本来ハーレム展開にするつもりはなかった。この主人公基本受け身だし。でも意外と高育の女子生徒って静かな肉食獣多いから……気づけばこうなってた……
今回は少し短め。
「……ねっむ………」
翌朝、ほぼ寝ずに貪り合った結果疲れて果ててしまった体を何とか動かし、元クラスメイトの誰とも会うことなく静かに登校していた。
それもそのはず、普段出る時間よりも1時間は早い時間に登校をしたためだ。理由?清隆なら人間観察とか言うだろうけど、僕は単に注目を浴びたくないからだ。それに、昨日の堀北達のように色々聞かれるのが面倒だ。聞きたくなるのは分かるが、少しは放っておいて欲しい。僕はそれより腰の痛みの方が気になってる。
そして教室に到着し、無人であろうその扉を開く。しかし、既に先客がいた。
「おはようございます。魁座くん」
「……あれ、飛鳥?早いね」
学校が開いて10分後くらいに登校したのだが、まさか先に人がいるとは思わなかった。
「ちょっと珍しく早起きしたんです。でも、魁座くんも早いですね」
「あぁ。登校中に視線を集めたくないからな。絶対絡まれて面倒臭いことになる」
「相変わらず、魁座くんは視線を集めるのには苦手意識があるんですね」
「生徒会とか音楽活動のおかげで慣れはしたんだけどね。やっぱり苦手なモノはどうしても苦手だ。自ら進んで集めようとするのはやっぱり抵抗がある」
清隆から「生徒会に入れ」とか「歌い手の活動をして欲しい」とか言われたときはなんでそんなことを?って疑問に思ったが、もしかしたら本来の目的とは別に僕に慣れさせるのがあったかもしれない。
「それにしても、久しぶりだな。2人だけで話すなんて」
「そうですよ。最後に2人で会ったのは2月ですからね。あれ以降魁座くんの予定が合わず、中々2人だけで会えなくて私は寂しかったですよ」
「上目遣いで言わないでくれ。悪いとは思ってるから」
仕方ない。3月に色々とありすぎたのだ。清隆が僕と帆波の関係に劇薬(どころか核爆弾)を投じてきたり、塞ぎ込んでいた帆波を励ましに行ったら逆レ◯プされたり、なし崩しに恋人関係になったり………あれ、ここ1ヶ月ずっと帆波の事ばっかでやられてね?
「ですが、私も驚きましたよ。まさか一之瀬さんと本気で付き合うようになるなんて。魁座くんなら優しく突き放すかと思っていましたが」
「そうしたいのは山々だったんだけどねぇ……1度突き放したのに、また立ち直って僕に振り向いて貰おうと頑張る彼女の姿を見ていたら中々言い出せなくて。そうしてズルズルと引き伸ばしてたら、清隆に仕掛けられて、帆波に嵌められて……逃げられない所まで追い詰められちゃった」
「まぁそうですよね。魁座くんは1度踏み込めばしっかり責任取ってくれるのに、その手前で勇気が出せないヘタレですから」
「おいコラ。用心深いと言ってくれよそこは」
いや、分かってるよ?僕も何となくそんな感じはしてるし。ただ、そんなハッキリ言わなくても……。
「実際、理性がほとんど無くなってからようやく私に手を出してましたし」
「ほんっっっっっっっっっっ当に申し訳ございませんでした」
「まだお互い未熟でうっかり両方とも酔ってましたね。一之瀬さんの時と違って」
「もうやめてくれ。分かった。分かったから。僕が悪かった」
不味い。飛鳥は「別に私を1番に愛さなくても良いです」「愛人で構いません。ただ、魁座くんの隣に、秘書としてずっと側に置いてくれればそれで充分です」と言ってくれているのだが、雑に扱われると不満になるのだ。帆波と関係を持った事を報告したとき、自分と違って自ら選んで帆波と関係を結んだことに随分とご機嫌斜めになっていた。
「私は別に気にしてませんよ。えぇ、全然」
「それは気にしてるときに言う事だろ。……あぁ分かった。今夜僕の部屋に来ていいから」
「一之瀬さんが来ても追い返さないで下さいよ?何なら3人で楽しみましょうね?」
「………はい」
悲報。今夜も寝られない事が確定した模様。そして昨日よりも疲れる事が予測される。……仕方ない。寝よ。
