Twitterでも完成報告したらフォロワーの一人が引用して紹介してくれてました。ありがとうございます。
「今からケヤキモールへ行く。そこで歓迎会だけでなく、今後の方針、いや計画について話をしようと思う」
清隆が目線を向けてきたので、僕は携帯を取り出し、返信が戻ってきていることを確認する。
「黒宮魁座、ちゃんと大盛りクレープを奢って下さいよ。そうでなければ歓迎会には参加しませんからね」
「話し合いには参加するからどのみちお前が欲しいだけだろ」
「そうとも言います」
「それしかないだろうが」
このノリ、種類は違うが何となく唯我独尊を行くあの男を彷彿とさせる。マトモに相手をしていたらこちらが疲れるのでここで切り上げる事にした。
「まぁ、先ほども言っていた通りCクラスの行く末について、早々に話をしておきたいのはクラスメイトとして当たり前なので参加はします。恐らく今後、一之瀬帆波に会うんでしょう?」
ニヤリと笑って森下が今後の予定に触れる。
「一之瀬?なんでここで一之瀬の名前が出てくるんだよ」
「フフ、やはり裏切り者は今後の計画、その末端すら聞いていないようですね」
その挑発的な答えに、笑顔を浮かべていた橋本の表情が僅かに強張る。
「まさか森下……いや、もしかして白石にも話してるのか?」
「今回の移籍のために、Cクラス全員からの同意は必須だ。色々とあって爆弾を抱えている橋本に頼み込んでも、信頼を得られる可能性は低いからな。それに、色々と疑い深い森下に協力を要請するためには、それに見合った情報を渡す必要がある。だから話した」
「……あ〜、いや、うん。納得は出来るんだが……森下に負けたってのがどうも釈然としないな………まぁ、それは良い。で、白石が知っているのは何でだ?」
「白石は……」
「私が
清隆の言葉を遮り、白石が話に入ってくる。
「………え、理由そんだけ?ってか魁座って、お前らもしかして知り合いだったのか?」
橋本が驚いた表情を浮かべる。森下も橋本ほど露骨ではないが、目を開いていた。
「あ~、飛鳥とはこの学校に入る前からの知り合いでな。高育入学後はクラスが違うこともあって中々話してなかったんだが、今回僕が移籍するにあたって信頼出来る人物は誰かと考えたとき、飛鳥がパッと思いついてな。それで話した」
「マジか……ってことはこの場で事情知らないの俺だけか?いや、納得はしてるんだが仲間外れか……」
「まぁ、早いか遅いかの違いだよ。ね?」
「フォローありがとな、黒宮」
一人で落ち込む橋本を気にするなと励まし、先を急いだ。
(……まぁ、厳密に言えば飛鳥は僕の秘書だけどね)
友人であることも嘘ではない。が、僕の専属秘書であることが彼女の肩書きになっている。それを2人は知らないし、僕や清隆としても話がややこしくなりそうなので言うつもりはない。
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「黒宮魁座は意外と豪快ですね。私に高い物を奢るのにはあれだけ渋っていたクセに、ここにいる全員のためにさらっと高い物を奢るなんて」
「そもそも僕は森下と全然関わった事がないだろ。なのにいきなり高いもん奢れと言われたらそりゃ渋るわ。それに、森下にだけクレープも奢ったんだから、これ以上文句は勘弁してくれ」
ケヤキモールのカフェに到着したあと、取りあえず全員飲み物を注文し、軽く食べられる物としてミ◯ドでドーナツを買った。ちなみに合計で1800pp程度は消費した。やや高いが、必要経費ということでそこまで気にしないでおこう。
少し雑談したあと、新たに1人参戦する。
「お待たせ魁座くん。それと綾小路くん、橋本くん、森下さん、白石さんも」
律儀に帆波は他の人達にも挨拶をすると、僕の右隣の席に座る。
「(……いきなり隣に座るのか。まあ、今さら止めようもないか)」
「どうだった。クラスの皆の反応は」
