綾小路にこき使われる部下の話   作:白峰 真紀

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低評価を付けるやつは何でその評価を付けたのか一言欲しい。何がダメだったのかを知って、改善の参考になるし。なんも言わずに付けられるのが1番困るんだよね。モヤるしムカつくし。

原作キャラの言動に違和感があるって言われたけど、それは申し訳ない。私よう実知って8ヶ月のニワカなもんで、まだまだ理解力が足りないですね。

今回は三人称視点が多め。



code6 ハッキリ言って『バカ』じゃない?

 

そして迎えた試験当日。問題の難易度もいつもよりは高いが、僕からすればそこまで大差ない。いつも通り早めに終わると夢の世界へ眠りについた。

 

数日後、真嶋先生から結果が発表される。

 

 「これから試験結果を発表する。まずは全体戦の結果からだ」

 

 全体戦

 

Aクラス対Dクラス

Aクラス 2633点   Dクラス 2712点◯

 

Bクラス対Cクラス

Bクラス 2327点   Cクラス 2880点◯

 

 

 「続いて少数戦の結果を発表する」

 

少数戦

 

Aクラス対Dクラス

1番手 須藤健 64点        姫野ユキ 69点◯

 

2番手 王美雨ワン・メイユイ 81点       神崎隆二 75点◯

   (ペナルティ25)       (ペナルティ10)

 

3番手 幸村輝彦 82点      津辺仁美 77点◯

   (ペナルティ25)       (ペナルティ10)

 

4番手 森寧々 67点       小橋夢 72点◯

 

5番手 高円寺六助 72点     別府良太 71点◯

   (ペナルティ25)

 

 

Bクラス対Cクラス

1番手 石崎大地 40点◯     綾小路清隆 100点

                 (ペナルティ100)

 

2番手 藪菜々美 47点     島﨑いっけい 81点◯

 

3番手 伊吹澪 43点       黒宮魁座 100点◯

 

4番手 近藤玲音 47点      真田康生 83点◯

 

5番手 木下美野里 50点     沢田泰美 80点◯

 

 

大体予想通りの結末だ。今回は下位2クラスが猛威を奮った結果となった。

 

 「(にしても……Aクラスは負けるとは思っていたけども、大敗する事になるとは思ってなかったな)」

 

もう少し良い勝負が出来ると思っていたが、どうやら期待はずれのようだ。出場する生徒も安定の高成績の幸村や王、意表を突くために中間より上の成績のメンバーの須藤、森、高円寺という捻りがない、スタンダードな考えの選択だ。それでは簡単に読まれてしまうだろう。どうやら今回は傷心している堀北の代わりに平田が指揮を取ったそうだが、やはり彼では力不足だ。あのクラスは堀北がリーダーとして指揮を取らないと機能しないだろう。

 

 「(で、Bクラスはやっぱり勝負を捨ててきたか)」

 

やはり勉学が1番苦手なBクラスは勝利は出来ないと判断し、試合放棄を選択したようだ。妥当な判断だろう。しかし、清隆にペナルティ100はやりすぎではないだろうか。いくら勉強が出来るからといって、警戒しすぎである。

 

 「(取りあえず、新しいクラスリーダー就任のフォローでもしますかね)」

 

このあと起こる出来事を予想し、僕はフォローのための説明について考えを巡らせた。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

Side:Aクラス

 

堀北は目眩に陥ったような感覚に見舞われていた。万全から程遠い状態で受けた試験。こんな状態では勝つのは難しいと考えていたが、そんな考えすら甘いと一蹴するような、無慈悲な結果が待ち受けていた。全体戦、少数戦共に完全敗北。Dクラスに150cp獲得を許してしまい、おまけに自分達のcpも50消費されてしまった。

 

 「ま、マジか……」「クッソ、完全敗北かよ……」

 

悔しがるような声があがり、それが余計に堀北の心を打つ。

 

 「何故こんなにペナルティが……?」

 「私達の考えを完全に読まれてたってこと?」

 

そんな中、的確に3人に大きなペナルティを付与された事に疑問を浮かべる声もある。

 

 「なぁ、もしかして俺達の情報がどこからか漏れてんじゃねぇか?」

 「え、それって裏切り者がいるってこと!?」

 

