火拳に憧れた男   作:剣舞姫

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よろしくお願いします。


第2話.転生先は大変でした?(改)

「ここは…….どこなんだ?」

 

気が付くと俺はどこかわからない森の中にいた。周りには木しか見えず人の気配もしない。

それよりも空の様子も変だ。なんというか、紫になっている。ここはいったいどこなんだ。

 

『聞こえるかの?主よ、聞こえておったら頭の中で言葉を思い浮かべて欲しいのじゃが』

 

突然頭の中にユピナスさんの声が響いた。

 

(はい、聞こえてますよユピナスさん)

 

『おお、よかったぞ転生は無事成功したようじゃの』

 

(はい、そのようですね、ただ今自分がどこにいるかわからないのですが)

 

『うむ、今からそちらの世界の知識をお主の脳に贈ろうと思っての、準備は良いかの?』

 

(はい、お願いします)

 

すると俺の脳の中に情報が流れ込んでくる。

 

『どうじゃ?頭の中に知識が入ったかの?』

 

(うぅ、頭がガンガンしますけど、なんとか理解しました。)

 

『そうか、それは良かった。そう言えばお主の体は元の体よりも若返っておるからの現在はおそらく10歳くらいのはずじゃ』

 

(確かに見えている景色に違和感がありましたが、まさか若返ってるなんて、それよりもこの世界なんですけど魔物とかいる世界みたいなんですが…)

 

『ふむ、どうやらあまり平和ではない世界のようじゃの、じゃがわしにはこれ以上どうすることもできんのじゃ、すまんがあとはお主の力だけで生き抜いてくれ』

 

(そうですか、ありがとうございました。またそちら側に戻らないように頑張りますね)

 

『うむ、特典もちゃんとしておいたのでの、頑張ってくれ期待しておるぞ、それではな』

 

そう言って、ユピナスさんとの通話が終わった。

ユピナスさんからもらった知識によれば、ここは『ハイスクールD×D』と言う漫画の世界らしいのだけど俺は原作を知らないため原作知識はない。分かるのはこの世界の設定くらいか…..正直言って不安しかない

 

「これからどうすればいいんだ?とりあえずここは冥界?とか言われてる場所のようだけど、とりあえず特典の確認だけさせてもらうか」

 

 

俺はユピナスさんからの特典の一つ、エースの能力についてを確認しようと自身の右手に意識を集中した。頭の中に右手の変換イメージをすることで手が炎へと変わった。

 

「本当にあの憧れのエースの能力が手に入ったんだ…….感動だ!」

 

俺は『メラメラの実』の能力が手に入ったことに感動した。ありがとうユピナスさん!

 

「とりあえず、ここから動かなきゃ何も始まらないよね」

 

俺は森の中を探索することに決めた。

――――――

 

 

 

 

 

 

しばらく歩いていると水の音が聞こえてくる。どうやら近くに水場があるようだ。

 

「川があったけど、これからどうしようかな、このままじゃ流石にまずいな」

 

俺は川の水を飲み一休みしてから川沿いに下っていくことにした。

 

「とりあえずこのまま下って行けばどこかに出るかもしれないしな」

 

そんな希望を持ちながら歩いていくとすぐ近くの木々から何かが飛び出した。

飛び出したのは蛇のようなウロコを持ち、されど翼もある。まるでおとぎ話に出てくるようなそんな生き物。そう“ドラゴン”だった。

 

 

 

俺はあまりの出来事に体が固まってしまった。

(ド、ドラゴン?そう言えば、確かに魔物が存在するみたいだけど、いきなりドラゴンに会うなんて)

 

体長5メートルほどのドラゴンが目の前にいる驚きで、固まっていた俺の事情は無視しドラゴンはこちらに目を向けるとその口を開いて、炎を蓄え始めた。

 

(あ、まずい!(ブレス)が飛んでくる!)

思考は働いても体は動かない現象に駆られた俺はドラゴンのブレスをまともに受けた。

 

(あ、死んだわこれ)

俺は死を覚悟したが一向に痛みが来ない。

(あれ?熱くないぞ?)