「はぁ~……取りあえず僕は寝る。時間になったら後ろから起こしてくれ」
「分かりました。おやすみなさい」
前に1週間ちょっと徹夜しても普通でいられたとはいえ、最近は疲れもあって眠気が抑えられない。今日も沢山ハッスルする事は確定してるため、少しでも体力を回復させるために僕は眠りについた。
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その日の授業も終わり、夕方には帆波と飛鳥の2人の夕食を食べ、結局その日の夜も予想通り、ほとんど寝ずに3人で愛し合って迎えた土曜日。
起きると帆波は既にいなくなっており、飛鳥と2人で朝ご飯を食べたあと、彼女とも別れて二度寝をして起きると、もう昼間になっていた。ピロリン、と携帯が鳴ったので確認すると、帆波からジムの誘いが来る。特別やる事も無かったため、承諾のメッセージを返すとすぐ既読がつく。
数回のやり取りのあと、現地で待ち合わせることを決めると部屋を出る。ふと、清隆も誘おうとアイツの部屋にも押しかける。部屋に入ると普通に了承し、身支度を整えたあとに一緒にケヤキモールへ向かった。
ちなみに道中で宝泉と出会い、殴り合いがしたいと清隆と小競り合いをしている中、茶柱先生が話しかけに来たため、チッと舌打ちをして去ったので特に問題なく終了。
そのままフロアの隅に清隆が誘導し、話を聞く。やっと尻尾を出したか。寮からずっと付いてきてるのに気づいて何やってんだろって思ってたけど。
「すまない。聞きたいのはクラスの移籍……移籍の話だ。何も告げず、移籍を決断するなんて、どういうことなんだ……」
「またですか?今週だけで性別学年問わず耳にタコが出来るほど同じことを聞かれてウンザリしてるんですけど。そんなに珍しい事ですか?」
今度は元担任か。なんでそんなにすぐ理由を本人から直接聞きたがるかね。
「一体、何がどうなっているのか説明をしてくれ」
「説明を求められても困りますね。生徒が権利を行使してクラスを移籍することに問題はないはずです」
経緯を知る義務は例え元担任だろうがどこにもない。まぁ、そんな言葉で今の茶柱先生が引き下がるはずもないが。
「何か言えないような……移籍するしかない、不都合な事があったんじゃないのか」
「それを貴方が言うんですか?僕達に押し付けたくせに」
「……どういうことだ?」
本気で分かってないような表情を浮かべている茶柱に苛立ちを覚える。勝手に忘れてんじゃねぇよ。
「1年生のときの夏、僕達を脅した事を忘れてませんか?」
「…………ッ!」
声を詰まらせる茶柱。清隆は許したそうだが、僕は許してないからな?
「僕、言いましたよね?いずれ後悔する事になりますって。清隆はともかく、僕の移籍にはそれも1つの原因ですからね」
「そ、それは……」
茶柱は狼狽えて後ろへ下がる。ハッキリ言って曇った顔を見ると気分が良い。僕を自身の私利私欲のために利用しようとするからこうなる。
「綾小路……お前もやっぱり私のせいなのか?私が、脅したから……チエの問題で困っていたから……」
「茶柱先生ならそう言うと思ってましたよ。でも安心して下さい。あの件ならオレは全く気にしてませんし。星之宮先生の問題が浮上する前から、オレはクラスの移籍をするつもりでしたよ」
最も、清隆はそう言うと思ってたけど。清隆の目には、後悔の念などは微塵も映っていなかった。
「気を遣ってる……というわけではなさそうだな」
「はい。早い段階でCクラスかDクラス、そのどちらかに絞り込んでいました。オレは先生に不満があったわけでもクラスに不満があったわけでもありません。
「オレ」を強調して僕とは違うことを示す清隆。ま、実際清隆は気にしてなさそうだし。
「逆に僕は先生やクラスに不満が貯まってたので。周りの身勝手さで僕にしてきた仕打ちに、我慢の限界が来たんですよ」
「……そう、か。そうか………」
正直、ここまで素直に話すと茶柱から堀北たちにここでの話をする可能性がある。が、清隆はともかく、僕は別に知られても構わない。これで堀北達がさらに悩む事になるのは面倒臭いが、それは自業自得ということで受け入れてもらおう。