ふと池の発した意見に篠原が焦るように返すと、クラス中が騒然となり、ザワついていく。

 

 「否定出来ないね……でも、僕が話したのは誰に参加してもらうかを決めるために話し合いをした数人と実際に参加する5人。それと堀北さんだけだ」

 「でもなんで高円寺まで付与されてんだ?……まさか、高円寺がバラしたとかか?」

 「それはないよ。僕は高円寺くんにだけは選んだことを事前に話していなかったんだ。あくまでも参加者に選ぶかもしれない、としか伝えていなかった」

 「じゃあ、一体誰が──────」

 「あの、さ」

 

そんな中、軽井沢が声をあげ、皆が注目する。

 

 「多分、クラスに裏切り者は居ないと思う。もし居るんだったら、存在を隠さず動くと思う。その方がよっぽど私達を混乱させるから」

 「でも、実際私達は完全敗北してるんだよ?裏切り者がこの中に居ないんだとしたら、他にどんなのがあるの?恵ちゃん」

 

軽井沢の意見に一部の生徒達は納得するも、佐藤といった面子はまだ納得していないようだった。

 

 「多分、さ……」

 

すると、次に驚く事を話した。

 

 「きよ……綾小路くんや、黒宮くんが流したんじゃないかな?」

 「え、綾小路と黒宮?なんで?」

 「綾小路くんと黒宮くん達Cクラスにとっても私達Aクラスは敵だよね?だから……」

 

そこまで言うと口を閉ざす。他の人達も、ここまで言えばあり得ると考え出した。

 

 「あり得るな。2人とも2年間俺らと同じクラスだったし。クラスがどんな状態なのか、誰を選びそうなのかを想像出来そうだな。黒宮に至ってはクラスの参謀務めてたもんな」

 「そういや……黒宮って一之瀬と付き合ってるって噂だよな?もしかしたら一之瀬に頼まれて黒宮が流したって可能性あるんじゃねぇの?」

 「だとしたら本当に最悪でしょ、黒宮くん……」

 「決めつけはいけないよ。情報が漏れてたと考えることも、綾小路くんや黒宮くんが絡んでいると考えることも全て憶測だよ。これ以上はいけない。……それよりもごめん。僕が不甲斐ないせいで完全に敗北してしまった……」

 「……いえ、私もごめんなさい……私が……何も出来なかったから……」

 

平田が頭を下げると、堀北も後悔と謝罪を口にする。

そして激しく自己嫌悪する。

自分がもっとしっかりしていれば、状況は少しは変わったかもしれない。

 

 

裏切り者はいない。それに納得するも、完全敗北した事に変わりはない。クラス内には重苦しさが広がっていた。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

Side:Dクラス

 

一方、Dクラスは歓喜に満ちていた。

 

 「っしゃ!やったぜ!」

 「完勝したね……良かった……!」

 

柴田がガッツポーズを取り、白波も嬉しそうに声を出す。

 

 「最近の柴田くん凄く明るくなったよね。っていうか、ちょっと明るすぎ?キャラ変」

 

小橋と、その前に座る飯塚が柴田の姿を見てひそひそと話す。

 

 「ほら、例の失恋があったし……自暴自棄じゃないけど、明るく振る舞ってないと心が持たないんじゃないのかな」

 「あ~。しかもそれ柴田くんだけじゃないもんね、そりゃ仕方ないところだけどね〜」

 「まさか皆の前で交際告白するなんて帆波ちゃんも変わったっていうか……でも、その交際相手が結構意外だったよね」

 「黒宮くんかぁ。OAAも1番優秀だし、確か1年生のときのイケメンランキングも4位だったよね?意外と後輩からの評判も良いみたいだし、割とハイスペック?」

 「そもそも前のクラスでも参謀務めてたっていうし、優秀だったんだろうね」

 「でもあの帆波ちゃんが落とされるなんてねぇ。どういう接点があったんだろ」

 

飯塚が一之瀬を見て、感心するように頷く。

 

 「そろそろ静かにしよっか。あんまりジロジロ見てたら気づかれるし。男子は今その件でピリピリしてるんだから。下手に騒がないようにしよう」

 「うん。そうだね」

 

会話を終えると、クラスメイト達と同じように試験結果に注目する。

 

結果だけ見れば完全勝利だが、圧勝だったわけではない。余裕だったと感じる生徒は少ないだろう。

 