当然ドラゴンからは火を放たれている、しかし痛みがない。

 

(あ、そう言えば俺今エースと同じ全身炎人間なんだった。つまり炎の攻撃は俺には聞かないのか…)

 

改めて自分の能力について理解した俺はドラゴンが(ブレス)を吐き終わると反撃に出た。

 

(えっとエースは確か….)

 

俺は右手にイメージした。イメージするのはエースの代名詞となったあの技。

 

「くらえ!『火拳』!!」

俺の右手から巨大化した炎の拳がドラゴンめがけて飛んでいき直撃した。

「どうだ!」

 

しかし、攻撃は効いておらず、ドラゴンの尾が俺に襲いかかる。

 

「嘘だろ?あぶねぇ!」

 

慌てて横にジャンプし攻撃を回避した。その時気づいたのがいつもよりも体が軽いこと、またジャンプの飛距離が伸びていることに気がついた。

 

(そうか、エースの能力って身体能力も追加されているのか….って感心してる場合じゃなくて攻撃が効いてないことだよな…..)

 

今出せる最大火力で放ったであろう『火拳』を受けてなお、ドラゴンは大したダメージを受けていないのだ。

 

(そう言えば悪魔の能力って確か“使い方と訓練次第”だって赤犬の奴が言ってたような…..つまり今の俺じゃ『メラメラの実』を使いこなせてないってことだよな)

 

ドラゴンは更に追撃をするために突進してきた。

 

「クソ!とりあえず避ける!」

 

俺は大きく横に飛び、ドラゴンの突進を躱す。再び、ドラゴンはこっちを向き、尾で俺を攻撃する。

 

「いつまでもやられっぱなしでいられるかよ!『神火・不知火(しんか・しらぬい)』!」

 

俺は両腕から二本の炎の槍をドラゴンめがけて投擲する。しかし、その槍はドラゴンの鱗を貫通することなく弾かれる。

 

「やっぱり炎の火力が圧倒的に足りていないのか…」

ドラゴンは俺の炎を受けても、平然としている。

(何とかしないと...どうすればアイツを倒せるんだ)

 

 

 

 

 

__あれからどれだけ過ぎただろう。ドラゴンはあまりダメージを受けてないようだ。俺も疲労はしているが、傷は受けていない。しかし倒せないのであれば意味がない。

 

この世界では恐らくもっと強い奴などたくさんいるであろう。目の前のドラゴン一匹に遅れを取るようではこの先生きていくことなど出来はしないだろう。

 

(考えろ、集中するんだ….目の前の奴の動きを感じろ….)

 

すると、どういうわけか目の前のドラゴンの動きがわかるような気がしてきた。

(あれ?これってもしかして覇気なのか?そう言えば覇気も特典だったよな)

俺が考え事をしている間にドラゴンは次の行動に出ていた。

 

(あ、今右の鉤爪(かぎづめ)で、俺の頭狙ってる)

俺はその場でしゃがみこんだ。するとドラゴンの攻撃が俺の頭の上をからぶる。

 

(やっぱりそうだ!覇気が発動してる!)

 

俺はその後もドラゴンの攻撃を避け続けた。

 

(避け続けてもダメだ!攻撃しないと、もうひとつの覇気、武装色はどうだろうか?)

 

俺はドラゴンの攻撃にカウンターを合わせるため、前に出た。

(くらえ、武装色の拳だ!)

 

ドラゴンの懐に入り込み右手に武装色を纏わせ、思いっきり腹を殴った。

 

「ゴォオオオンンン」

 

悲鳴をあげて痛がるドラゴンに追撃をかける。

その場で飛び上がりドラゴンの頭めがけて、かかと落としを繰り出す。

すると、ドラゴンは地面にめり込み動かなくなった。

 

「ふぅ、なんとか勝てた」

 

(しかし、悪魔の実の能力の練度を上げなくちゃこの先生きていけないな)

 

俺はこの世界へ来て初戦闘を終えると同時に自分の未熟さを知り強くなることを決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずは、この森を出ないと….」

 

せっかく覚えた覇気『見聞色』を使い辺りを探ってみる。

 

(うーん、人の気配らしきものは無いよな….うん?なんか大きな気配がこっちに来る?)

