では本編をどうぞ!
魔王の城を後にした俺はティアたちの待っている使い魔の森へと帰ってきた。
「ただいま、ティア、黒歌」
俺が声をかけると奥から黒歌が抱きついてきた。突然のことに驚いた俺は戸惑ってしまった。
「い、一体どうしたんだよ黒歌」
よくみると、黒歌は少し泣いていた。
「うぅ、心配したの!それにティアから聞いたよ!私のために悪魔にまでなって」
そう言って、一層強く抱きしめてきた。
「あれは、ティアが交渉してくれたおかげであって、俺は別に何も…(離れてくれぇええ、二つの柔らかいのがあたって、俺の理性がぁあああ)」
黒歌は感謝を伝えようとしてるのだろうが、俺の理性も削っていることに気づいていない。
「知ってる!それもティアに聞いたよ。でも私の罪を消すためにアキラが悪魔になることになったことには変わらないよ!」
きっと黒歌は俺が悪魔になったことに対して責任を感じているんだろう。やっぱり優しい女の子だ。
「黒歌が責任を感じることないよ。俺はそれが正しいと思ったからその選択をとっただけ、黒歌が責任を感じることないよ。」
俺は黒歌の頭を優しく撫でた。
「でも、アキラ…」
「ああ、もうそんなに泣くなよ。黒歌は笑ってるときの方が可愛いよ。」
「うにゃ!な、何を言うにゃアキラ!可愛いなんて!」
黒歌は真っ赤に顔を赤らめて俺から離れる。
「そ、そんな照れるなよ。まぁ黒歌がそんな責任を感じることはないよってこと。わかった?」
「…わかったよ、でもこれだけは言わせて、“私を救ってくれてありがとう”。」
そう言って、黒歌は笑ってくれた。ちょっと泣き顔だったけれども俺にはその笑顔がすごく綺麗に見えた。お礼としては十分すぎるものだった。
――――
それからしばらくすると、黒歌は俺の顔をまっすぐに見つめてきた。
「ところで、話は変わるんだけど?」
黒歌は泣き止むと雰囲気が変わった。さっきまでの可愛らしい雰囲気から一転、黒い雰囲気が彼女の後ろに…
「な、なんでしょうか黒歌
思わずさん付けをしてしまった。今の黒歌にはそれだけの雰囲気がある、
「ティアに女王の駒を渡したんだ?」
「は、はい!な、なぜそれを知っているのでしょうか?」
「ティアが嬉しそうだったから理由を聞いてみたら、さりげなく自慢されたの!『アキラは私を一番信頼してくれてるんだ。フフッ』って、まるで勝ち誇るかのようなあの顔!くやしいにゃ!」
自慢されたって、俺の眷属になることがそんなに嬉しいことなのか?
「それでなんで黒歌が怒ってるんだ?」
「むーん、なんでわからないの!私もアキラの眷属にして欲しいの!」
そう言って、黒歌は俺に飛びついてきた。
「わ、こらやめろ黒歌!」
「私を眷属にするって言うまで離さないにゃあ~!」
そう言って、俺の胸の中で駄々をこねる黒歌、その姿はまるで猫のようだ。
(こいつは、まったく…勘違いしてるな)
俺は、黒歌に優しく話しかけた。
「ばか、元々こっちからお願いするつもりだったよ。」
「え?」
「まったく、少し落ち着け黒歌、そりゃ、ティアは俺が最初に世話になったから、一番信頼してると言っても過言じゃないけども、でもお前だって俺は信頼してるんだ、何年一緒にいると思ってんだよ。」
「じゃあ、私もアキラの眷属にしてくれるの?」
「ああ、正直俺が王で不満かもしれないけど俺のことを助けてくれるか?」
「もちろん!不満なんてあるわけない。アキラが王だからいいんだにゃ!」
「そっか安心したよ、それじゃあこれを受け取ってくれ。」
そう言って俺は、ケースから僧侶の駒を一つ取り出した。すると、駒は光だし、黒歌の胸の中に入っていった。
「すごい!前のバカ主の時は僧侶の駒2つで転生だったけど、アキラは1個で転生できた。やっぱりアキラは優秀だにゃ!」
「え?駒二つなんか使う時があるのか?」
「うん、駒って主のスペックによって変わるんだけど、駒にも価値があって、女王は兵士9個分、戦車は5個分、僧侶と騎士は駒3個分の価値があるの!つまり前の主は私を兵士6個分の力で転生させたけど、アキラは兵士3個分の力で転生させることができたってことにゃ」
なるほど、駒にそんな価値があったなんて、初めて聞いたな。転生させるのも俺の実力次第だってことなのか。
「でも、嬉しいにゃ!アキラの眷属になれてよかったにゃ!」
「なんで俺の眷属になれて嬉しいんだよ?」
「そんなの決まってるにゃ!アキラのことをす…」
「す?」
「す、すごく尊敬してるからに決まってるにゃ!」
(あ、あぶなかった、テンションが上がって思わずそのまま告白するところだったにゃ!)
