【男女比1:999】異世界に転生したら、なぜか美少女たちから激重感情と熱い眼差しを向けられるようになった件〜男に飢えた彼女たちを満足させられるのは、何度もできる僕だけ〜 作:茨木野
エロスの商館にいた、怪我や病気に苦しむ奴隷たちを、スキルを使って治した。
治癒スキル(極)の常軌を逸している点は多々ある。
まず、どんな病気や欠損も完治させられる。
次に、というよりこれが最も恐ろしい点なのだが、スキルの使用回数すらも元通りにできるのだ。
これを使えば無限に治癒が可能となる。カトレアとは、まあ、大人の行為を楽しむために利用したのだけれど。
ともかく、今日は商館にいた奴隷全員を、治癒スキルで治療した。
どうしてそんなことをするのか。シウネーとの激しい行為で汚してしまったソファの弁償という名目もある。
しかしそれ以上に、せっかく異世界に来たのだ。その上、自分にチート能力が備わっている。
ならば、元の世界では到底できなかったヒーロー的なことをやってみたいと思うのが男の性だ。
せっかくスーパーパワーを持って生まれ変わったのだ。
チートを使って人助けをして、ちやほやされたい。ぼくは心の底からされたい。
「本当に、ありがとうございました」
数時間後。ぼくたちの前で、エロスが深々と頭を下げた。
最初に会ったときの、少し演技がかった妖艶な喋り方はもうしていない。
まっすぐぼくの目を見て、再び深く頭を下げる。心からの感謝が伝わってきて、助けて良かったと胸が温かくなった。
「リョータ様。このご恩は一生忘れません。わたくしの可愛い娘たちを救ってくれたこと」
「そんな大げさな。たいしたことしてないですよ」
本当に、ただチートを使っただけだ。凄いのはぼくではなく、あくまでチートスキルである。
「本当に、本当に、素晴らしい殿方ですわね。リョータ様はっ♡」
エロスが吐息を漏らし、熱を帯びた眼差しをぼくに向けてくる。ひょっとして、これはフラグが立ったのだろうか。
異世界は妙にフラグが立つのが早い。もしかしてこの妖艶なお姉さんを。
「坊やっ」
むぎゅぅうっ。
カトレアが背後からぼくをぎゅーっと力強く抱きしめてきた。誰にも渡してなるものか、という強い意志を感じるホールドだ。ふぎゅぅうううっ。
カトレアの巨大な胸が、ぼくの後頭部をすっぽりと包み込んでいる。こんなに大きかっただろうか。柔らかすぎる。まるで最高級のスライムクッションのようだ。甘い香水の匂いが鼻腔をくすぐる。
「悪いけど【オバサン】よりも、若い娘が好きなんだよ。うちの坊やは」
エロスはオバサンという年齢ではない気がする。
普通に二十代のお姉さんという外見だ。それに。
「年上お姉さんも大好物ですっ」
「坊やっ。駄目だよっ」
「なんで?」
「だってその、あ、あたしじゃ不満なのっ」
カトレアは頬を膨らませ、何か言いたげに口をもごもごさせていたが、結局は感情に訴えかけてきた。
「別に不満じゃないよっ。でも、エロスさんもいいなぁって」
女の子は何人いてもいいものだ。
「リョータ様。何か困ったことや、知りたいことがございましたら、わたくしをお尋ねなさってくださいまし」
商人だから、情報通で知っていることも多いということか。なるほど。
「はいっ。じゃあ独身ですか?」
「ええ♡ リョータ様にでしたら、この体、いつでも喜んで差し上げますわ♡」
うぉおおおおっ。異世界、最高だっ。
「じゃ、じゃあ」
むぎゅぅうっ。
カトレアだけでなく、シウネーまでもが正面から抱きついてきた。いつもは少し眠たげな表情の彼女だが、今は潤んだ瞳でぼくを上目遣いに見つめている。
「りょーた。やだ。わたし捨てないで」
どうやらシウネーは、ぼくが新しい女に乗り換えるイコール自分を捨てる、と思い込んでいるらしい。
「とんでもないっ。シウネーも大好きだよっ」
まだ出会って数時間だけれど。一度肌を重ね、彼女の乱れた姿を見たからだろうか。
ひどく愛おしく感じるのだ。絶対に離さない。
「好きっ♡」
その背後で、アルクが呆れたように深いため息をついた。
「さっさと戻ろうよ。用事は済んだんだろう?」
「あ、そうだね。じゃ、エロスさん。またねっ」
ぼくが帰ろうとしたからか、カトレアとシウネーが腕を離してくれた。その一瞬の隙を突いて。
エロスが滑るように近づいてきて、ぼくの腰を抱き寄せる。そして、ゼリーのようにぷるぷるの唇を、ぼくの唇に重ねてきたっ。
むせ返るような甘い香水の匂い。ぬちゅ、ちゅるっ、と口の中で彼女の熱い舌が動く。ねっとりと、それでいて情熱的だ。豊満な体をくねらせながら、彼女はぼくの口内をくまなく舐め回す。呼吸ができない。息を吸い込むたびに彼女の甘い香りが入り込み、脳髄を痺れさせる。
