どぶさらいと天竜人と海賊   作:マイナーチョコ

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ここから、とんでもない展開になりますが、海賊ってこういう事もあるよなという感じで見れる方のみ見てください。あと少しで原作に追いついてしまいますのでよろしくお願いします。嫌な方はそのままブラウザバックで、ここまで見てくれてありがたいです。ここから、65話までいっきにつづいてます。そして、ほぼ原作に追いついてしまいますが、ここまでお読みの方はわかると思いますがとっくに原作の展開がないのがこの作品の話なので、それがわかってくださるかたは、このまま読み切ってください。よろしくお願いします。


第62話:二年間の潜伏 

 

 

夜のとばりが下りたシャボンディ宮殿の別棟――最新鋭の設備が並ぶ医療研究区画のカンファレンスルームに、屋敷で暮らす全員が集められていた。

 

昼間に実施された『定期健康診断』の解析結果がエッグヘッドから届いたとのことで、マヤと護衛のCP10も含め、ナミ、ロビン、ヤマト、レイジュ、たしぎ、ウタ、コアラ、ビビ、カヤ、ステューシー、シュリ姫、イワンコフ、そして二歳になる子供を膝に乗せたマキノが、巨大な通信モニターの前に並んだ椅子へと腰を下ろしている。

 

「なんだなんだ、こんな夜に全員集まって、テストの発表会みたいだな!」

「ふふ、みんな普段から美味しいものを食べて規則正しく暮らしているから、きっといい結果ばかりよ」

 

ヤマトとロビンが和やかに言葉を交わす中、正面の大型モニターが点灯し、巨大なリンゴのヘタのような帽子を頭に乗せた世界最高の頭脳――Dr.ベガパンクの姿が映し出された。

 

マヤが軽く片手を上げて画面に声をかける。

 

「よお、りんご野郎。こんな夜遅くにわざわざ直接通信なんて、全員分の検査結果が出たんだな?」

 

『りんご野郎言うな、ベガパンクじゃ! ……うむ、昼間にステューシーから送られた検体データを、ワシの研究所のメインコンピューターで徹底的に解析させてもらったぞい』

 

ベガパンクは手元の分厚い解析レポートに目を落とすと、まずは画面の向こうの面々を見渡して頷いた。

 

『まず結論から言おう。マヤ聖とCP10、そしてナミ、ロビン、ヤマト、レイジュ、たしぎ、ウタ、コアラ、ビビ、カヤ、ステューシー、シュリ、イワンコフ……以上の十四名に関しては、血液データも内臓の数値もすべて極めて良好、潜伏している病原体も一切なしの完全な【陰性(健康体)】じゃった。そこは安心するといい』

 

「やったぞ! 僕はやっぱり健康そのものだな!」

「よかったわね、みんな」

 

サロンに安堵の笑顔が広がった。

だが――画面の中のベガパンクはニコリとも笑わず、眉間に深い皺を寄せて眼鏡の位置を直した。そのただならぬ空気の変化に、レイジュとステューシー、そしてマヤの表情がスッと引き締まった。

 

『……じゃがな、マヤ聖。ここから先は、非常に重く、深刻な報告になる。本来であれば本人だけに伝えるべきことかもしれんが、感染症という性質上、同じ屋敷で暮らす家族全員が正しい知識を持って対処せねばならんため、あえてこの場で全てを話すぞい』

 

ベガパンクの視線が、モニター越しに、子供を抱いて座っているマキノへと真っ直ぐに向けられた。

 

『検査の結果……マキノ殿と、その二歳になる坊やの二名から、極めて危険な感染症の【陽性反応】が検出された』

 

「え……? わ、私と……この子から……?」

 

マキノの顔から、スッと血の気が引いた。

周囲のナミやビビ、カヤたちもハッと息を呑んでマキノを振り返る。

 

「……病名はなんだ、ベガパンク。詳しく説明してくれ」

 

マヤの低く落ち着いた声に促され、ベガパンクはモニターの横に病原菌の拡大図と進行グラフを表示させた。

 

『病名は【梅毒(ばいどく)】じゃ。主に性交渉や、傷口・粘膜への血液や体液の直接接触によって感染する、古来より海を渡る船乗りや海賊たちの間で恐れられてきた悪性の細菌感染症じゃよ』

 