 「ペナルティを買っておいて良かったね。帆波ちゃん」

 

嬉しそうに話す網倉に、一之瀬は頷いた。

 

少数戦で的中させた3人以外にも平田と櫛田にも25個のペナルティを付与しており、合計で125万ppを自腹で追加購入していた。安くない出費ではあったが、完勝出来た事からそれに見合った対価を獲得出来たと言えよう。

 

 「ひとまず安心だね。肩の荷が降りたよ。……あ、そうだ」

 

一之瀬は携帯を取り出すと、黒宮にメッセージを送る。

 

 『満点なんて凄いね。綾小路くんへのペナルティは残念だったけど、Cクラスが勝てて良かった。私たちのクラスも魁座くんのおかげで勝てたよ。魁座くんの言っていた通り、高円寺くんも出て来てくれたしね。本当にありがとう』

 

そう送ると、すぐに既読がついてメッセージが返ってくる。

 

 『どういたしまして。そっちも完全勝利おめでとう』

 

短く、簡潔な返信に一之瀬は微笑んだ。

しかし、まだ授業中のため、これ以上のやりとりはせず、すぐに携帯の画面を消した。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

Side:Cクラス

 

僕は携帯を仕舞うと、前の状況に目を向ける。

 

真嶋先生が去ったあと、島﨑が清隆に詰め寄り、橋本がそれを宥めていた。その直後、龍園達が意気揚々と教室に乗り込んできた。島﨑が今回の結果について指名する生徒を読み切れず、逆に自身のクラスの指名する生徒を見抜かれて散々だったと話すと、龍園はリーダー誕生を祝うのが当分先になったと誤(・)認(・)してすぐに去ろうとする。

 

 「龍園。それは少し感覚が麻痺しすぎてるんじゃないのか?」

 

だがこの男、わざわざ龍園をこの場に残し、島﨑がなんて言おうとしたのか続きを聞かせるようにした。僕はこれから起こることを予想して、内心で龍園に合掌した。

 

 「そもそも今回の試験、お前は勝負を捨てていた。そんな中で指名する生徒を見抜いたとしてもマグレや当てずっぽうを疑われる。だから指名する生徒を見抜いたとしても、オレがリーダーとして認められるとは限らない。だから付与する価値はない」

 

そう。今回龍園達は試験を放棄している。つまり相手は土俵にすら立っていないのだ。だから龍園は今回、清隆のリーダーとなる時期を少しでも遅らせようとした。試験の勝利を捨て、指名する生徒を完全にランダムにした。決着を着けるのは先だと、結論を先延ばしにした。

 

だが、これは受け身の作戦でしかない。この時点で既に負けている。

 

 「島﨑、今回の試験を受けて、オレという存在をどう感じた?」

 「……正直、想像よりも遥かにスゴい奴だと思った。橋本が頼るのも無理ないなって」

 

島崎から出たのは拒絶ではなく、承認だった。これには龍園にも理解できなかったのか、少し驚きの表情を見せる。

 

 「あ?なんでそうなる?」

 「そもそも龍園、今回清隆が示したかった事は何なのか理解してるの?」

 

正直、長ったらしいと感じていたので早く終わりにすべく、僕も手助けをする。

 

 「今回、清隆がCクラスの皆に示したかったのは自分自身の実力だ。このクラスを救ってくれるに相応しい人物なのかどうか。それは試験で100点を取ったことで既に判明している」

 

と、僕の発言でようやく、龍園の麻痺していた感覚が解け始める。

 

 「それだけじゃない。お前、清隆に100もペナルティを与えただろ?それ、自分が清隆を警戒してますよってむざむざ晒してるようなものだよ。ハッキリ言って『バカ』じゃない?」

 

僕の言葉に一瞬怒りの表情を浮かべた。おー効いてる効いてる。

 

 「オレは少数戦、学力上位5名の選択の極めてオーソドックス。何のひねりもないが、これが一番の勝率が高いやり方だ。また、龍園や他の生徒達全員が見ていたのは特別試験の勝利と敗北だけだ。そして結果6勝1敗。モニター越しに見れば個人戦での1敗の事実。だが、誰もオレが実力で負けたという判断は出来ない。この敗北は異常だと見えるからな」

