チートヒーラー、男女比1:999の異世界で女子を治癒したら激重感情を向けられる件 作:茨木野
ファナティオ、やばかった。なんというか、うん。やばかった。やばい。語彙を喪失するくらいに。
これまでに出会ってきた女の子たち。カトレア、シウネー、そしてアルク。みんなそれぞれ、ベッドの上では普段見せない顔を見せてきた。
妖艶なお姉さんのカトレアは、意外とうぶな一面を。
クールなシウネーは、甘えっぷりを。
理性的なアルクは、M気質な面を。
それぞれ、普段は決して見せない本性とでも言えば良いのだろうか。とにかく、普通では見せられない一面を見せてくれた。
で、ファナティオだ。
一見すると怖い顔の高潔な女騎士。しかしベッドでは、ドがつくほどの変態だった。
まずMだ。普通にM。
アルクはソフトMだ。ちょっと責められる方が好きって感じの。
でもファナティオは、もうそんな次元を越えていた。彼女自身が、なんというかガッツリ変態だったのだ。
詳細を語ると謎の力によって存在を消されそうだから、言えない。
ともかく凄まじかった。終わった後。なんだか、動物園みたいだった。色々と。
汗と愛液で濡れて乱れたシーツの上で、ファナティオが眠っている。いや、違う。気絶しているのだ。白目を剥いて、微動だにしていない。
治癒をかけるのをやめたわけではない。
体力は随時回復させている。でも、やり過ぎて頭が完全にショートしてしまったのだ。
精神的なキャパシティの限界、とでも言えばいいのだろうか。
そもそもファナティオはかなり体力がある方だった。ぼくがわざわざ治癒で回復させなくても、もっともっとと激しく迫ってきた。とんでもない体力だ。さすがは女騎士だけある。
でも最後には限界を迎えて気絶してしまい、そのまま寝かせている。起きるとまた野獣化して襲ってきそうだったので、放っておいたと言う次第だ。
「おはようございます、リョータ様」
「あ、ジウさん」
湯気を立てるお湯が入った木桶を持って、ジウさんがシウネーと一緒に入ってきた。
二人とも、ほんのりと頬を赤く染めている。
たぶんぼくらのエッチ、というか交尾する激しい音を外で聞いていたのだろう。
「ご、ごめんね。うるさかったよね」
「いえ……♡」
「……ムラムラしちゃった♡」
あ、そう。
ジウさんとシウネーは、ぼくの隣にやってくる。井戸で汲んだ水を、程よく温めてくれたのだろう。お湯で濡らした柔らかな布で、汗ばんだぼくの体を丁寧に拭いてくれた。
ジウさんもシウネーもとんでもない美人さんなのに。ひんやりとした心地よい風が肌を撫でる中、とても丁寧に拭いてくれる。なんだこれは。現代の地球では考えられない。
大金を払ってじゃないと受けられない極上のサービスだ。まあそもそもシウネーや、いちおうファナティオも、本来だったら一生関わりを持てずにいただろう人たちだ。そんな彼女らとえっちできるなんて。
ほんと、異世界さまさまだね。
「あの、リョータ様。今日は、お願いがありまして」
「お願い? 聞きましょう」
ジウさんたちには、ここに泊めてもらっている恩義があるからね。
「実は、若い娘たちがみんな、貴方様に種を恵んでほしいと」
タネ。
種って、ああ。
「みんな、やりたいってこと?」
「いえ、違います」
なんだ、違うのか。
「子種をお恵みいただけないかと」
「あれぇ。同じことじゃないのぉ?」
普通に同義語だと思うのだけれども。
ジウさんは胸の前で手を組み、祈るように言う。
「愛のある交わり、なんておこがましくて言えないです。貴方様はただ寝そべって何もしなくてよろしいのです。我らが勝手にやるので。貴方様のお手を煩わせるわけには」
な、なるほど。まあ、頼まれている側だからってこと、かな。いやいや。
「そんなへりくだらないでよ。いいよ。やりたい人がいるなら、みんな連れてきて。一緒にえっちしようよ。そんな一方通行な、ただの作業みたいなの、ぼくが嫌だよ」
