帝国の全権を掌握したラインハルトは同盟を征服すべくラグナロック作戦を開始した。本隊のフェザーン奇襲占領と同盟領侵攻から同盟軍の目をそらすためにイゼルローン要塞に対して陽動作戦を行うイゼルローン方面軍が編成され、上級大将となったマクシミリアンが総司令官として出陣した。
副司令官の一人を務めるレンネンカンプ大将は怒っていた。回廊に到着してイゼルローン要塞と対峙してはや二週間。これまで数度の小規模な戦闘しか行われていない。総司令官カストロプ上級大将の指揮はレンネンカンプの期待を裏切っていた。これでは功績の立てようがない。
「なぜ、積極的に攻勢をかけないのです!」
レンネンカンプは総司令官に意見具申を行ったが、返答はやはり期待外れのものだった。
「イゼルローン方面軍の任務は陽動だ。当面はつかず離れずでやっておけぃ」
スクリーンに映るマクシミリアンは指揮官席にだらしなく身を投げ出し、小うるさげに返答するとワイングラスを呷った。それは堕落した帝国大貴族そのものに見えた。
「しかしこれでは…」
不満をもらすレンネンカンプを気にするそぶりも見せず、マクシミリアンは言った。
「まぁ、見ておれぇ」
***
帝国軍と相対するヤンの目にも、帝国艦隊の動きが予想より不活発で、ありていに言えばやる気がないように見えた。三個艦隊が交代でおざなりの攻勢をかけてくるだけで、しかもそのスケジュールは予測可能だった。さらに小競り合いで捕虜になった帝国軍兵士からの聞き取りで、敵の司令官カストロプ上級大将の怠惰で乱れた指揮ぶりも明らかになった。あろうことか艦橋で酒を飲んでいる有様で、帝国艦隊の士気の低下は著しいらしい。マクシミリアン・フォン・カストロプといえば同盟軍では「
「ヤン提督、小官に出撃をお命じください」
それは要塞防御指揮官シェーンコップ中将の目にも映っており、司令官であるヤンに作戦の意見具申を行ってきた。
帝国軍の当番がカストロプ艦隊になったとき、同盟軍は作戦を発動した。見せつけるように出撃したヒューベリオンとイゼルローン駐留艦隊が帝国軍の注意を引き付けているうちに、数隻の強襲揚陸艦に分乗した
「よし、艦橋への最短経路を探れ」
突入地点を指揮所として行動を開始しようとしたシェーンコップだったが、リンツがそれを止めた。
「お待ちください中将、他の大隊から連絡が」
シェーンコップの司令部のもとに突入部隊の悲鳴が次々と入電してきた。
「シェーンコップ中将、有力な敵集団の待ち伏せを受けました! 我戦闘中! 防御に務めていますが劣勢です!」
「本部、本部、敵の逆襲を受けつつあり! 至急救援を求む!」
「揚陸艦への退路を断たれました! 前後から攻撃を受けています!」
「これは、どういうことだ」
陸戦のエキスパートであるシェーンコップをして状況の理解は困難だった。同盟軍は帝国軍の戦意の低さに目を付け、総司令官であるカストロプ上級大将の旗艦に奇襲をかけたはずなのに、なぜ士気旺盛な帝国軍が待ち構えていて自分たちを圧倒しているのか。
ともかくも近隣の部隊と合流を目指して進み始めたシェーンコップ達は、通路の向こうから出現した帝国軍装甲擲弾兵の集団と出くわした。先頭には、指揮官と思われるまだらに赤を散らしたカスタム塗装を施した装甲擲弾兵がいた。既に数戦交えた後らしく、返り血を浴びている。だが不思議なことに装甲擲弾兵の制式装備である炭素セラミック製の戦斧を装備していない。よく見ると各所から棘のようなものが突き出しているように見える。異様な装甲服だった。
「先頭の指揮官をやれ!」
咄嗟に臨戦態勢をとった
「馬鹿、待て!」
