どうぞ本編です。
「うわぁ、着いちゃったよ」
俺は目の前にある、巨大な城のような建物を見つめる。
「嫌だなぁ、中に強い気配がたくさんいるじゃん」
しかし、このポケットの中にある手紙を魔王サーゼクスに届けない限り帰れないこともわかっている。俺はため息をひとつ吐くと覚悟を決めた。
「とりあえず正面からはまずいよなぁ、気づかれないようにしたいし、裏へ回ろう」
そうと決めた俺は、静かに城の裏側へと向かった。
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城の裏側に回った俺はあたりの気配を探ってみた。どうやらこの付近には人がいないようだ。
「裏門からなら入れそうだな」
あたりの気配を探り、誰もいないことを確認したところで、『剃』を使って門をくぐり抜けた。なんとか城の中に入ることには成功した。
(第一関門クリアってところかな、門番みたいな人がいなくて助かったよ)
俺は城の中にいる気配を探ってみる。強い気配が複数いるが、この城の上の方に集中している。おそらくその中のどれかが魔王サーゼクス・ルシファーのものだろう。そう考えた俺はこの城の上を目指すことにした。
(とりあえず、上に繋がる階段を探さなくちゃ)
空を月歩で上がって行ってもいいのだが、今回は見つかるわけにはいかないから中を移動する他ない。慎重に見つからず、そして早く動くことがポイントとなる。
(ったく、ほんと難易度が高い罰ゲームだよまったく)
心の中でそうぼやきながら俺は階段を探す。
しばらく探すとようやく階段らしきものを発見した。
(とりあえず今は誰もいないからさっさと上がってしまおう)
俺は素早く階段を駆け上がる。なんとかばれずに次の階に来ることができた。
階段を探しては急いで上がるを繰り返してようやく7階までたどり着いた。あと一つで最上階だが、最上階には強い気配が3つ存在していた。どうしたものかと考えていると不意に強い気配を背後から感じた。
(まずい!?この気配は最上級クラス以上の悪魔か!?とにかく一旦隠れないと!)
俺はすぐに物陰へと移動した。
コツコツと廊下に響く足音がする。どうやら女性のようだった。
「まったく、サーゼクスちゃんったら、急用だからって呼び出しておいて、これで大事な用件じゃなかったらただじゃ置かないんだから!」
黒髪を左右でまとめてツインテールにしたスーツ姿の少女?が、少し怒りぎみに歩いてきた。
「せっかく、仕事が休みでソーナちゃんとの楽しい楽しい一日だったはずなのに。急な用件って、もー今度でも良かったのに!」
訂正、どうやら少しではなくかなり怒っているようだ。体から少しオーラとなって出てきてしまっている。
(これはかかわらない方が身の為だな)
そう思った俺は、見つからないように気配を殺したつもりだったのだが、神様は俺のことが嫌いなのだろうか。自分の近くに見るからに落ちそうな箱を見つけてしまう。ここで、この箱が落ちてしまって音など立ててしまえばどうなるだろうか?言わなくてもわかるだろう。
(まずい!絶対落ちるじゃんあれ!?なんであんなギリギリにモノ置いてるんだよ!!)
急なことに焦りを隠せない俺。しかし、そんなことを考えているうちにモノがついに落ちだした。
(くそ!もうイチかバチだ!)
俺は『剃』を使って急いで落下地点へ入った。間一髪ものは落ちることなく俺の手に収まったのだが、
「誰!?」
剃を使ったことによって隠していた気配が現れてしまったのだろう。 少女はすぐに反応してこちらへと振り向いた。
(やべぇ、どうしよう!?)
見つかったことにより俺の頭は軽いパニック状態になってしまった。
「人間?の男の子ね。なんでそんな子がこんなところに?」
明らかに警戒したような雰囲気でこちらを見ている。
(まずい!ここはもう正直に話して手紙だけでも届けさせてもらうしかないか)
そう思った俺は正直に事情を話すことにしたのだが、
「あ、あのこの手紙を魔王サー「どこかの組織のスパイね!きっと『
まったく話を聞いてくれない少女に頭が痛くなる。さらに驚きなのが
(この人魔王なのかよ!ええ、想像してたのと全然違うじゃねぇか!つか、いつの間にスーツ姿から、へんな魔女のような衣装に変わったんだ?)