「そりゃあもう凄かったよ。『なんでAクラスにいるのにわざわざ下のクラスに』って。みんな疑問にして話題になってたよ」
会話の内容から、橋本が苦笑いを浮かべる。
「その反応……もしかして一之瀬も知っていたのか?綾小路と黒宮の移籍」
「うん。少し前に魁座くんから」
「マジかよ………ん?魁座?なんで一之瀬も下の名前を………」
「あれ、魁座くん、言わなかったの?私達が恋人同士だって」
橋本の疑問にサラリと帆波が答える。
それを受けた橋本と森下の目が大きく見開かれた。橋本に至っては「は……」と声を小さく漏らしている。唯一、白石だけはいつもと変わらない笑みを浮かべたままドーナツを口に運んでいる。
「は、え、は!?く、黒宮お前、一之瀬と付き合ってるのか!?別のクラスの奴と!?」
橋本の動揺は当然だ。この学校はクラスが違うと敵同士の関係。そのため他クラスと友人になっても結局試験では敵対することになる。そんな中で恋人関係、それも1年生の頃からリーダーを務めている一之瀬と恋人なのだ。驚いて当然だろう。
「これは藍ちゃんも驚きましたよ。しかし、ウチのクラスには随分と爆弾を抱えた者が多くいるようですね。裏切り者の橋本正義に加え、考えの読めない綾小路清隆にDクラスのリーダーの一之瀬帆波と付き合っている黒宮魁座。信頼出来る事が少なすぎて心配でしかありません」
「確かに、僕達にまだ信用がなくて心配になるのは分かるな。橋本はともかく」
「おぉい黒宮!?おま、急にそんな反応するなよ!」
「いや、だってこれまでだって自分のクラスのこと裏切ってたし……」
「確かにそうだったかもしれないが、もうそんなことはしねぇよ!!もうこちとら綾小路にpp全ベットしてんだ!この状態で裏切るなんてマネ出来ねぇからな!?」
大慌てで橋本が弁明する。流石にこの男も、保険が無い状態での裏切り行為がどうなるのかは理解しているようだ。
「冗談だ。そこまで疑ってないから安心してくれ」
「ったく、冗談でもやめてくれよ。お前ら2人に疑われたまんまなのシャレにならねぇからな」
「…話を戻すが、オレ達の移籍に至って一つ、決めた事がある」
清隆がコーヒーカップを置いて口を開き、空気を戻すと、森下が真剣な声色で話に入ってくる。
「やはり本気だったんですか?──────一之瀬帆波達とのクラス同盟は」
「…………は?え、同盟?」
「さっきから驚いてばかりですね、橋本正義。少しは藍ちゃんのように冷静沈着でいたらどうです?」
「お前もさっき黒宮と一之瀬の関係に驚いてただろうが!!……あぁもういい。で、一体どういうことなんだ?なんで一之瀬達と同盟を?」
「その続きは僕が話すよ」
僕が言葉を繋ぎ、内容を伝えていく。状況に合わせての協力ではなく、ここから先3年生の戦いのほとんどを手を取り合って戦うこと。今後の特別試験でお互いが対峙しない限り、なるべく手を貸して協力すること。
「言いたいことは分かった。が、そんなこと本当に出来んのか?正直俺は無理だと思うぞ。下位クラス同士が手を取り合ったとしても、どんな試験が出るのかどんな組み合わせなのかは学校側が決めることだろ?さっきお互いが対峙しない限りって言ってたけど、もし対峙した場合はどうすんだ?」
「その点は大丈夫。それらを想定して、綾小路くんや魁座くんと細かい取り決めを済ませてあるよ。この先、私と綾小路くんのクラスが1対1で戦うことになった場合は『クラスポイントが1ポイントでも下回ってるクラスに勝利を譲る』という風にね」
「一応、厳密にはもう少し細かい取り決めはあるけど、僕達が言いたいのは、予め勝つクラスと負けるクラスが条件によって決まっていれば揉めることはないってことだ」
僕達の説明を聞いても、未だに渋い顔を止めない橋本。どうやら決められた数の特別試験の勝利を捨てるマネは受け入れ難いようだ。
「そもそも、僕達のクラス移籍には一之瀬との同盟が前提なんだ。既に僕達が移籍した以上、同盟は組まないといけない。これは決定事項だ」
