか! お前ら海賊はよ!」
(なんという男だ……)
レイリーは冷や汗を流し、その場から一歩も動けなかった。
(こりゃあ、本当どうしたもんかねェ……明日にでも、センゴクさん連れて詫びに行かねェと……)
黄猿もまた、この異端の天竜人の底知れない器と正論の前に、完全に呑まれていた。
マヤはもう、ルフィに一瞥もくれなかった。
「黄猿、手配書を見せろ」
黄猿から差し出された手配書の束を受け取り、ナミとロビンの顔を確認する。
「お前ら二人は俺の預かりとする。くま公が反逆行為をしようとしたこと、レイリーが俺に覇気を向けたこと、そしてシャルリア宮の件。担保と言え。それら全ての悪さに目を瞑ってやる代わりだ」
誰も、反論できなかった。
「海図が描きたければ環境を与えよう。ロビン、お前が調べたいことも許可してやる。そのほうが安全にできるだろ? 海軍に怯えて追われるよりマシだ」
ナミとロビンの顔に、驚愕が浮かんだ。
「お前!!! 俺の仲間を!!」
「こいつ、いちいちうるさいな。あとの処理は任せたぞ」
マヤは踵を返し、瓦礫の陰からシャルリア宮を抱きかかえ直した。
背後で「行くな!」と叫ぶルフィに、マヤは肩越しに冷たい視線を投げかける。
「お前らはよ、俺に生かされたんだぞ? それをゆめゆめ忘れるなよ、麦わらの一味ども」
マヤが歩き出した直後、くまの掌が振り下ろされ、ルフィたちは為す術もなく空間の彼方へと弾き飛ばされていった。
シャボンディ諸島の高級居住区。
マヤの宮殿へと向かう道中、マヤの腕の中でシャルリア宮が目を覚ました。
「……んっ……マヤ……?」
「お、起きたか」
「私、気絶して……っ!」
マヤの胸に埋もれていることに気づき、シャルリア宮は顔を赤らめて身をすくませた。だが、その温もりにホッと安堵の息を吐く。
ふと視線を後ろに向けると、トボトボとついてくるナミとロビンの姿があった。
「マヤ、あの二人は奴隷アマスか?」
「いや、保護しただけだ。そうだな……メイドみたいなもんだな。好き勝手してくれていいさ」
「メイドと奴隷は違うアマス?」
「そうだな。一人は俺のために海図を描いてくれるメイドで、もう一名は俺の研究を手伝ってくれるメイドって感じだ」
「マヤは、いつもおかしな言い回しをするアマスね」
シャルリア宮は呆れたように首を振る。
背後を歩く二人は、不安そうに顔を見合わせていた。
「……本当に、海図を?」
「研究を……でも、オハラは……」
「あー。俺の家に行って住んで、好きに過ごせ。欲しいものがあれば言え。海軍に言えばだいたい揃うだろ」
あっけらかんと言い放つマヤに、ナミとロビンは言葉を失った。
「マヤの家に住むでアマス? 私も住みたいアマス!」
「それはお前の親父さんに止められてるだろ? 案外娘思いなんだよ、あの親父さん。あ、そうだ。あの親父さんにも、あとで『俺の家の二人には手を出すな』って言っておくよ。だからシャルリアも、いつもみたいに遊びに来ればいいさ」
「そうでアマスね!」
嬉しそうに笑うシャルリア宮を見て、マヤは小さく笑みをこぼした。
そして、歩みを止めずに、背後の二人に視線を向ける。
「簡単に言うと、天竜人のルール上、お前ら二人は俺の『所持品』ってことになる」
マヤは、少しだけバツの悪そうな顔をした。
「……すまんな」
「……え?」
「…………」
天竜人が、下々民に向かって謝罪した。
そのあり得ない現実に、ナミとロビンの思考は完全に停止した。
「マヤはすぐ、そういう言い回しをするアマス。……明日は船を修理に行くアマスか?」
「あー、どうだろうな。今日はこんな騒ぎがあったし、明日は海軍の誰かが来そうだなって思ってる」
「じゃあ、私も家に行くアマス!」
世界を動かす歯車が、一人の異端の天竜人によって、全く別の方向へと回り始めていた。