指揮官らしい擲弾兵は怯む様子もなく、逆に恐るべき速度で薔薇の騎士に襲い掛かった。トマホークを振り上げた兵士はそれを振り下ろす前に眼前に肉薄されて右ストレートでヘルメットのバイザーを貫通されて倒れ、次の兵は顔面をガードしようとした両腕を上げたところに膝蹴りをもらい、膝から伸びたニードルで胸を刺されて即死、低い体勢でタックルを狙った三人目は踵落としを食らい、頭部を割られた。
「ちぃぃ、言わんっこっちゃない」
不用意に近づいて戦死した部下たちを見て歯噛みするシェーンコップの耳に、隊員の誰かが呟いた声が届いた。
「
今やシェーンコップにも、部下たちを一蹴した相手指揮官が誰かわかっていたが、あえて確認した。
「…カストロプ上級大将とお見受けする」
「いかにも、俺がマクシミリアン・フォン・カストロプ上級大将である。同盟の猟犬、貴公の名を聞いておこうかぁ」
「ワルター・フォン・シェーンコップだ、死ぬまでの短い間」
「おお貴公がシェーンコップかっ! カカカッ、これは重畳なりぃ!」
何やら嬉しそうに笑ったカストロプ上級大将がこちらに何かを放り投げてきた。シェーンコップ達の足元に転がってきたそれに、すわ手榴弾かと飛びのいたシェーンコップ達だったが、装置は爆発することなく、チチチと小さな音を立てて作動している。シェーンコップにはそれに見覚えがあった。
「これは、ゼッフル粒子発生装置か」
「いかにもその通りぃ!」
「馬鹿な。自分の旗艦でゼッフル粒子を撒くとは。貴官は何を考えている」
「それはなぁ、一騎討ちをするためだ、俺と卿でなああぁ!」
シェーンコップは自分の耳を疑った。
「オフレッサーを討ってからこのかた、手応えのある敵がいなくてなぁ。今回の出陣はよい巡りあわせ、こうして卿らにおいで願ったのよ!」
カカカと嗤う敵将カストロプに、シェーンコップは全てを理解して、身体の奥が冷えていくのを感じた。仮にも方面軍司令官が、ただ俺と一騎討ちをしたいがために、自らを囮にして、俺達を誘い込んだのだ。自分と司令部ごと爆散する危険も構わず、ゼッフル粒子を自分の旗艦に撒いたのだ。この男は狂っている。
「ヒャッハー一騎打ちだぜ〜」
「悪いなあ、うちの殿様は頭がちいとおかしいんでな」
「すまねぇが、付き合ってやってくんねえ!?」
世紀末な世界の蛮族のように囃し立てる装甲擲弾兵に、歴戦のブルームハルトが怯えた。
「中将…こいつら何なんですか!? 正規兵とも思えません」
ブルームハルトの疑問は正しかった。カストロプが引き連れた装甲擲弾兵は、かつて惑星カストロプで公爵家の警備兵という名のゴロツキをやっていた連中だった。オイゲンの叛乱時に大半は討伐されたが、生き残った目端の利く者たちをカストロプが自らの護衛隊に加え、地獄の訓練で鍛えて実戦に出され、生き残った者たちだった。マクシミリアンにとってはいつどこで損耗しても惜しくない肉壁程度の存在である。これまで何度かの戦場を生き延びた精鋭ではあったが、本質は略奪暴行も上等な連中であった(さすがにラインハルトに釘を刺され、民間人のいる戦場には出していなかった)。
「さあ、殺ろうか」
シェーンコップは腰を落として両の拳を構えるカストロプ上級大将を改めて見た。異形の装甲服の両肘と両膝からはニードルが、足の甲と踵部にはブレードが、そして両の拳には、ガントレットから鈍く光る金属製の太いクローが生えていた。それは、マクシミリアンのためだけに製造された、特注のカスタム装甲服だった。
この時のマクシミリアンについて、帝国軍公式戦闘詳報はこう記している。
「全身之凶器也」
後世のある歴史家は、軍の公式報告書が憚って書けなかった表現をした。
「総身之狂気也」
***
マクシミリアンは暴風のようにシェーンコップに襲いかかった。トマホークで両断せんと迎え撃ったシェーンコップは、しかし振り下ろした刃を右の拳で弾かれて体勢を崩した。そこを左、右のワンツーが襲う。
「がっ!」