気づいたらさっきまでのスーツ姿から、魔法使いのような衣装へと変身していた。
「ちょ、ちょっとまってくれ話を「問答無用!」危ねっ!」
いきなり魔力弾をぶっぱなしてきたよこの少女もとい魔王さん。俺が元いたところにはクレーターが出来ていた。
「もう!避けないでよ!大人しく捕まりなさい!」
「無茶言うなよ!当たったら死ぬわ!」
「大丈夫よ!ちょっと眠るだけだから!」
「永遠に眠っちまうよ!」
「もう!いいかげんくらいなさい!
巨大な氷柱が彼女の頭上に生成され、俺めがけて飛んできた。
「嘘だろ!?
巨大な氷柱に炎を飛ばして相殺し吹き飛ばした。
「嘘!?私の攻撃が!やっぱりあなたただの人間じゃないわね!捕まえていろいろ聞き出しちゃうんだから!」
さっきまでの手加減らしき雰囲気が消えて一気に俺との距離を詰めてきた。
「やられるわけには行かねぇな!来い
俺は右手と左手から炎の狐を作り出した。二匹は俺を守るかのように前に出る。
「関係ないわ!
俺の近くに一瞬で複数の氷が出現し、爆発した。
しかし、先ほどの二匹が俺を守るように攻撃を受けてくれた。
「危ねぇ助かった。今度はこっちの番だ、
こちらも炎の連射で攻撃を仕掛ける。しかし、高速移動によって全てよけられてしまった。
「やるわね!こっちもお返しよ!
少女の魔法によって床が氷付けにされ始める。
「まずい!月歩!」
「え、飛んだ!?」
そのまま天井を蹴り、俺は上から攻撃する
「
両手に炎の爪を出現させ、斬りかかる。
「甘いわよ!こっちも氷瀑!」
俺はあと少しのところで冷気と爆風によって吹き飛ばされてしまった。
「くそ、あと少しだったのに」
「ほんとに強いね君!でもこれで終わりよ!『
「まずい!」
一瞬でとてつもない風と氷河が俺を襲い、俺は大きく吹き飛び窓から外に飛び出し、城の隣にある広い建物へと吹き飛んだ。
「くそ!なんて威力だよ!」
なんとか体制を立て直し、無事に着地することができた。とりあえず辺りを見渡すと随分と広いところに出た。どうやらここは訓練場か何かのようだ。
「逃がさないんだから!凍える氷柱!」
俺が落ちた穴から魔王少女が入ってきて追い打ちだと言わんばかりに氷塊を投げつけられる。
「まだ、追ってきたのか、
俺は投げつけられた氷解を跡形もなく消し飛ばす。
「もう!君の魔法と私の魔法って相性最悪ね!」
(確かに炎と氷の相性はいいけど、ここまで互角に戦われると、結構傷つくんだよな、ティアと戦ってる時みたいな感じがあるし、さすが魔王の一人と言ったところか。)
「でも、次の魔法で決めちゃうんだから!」
そう言った彼女の周りにはとてつもない冷気が漂い始める。
(ここで大技か!くそ、あれをくらったら絶対にまずい…迎え撃つしかないか)
俺も自分自身の右手に炎を集中させる。
「行くよ!
「燃え尽きろ!
巨大な炎の拳と、強烈な吹雪とがぶつかり合う。凄まじい魔力の余波で周りが崩れ始めた。
「うぉおおおおおおおおおお」
「はぁああああああああああ」
(くそ!互角の威力とかやばすぎだろ!)
しかもすこしずつこちらが押され始めた。
(まずい!このままだと押し切られる)
どんどんと押し返される状況に焦っていたその時、
「
突然横から飛んできた凄まじい魔力によって二人の攻撃は打ち消された。
魔力が飛んできた方をみると、銀髪の美しいメイドさんとその横に建つ豪華な服装の赤毛の優しそうなイケメンの男性が立っていた。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
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