黒歌は自分がギリギリのところで自分の思いを隠すことに成功した。
(いつもはからかってくるくせに実はそんなことを思ってたのかこいつ)
これだけ焦っている黒歌は珍しい。俺はいつもの反撃とばかりにニヤニヤしながら聞いてみた。
「へぇ、俺のことを尊敬してるのか、普段はそんな態度していなかったのにホントはそんなこと思ってたのか」
「そ、そうだよ!私だってじ、実は尊敬してたよ!」
(くぅ~アキラの余裕そうなニヤニヤ顔がムカつくにゃ!というか、なんで私がいじられる側になってるの!)
晃は普段弄られている分をここで挽回するようにニヤニヤ顔で話しかけ続けた。
――――
(さて、こいつをいじるのもここまでにしといてやるか)
さすがにいじりすぎたと思った俺は黒歌に対する言葉攻めをやめた。
「うぅ、アキラがひどいにゃ。」
黒歌は弄られすぎて若干涙目である。
「いつもこれ以上お前からされてるよ」
「嘘にゃ!そんなに私やってないよ!」
「自覚してないのって怖いな」
しばらくそんなやり取りをしていると、奥からティアがやってきた。
「こら、アキラ、そんなに黒歌をいじめてやるな」
「うぅ、ティア~!アキラが私をいじめるよぉ~」
黒歌はティアに抱きつきに行った。それをティアは優しく抱きしめ、頭を撫でてあげていた。その姿はまるで本当の姉妹のようだった。
(な、なんかこれじゃあ俺が悪モノみたいだな)
何とも言えない気持ちになったが、とりあえずティアに帰ってきた挨拶をする。
「ただいま、ティア」
「うむ、おかえりだアキラ、ご苦労でだったな」
「いいよ、まあ、最初は罰ゲームだったけど、結果行ってよかったと思うよ。」
「そう言ってもらえるとこちらとしても助かる。そうだ、ちょうどお前たちに話があってな」
「「話?」」
ティアが俺たち二人に話とは珍しい。俺と黒歌は二人して頭をかしげた。
「うむ、アキラは本来なら学校へ行く年頃じゃな?」
「ま、まぁ一応15歳だからな」
(そういえばこっちの世界に来てから学校へ行ってなかったけど、本来なら今年は受験生なんだな)
「そこで、サーゼクスの奴からアキラと黒歌を学校に通わせないかと連絡が来たのだ」
「「え?えぇえええええ」」
まさか学校へ通うかと聞かれると思っていなかった俺たちふたりは驚いてしまった。
「ちょ、ちょっと待ってくれティア、学校ってあの学校だろ?通うにしろ俺たちどうやって通うんだよ!それに勉強だって追いついてないし、」
(俺この世界に来てまともに勉強なんかしてないし、前世の勉強の記憶なんてほとんど残ってないぞ)
隣でうんうんと頷いている黒歌。
「それには心配いらんアキラと黒歌、そして私を含めた三人で向こうで暮らすことにした。黒歌の問題も解決したし、ちょうど向こうに学校もあるようだしな、それに勉強で分からないことがあったらこの私が教えてやる。」
そういったティアは得意気だった。
「向こう?」
「うむ、“人間界”だ!」
「「え、えぇええええええええええええええええええええええええ」」
この日、俺と黒歌は二回目の大声を上げてしまった。まさかいきなり人間界に行くことになるとは、夢にも思わなかった。
To be continued
アキラ眷属 残り駒
・戦車×2
・僧侶×1
・騎士×2
・兵士×8
合計13個
ここまで読んでくださってありがとうございます。
とりあえず、人間界に行くってところまでかけて良かったです。次回はすこし短いのを入れてから、本格的に書いていこうと思っています。もしまた見てくれたら幸いです。
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