「あ、そろそろジムの時間なんで。僕達行きますね」
「……分かった。時間を取らせてすまなかったな……」
その場に立ち尽くす茶柱から離れて、2階のジムに向かった。
「お前、随分とストレートに言ったんだな」
「そりゃそうでしょうよ。茶柱がいくら改心したとて、僕にした脅迫は絶対に許せないから。正直2年生の3学期なんてクラスメイトからの小言や神室の退学も相まって学校に行きたくなかったからな。今じゃようやく解放されて精々してるよ」
あの頃は数日かなり憂鬱な気持ちだった。神室は高育で初めて出来た親友だったし。坂柳よりも会う機会が多くて、彼女の方が僕にとっては一緒にいる価値が高かった。だからこそ、彼女が退学になったと聞いて寂しい気持ちになったものだ。幸い連絡先は渡せたから、この学校を卒業後も連絡は取れるだろうけど。
「今頃何やってんだろなぁ……」
自主退学した坂柳が神室に会うと言っていたし、恐らく再会しているだろう。そして不満を言いつつも結局付き添って、苦労しているに決まってる。卒業後に会ったら、また2人で愚痴を聞き合いたい。
そんな未来が来てほしいと淡い思いを抱きつつ、僕は歩みを止めずに進み続けた。
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週も明けて月曜日、朝のホームルーム。
「これより、特別試験を発表する」
3年生最初の、そして僕達の価値を見せつける最初の試験がやって来た。
補足:白石と魁座は1年生の7月頃に大人の階段を登ってる。理由は星之宮先生から貰ったチョコを食べたとき、そのチョコにはアルコールが入ってて白石が酔ってしまった。魁座も最終的に酔ってしまい、その勢いで一気に関係を結んでしまった。
なお、白石自身は「1番に愛さなくて良い。愛人でも良い。ただ、ずっと隣に居させてくれれば良い」というスタンス。一之瀬に紹介したときも、そのおかげで揉めることなく一之瀬を正妻と認めた。だから2人の仲も特に拗れる事なく普通。ただし、雑に扱われるのは嫌いだからちゃんと丁寧にしないとダメである。
帆波のことで怒っていたのは「自分のときは酔った勢いで最終的に仕方なく関係結んだのに、一之瀬さんのときは自分の意思で選んだんだ?ふ~ん……」って感じ。
一之瀬の方も、正直自分だけを愛してくれないのは不満だが、白石が自分を正妻にしてくれたのに加え、魁座の性格上結局どっちも見捨てられないのをよく分かっているため、最終的には受け入れた。
魁座からすれば気づけば二股していた模様。
「(なんで僕、いつの間にか二股のクズになってんだ……?)」
移籍を考えたキッカケは1年生の夏の茶柱先生の脅し。
清隆は結局気にしていなかったが、魁座はかなり怒ってる。普通に考えて脅しをかけてくる担任なんて怒って当然である。なので移籍して離れたいと考えた。しかし、清隆は離れる気配もなく、後々のために残っておけと言われて結局元のクラスに残ることに。
ちなみに脅しの時の言葉は録音済み。なのでいつでも逆に脅しをかけることが可能。
高育で退学して1番悲しかったのは神室真澄。(坂柳有栖は2番目。3番目はいないが強いてあげれば佐倉愛里)
2人ともワガママかつ無茶振りな命令を下してくる上司に就いているということもあって気が合っていた。そして、たまに会ってはお互いに上司の事について愚痴り合っていた。
結構楽しんでたのもあり、だからこそ彼女が退学になったのにはとても悲しかった。神室の方も結構大切に思っており、「アンタと一緒に愚痴言い合えないの、正直寂しいわね」と吐露している。ちなみにこれが原因で一時期坂柳との仲が険悪になっている。(後に坂柳が謝ったことで仲直りしたが)
今回ちょっと過激な文字多かったけど大丈夫かな?
感想待ってます。
ふと気になったんですが、試験の概要とか説明入れた方が良いですかね?文字数稼ぎとか思われたら嫌なので悩んでるんですけど。