火拳に憧れた男   作:剣舞姫

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また性懲りもなくゆっくりと始めたいと思います。よろしくお願いします。
読みにくいと思いますが、勘弁を


第5話.罰ゲームは難易度高すぎでした?

____

森の中を二つの影がすごいスピードで走り抜ける。

「もうアキラ!しつこい男は嫌われるにゃん!『(ソル)』!」

 

「いやいや黒歌、これも修行の一つだから『(ソル)』」

俺たちは今この森の中で鬼ごっこをしている。もちろん遊んでいるわけでない。これも立派な修行の一つだ。いま修行しているのは『(ソル)』という移動法だ。これはONEPIECEの漫画に登場する六式と呼ばれる体術の中の一つで、地面を一瞬で何回も蹴って高速で移動する技である。他にも俺は「嵐脚(ランキャク)鉄塊(てっかい)月歩(げっぽう)」の四式ができるようになっている。指銃(シガン)や、紙絵(かみえ)なんかはこの世界の中ではおそらくあまり使わないだろう。ぶっちゃけ四式習得できただけで十分だと俺は思ってる。

 

しかし、黒歌には驚かされた。黒歌を保護してもう2年が立ったのだが、成長が凄まじいのだ。黒歌は元々妖怪だったのに加え、悪魔の駒で転生したことによって、その魔力も跳ね上がっている。さらに仙術に加え、俺が修行していた六式のうち『剃、嵐脚、月歩』の三式まで習得、さらには覇気まで多少だが使えるようになっている。中でも『見聞色の覇気』との相性がいいらしく、仙術と組み合わせることによって気配を察知することにものすごく長けている。

 

「黒歌のやつ、俺の気配を完全に把握してやがるな、全然距離が詰められない」

 

そう、黒歌に完全に気配を察知されてしまい、なかなか捕まえることができないでいたのだ。「探索、逃亡」に関しては完全に俺を超えている。

 

「あ、やばい時間がない、早く見つけないと!」

 

この修行の最も厄介な点は罰ゲームありの修行というところだ。今回の場合制限時間になったときに鬼であったほうが罰ゲームを受けるという形になっている。

 

(そこまで!二人共戻ってこい!)

 

頭の中でディアの声が響いた。どうやら時間になってしまったらしい。

俺は急いで洞窟の方へと向かった。

 

「ふむ、今回は黒歌の勝ちのようだな」

 

「やったにゃん!どうにゃアキラ!」

 

「ああ、完全にやられたよ。もう鬼ごっこじゃ追いつけないな、こっちの気配を完全に読まれているし、反対にそっちは気配を完全に殺してくる。見つけにくいとかいうレベルの話じゃないな、俺の完敗だよ。」

 

「えへへへ、照れるにゃ♪」

 

そう言って、頬をかきながら照れている黒歌はとても魅力的に思えた。ちなみに黒歌は俺の1歳年上で、現在16歳、俺は一応15歳になっている。

 

「ふむ、では負けたアキラには罰ゲームだな」

 

「おう、どんと来いや」

 

「では、アキラにはこの手紙を届けて欲しいのだ。」

そう言って、ティアは俺に封筒に入った手紙を差し出した。

 

「手紙を届けるって、これだけでいいのか?いつもみたいに地獄の修行じゃなくて?」

 

「うむ、大切な手紙であるからな、しっかり届けて欲しい。」

 

「いいけど、一体誰に?」

 

「魔王サーゼクス・ルシファーだ」

 

「「え、ええええええええええ」」

俺と黒歌は二人で驚いた。当然だ、手紙を届けて欲しいと言ったが、まさか手紙を差し出す相手があの魔王だとは誰が予想できたであろうか。

 

「本気かよティア、魔王ってあの魔王のことだろ?」

俺は頭の中で魔王の姿を想像してみた。この世界の魔王はどんなのかは知らないが、前にいた世界だと恐ろしい姿をしていたのは覚えている。微妙な顔をしている俺をみて、ティアは、

 

「どんな化物を想像しているか知らんが、サーゼクスはお前たちのような人の姿だぞ?確か昔の新聞があったはずだが」

 

そう言って新聞を探し出すティア。

「おぉ、あったこれだこれ、確か何かの記念祭の際に取られた写真だったはずだが」

 

そういって差し出してきた新聞の中を見てみると、確かに中央に魔王らしき人物が四人座っている。

 

「左から、アジュカ・ベルゼブブ、セラフォルー・レヴィアタン、サーゼクス・ルシファーに、ファルビウム・アスモデウスだな、懐かしい写真だ。」

 

俺はサーゼクス・ルシファーと呼ばれた男性に視線を向けると、確かにそこにはイケメンの優しいそうな男性が写っていた。魔王と呼ばれるくらいだから、もっと厳つい人物ばかりを想像していた俺だったが、あまりにも普通すぎて驚いてしまった。

 

「で、このサーゼクスさんに手紙を届ければいいのか?」

 

「うむ、そうだ。奴は街の奥にある魔王城にいるはずだからな。そこへこの手紙を持っていき、サーゼクスに届けることができれば終わりだ。」

 

「終わりだって、魔王さんの方に連絡入れてないのかよ?」

 

「うむ、罰ゲームでもあるからな、ただし気をつけろよ?魔王の城には上級以上の悪魔がわんさかいるはずだからな、中には最上級クラスもいるはずだ。」

 

「もし、見つかったら?」

 

「まぁ捕まるだろうな、何せ不法侵入だからな」

 

「...捕まったら?」

 

「お前はその程度の男だったということだ」

 

「嘘だろ!?めちゃくちゃ危険な罰ゲームじゃねぇか!?」

 

「ねぇ、ティア流石にこれは無茶すぎじゃない?」

黒歌が俺のことを心配してくれている。優しいな、思わず惚れてしまいそうになるよ...

 

「いや、アキラお前なら必ず帰ってくると信じてるぞ、それに黒歌よ...は...の...帰りを...ものだぞ」

 

ティアが黒歌の耳に近づいて何かを囁いている。

ティアの言葉を聞いて、心配していた顔が一旦考えるようになって、だんだん顔が赤くなった。

 

「...!わかったにゃ!私もアキラを信じて待つにゃ!」

黒歌はものすごい笑顔でとんでもないことを言い出した。

 

「おいいい、黒歌さん!?なに懐柔されちゃってんの!?」

 

「お前はごちゃごちゃうるさいぞ、とにかく今日中にその手紙を届けてくるのだぞ?」

 

そう言って、俺はティアに洞窟から放り出された。おそらく手紙を届けてくれるまで、中には入れてくれないだろう。

 

「はぁ、仕方ない、行きますか」

俺は渋々ながら街を、魔王の城を目指すのであった。

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回もよろしくお願いします。
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