 「はは、間違いないぜ。お前は紛れもなくとんでもない実力者だって証明してみせた」

 

1番近くで今回の特別試験を見ていた橋本は、引きつった笑みを浮かべている。

 

 「龍園、おまえの望む展開になったか?」

 

残っていた全Cクラスの生徒達は龍園に厳しい視線を浴びせる。

清隆をアウェーに追い込むつもりが全て自分に返ってきている。

 

 「そういうことかよ……上等だ」

 

龍園はそう言い残すと歩き出し、Cクラスを後にしようとする。その際、僕は最後に言葉を投げた。瞬間、龍園の顔が苦渋に満ちた。

最後のアルベルドが扉を閉めたところで、クラスメイトからは喜びの声が上がる。

 

 「随分と強く煽りましたね。魁座くん」

 「僕はアイツが苦手だから。たまにはちょっと一言言いたくなったんだ」

 

何というか、アイツは面倒臭い。1度ロックオンしたら、自分が勝つまで逃さないし。名前に龍って入ってるのに、やってる事は完全にヘビだ。面倒ったらありゃしない。

 

 「私も龍園くんは苦手ですね。彼の振る舞いは少し粗暴がすぎます。それに、声があまり宜しくないですし。あ、声は私個人的にですよ?」

 「同感だな。声は別としても」

 「魁座」

 

すると、クラスメイト達との握手を終えた清隆が僕の元へやってくる。

 

 「あそこでよく言ってくれた。龍園の顔が曇ったおかげか、不思議と気分が高揚した」

 「お前、愉悦を楽しんでんじゃないよ」

 「しかし、まだまだ足りないな……次はどうしようか。どうやって龍園にあの顔を浮かべさせるか」

 「ほどほどにしなさい。次は戦争が起こる」

 

次はどうなるか。……何故か嫌な予感を感じ取った。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

Side:Bクラス

 

教室を出たあと、龍園は静かに1人で廊下を歩き出す。

そんな彼を石崎は呼び止めようとするが、伊吹が口を押さえて阻止する。龍園はそんな事にも気づかず、ゆっくりと廊下を歩いていた。

龍園の顔にはいつものような不敵の笑みではなく、己の失望に溢れいた。

 

全て。全てだ。

思考全てが綾小路に読まれていた。

自身のやってきた事は完全な空回り。独り相撲と表現しても良いだろう。

 

おまけに教室を出る直前、黒宮に言われた言葉が未だに心に残り続けている。

 

 

 『綾小路清隆を倒せるとか思っていたのか?少なくとも今のお前ではそれは『傲慢』な考え事だな』

 『坂柳が残ってくれた方が良かった。お前の思考力じゃ簡単に読めてつまらない』

 

 

 「チッ……」

 

無意識に廊下の壁を殴り続ける。

自分自身に痛みを与え、罰しなければ感情を抑えられないと身体がシグナルを発した。

 

慢心、過信、傲慢。

そんなものはとっくに捨てたつもりになっていた。

ところが実際には、何てこともない墓穴を掘って敗北を喫している。

今回負けても最後に勝てればそれで良い。

その信条が、再び揺らぎ始めている。

 

 「本当に俺1人じゃ勝てねぇのか……?」

 

つい数週間前、この学校を去っていった坂柳とのやり取りを思い返す。

 

そこには、己のカリスマ性と恐怖でBクラスを束ねてきた暴君ではなく、ただ弱々しく自身の影を見つめるだけの敗者の姿だった。

 

 




堀北クラス:1183cp
龍園クラス:1040cp
綾小路クラス
:893cp
一之瀬クラス
:864cp


今作は試験内容は変わりませんが、勝敗は大きく変化します。取りあえず堀北クラスは頑張ってくれたまえ(笑)。

私、龍園は嫌いじゃないけど苦手なキャラなんですよね。魅力はありますけど、残念ながら私はあんまり好きにはなれてないです。


補足
・一之瀬クラスが堀北クラスに完勝した。
 主人公の影響で堀北クラスは弱体化してるため。

・魁座は龍園が苦手。
 理由はネチっこいから。

・清隆が龍園の顔を見て愉悦している。
 完全に敗北して苦渋に満ちた顔を浮かべる龍園を見て、無意識に内心で高揚している。正直畜生である。


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