ぷはっ、とエロスが唇を離した。そして、熱を持って膨らんだぼくの股間に、ズボン越しにそっと指先を這わせる。
「リョータ様。生娘から得る快楽に飽きたら、いつでも、わたくし、お待ちしておりますから♡ とろけるような快楽で、リョータ様を天国に連れて行ってあげます♡」
そ、そんなことを言われてしまったら、思わずお願いしたくなってしまう。
「坊や」
「りょーた」
そ、そんな光の消えた虚ろな瞳で見ないでほしい。二人とも。
ずりずりっ、と。ぼくは背後からカトレアに首根っこを掴まれ、引きずられながらその場を後にするのだった。
「いつでも待っておりますよ〜♡」
☆
良太たちは宿に戻った。そして、良太、シウネー、カトレアの三人で、夜の更けるまで濃密な性行為を楽しんだ。
「すぅ〜、ぐぅ〜」
良太はベッドの中央で安らかな寝息を立てている。
しかし、カトレアはひとり、眠れずにいた。
先ほどまで、最高に気持ちの良い性行為に没頭していた。
自分も、ここ数時間の明確な記憶はない。ただただ、脳が溶けるほど気持ちよかった。
前後不覚になるほどの快楽。足腰が立たず、子鹿のようにぷるぷると震えている。しばし立ち上がることは不可能だ。
そう、性行為自体は大満足の内容だった。しかしカトレアは、心の底に澱む不安を隠しきれなかった。恐れていた事態が、すでに起き始めているからだ。
若く、健康で、性欲旺盛な男。
この男女比一対九百九十九の世界では、神の如き超希少な存在だ。その上、良太はこの狂った世界の人間とは思えないほどに、優しく思いやりのある人格者である。
(そんなの、モテて当然だ。わかっていたはずだ。周りに発情した女が集まるのも当たり前で、本当ならそれを寛大に許さないといけないのにっ)
男女比が崩壊しているこの世界では、人口減少が深刻な社会問題となっている。
とにかく子どもを作れと、世界全体がそういう圧力を醸し出しているのだ。
男の数が圧倒的に少ない以上、複数の女を抱き、子作りをするのはむしろ当然の義務。この世界では国を挙げて推奨されていることだ。
(あたしの独占欲が、世界の風潮に逆行していることくらい、嫌というほどわかっている)
「んにゅっ」
「シウネー。起きたのかい?」
カトレアの隣では、シウネーが白目を剥いて気絶していた。
そう、眠っているのではなく、完全に気絶していたのだ。
この普段はぼんやりとした少女、性行為の時になると人が変わったように豹変する。まるで獣、否、発情したケダモノだ。
大人しい見た目をしていながら、とんでもないドスケベの獣なのである。
(治癒スキルを使って欲しくないって、言っていたな。スキルを使わずにあんなに何度も果てるなんて。とんだドスケベ剣鬼様だよ)
そして最後には白目を剥いて気絶し、今さっきようやく目を覚ましたのだった。
カトレアはふと、彼女に尋ねる。
「なあ、シウネー。あんた、自分以外の女が、坊やと関係を持ってること、嫌じゃないのかい?」
「? 全然嫌じゃない」
「そっか」
「回数が減るのは嫌だけど。でも連続でできないし。りょーた、強いから」
良太は自身に治癒スキルをかけることで、精力を全回復させ、何度でもできる。一方で女のほうは、確かに治癒スキルで体力は回復する。だが、強烈な絶頂の余韻は体に残るのだ。
彼との行為の余韻は凄まじく、行為後もしばらくは天国にいるような痺れる快感を味わい続ける。頭の中が真っ白になり、ふわふわとした感覚が残る。その間、指一本動かせなくなるのだ。
「りょーた、やさしい。倒れているわたしに、無理矢理しない。好きっ♡」
そう、スキルで体力が回復しても、精神的なインターバルは発生する。その間に良太が別の女と肌を重ねたとしても、物理的には何も問題はないのだ。
女が増えたからといって、自分の番の回数が減る。そういう事態には陥らない。
「そう、だね」
「カトレアは、嫌なの?」
「まぁね」
良太がぐっすりと寝ているのを確認してから、はっきりと、カトレアは肯定した。
「リョータは、あたしだけのものだ。他の女になんて渡したくない。大好きなんだよ。絶対に絶対に絶対に、渡したくない。本当なら、あんたのことも今すぐ部屋から蹴り出したいくらいさ」
だが、できない。
カトレアは、自分と彼女との絶対的な力の差を理解しているからだ。
シウネーはSランクの剣鬼。職業《ジョブ》も極めて珍しい二刀流というものだ。
一方で、カトレアはAランクの武闘家に過ぎない。純粋な戦闘力では、到底かなわない。