シェーンコップは飛び退ってトマホークを構えなおすが、拳の速度には着いていけない。トマホークをもったままでは対抗できないと悟り、それを投げ捨てたシェーンコップは戦闘用ナイフを抜いて再度マクシミリアンを攻撃した。
「うぉぉぉ!」
シェーンコップはナイフ戦闘の名手でもある。鋭い刃先がマクシミリアンに迫らんとするが、装甲服のガントレットから突き出すクローで弾かれる。パンチをこちらの装甲服で受けると、受けた部分が斬られ、刺される。上半身にばかり気を取られるとブレードつきのローキックが飛んでくる。装甲服の指先が、腕が、その他の各所が次々と損傷して機能を失っていくのを教える耳障りな警報がシェーンコップのヘルメット内に鳴り続ける。それを追いやって顔面を襲うストレートをガードしたシェーンコップの右脇腹にレバーブローが食い込み、左のクローが装甲服を貫いて生身を傷つけた。
「ぐぅっ・・・」
よろめいたシェーンコップに、マクシミリアンは容赦なくフィニッシュブローを放った。
「はァ!!!」
目にもとまらぬ速さで後方二回転して体重と遠心力が存分に乗ったマクシミリアンの右の裏拳が、倒れかけたシェーンコップ、その頭部を打ち下ろし気味に貫いた。シェーンコップの装甲服ヘルメット部分が胴体から千切れて飛んだ。残った装甲服に、本人の頭部は残っていなかった。
電池が切れた人形のように、首を失ったシェーンコップの身体は崩れ落ちた。
「おおおおおおおォォ!!!!」
マクシミリアンの足元に、跳ね飛んだヘルメットの残骸が転がっていた。万能感が全身を支配するに任せ、マクシミリアンはそれを掴んで天に突き上げ、咆哮した。
「敵将シェーンコップ、このマクシミリアン・フォン・カストロプが討ち取ったりぃぃぃ!!!」
その雄叫びは、艦内各所で戦闘中の帝国軍、同盟軍双方にも聞こえた。
おおおおおおおおおおお!!
ダインスレイフの艦内を、地鳴りのような帝国軍将兵の叫びが支配した。誰よりも勇猛であった指揮官の戦死を知り、同盟軍陸戦隊の心は砕けた。追い打ちをかけるように、マクシミリアンが叫んだ。
「征け、殺せええええぃ!!!」
司令官の狂気が伝染した帝国軍装甲擲弾兵は、完全に士気が崩壊した同盟軍陸戦隊残余に襲い掛かった。それから行われたのは虐殺と呼ぶべきものだった。
***
旗艦に同盟軍陸戦隊の襲撃あり、撃退す。時を同じくしてカストロプ艦隊、敵イゼルローン駐留艦隊に痛撃を加え、要塞内に後退せしめたり。爾後の協議のためレンネンカンプ、ルッツの両提督は旗艦に来られたし。
総司令部からの命令に従いシャトルでダインスレイフに降り立ったレンネンカンプとルッツが見たのは目を背けたくなるような激しい白兵戦の痕跡だった。艦内各所、通路や隔壁のいたるところに血が飛び、わだかまり、収容が追いついていない帝国軍、同盟軍両軍兵士の遺体が転がっている。レンネンカンプとルッツはそれらを避けながら進んだ。
艦橋に通されたレンネンカンプたちを、ヘルメットを取った装甲服のままのマクシミリアンが出迎えた。
「総司令官閣下にはご無事で何より、お喜び申し上げます」
「うむ、俺自ら敵将を討つ機会に恵まれたわ」
敬礼を交わしたのちにどっかりと指揮官席に腰掛けたマクシミリアンは、散歩から帰ってきたかのような口ぶりで答えた。
「敵の艦隊も閣下の艦隊が撃退されたと」
「おぅ、エリザベートには言い含めておったからのぅ」
マクシミリアンはただシェーンコップたちだけを罠にはめたわけではなかった。シェーンコップの奇襲から目をそらすために出撃してきたヤン不在のヒューベリオンを含む陽動部隊を、あらかじめ待機させていたエリザベートとキルヒアイスが指揮する別動隊に逆襲させ、したたかに損害を与えて撃退していた。ヤンがその場で指揮しないヤン艦隊などキルヒアイスの敵ではない。
