【男女比1:999】異世界に転生したら、なぜか美少女たちから激重感情と熱い眼差しを向けられるようになった件〜男に飢えた彼女たちを満足させられるのは、何度もできる僕だけ〜 作:茨木野
シウネーが自身の身を売って得た大金を、ぼくは奴隷商に返しにきた。
そうしたら、なぜかシウネーに突然襲われてしまった。
もちろん、ぼくとしてはウェルカムだっ。シウネーはかなり可愛い。カトレアが高身長爆乳のお姉さんだとしたら、シウネーは細身でクール系の美人である。
元の世界では絶対に関われないような極上の美人と、あんなに良いことができるのだから。断る理由などどこにもない。
それにしても、シウネーは凄かった。
あんなにクールな見た目をしているのに、行為中は恥じらいもなく大きな声を上げていた。詳細は省くけれど、とにかくもう、発情した小動物かと思うほどの甘い喘ぎ声だったのだ。
他人にばれるのではないかという背徳感がさらなる興奮を呼び、ぼくもつい夢中になってハッスルしてしまった。
『条件を達成しました』
『スキル【播種】を覚えました』
事後、シウネーと汗ばんだ体を離した直後、頭の中に無機質な謎の声が響き渡ったのだ。
「播種。はしゅ……? 捕食で手に入れたスキルなのかな」
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播種(SSS)
→女にスキルの種をまく
見切り(S)
→動体視力を強化して、相手の攻撃を回避する
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見切りは多分、シウネーから捕食して手に入れたスキルだろう。
となると、播種はいったいどうやって手に入れたのだろうか。
「カトレアはどう思う?」
「ふん……知らない」
なんだかカトレアは機嫌が悪かった。むすっとした顔をしているのに、ぼくの腕にはずっとぴったりとくっついている。女心はよくわからない。
「シウネーはどう思う?」
「……好きっ」
会話になっていない。シウネーはベッドの上で完全にヘロヘロになっていた。さっき、いっぱいやったからだろうか。
「アルクさんはどう思う?」
「あ、ああ……。新しいスキルを覚えたんだろう。職業《ジョブ》の固有の力を使うことで、スキルを後天的に習得することがあるんだ」
職業《ジョブ》の力を使う。つまりは、『せいしょくしゃ』の力か。そんな特別なことをしただろうか。
あ、そういえば先ほどシウネーと行為に及んだ。これで二人目の女の子とやったことになる。ということは。
せいしょくしゃであるぼくが、文字通り生殖行為をすると、新しい力を覚えるということかもしれない。
なるほど、妙に納得できる。
「スキルの種って、知ってる?」
ぼくの言葉に、アルクはぎょっと目を見開いた。
「超絶レアアイテムだよ。食べるとスキルを覚えるんだ。職業《ジョブ》の力を使わずともね」
「へ、へえっ」
スキルの種というのは、超絶レアなアイテムらしい。ゲームでいうところの、技マシーンのようなものだろうか。
それを、ぼくがただ中に出すだけで相手に与えることができるなんて。
せいしょくしゃ、恐るべしだ。
「……もしかして、スキルの種を持ってるのかい?」
アルクは本当に鋭い。
「うん。正確に言うと、播種っていうスキルを覚えたんだ。ぼくが中に出すと、スキルの種を相手に与えられるらしいんだよね」
その説明を聞いて、アルクは再び大きく目を剥いた。
「な、な、なんだいそれはっ。めちゃくちゃじゃないか。超レアアイテムを、き、き、きみのその、その……あぁもうっ。なんなんだよっ。せいしょくしゃってっ。ずる過ぎるだろうっ」