するとジウさんが、大粒の涙をこぼしながら、その場に膝から崩れ落ちた。えっ、え。
「おお、神よ」
違いますけど。
ああ、ぼくに言っているのではないのか。この世界にいる神的存在への深い感謝か。
「ありがとうございます。ああ、リョータ様。なんて慈悲深いのでしょう」
「ぐす……りょーた……すごい……優しすぎるよ……優しさで空に虹がかかるよ」
そんな神様みたいなことはできないよ。
「じゃ、みんな連れてきて。みんなでやろっか」
「「はいっ」」
☆
カトレアは、良太の様子を見に来ていた。手紙で、事の一部始終を良太から聞いてはいたのだが。
無事だとわかっていても、自分の目で彼が元気なことを確かめたかったのだ。
「元気、みたいで、良かったよ」
「はい。ちょー元気でした」
目の前には、死屍累々。
部屋中にむせ返るような甘い匂いが充満し、村中の女たちが溶けたような幸せそうな顔で横たわっている。その数にして四十人くらいだろうか。
「事情は、聞いたよ。まあ、わからないでもないからさ」
(この男が極端に少ない世界。若い雄の子種がエリクサー並みに希少なんだ。村の娘たちが坊やを求める理由も痛いほどわかるし。それに応じてあげる坊やの優しさも、理解は、できる)
はぁ、と。カトレアが大きく、重いため息をつく。
(ほんとのことをいうと、坊やはあたしだけが独占したい。誰も抱いてほしくない。でもそれは、あたしの勝手なわがままだ。坊やの自由意志を縛ることになる。縛りつけたいけれど。ほんというと、ずっと二人きりで、いつまでもえっちしてたいけどさっ)
良太を独占したい強い気持ちと、良太を尊重してあげたい気持ちが、カトレアの中で激しくせめぎ合っている。一方だけを押しつけるのはよくないと、カトレアはぐっと拳を握って耐えた。
「それで、捕食によってスキルが増えたんだね」
と、アルク。彼女は良太が他の女とやったことについては、特に気にしていないようだった。
彼女もまた、この世界で男がいかに希少であるかということを、自分以上に深く理解している。そもそも、カトレアやシウネーといった複数の女たちと、良太はすでに関係を持っているのだ。
今更嫉妬する意味がないのだろう。
「うん。四十個増えました」
「まあ全部使い切れるかはわからないけれど。とにかく、戦力が増強できて良かったね」
「うん。村のみんな、すっごく良かった」
また、胸の奥で焼き餅を焼いてしまうカトレア。最近カトレアはお預けを食らっていたのだ。性欲は、良太と体を重ねてから増すばかり。お預けを食らったことで、さらにとんでもないことになっていた。
人前であって良かった。そうでなかったら、今頃理性を飛ばして良太を押し倒してしまっていただろう。
「じゃあまあ、用事は済んだんだね」
「うん、万事OK。今回の犯人はファナティオ、騎士団長が連れていってくれるって。後日、犯人は犯罪奴隷になるから、その分のお金を取りに来いだってさ」
「そっか。じゃ、帰ろうか」
カトレアが言うと、良太はこくっと頷く。いそいそと服を着替える良太の傍で、シウネーが「手伝う♡」「ありがと♡」と、まるで長年連れ添った新婚夫婦のようなやりとりをしている。
なんだそれは。離れていた間に、シウネーとの仲が随分と進展しているではないか。悔しい。
(悔しい悔しい悔しいっ。坊や。坊や。あたしも、そんな風にあまあまいちゃいちゃしたいっ)
カトレアは良太への熱い思いを、さらに強く募らせるのだった。
【おしらせ】
※10/25(日)
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『上位存在のイケニエとして差し出された穀潰しの少年、なぜかめちゃくちゃ溺愛される』
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