その説明を聞いた瞬間、部屋の中にいる大人たちの脳裏に、誰一人として口には出さないものの「ある一人の赤髪の男」の顔が浮かび上がった。

ベガパンクも相手の名前はあえて伏せたまま、医学的な事実だけを淡々と告げていく。

 

『血中の抗体価と菌の進行度から逆算すると、マキノ殿がこの菌に感染したのは今から【約二年前】……おそらく、その坊やを身ごもったのと全く同じ時期に、相手の男性から直接移された可能性が極めて高い』

 

「に、二年前……!? そ、そんなはずありません、だって私、この二年間ずっと大きな病気なんて一度も……!」

 

震える声で首を振るマキノに、ベガパンクは痛ましそうに目を細めて説明を続けた。

 

『そこが、この梅毒という病の最も恐ろしく、残酷なところなのじゃよ、マキノ殿。いいかね、みんなもよく聞くのじゃ。この病気はな、感染してから大きく分けて四つの段階を踏んで人体を蝕んでいく』

 

ベガパンクが画面の第一段階を指し示した。

 

『まず【第一期】。感染してから約三週間後に、感染した部位や口などに小さなコリコリとしたしこりや潰瘍ができる。じゃが、これには強い痛みがないことが多く、治療をせず放置していても、数週間ほどで自然に跡形もなく消えてしまうのじゃ』

 

「自然に、消える……?」

 

『うむ。そして感染から約三ヶ月後に訪れるのが【第二期】じゃ。菌が血液に乗って全身に回り、手のひらや足の裏、あるいは体中に淡い赤いブツブツ――「バラ疹」と呼ばれる発疹が出たり、軽い発熱やリンパ節の腫れ、全身の倦怠感が現れる。……マキノ殿、今から二年近く前、妊娠中にそういった軽い発疹や熱が出た記憶はないかね?』

 

問われたマキノは、ハッとして目を見開いた。

 

「あ……そ、そういえばあの頃、少しだけ赤い湿疹と熱が出て……でも、ひと月ほどで綺麗に消えたから、妊娠中の疲れか風邪だと思って……」

 

『誰しもそう思い込んでしまうのじゃ。なぜなら、その第二期の症状もまた、数週間から数ヶ月で嘘のように消えてしまうからじゃよ。……じゃが、治ったわけではない。ここからが本当の恐怖、【潜伏梅毒】と呼ばれる期間に入る』

 

部屋の中が凍りついたように静まり返り、たしぎやコアラがゴクリと唾を呑んだ。

 

『症状がすべて消えた後、外見上は何の異常もない「無症状」の期間が数ヶ月から数年、時には二年以上も続く。医療知識のない者は、あの時少し体調を崩しただけだと安心し、まさか自分が重い性病に侵されているなどとは夢にも思わん。……じゃが、その二年間、体内では「梅毒トレポネーマ」という螺旋状の病原菌がずっと増殖し続け、静かに血管や内臓、神経を内側から蝕み続けていたのじゃ。マキノ殿がフーシャ村でマヤ聖と出会った頃に感じていた「抜けない身体の疲れ」は、単なる育児疲れではない。二年間の潜伏期間を終え、菌が心臓や血管、やがては脳や脊髄を破壊する【第三期・晩期梅毒】へと移行し始めていた初期兆候じゃったのよ』

 

「なっ……!? 脳や心臓が、破壊される……!?」

 

カヤが白衣の胸元を押さえて絶句する。

そしてベガパンクは、一番残酷な事実へと話を進めた。

 

『そして、何よりも一刻を争うのが、その腕の中にいる【二歳の坊や】の身体じゃ。母親の胎盤を通じてお腹の中で感染する「先天梅毒」には、生後すぐに症状が出る早期のものと、もう一つ……【二歳以降】になって突如として牙を剥く「晩期先天梅毒」がある』

 

「に、二歳以降……!?」

 

『そうじゃ。坊やは今日まで、外見的には全く健康で可愛い普通の赤ちゃんに見えていたはずじゃ。マキノ殿も元気に育っていると信じて疑わなかったじゃろう。じゃが、ちょうど二歳を迎えた今この瞬間、坊やの体内では潜伏していた菌が限界に達し、発症へのカウントダウンが始まっておる! このまま発症すれば、角膜炎による失明、耳が聞こえなくなる感音性難聴、歯や骨格の変形、さらには中枢神経の破壊など、一生取り返しのつかない重い障害を背負うことになるのじゃ!!』

 

――ガシャン、と。

マキノの心の中で、何かが完全に砕け散る音がした。

 

(うそ……うそでしょう……!? 私だけじゃなく、まだ二歳のこの子の目や耳や、未来まで奪われるなんて……!)

