高評価と感想が続けば続くほどモチベに繋がる。
◯特別試験:全体、少数戦学力総合テスト
・7教科21科目からランダムで出題される筆記試験(全100問、100点満点)
・クラス全体で戦う全体戦と、クラスから5人ずつ代表者を選出して戦う少数戦の2つで戦う。
全体戦
・クラス全員の総合得点で競う。総合得点が高かったクラスに2勝を与える。
・引き分けの場合は1勝ずつ分け合い、引き分け扱いとする。
・生徒数に差がある場合、不足分だけクラス内で最下位の生徒の点数が加算される。
少数戦
・両方のクラスから5人の代表者を選出する。
・代表の生徒で1番手から5番手を決める。対戦クラスの同じ番号の生徒と点数を競う。点数が高かったクラスに1勝を与える。引き分けの場合、勝利は与えられない。
ペナルティ
・ペナルティは、少数戦に出る生徒の得点を減らす事が出来る。
・ペナルティは各クラス毎に100個所持しており、試験前日までに1個5万プライベートポイントで購入出来る。
・ペナルティの付与が誰に幾つ与えられたのかは、少数戦に参加した生徒分のみ開示される。
報酬
・全体戦2勝、少数戦5勝の計7勝を争い、勝利数の多いクラスを勝ちとする。
・勝利したクラスには100CPが与えられる。
・引き分けの場合は両クラスに50CPが与えられる。
・7勝の完全勝利の場合は、敗北クラスから勝利クラスに50CP分移動する。
「お前たちの相手はBクラスだ。そして試験は2週間後に行われる。心してかかるように」
そう言って真嶋先生は出て行った。
「……なるほど」
これは単純な学力勝負。うちは元Aクラスなので普通に勝負すれば勝てるだろう。4クラスの中で1番学力の低いBクラスなら尚更。ただ、この試験にはペナルティがある。少数戦で出てくる生徒を見事当ててペナルティを付与すれば、1勝を奪い取る事は不可能じゃない。
そんな中、橋本が席を立った。
「よっし、じゃあ今回の特別試験、綾小路に一存するってことで良いな?」
全員にそう問いかける。イエスともノーとも返ってこず、一瞬教室が静まり返るが、島崎という生徒が不満を隠すこともなく橋本を睨みつける。
「ちょっと待て橋本。急すぎないか?移籍してきた奴らに、いきなり全部任せるのか?」
「急も何も、実力ある奴に任せるのが1番だろ」
「実力があるかどうか、俺達はまだ知らないんだ。OAAから見て、まだ黒宮に任せた方がよっぽど安全だ」
そうして少しの言い合いをしたあと、橋本が清隆に絶対勝てるよな?と確認するような期待と圧の込められた表情を向ける。
「勝ち負けの保証は出来ないが、任せてもらえるのなら全力で挑むつもりだ」
だがこの男、わざわざ保険を含んだ物言いをしてクラスの雰囲気を一気に冷やした。考えは分かるが、この雰囲気は流石に良くない。僕はフォローに入った。
「あ~……清隆はこう言ってるけど、多分リーダー任せれば確実に勝利する事は出来るよ」
「おい魁座」
「黙らっしゃい。いくらあとで払拭出来るからと言っても、この雰囲気は士気にも関わるでしょうが」
いつも補足に入る僕の身にもなってほしい。
「島崎、お前の意見も分かる。だがこれは清隆の実力を知るチャンスなんだ」
「チャンス、か?」
「そうそう。この試験は要は学力勝負っていう単純な勝負だろ?単純だからこそ、この試験はどれだけの実力を持っているのか理解することが出来る。そのためにも、まずは僕らに一旦任せてくれないか?ペナルティの付与とかをね。これで皆のPPを払ってまで引き抜いた清隆の実力を示せるからさ。な?」
僕の言葉に少し思案したあと、島崎も納得の意を表した。
「……分かった。確かに黒宮の意見は悪くない。綾小路、任せていいんだろうな?」
「任せてもらえるなら出来る限り頑張るつもりだ」
「よし、なら勝つなら大前提で、ペナルティ付与が合っているかどうかを重視させてもらう」
「オッケーオッケー。ならそれで行こうぜ」
橋本もそう言質を取る。
これで何とかなりそうである。いやぁ良かった良かっ……
「それじゃあ魁座。仕事だ」
た………?