 

 

「うわっ!?」

突然吹き荒れる風に思わずバランスを崩しそうになる。

 

『このあたりで暴れていたのはお前か』

 

「え?」

 

俺は声がする方、空に目を向けるとそこには一匹の巨大な青いドラゴンがいた。

さっきのドラゴンとは比べ物にもならない大きさ、威圧感、全てを圧倒するほどの存在感を持ったドラゴンがそこにいた。

 

『人間がなぜここにいる?』

 

「ドラゴンが喋った….え?」

 

『貴様、私の質問に答えろ』

 

すると目の間のドラゴンは目を鋭くさせた。

 

「ま、迷っていて気が付けばここにいた」

俺は圧倒されながらも、震える声で何とか答えることができた。

 

『嘘をつくな、どうやって迷えばこの冥界のはずれにある使い魔の森へ迷い込めるのだ』

 

「本当なんだ!」

 

『….仮に本当に迷い込んだとして、そこに倒れている火竜を倒したのは貴様か?』

 

「ああ、突然襲われたから防衛で」

 

『ほう、ならば貴様一体何者だ?ただの人間が火竜を倒せる訳が無いだろう』

 

「それは…」

 

『やはりこの森を荒らす者だな?ならば貴様は今ここで私が殺す』

 

すると、青いドラゴンは攻撃態勢に入る。

 

「ま、待ってくれ、俺はあんたと争うつもりはない!」

 

『問答無用だ!喰らえ『すべてを凍らる息吹(エターナル・ブレス)

 

慌ててその場から離れる。

凄まじい衝撃が辺りをおそう。

 

「…..嘘だろ」

 

俺が元いた場所を見ると見事にあたり一面氷漬けにされていた。

 

『ほう、私の(ブレス)を躱したか』

 

「いやいや、当たったら即死じゃないか!」

 

躱したか、じゃなくて躱さなきゃ即死だったじゃないか!

 

『ふん、だが次は当てる』

 

すると、また同じように(ブレス)を貯め始めた。

 

(やべぇよやべぇよ)

 

その時だった、

「ゴォオオンン」

 

先ほどの火竜が気づいたようで声を上げた。

 

『何?それは本当か?…おいお前』

 

「え?何?」

 

『どうやらお前が言っていたことは本当らしいな火竜によるとお前に倒されたと言っている。それに自分から襲ったのだとな』

 

「ああ、信じてもらえてよかったよ」

 

(正直あのまま攻撃されてたら確実に死んでたな…むしろ助かったよ)

 

『ふむ、その済まなかったな』

 

「……え?」

 

ドラゴンが誤ったことに驚き、俺は間抜けな声を出してしまった。

 

『勝手に森を荒らす者だと勘違いをして危うくお前を殺すところだった』

 

「あははは、そのまぁ勘違いは誰にでもあるから…はは」

 

乾いた笑いしか出てこなかった。

 

『お前、名は?』

 

「火野、晃だ」

 

『そうか…ではアキラよ、何か力になれることがあればそのときは力を貸そう』

 

「え、本当に?」

 

『間違えて殺しかけたのだ、それくらい当然だ』

 

「えっとそれなら….俺を強くしてくれませんか?」

 

(あれ何言っちゃんだろ俺?)

自然と出てきた自分の言葉に驚きを隠せない。

 

『何?私に強くして欲しいだと?正気か?』

 

「え、えっとその……はい」

(ああああああ、言っちまったよぉおお、でも強くなりたいし….)

 

『ふはははは、ドラゴンに教えを請う人間など初めてだ!良かろう私の背に乗れアキラよ』

 

そう言って、ドラゴンは地面に降りてきた。

 

「そう言えば、あんたの名前は?」

 

俺はまだ名前も知らないドラゴンに呼びかけた。

 

『私は“ティアマット”だ、これからお前を鍛えるドラゴンの名だ、せいぜい死んでくれるなよ』

 

そう言ってティアマットは不敵に笑った。

 




今回もありがとうございました。
次回もよろしければお願いします。
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