 

マキノの脳裏に、遠い昔からの記憶が走馬灯のように駆け巡った。

十数年前、まだ幼かったルフィがゴムゴムの実を食べたあの頃、フーシャ村に一年間だけ滞在し、いつも酒場で豪快に笑っていた赤髪の男。

そして二年前――ルフィがインペルダウンで暴れ回り、世界中が大混乱に陥っていたあの直後に、なぜかふらりと東の海の片田舎へ遊びに来たあの男と過ごした、たった一度の夜。

 

あの日から今日までの二年間、マキノは一人で酒場を切り盛りし、世間の目を忍んで赤ん坊を育てながら、それでも「あの人との大切な思い出の結晶だから」と自分に言い聞かせて孤独に耐えてきた。

先日のエレジアで、彼にウタという隠していた娘がいたことを知った時も、まだどこかで「あの人にも海賊としての事情があったのかもしれない」と、過去の思い出まで全てを汚すことはできずにいた。

 

けれど、現実はどうだ。

彼がフーシャ村に残していったのは、愛でもロマンでもなく、母子の肉体を二年間かけて内側から腐らせ、二歳になった我が子の目と耳と未来を破壊する「悍ましい猛毒」だったのだ。

 

「じゃあ……なんで、あの人は鬼ヶ島でもあんなにピンピンしてたのよ!? マキノさんと赤ちゃんにだけこんな酷い病気を移して、自分だけ平気な顔をしてるなんておかしいじゃない!!」

 

ナミが怒りに肩を震わせて叫ぶと、専属秘書のレイジュが氷のように冷たい声で答えた。

 

「……いえ、ナミ。それこそが、海賊という連中のタチの悪さよ。ベガパンクの資料にもある通り、大人の潜伏期間は五年、十年、長ければ二十年近くも無症状が続くケースが多々あるわ。ましてやあの男は、新世界の頂点に立つ規格外の『覇気使い』。常人離れした強靭な肉体と免疫力が、体内の梅毒の菌すらも抑え込んで、無症状の保菌状態を長く維持させているのよ」

 

『うむ、レイジュの言う通りじゃ。本人にとっては「新世界の航海で少し疲れが溜まっている」程度にしか感じられず、自分が恐ろしい病気の保菌者だとすら気づいておらんのじゃろう。不衛生な海賊船で暮らし、世界中の港で無責任に女を抱き、戦闘で他人の返り血を浴びる……そんな男が、覇気も持たぬ非力な一般女性と無防備に交わればどうなるか。自分は平気だからと、猛毒の種を植え付けたまま二年もの間一度も様子を見に来ず、母子を見殺し同然に放置しておったわけじゃ』

 

「あ……ああ……っ……」

 

マキノの瞳から、堰を切ったようにボロボロと涙が溢れ出し、彼女は子供を抱きしめたまま椅子から崩れ落ちるようにして床にうずくまった。

 

(あの人が、そんな恐ろしい病気を持っていて……私たちを二年間も放置しただなんて、あんまりだわ……! 私は、愛されていたんじゃなかった……。ただ田舎の都合のいい女として遊ばれて、毒を押し付けられただけだったのね……!)

 

十数年の憧れも、二年間の美しい思い出も、すべてがこの瞬間、吐き気がするほどおぞましい絶望へと反転して完全に崩れ去った。

 

そのあまりにもむごい現実に、部屋の中の女性陣は言葉を失い、そして一斉に激しい嫌悪と恐怖に顔を歪めた。

ヤマトがブルッと身震いすると、立ち上がって大声で宣言した。

 

「なんて恐ろしい病気なんだ……! 僕は、一生絶対にマヤ以外とはそんなことしないぞ!」

 

「ええ、当たり前よ……! 私だって、清潔で優しいマヤだけよ!」

「ふふ、私もよ。海賊なんて、本当に外見も中身も不潔極まりないわね」

 

ナミとロビンが強く頷き、たしぎやビビ、ウタやコアラたち他の全員も「わ、私も一生マヤ聖だけです!」「当然ですわ!」と顔を赤くしながらも真剣な顔で頷き合った。

 

壁際で腕を組んでいたCP10(エース)は、ギリッと奥歯が砕けんばかりに噛み締め、拳を固く握りしめていた。

(あの赤髪の野郎……! 自分が不治の病の身でありながらお袋に俺を宿して自首し、二十ヶ月も孤独に苦しませて死なせた俺の親父(ロジャー)と、まったく同じことをしてやがるんだな……! 親父の船に乗ってたメンバーなんてのは、結局どいつもこいつも、女子供ひとり守れねェ救いようのないクソだったってことだな……!)