確かに、女の子とやるだけでぼくはスキルを獲得できる(捕食)。そして、女の子はぼくとやるとスキルを獲得できる(播種)。おまけに、体力や精力は治癒スキルで全回復できる。
なんという、男にとって都合の良すぎる力なのだろう。
「これだから男は……っ」
「はぁっ」
アルク自身も男のはずなのに、どうして男であることに対して怒っているのだろうか。
そのときだった。
コンコン、と控えめなノックの音が響いた。
「失礼しますぅ〜」
扉が開き、またしても妖艶なお姉さんが部屋に入ってきた。
艶やかな紫色のドレスに、緩やかにウェーブした長い髪。そして、一目でわかるほど豊満でトランジスタグラマーな体つき。
少し離れているのに、むわっと甘くえっちな香水の匂いが漂ってくる。
唇はゼリーのようにぷるぷるとしていて、胸もこぼれ落ちそうなほど大きい。着ているドレスは、布の面積がほとんどないほどにきわどいデザインだった。
「わたくし、この館の主人、【エロス】と申しますぅ」
名が体を表しすぎている。
「ど、どうも……良太です」
「お話は伺っておりますわ。そちらのお嬢さんの奴隷申請は、すでに取り消しておきました」
おお、話が早くて本当に助かる。
これでシウネーは完全に自由の身だ。よかったよかったと胸を撫で下ろす。
さあ、用事も済んだことだし帰ろう、と思ったのだけれど。
エロスがゆっくりと近づいてきて(文字にするとすごい響きだ)、甘い吐息とともにぼくの肩へしなだれかかってきた。
わあっ。おっきいっ。
胸が。カトレアも相当なものだけれど、このお姉さんは露出度が異常だ。
いや、全裸のカトレアに何度もおっぱいを押し付けられたばかりだけれど。なんていうか、見えるか見えないかのきわきわなドレスを着た爆乳美女に、行為の最中でもないのにこうして密着されると、たまらなく興奮してしまう。ぼくも何を言っているのだろうか。
「先ほどは、随分とお楽しみでしたねぇ……っ」
見られていたっ。
ばっちり覗き見されていたっ。
「おいおい、あんた。他人の行為を覗き見するなんて、マナー違反じゃないかい?」
「うふふっ。他人の家でいきなりおっぱじめるのも、立派なマナー違反ではなくて?」
「…………」
カトレアが黙り込んでしまった。何も言い返せない。まったくもって、その通りだ。
当のシウネーはどう思っているのだろうか。
「……欲しいっ」
だめだ。まださっきの激しい余韻が残っていて、まともに会話が成立しない。
「すみませんでしたっ」
あの場で手を出したのはぼくの責任でもある。きちんと謝らなくては。
「うふふっ。いいのよ」
「い、いいんですか……?」
「ええっ。そこの剣士ちゃんのせいで、一万ゴールドもする高級ソファがびしょ濡れになって使い物にならなくなったけれど、気にしなくていいのよぉっ」
百万円もするのだろうか、ぼくらが使っていたあのソファはっ。
確かに、感じすぎたシウネーが激しく潮を吹いてしまい、ソファを酷く汚してしまったのは事実だ。それがまさか、そんな途方もない金額だなんて思いもしなかった。
「べ、弁償します……」
「いいのよ、いいのよぉっ」
優しくされると、逆に怖い。
「うちを、ご贔屓にしてくれればね」
「ご贔屓にって……?」
「文字通りよぉ。ここは奴隷商館。当然、奴隷がいるわ。買うことだってできるんだから」
なるほど。奴隷か。異世界もののお約束だ。ちょっとだけ興味は、ある。
「へんっ。何バカ言ってるんだい」
腕を組み、カトレアが鼻を鳴らす。
「奴隷なんて買わなくても、坊やがしたいって時に都合よくやらしてくれる性奴隷が、すでに二人もいるんだから。奴隷なんて買う必要ないよ。ねーっ、坊や〜っ」
「あ、あの……そんな風に自分を卑下しないでよ。性奴隷だなんて思ってないし。普通に大切な恋人だと思っているから」