「いや、でもなぁ……」
「じゃあ逆に聞くけど、本当に僕達の力だけで勝ち上がれると思う?」
「そ、それは……そもそも、もう俺は綾小路にppを全部渡した。そう信じるしか方法はねぇ」
「答えはYESともNOとも言えない。確かに純粋に勝つだけなら僕と清隆が入れば勝てる。でも、僕達も全ての分野において強い訳じゃない。それこそ初見の事とかはいくら僕達でもすぐに対処出来ない。だから試験によっては僕達が機能しないときもあるんだ。例えばエンターテイメント問題とかな」
清隆に視線を向けると、サッと反らした。以前の生存と脱落の試験での出来事について思い出したのだろう。僕も少し世間知らずな所はあるが、流石にあれば無いだろう。なんだタピるを知らないって。
「そういった事態をさけるためにも、同盟は必要だと思うんだが、まだ説得は必要か?」
「……いや、もう良い。これ以上何を言っても無駄そうだしな。だが、裏切る可能性については考えてないのか?」
「それは一之瀬の2年間の信頼の積み重ねが物語ってる。少なくとも僕達から裏切らない限り、裏切らないさ」
「常に裏切ってばかりの橋本正義には分からないでしょうね」
「耳の痛い話だな……まぁ分かった。ひとまずは納得した。取りあえずは綾小路や黒宮の判断に従うぜ」
橋本も最終的に納得した様子を見せた。森下と白石には事前に話していた事もあってすんなりと納得している。
……さて、ここからが本題だな。
「まぁ、散々ここまで魁座が話してきたが、ここまでは前座に過ぎない。ここからが本題に入る」
「まだあんのかよ……」
「あぁ……実はこの同盟の取り決めはあくまで表向きに納得させるためのモノだ。本当はどっちがcpを多く取っても構わない。最悪両方ともマイナスにならなければそれで良いんだ」
「……んん?待ってくれ。つまり今までの話は表向きの理由で、本当はcpがマイナスにならなければ、俺達のクラスでも一之瀬達のクラスでもどっちがcpを取っても構わない?……どういう事だ?全然話が見えないんだが………」
「オレ達がこの同盟を結んだ本当の理由、それはオレ達のクラスに一之瀬達のクラスメイト全員が移動させ、2クラス分の戦力を作ることだ」
要するに龍園が実行している8億pp作戦を僕達も実行しようということだ。あまりの突拍子のない話についに脳の処理速度が機能停止したのか、橋本は宇宙猫状態となっていた。隣の森下も同じと見て良いだろう。
「綾小路清隆、今の話は私も初耳なのですが……それは本気と見て良いのですか?」
「あぁ。オレは至極真っ当に言っている」
「どうやって?そもそも綾小路清隆は移籍してppはスッからかんでしょう。黒宮魁座は多少あるかもしれませんが、それでも8億ppまでは行かないと考えます。そもそも億までppを貯める方法が思いつきませんよ?」
「確かにそうだ。
コクリ、と頷くと自身の携帯画面を見せる。そこにはポイントの残高が表示されており、6億8000万を越えるppが見える。
「はっ?ろ、6億?し、白石、なんでそんなにpp持ってんだ?」
「厳密には私のではありませんがね。魁座くんが試験外で稼いだppは、私が保管するようになってるんですよ。なのでこれは魁座くんが稼いだppです」
白石がそう言うと、橋本と森下が僕に視線を向ける。「どうやってあそこまで貯めたのか」と。
「1年生の頃に発表されたSシステムについて覚えてるか?自分達の生活態度でCPが変動するってヤツ。僕は初日に見破ったんだ。そのとき学校に交渉した。『ご褒美に自分にとある活動を認めて貰いたい』って」
「その活動とは?」
「『株をやらせて欲しい』ってな。先生達は浮かない顔を浮かべていたけど、粘りに粘って何とか認めてもらう事が出来た。それから2年で5億6000万は稼いだ。正直確実性はなかったから上手くいくかは怪しかったけどね」
「………お前、もう学校辞めて投資家になった方が十分稼げるんじゃねぇの?」