 

そして、誰よりも静かに、しかし底なしの怒りを赤い瞳の奥に宿していたのはマヤだった。

(……自分の親父のガーリング聖たちが、下界の女をただの娯楽として消費して病気や子供ごと捨ててきたのと、まったく同じことをしやがったな、赤髪の野郎……! 口では新時代だの仲間だのと格好つけやがって、やってることは一番タチの悪い天竜人の血そのものじゃねーか……!)

 

マヤは無言で椅子から立ち上がると、床にうずくまって泣き崩れているマキノの前へと歩み寄り、その肩を抱き寄せようと手を伸ばした。

だが、マキノは弾かれたように顔を上げ、涙でぐしゃぐしゃになった顔で必死に首を横に振って後ずさった。

 

「だ、だめです、マヤ聖っ! 来ないで、私に触らないでください!! 私は、汚れてるんです……っ! こんな恐ろしい病気が、マヤ聖にまでうつってしまいます……!」

 

自分の身体を恥じ、恐怖に震えて拒絶するマキノ。

しかしマヤは、ほんの一瞬のためらいも見せず、後ずさるマキノと二歳の子供の身体を、両腕で力強く 자신의胸へと抱きしめた。

 

「――あっ……! マヤ聖、だめです、離れて……っ!」

 

「大丈夫だ、マキノ。俺がお前とフーシャ村で初めて出会った時にも、こないだの船の中でも、もうこうして抱きしめただろ? こうやって外から抱きしめるくらいじゃ、絶対に感染なんかしない」

 

マヤの広くて温かい胸の鼓動と、すべてを包み込むような優しい覇気が、冷え切っていたマキノと子供の身体へとじんわりと伝わっていく。

 

「俺は最初からお前に言ったはずだ。お前とこの子は、絶対に俺が守るってな。……お前は何も汚れてなんかいねえよ。悪いのは全部、無責任に毒を撒き散らしたあいつだ」

 

「マヤ聖……っ、う、うわあああああんっ!!」

 

マキノはマヤの胸に顔を埋め、声を上げて子供のように泣きじゃくった。

 

マヤはマキノの背中を優しく撫で続けながら、顔だけをモニターのベガパンクへと向けた。

 

「ベガパンク。原因と症状はよくわかった。……で、どうやって治す? 世界一の頭脳のお前なら、治療法はあるんだろうな?」

 

『……うむ。もちろん、このエッグヘッドには梅毒の菌を確実に死滅させる【特効薬(高濃度の抗生物質)】がすでに完成しておる。それを投与すれば、体内の菌を殺すこと自体は可能じゃ』

 

「なら、すぐにその薬を――」

 

『待つのじゃ、マヤ聖。話はそう単純ではない』

 

ベガパンクの苦渋に満ちた声に、マヤが言葉を止めた。

 

『いいかね、今のマキノ殿は第三期の直前、そして二歳の坊やは「晩期先天梅毒」がまさに今発症する寸前まで菌が全身の組織や神経の近くに増殖しておる状態じゃ。この段階で、特にまだ二歳の幼児の小さな肉体に強力な特効薬を大量投与するとどうなるか……。薬によって体内で一斉に破壊された大量の菌から毒素が放出され、激しい高熱や血圧低下、全身の痙攣といった【ショック症状(ヘルクスハイマー反応)】が確実に引き起こされるのじゃ!』

 

「ショック症状……!? それを起こしたら、この子はどうなるんですか!?」

 

医師見習いのカヤが蒼白な顔で尋ねると、ベガパンクは重く首を横に振った。

 

『菌そのものは死滅しても、その激しい炎症とショックの反動が引き金となって、坊やの目や耳の神経に、結局何かしらの【一生残る後遺症】が出てしまうリスクが極めて高い……。かといって薬を少量ずつ使えば、その間に病気が発症してしまう。……今の通常の医学と薬学では、これが限界なのじゃ……すまん……!』

 