マクシミリアンと言葉を交わしながら、レンネンカンプは艦橋でひときわ高いところに位置する指揮官席の傍らに置かれた卓、その上に載っている物体から目が離せなかった。
「叛徒どもに映像通信を送る。回線開けぇ!」
***
「突入部隊と連絡が取れなくなってから3時間が経過しました」
「…やはり、失敗したのでは」
イゼルローン要塞の司令部では、パトリチェフとムライが暗い表情で顔を見合わせていた。指揮官卓に座り込んでその会話を背中で聞くヤンも浮かぬ顔だ。シェーンコップと
「帝国艦隊から放送です!」
イゼルローン要塞の大スクリーンに、帝国軍将官の姿が浮かび上がった。あちこちに乾きかけた赤黒いものが飛び散ったままの装甲服のヘルメットを脱いで指揮官席に腰かけ、高々と足を組み、ゆるりと頬杖を突いたその姿はまさに傲慢不遜にして傍若無人、絵に描いたような帝国大貴族そのものだった。
「帝国軍イゼルローン方面軍総司令官、カストロプ上級大将である」
将官が名乗った。多くが初めて目にする血まみれ公爵の姿に、同盟軍将兵は動揺が隠せず、あちこちでざわめきが起こった。
「同盟軍に告げる。卿らの奇襲は失敗した。指揮官シェーンコップ中将以下、ほとんどは戦死した。敵ながら見事な戦いぶりであったぞぉ」
イゼルローン要塞に音もなく巨大な衝撃が走る。要塞はしんと静まり返り、キャゼルヌ、ムライ、パトリチェフらも蒼白になった。
「戦場のならいに従い、わが軍は遺体の返還に応じる用意がある」
カストロプ上級大将は赤ワインを満たしたグラスを手に取った。
「シェーンコップ中将は俺が手ずから討ち取った。実に勇敢で、手強い相手であったぞぉ」
カストロプ上級大将は献杯のつもりなのか、軽く目を閉じると高々とグラスを掲げ、飲み干し、投げ捨てた。グラスが砕ける音がスクリーン越しに響いた。
「敵ながら見事であったと褒めて遣わす。ただ戦闘の成り行きでな、遺体は五体満足とは言い難い。詫びて進ぜる故、許せぇ」
カストロプ上級大将は立ち上がり、傍の卓からなにかを持ち上げた。カメラがズームし、捻じ曲がった金属と複合素材の塊のようなものが画面に大映しになった。
「ヒィィィィッ!!」
ヤンは、隣に立つ自分の副官がへたり込み、口元を抑えてえづくのにしばらく目をやったが、またスクリーンに視線を戻した。要塞のそこかしこから魂消るような悲鳴が上がっており、フレデリカのそれはその中の一つでしかなかった。
惚けたようにヤンが見つめるスクリーンには、血みどろの同盟軍陸戦隊装甲服のヘルメットだったものが映し出されていた。残骸の隙間から本来の持ち主だった人物の顔の一部が見えた。グリーンヒル大尉が悲鳴を上げるのも無理はないなと思う。あれは、さっきまでこの司令室にいた、いつも人を食ったような態度でしゃべっていた部下の…
「首はこの有様よ。首から下は還して遣わすが、これは俺の武勲の証として貰い受けるとするわ。悪く思うなぁ。カカカカカカ!!!!」
カストロプ上級大将の哄笑がイゼルローン要塞に木霊した。シェーンコップの装甲服ヘルメット(だったもの)、その奥に覗いて見える切断面から血がいまだにボタボタと垂れる生首を見せつけられたイゼルローン要塞の同盟軍将兵達は、回復不能のパニックに陥った。ヤンは、想定していた要塞の放棄と本国への撤退が大幅に早まるなあ、とぼんやりとした頭で考えていた。キャゼルヌ先輩には苦労をかけるなあ。
***
その後、ラインハルト・フォン・ローエングラムは自由惑星同盟を征服し、ローエングラム朝新銀河帝国を開いてその初代皇帝となった。
ジークフリード・キルヒアイスはエリザベートに婿入りし、数人の子をもうけた。子供達は皆体格に恵まれ、次代の装甲擲弾兵の中核となった。