かぁっ、と。カトレアの顔がリンゴのように真っ赤に染まる。
そして、内股になってもじもじと膝をこすり合わせ始めた。
「うふっ。わたくし、退出しましょうか?」
「あ、いえっ。結構ですっ。一万ゴールドはきちんと弁償しますのでっ」
「いいのよぉ〜」
「よくないってば……っ」
押し問答をしていると、見かねたアルクが口を挟んだ。
「じゃあ、リョータ君がエロスから仕事を請け負うのはどうだい?」
仕事。なるほど。冒険者としての仕事の報酬分で、賠償に充てようということか。
「ここでできる仕事なんて、あるのかな?」
「あるだろう? ここには訳アリの奴隷がたくさんいるはずだ。それを、君のチート治癒スキルで治してあげるんだ」
なるほどっ。それもファンタジーでよく見る王道の展開だ。
「というか……エロス君、最初からわかっていたでしょう?」
「わかっていたって……?」
「エロスは相当な情報通だからね」
うふっ、と艶やかに微笑むエロス。
えっ。じゃあ、こうなることを見越して誘い込んできたということなのだろうか。
「じゃあ百万円分、たっぷりと治癒スキルを使ってもらおうかしらぁ〜っ」
☆
カトレアは内心で苦虫を噛み潰していた。
ここ、奴隷商館【愛羅武勇《あいらぶゆー》】のオーナーである【エロス】が、とてつもない美人だということは知っていた。
その類稀なる美貌で数少ない男たちを虜にして、金や情報を搾り取る。そして訳ありの奴隷を安く仕入れ、二束三文で叩き売る。そう、噂で聞いていた。
悪徳商人エロス。そう呼ばれているのを、カトレアも何度か耳にしたことがある。
「シウネーっ。あんたのせいなんだから、あんたが一万ゴールド払いなよっ」
先ほどの、シウネーと良太との性行為はとんでもないものだった。自分と彼との行為は、互いの愛を確かめ合うような甘く優しいものだった。
でも、シウネーとのそれは、完全に交尾だった。
お互いに我を忘れ、獣のような荒い声を上げ、ただひたすらに肉体を貪り合っていたのだ。
正直に言えば、見ていて酷く興奮してしまったのは否めない。
自分も早く良太に激しく抱いてほしくてたまらなくなってしまった。真面目な顔を取り繕って良太のそばに張り付いてはいるが、それでも、人目がなくなった瞬間に彼を押し倒さない自信がなかった。
「……お金、ない」
「どうしてだよっ」
「……なんか、ない」
(なんかないって、なんでだよっ。できる女なのは見た目だけかいっ)
シウネーといえば、押しも押されもせぬSランカー。『氷剣鬼』の異名で通っている、クールでミステリアスな美人剣士のはずだった。
ところが蓋を開けてみれば、ただのポンコツな不思議ちゃんだ。性行為の時はあんなにも野獣になるというのに。
「……あなたは、ないの?」
「あ、あたしも一万ゴールドなんて大金、持ち歩いてないし……」
にこぉっ、と。エロスが扇の陰で妖しく笑っている。
「カトレア様は女風俗に通いすぎて、シウネー様はお食事にと。お二人とも、普段からお金はさほど持ち歩いていらっしゃらないわけですよねぇ〜っ」
(ばれてる……っ)
この世界には、女性向けの風俗店が存在する。といっても、施術をするのは女だ。現代日本のように、希少な男が施術をしてくれるような風俗は存在しない。
「よかったですわねっ。これからはリョータ様がいらっしゃるから、もう風俗に通う必要もなくなりますわね〜っ」
「おまえ……っ。余計な事を言うんじゃないよっ」
さぁっ、と顔から血の気が引いていく。
(性欲が強すぎて、風俗に通いまくっていたなんて知られたら……坊やにドン引きされちゃうよぉ……)
冷や汗をかくカトレアに対し、良太はニコッと無邪気に笑った。
「大丈夫っ。スケベなカトレアも……大好きだよ」
「あっ」