「……え、仕事?いや、仕事って何?」
「簡単だ。このクラス全員の得意不得意な科目を聞き出して纏めてくれ。味方の戦力の把握は戦いにおいて必要だからな」
「いやいや、簡単だって言っても僕達除けば36人はいるからね?わりと手間かかるからね?」
「あとでちゃんと活用はする。だから無駄になることはないから安心してくれ」
「僕が気にしてるのはそこじゃないのよ!!僕だって忙しいんだからすぐ新しい仕事与えられても」
「それじゃ、オレは橋本と森下と共に作戦会議に行ってくる。あとは頼んだぞ」
「ちょ、急に掴まないでくれ!行くから行くから!」
「え、あの、綾小路清隆!?私まで巻き込まないで下さい!!」
「人の話を聞けぇー!!」
そのまま清隆は橋本と森下を連れて教室を出てってしまった。
……おい残されたクラスメイト達、不憫なものを見るような目が僕に刺さるからやめてくれ。
「…取りあえず紙でも用意してくれ。そこに書いておこう」
「はい、魁座くん。このボールペン使って下さい」
「……すまん。ありがとう。島崎、飛鳥」
「え、飛鳥………?」
「なんで二人とも下の名前で………」
「え、黒宮って白石と知り合いなのか?」
幸い、島崎や飛鳥が手伝ってくれたおかげでわりとスムーズに進める事が出来た。何か少し騒がしいが、思ったよりも皆が協力的で助かった。これであとは纏めるだけか。
………ちなみに何故か西川がこちらをにやけ顔で、吉田が睨むように、一部の男子生徒からは嫉妬の目を向けられていたが、この理由を知るのはもう少し先である。
──────────────────────────
その日の夜、久々に1人で過ごしていると、清隆が部屋に訪れてきた。珍しい。わざわざ確認しに来るなんて。
「で、どうだ?纏められたか?」
「何とか急ピッチでね。ほら、それぞれの得意不得意、そして誰が総合的に学力が高いかを纏めた紙」
そうして紙を渡すと、隅から隅まで読み進めていく。清隆は出来上がったものはきちんと確認してくれるので、そこは作った甲斐がある。
「なるほど。これで理解した。誰を少数戦に出すのかも大体決まった」
「早いね〜。流石先読みの天才。……ところでさ」
僕は気になっていた事を口に出す。
「清隆、今回の勝負で完全勝利するつもりないでしょ」
「……何故そう思った」
「いや、今回の目的はあくまで清隆の実力を示す事。だから必然的に清隆も少数戦に出ることになる。けど、新しいリーダーの就任を阻止したい龍園からすれば、一番実力のある清隆にペナルティを付与しようとすることが予測できる」
龍園の事だ。清隆と直に戦える機会で、むざむざと敗北するなんて事には絶対しないだろう。
「恐らく点数は満点取れるだろうけど、ペナルティの関係でこっちは1勝を逃す事になる。だから完全勝利は出来ないと思ったんだけど。違う?」
「正解だ。流石、思考力は速いな。魁座」
どうやら当たっていたようだ。まぁ、ここまでは普通に考えられる。
「でも、なんで完全勝利を逃すんだ?仮に少数戦に出なくても、クラスに自分の点数を伝えれば、普通にリーダーとしては認められるんじゃないのか?」
そこが疑問に思ったのだ。わざわざ勝利を逃さなくても認められるのだ。なのに何故わざわざ術中にハマったフリをするのかが理解できない。
だが、返ってきた答えはシンプルなものだった。
「それだと龍園の苦汁に満ちた顔が見られないだろうが」
「そんな理由!?」
まさかの畜生な理由だった。たったそれだけのためにわざわざ追加クラスポイントを捨てるなんて。
「お前、坂柳に負けず劣らずの性格の悪さだな。…いや、坂柳が清隆ぐらい性格悪いの方が正しいか。しかも、坂柳と違ってちゃんと結果を出すからより質が悪いわ」
「オレは未知の事について知りたい。希望を見せたあと、絶望の展開に陥ったとき、どんな表情をするのか知りたいだけだ」
「動機がそれだけなのが余計に怖いんだよ」
この男、未知の探求のために人を絶望に叩き落とす事に躊躇がない。実際恋愛がどういうものかを知るために軽井沢と付き合っていたが、結局彼女の存在に夢中になることは微塵もなく、付き合った日から予定していた通り、春休みで別れたし。……いや、付き合った日から別れる日を決めてたって結構怖いんだけど。
「……まぁ、ぶっちゃけ僕や僕の大切な人に危害さえ加えなければ、お前が何をしようと別にそこまで気にしないが、ほどほどにしておけよ」
主にアフターケアで僕が苦労する。
「善処する」
「そこは分かったって言って欲しいけどね」
幼い頃からずっと一緒にいるから、清隆の性格は本人以外なら幼馴染2人を除けば僕が一番知っている。こんな性格になってしまった原因も全部。でも、それで受けた苦労は数知れず。分かってはいても、これからも僕から文句が止まることはないだろう。
──────────────────────────
──数日後。
「今日から特別試験だね。Cクラスはどんな風に動くつもりなの?」
夕方、もはや当たり前になってきた帆波の来訪。僕としては手作りご飯が食べられるので、それだけでも嬉しいが。
「こっちは清隆がリーダーとして動く事になった。クラスのリーダーとして認められるためには、試験で実力を見せる事が必要だからな。今回はそのチャンスだって事で、任せてもらえた」