「? じゃあ、追い出せば?」
「できるもんならやってるさ」
「やるまえから諦めるの、なんで?」
(意地悪で言っているんじゃないな、この子は)
純粋に、じゃあなんでやらないのだ、と疑問に思って聞いているのだ。
シウネーは他人の機微に対する興味が極端に薄いのだろう。
「嫌なこと、我慢するの。意味わからない」
きっと、彼女の心にコンプレックスという概念は存在しないのだろう。
どれほど手を伸ばしても、絶対に手に入らないものがある。その絶望を知らないのだ。
それがひどく羨ましくて、妬ましかった。
「ん? どうしたの二人とも?」
「「りょうたっ」」
良太がちょうど目をこすりながら身を起こした。
シウネーは瞳にハートマークを浮かべると、尻尾をパタパタと振るような勢いで、再び彼の体へとのしかかろうとする。
「りょーた♡ こーびしよ♡ どすけべこーびしたいっ♡」
またも、シウネーが良太の体を独り占めしようとすり寄る。
「だ、だめだっ」
シウネーに、近づけない。彼女の持つSランカーとしての圧倒的な力は嫌というほどわかっている。竜を一人で討伐したという逸話すらあるのだ。
無意識に彼女から放たれるプレッシャーを前に、気圧されるカトレア。
だが。
(リョータは、リョータだけは取られたくないっ。リョータはあたしの、あたしだけのものだっ)
カトレアが思いきりシウネーの肩を突き飛ばした。
「おぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお♡」
「は?」
シウネーは突如として白目を剥き、ビクビクと全身を痙攣させながら、くたぁっとその場で気を失ってしまったのだ。
「シウネーっ!? どうしたのっ」
良太は飛び起きて、鑑定スキルを発動させる。
良太はほっと胸を撫で下ろし、安堵の息をついた。
「良かった。病気とかじゃないみたい。単に気を失ってるって」
「気絶? 一体どうして」
「さ、さあ。ただ、カトレアがどついた時、手が光っていたような気がする」
手が光る。それは間違いなく、スキル発動時のエフェクトの光だ。
「か、鑑定してみてくれないかい?」
「うん。ええっ。新しいスキルが増えているよっ」
「なんだってっ!?」
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会心必中撃(SS)
→相手に必ずクリティカルヒットを食らわせ、ノックアウトさせる
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「え、SS級スキルだってっ!? こんな超レアスキル持ってなかったよっ。一体どうして」
すると良太が得心がいったように大きく頷いた。
「多分ぼくの新しいスキル、播種によるものだと思う。女の子に出すと、その子は新しい力を得るんだ」
「な、なんだいそのチートスキルは」
(そんなチートスキルの存在を知ったら、なおのことリョータを欲する女たちが群がってきて。って、待てよ? 今のあたしには、この会心必中撃がある)
相手に必ず、会心の一撃を食らわせ、気絶させられる。
Sランカーのシウネーですら、今の一発で呆気なく昇天《ノックアウト》したのだ(※一応、生きている)。
(このスキルがあれば、飢えた女どもからリョータを実力で守れるじゃないか。それに、余計な虫が寄り付かないように駆除できる)
「はぁ♡ はぁ♡ りょーたぁ〜♡」
「どうしたの、カトレア?」
白目を剥いて気絶しているシウネーをよそに、カトレアが熱い吐息を漏らしながら良太にのしかかった。
「はぁはぁ♡ リョータ♡ あたしを、可愛がって♡ めちゃくちゃにしてぇ♡」
「うん、いいよ。いっぱいいっぱい可愛がってあげる」
「♡」
良太にきつく抱かれながら、カトレアは口角を吊り上げ、ニコォと昏い笑みを浮かべた。
(これでリョータはあたしの独り占めだ。大丈夫だよ、リョータ。あたしが、群がってくる悪い虫を全員、この会心必中撃で残らずやっつけてあげるからね)
ちなみにこのスキル、会心の一撃を必ず食らわせる強力なものだが、命を奪う必殺のスキルではない。
単に相手を一撃で気絶させるというものだ。なお、人間相手だと、相手を強制的に強烈な絶頂へと導く副次的効果がついている様子である。
また、スキルには使用回数制限があるため、多数の敵が同時に言い寄ってきた時には連発できないのだが。
今の、頭の中が発情期の猿と化してしまったカトレアには、そんな冷静な考えを巡らせる余裕など、微塵も残されていないのだった。