「正直株やるのも楽じゃないんだよ。業種や時価総額で分散させるために色々調べないといけないし、相場が荒れてるときは動かない方が良い。けど、短期的に利益を上げる必要があるから破産するリスクを背負ってまで動いたりしたんだ。リスクを最小限にするために13時間はぶっ続けで色々と動いた事もあったし」
「ハッキリ言って何をやってるんですか?本当に」
いや本当に。3年間の学校生活で皆が青春してる中、こんなに株に熱中してて。僕何してんだろってなったもん。
「まぁ、他にも色々とあってこれだけ稼いだ。あと1年で残り1億2000万pp。一応不可能じゃない。だから貯まれば必ずオレ達のクラスに移動させる。最悪8億貯まらなくても、7億6000万貯まればオレ達のクラスを一之瀬クラスに移動できる」
「な、なるほどな……取りあえず本当の目的は分かった。俺としては、Aクラスに行ける可能性が上がるなら大歓迎だ」
「情報の共有も後に味方になるので意味はあると。一応私も納得しました」
「私としても戦力増強は嬉しいことですね。ところで、この話はどこまで秘密にしておきますか?」
「取りあえず、僕のポイントが目標まであと少しになったところで話そうと思う。それまでは秘密にしておいた方が良い」
「……ちなみに疑ってる訳じゃないが、もし万が一貯められそうになくなったらどうなるんだ?」
「それは大丈夫だよ橋本くん。そんなことは起きないように魁座くんが精一杯頑張るもん。ねっ?」
「………………あぁ……」
……ピル抜き……避妊………妊娠………うっ、頭が……。
「お、おい黒宮?どうしたお前。そんなに頭を押さえて……」
と、そのとき清隆が視線をある方向へ向けた。僕も振り向くと、人影が近づいてくるのが見える。そこには状況が未だ飲み込めきれていない堀北と松下だ。
「どうする綾小路、黒宮。元クラスメイトだが」
「最初は橋本が対応していてくれ。そのあとにオレ達が出る」
「……えっ、僕も?」
「後々に回すと付きまとわれて尋問されるぞ。そんな事されるより、いま対応した方が良いだろう」
「あ~確かに。了解した」
そういえば、これで移籍後初めての会話か。僕のストレスもいま大きく貯まってるし、堀北達には悪いが少し発散させてもらおうか。
補足:2年間で稼いだppの内訳は「株+金メッキ(南雲)先輩からの回収分+歌い手としての活動+卒業時、桐山や鬼龍院から貰った分」
この世界線では混合合宿時に南雲の策を見破って報告しており、南雲は生徒会長を解任されている。ちなみに以前に「生徒会長を解任されれば持っているppを全て黒宮に明け渡す」という契約をしていたため、これで合計2500万回収。ちなみに後任の生徒会長には桐山が着いた。
半年後の無人島サバイバルでも勝負し、見事勝利。「卒業までクラス全員分のppを1万ppを残して残りを全て渡す」という契約をし、最低で毎月320万ppの収入を得ることに成功。南雲政権は崩れることに。これで最終的に2730万ppをGET。
卒業時、南雲の権力が落ちたことでAクラスで卒業する事が出来た桐山や鬼龍院らからお礼のppを贈られる。その額3500万pp。
学校側に申請し、歌い手としての活動が出来るように。歌ってみたを中心に投稿。「毎月動画が再生された分の3分の1のppを収入として手渡す」という契約であり、これで1740万ppは稼げた。
なお、これら全て魁座1人で成し遂げた(清隆もアドバイスはしたが、最終的に動いたのは魁座)。
過労で一時期倒れたときもある。ちなみにそのときは白石に介護された。
ちなみにもし最低でも7億6000万稼げなければ一之瀬は避妊薬無しで夜に魁座と発散するため、魁座は何としても避けなければならないと決意している。
若干無理矢理があるかもしれませんが、まぁこれに関しては2次創作ということで大目に見てください。あの学校、ぶっちゃけ犯罪行為を黙認してる時点でほぼ何でもありな気がするんです。