エリザベート・フォン・カストロプは新王朝の帝国軍最高幹部の一角を占めた。性的に手が早いところはその後も変わらず、大本営の若い幕僚たちの幾人かが毒牙にかかり、皇帝主席秘書官ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフと軍務尚書オーベルシュタイン元帥が大本営の風紀の乱れを嘆きあうという奇妙な事態をもたらすこともあった。
マクシミリアン・フォン・カストロプはラインハルトの戴冠にあたり公爵に陞爵した上に元帥杖を授かったが、新帝国が安定した後に一線を退き、辺境に与えらえた領土の惑星に闘技場を建設して格闘技を大いに奨励した。闘技場とカストロプ領は自らの腕っぷしのみを頼みに栄光を掴もうとする多くの若者たちの成り上がりの舞台となった。時にはマクシミリアン自身がリングに上がることもしばしばあったという。マクシミリアンは生涯妻子を持たず、新カストロプ公爵家はエリザベートとキルヒアイスの子の一人が継いだ。
あとがき
このお話は、銀河英雄伝説ノイエテーゼ版のカストロプ動乱を初めて見た時に、マクシミリアンの拳のキレの良さに「こいつ拳闘士として生きたら天下取れるんじゃね?」と思ったのがきっかけです。
マクシミリアンがただ単に人を殴り殺すだけの話のはずが、書き始めるとなかなか終わらず22,000字近くのお話になってしまったのは筆者の力量不足のためです。もっと短くまとめられたはずだと思っています。オフレッサーとの最後の戦いを端折ったりはしましたが、それでもこれだけの長さになってしまいました。どうしてこうなった。
このお話を書くにあたって「あしたのジョー」を全巻読み直しました。白木葉子は酷い人だと思いました。
キルヒアイスとエリザベートをむりやりくっつけたのは、どうにかしてマクシミリアンに首飾りを攻略させるのと、ラグナロックでヤンと艦隊戦で対抗させるためですが、原作ではマクシミリアン(とエリザベート)を討伐するキルヒアイスが逆にマクシミリアンを助ける側になるというお話にしてみたかったからもあります。このためにかなりの無茶が発生しました。特にキルヒアイスと姉上にはお詫び申し上げます。
リップシュタット戦役がごく小規模かつ短期間で終了し、原作では多くが改易された貴族が温存されたためにラインハルトの改革は緩やかなものになったと思います。また要塞対要塞戦が発生せずラグナロックが早期に開始されたので、原作より展開は早くなりました。それが新銀河帝国の未来にどのような変化を及ぼしたのかは、読者の皆様のご想像にお任せします。
マクシミリアン専用装甲服はノイエテーゼ版帝国軍装甲擲弾兵のものをベースにClaudeにカスタムしてもらいました。さすがに相手も装甲服着てるのに完全な徒手空拳だと不利すぎて道楽以上の扱いにはならんだろ、ということでいろいろゴテゴテになり、さらにマクシミリアン自体もボクサーからストライカーに発展する筋としました。なお筆者には格闘技経験もなければ知識もありません。あまり突っ込まないでください。
装甲服のまま指揮官席に座るのは物理的に無理な気もしますが、そこは演出のため謎法則でも働いたものとしてください。
マクシミリアンが結婚せず、子を持たなかったのは、オイゲンの血を引く自分が異常だと自覚しており、負の再生産を避けたからです。
エリザベートとキルヒアイスの子たちは父親似でしょう、たぶん。
マクシミリアンを狂人と定義しながら、そこまで狂った人間にも描けてないのは、やはり筆者の力量不足です。エリザベートだったりラインハルトだったりを突然理由もなく殴り殺す、元帥府を血の海にするぐらいでないと狂人というには不足だと考えています。しかしそれをやると話が行き詰まるので、マイルドになりました。
マクシミリアンの裏拳に光を当てたお話、いかがだったでしょうか。楽しんでいただけたら幸いです。お読みいただきありがとうございました。