「綾小路くんかぁ。何となく実力者である事は薄々感じてたし、今回でどんな風に動くのか気になるね」
「そっちはとうするんだ?」
帆波の相手は堀北達Aクラスだ。総合学力では勝てるだろうが、一部の生徒は学年でも上位の成績を持つ。なので少数戦で勝てるかは別だ。だが、ペナルティの付与では良い勝負が出来るだろう。
「うーん、取りあえず全体戦はほとんど勝利出来ると思うんだよね。私達は全体的に成績多い人が多いし。問題は少数戦の方なんだよね。Dクラスの成績が良い人たちって、学年でもかなりの上位が多いし。ただ、ペナルティの付与をミスしなければ私達にも勝ち目は出そう」
「今のAクラスは能力がピーキーな人か平凡な人で構成されたクラスだからな」
その分クラス全体での協力にかなり苦労するんだけどな。2年間過ごして分かった事だ。
「良かったら、誰が出てきそうかアドバイスしようか?」
「え、良いの?」
「いずれ味方になるんだ。クラスポイントは多く取って欲しいしね。だから僕達のことも助けて欲しいんだ」
「良いよ。交換条件だね」
その後少し話し合いをしたあと、帆波が僕を背もたれにするようにして寄りかかる。
「ねぇ魁座くん。今日も……ね?」
「……またか?前々から思ってたが、随分と変わったよな」
「魁座くんのせいだよ。今までの私じゃダメって知って、変わらないと好きになってもらえないと思ったんだもん。だからこうして積極的になってるんだよ?」
「……あっ、うん………」
それを言われると何も言い返せない。正直僕は恋する女の子の底力を舐めていた。あんなに善人だった帆波をここまで変えたのだ。春休みのあの日に見せた執念は、僕が今まで生きてきた中で1番恐怖した。僕が精神的に敗北した、初めての事だった。
「……おい、なんで触らせてるんだ」
「え〜?事が始まったら、いつも揉んだり吸ったりしてるのに?」
「言わないでくれ……恥ずかしい。………まぁ、その、母性が………」
「私は良いよ?君になら何をされたって構わない。それくらい君の事が好き。愛してる。魁座くんは?」
上目遣いで僕をジッと見つめ、ハッキリ言ってくる。
……僕は自分の身近な女には頭が上がらない。いっつもしてやられっぱなしだ。
………でも。
「あぁ。僕も好きだよ。君を絶対に手放さない」
それで良いのかもしれない。彼女達が心から笑えるのなら、僕自身が勝てなくたって構わない。
僕は清隆とは違う。最後に大切なものさえ残せれば、自分が勝つ必要は全くない。
「……愛してる」
「僕もだ。愛してる」
その日も、夜の闇が僕達を1つに包みこんでいた。
──────────────────────────
────20XX年。
『君にも出来るさ。幸せになることが』
『俺が?ハッ、冗談は止してくれ。俺みたいな奴が幸せになるなんざ出来る訳がねぇだろ』
『なんでそう思うんだい?自身の出生が原因かい?』
『それもあるが、こんな地獄のような施設で育った奴が、マトモな幸せを手に入れられる訳がないだろうが。どうせ、俺なんか………』
『誰にだって幸せになる権利はある。それに、最初からただ後ろを向いて諦めてるんじゃ本当に幸せを手に入れるなんて出来ないよ?』
『……………』
『自分で求めても良いんじゃないかい?幸せになりたいと』
『………だが、俺には分からねぇ。人並みの幸せってのが何なのか。自分にとって幸せというものが何なのか』
『突然だけど、君には願いがあるかい?』
『は?願い?』
『あぁ。どんな小さな事でも良い。人間は誰しも『欲』を抱えている。君に残っている欲をいま、ここで吐き出してくれ』
『……家族が欲しい』
『ほう?』
『一緒にいて心地よいと思える。確かな繋がりがある。ずっと一緒にいたいと思える。そんな温もりを感じられる家族が俺には欲しい』
『それなら、まずは人との交流を深める事から始めよう。そうすれば、自分では気づかなかった事に何か気づくかもしれない』
『どうやってだ?』
『と、いうわけで、今から君に新しい友人兼、君のサポートをする秘書を紹介しよう。入ってきて』
『失礼します』
『紹介しよう。白石飛鳥くんだ』
『初めまして、黒宮魁座くん。私は白石飛鳥です』
『……よろしく』
意外とツッコミが得意な主人公を書くのが1番得意かもしれない。話を想像しやすいから。
現在、声優の土田大さんが死去されたのを聞いて放心状態。カクレンジャーの皆がもう1度集結するの見たかった………。
補足:魁座は清隆の考えとは真逆。第一の優先は自分の大切な存在。その次に自分。勝利する事はあくまで次いでであり、大切な存在さえ守ることが出来ればそれで良い。
え、清隆原作と考え違うない?って思ったそこの君、前にも言ったがここの清隆は愉悦に目覚めてるんだ。だから希望を見せたあとの絶望の表情が知りたくてこんな事をするよ。完全に畜生である。
実は一之瀬にだいぶ絆されてる。魁座はガードこそ固いものの、1度中に入ってさえすれば一気に攻略可能。故に押しに弱いタイプであり、チョロい()。
最後は回想。これからちょくちょく最後に回想入れること多くなるかも。
ちなみに本編と喋り方が違うが、これが当初予定していた魁座のキャラ。初期小路ならぬ初期座である。もっと喋り方はおとなしくしよう。一人称は「僕」の方が印象につく、等々調整して現在の主人公が誕生した。
感想待ってまーす。それではまた次回。