カトレアは、もうだめだった。良太の底なしの優しさに触れ、下腹部がじゅわりと熱く濡れる。
一秒でも早く彼を暗がりに連れ込んで、思う存分肌を重ねたかった。
「好き……っ。リョータ……っ」
「さあ、着きましたよぉ〜」
案内されたのは、広大な商館の奥深く。といっても、冷たい地下牢のような場所ではない。日の光が差し込む、普通に清潔な大部屋だった。
「もっと劣悪な牢屋に閉じ込めているかと思ったけれど」
「奴隷は大切な商品ですのよぉ。雑に扱うわけがないでしょう?」
アルクの皮肉めいた問いに、エロスはにこにこと笑いながら答えた。
部屋の扉を押し開けると。
「ごほっ、ごほっ」
「ぜぇっ、ぜぇっ」
広い部屋の中に、たくさんの女たちがベッドに寝かされていた。
シミ一つない清潔なシーツが敷かれたベッドだ。枕元には新鮮な飲み水が置かれ、栄養のありそうな食事も提供されているようだった。
(意外と丁寧に扱われているんだね)
だが、ベッドに横たわる全員が、ひどく辛そうにしている。息を荒くして苦しむ者。「いっそ殺してくれっ」とうわ言のように叫ぶ者。
「この子たちは、手の施しようのない重病患者たちですわ。重い病のせいで売られ、そのせいで奴隷として働くこともできず……こうして、ただ死を待つばかりなのです」
「なるほど……それは可哀想ですね。わかりましたっ」
良太は迷うことなく、すぐ近くのベッドへと歩み寄った。
浅い呼吸を繰り返し、ベッドの上でピクリとも動けないでいる女の顔を覗き込む。
「アルク。あんたの薬で、こいつを治せるかい……?」
アルクは錬金術師の職業《ジョブ》持ちだ。彼女は最高峰の治癒のポーションを作ることができる。
だが、アルクは静かに首を横に振った。そして、実に悔しそうにギリッと歯噛みする。
「僕の薬では、無理だ……」
良太は、寝たきりの奴隷の冷たい手を優しく握りしめた。
「【治癒】っ」
瞬間、目も眩むような凄まじい光が良太の手から放たれる。
光が体を包み込むと、みるみるうちに奴隷の蒼白だった顔色が、健康的な赤みを取り戻していった。
そして。
「あ、あれ……? 体が、軽い。声が……出せるっ」
奴隷の女はゆっくりと起き上がると、自身の両手を見つめて驚愕した。
先ほどまで寝たきりで指一本動かせなかった彼女が、自分の意志でしっかりと体を動かしているのだ。
「よかったっ。すっかり元気になったようですねっ」
良太が、花が咲くような無邪気な笑みを浮かべる。
(やっぱり、とんでもない力だねっ。ああ、自分の彼氏がこんなにも凄い人だなんて……嬉しくて、また濡れちゃうよぉ……っ)
彼が何をしても発情してしまうカトレア。
一方、エロスは化粧が崩れるのも構わず大粒の涙を流し、起き上がった奴隷の体を力強く抱きしめていた。
「治って……ほんとに、本当に……良かったわ……っ」
「オーナー……。ごめんなさい……。ずぅっと、ご迷惑をおかけして……」
「いいのよぉ。いいの。あなたは、大事なうちの商品。商品を丁寧に扱うのは、商人として当然のことですから」
カトレアはそれを聞いて、エロスのことを見直した。
(商品、か。あえてそう言ってあげることで、奴隷の子が負い目を感じないように配慮しているんだね)
今日までの治療費や食費も、決して馬鹿にならなかったはずだ。奴隷の身でそれほどの大金をオーナーに払わせていたと知れば、気にするに決まっている。
あなたは商品であり、商人は商品を大切に扱う義務がある。だから大切にしたのだと。あえてビジネスライクに振る舞うことで、相手に余計な精神的負担をかけないようにしていたのだ。
(悪徳商人って噂で聞いていたけれど……根っからの悪い女じゃなさそうだね)
「さあ、残りの皆さんも全員治療していきますよっ」
良太の明るい声が、病室に希望のように響き渡った。