ベガパンクが画面の向こうで悔しそうに頭を下げる。

薬を使っても、使わなくても、二歳の子供に重い後遺症が残るかもしれない――。

その残酷すぎる袋叩きの現実に、部屋の中の全員が言葉を失い、重苦しい絶望感が室内を支配した。カヤもステューシーも唇を噛み締め、マキノは「私のせいで、この子が……」と再び震え始める。

 

だが、その絶望の沈黙を破ったのは、マヤの凛として迷いのない声だった。

 

「――いや、ベガパンク。薬で体内の菌を殺すから、死骸の毒素でショックが起きるんだろ?」

 

『え? そ、それはそうじゃが……』

 

「だったら、薬で殺すんじゃない。マキノとこの子の身体の中から、生きた菌そのものを一匹残らず、物理的に外へ摘出して消してしまえば、副作用も後遺症もゼロで済むってことだろ?」

 

マヤの瞳が、強い決意の光を帯びて煌めいた。

(ローには悪いが、麦わらたちの監視だのスパイの潜入任務だの……そんなものは、もうどうでもいい! 今すぐここで、俺の目の前で泣いてる母子を無傷で救うこと以上に大事な仕事なんて、この世にひとつもねーよ!)

 

マヤはマキノの涙を指で拭って立ち上がると、部屋にいる全員に向かって高らかに号令を下した。

 

「――『オペオペの実』の能力だ。今すぐ、ローをここへ呼び戻すぞ!!」

 

その一言に、モニターのベガパンクと室内の全員がハッと目を見開いた。

 

『おおおっ!! そうか、トラファルガー・ローの【ROOM】か!! あやつの空間操作の能力ならば、メスで肉体を傷つけることも、幼児に危険な麻酔や強い薬を使うこともなく、血液やリンパ液、脳脊髄液から梅毒の病原菌だけを物理的に完全分離して取り除くことができる!! それならばショック症状も後遺症も百パーセント起きんぞい!!』

 

「そういうことだ! レイジュ、すぐに海軍本部のガープのじいさんに直通の電伝虫を繋げ! じいさんの部隊には、常に麦わらの一味の船を追跡させて位置を把握させてある!」

 

「は、はいっ! ただちに繋ぎます、マヤ聖!」

 

レイジュが素早く通信機を操作し、数秒でガープ中将へと回線が繋がった。

 

『おうマヤ聖か、こんな夜中にどうしたんじゃ!?』

 

「じいさん、緊急だ! 今すぐ麦わらの一味のサニー号の正確な現在位置を教えろ! そこにうちのローが乗ってる!」

 

『むっ、あいつらの船なら今、赤髪海賊団の船と合流してエルバフへ向かっておるようじゃが、相変わらず航海士がおらんせいで新世界の「渦潮海域」の手前で迷走して足止めを食らっておるぞ! 座標は今すぐそっちへ送る!』

 

「助かる、ありがとうよじいさん!」

 

座標データを受け取ったマヤは、マキノの頭をポンと撫でて力強く微笑んだ。

 

「マキノ、カヤとステューシーと一緒に手術室の準備をして少しだけ待ってろ。絶対に、お前もその子も、後遺症ひとつ残さず完全に治してやるからな!」

 

「はい……っ、はい、マヤ聖……!」

 

「よし、CP10、たしぎ、レイジュ、それに操舵はナミ! 百五十メートル級の超高速船を最大出力で出すぞ、今すぐ出航だ!!」

 

傷ついた家族の未来を奪還するため、真紅のエンジンを轟かせた白銀の巨艦が、夜のシャボンディ諸島から新世界の海へと猛スピードで飛び出していった。




赤髪がまさかの、という感じですね。
作者も悩んだ回です。赤髪は、もう40いってますし。、マキノが初めてはありえないと思い、ガーリングと天竜人であり。たくさんの戦闘もしたでしょうし。からこういうのが起きてもおかしくないよなとなった次第です。これから、詳しく独自に走るのでかっこいい昔の赤髪はこの世界にもいません。作者は赤髪の例のシーン好きだったたけにこうなってしまいました。無責任なヤツという感じです。作者がコメントここに残すのも初めてです。暖かいコメントか、コメントなしにしてくれるとありがたいです。しっかりとどういう経緯でとかも、書いてますので、見てくださると嬉しいです。原作ご都合主義をなくした、海賊というのがコンセプトでした。生ぬるく見てください。最初にも書いてますがもうすぐ原作においつきます。すでに、この結末まで書いてます。一回お話もそこでとめてます。最後までお付き合いくださると嬉しいです。
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