覇気だけが全てを凌駕する世界で「斬れぬものなど、あんまり無い!」   作:麦らァのみょん

4 / 4
お気に入り、感想、評価、誤字報告ありがとうございます!
モチベになります。


4話 男には 引いてはならん 時がある ブードル漢の俳句

「やれェリッチー! 頭を嚙み砕いてやれっ!!」

 

 モージがばっと飛び降りながら指示すると、リッチーが大口を開けておれに飛び掛かってくる。

 おれは後ろに避けながら楼観剣でリッチーの攻撃をいなして白楼剣で斬りつける。

 

「ガウッ!?」

 

 軽く前足を斬られ動揺したのかリッチーは後退る。

 

「二刀流だと!?」

 

 なにやらモージが驚いているが刀を二本帯刀しているのだから大して意外なことでもないだろう。

 

「ガルルルルルル!!」

 

 再びリッチーがおれに飛び掛かり、その尖ったかぎ爪を振り下ろす。

 しかし振り下ろされたその前足はブンッと空を切る。

 

「あァ!? どこ行きやがった?」

 

「ここですよー」

 

 急に目の前からいなくなったおれを探しキョロキョロしている一人と一匹に空中から声をかける。

 

「なァッ!? なんで人間が空を飛んでんだ!?」

 

 目の前で起きている不可思議な現象に驚愕するモージ。

 

「まさかお前、バギー船長と同じ悪魔の実の能力者か……!」

 

 ゾロ達にも言ったが違います、単に半分幽霊なだけなのです。

 

 司令塔であるモージが困惑している今のうちにささっとリッチーを片付けてしまおう。

 

 宙に舞ったおれは上空から、弾幕を刀の剣閃から生み出し飛ばしていく。

 雨あられと降り注ぐ弾幕にリッチーは身動きが取れずじわじわとダメージを負っていく。

 

「これでお終いです」

 

 動けなくなったリッチーを宙から降下しながら楼観剣でズバッと一閃。

 まともに一太刀浴びせられたリッチーは気を失ってそのまま倒れていった。

 

「リッチー!?」

 

 自慢の下僕があっけなく倒された事実にモージが悲痛な声をあげる。

 

 初めての戦闘で隙もたくさんあったと思うが、なぜか身体が戦い方を知っているかのように動かせたおかげで危なげなくリッチーを倒すことができた。

 さて、残ったモージはどうしようか。

 

「おー、よかった。まだ居た」

 

 リッチーに殴り飛ばされたルフィが帰ってきた。

 案の定、無傷で戻ってきた。さすがゴム人間、耐久値高ぇ。

 

「なんだ、そのライオンもうやられちまったのか。やるなァ妖夢」

 

「えへへ」

 

 あのルフィから褒められちった。

 あとでゾロに自慢しよう。

 

「な、なんで殺した筈のてめぇが生きてんだ……? 一体何なんだお前らは!?」

 

 リッチーに殴り飛ばされてなお、無傷でぴんぴんしているルフィにモージの空いた口が塞がらない。

 

「おれはルフィ。海賊だ!」

 

 

△▽△▽

 

 

 さて、あの後モージさんは復帰したルフィに一発で伸されて吹っ飛んでいきました。

 すごい勢いで飛んで行ったがこの世界で海賊してるんだ、ルフィほど頑丈ではないだろうけど多分生きてるだろう。

 

「まさかあのモージをあんなにもあっさり倒すとは……」

 

 隠れて見ていたのか、いつの間にか戻ってきていたブードルさんが呆然と呟いていた。

 隣にいるナミも目を見開いて驚いていた。

 

「……なんで戦ったの? あいつと戦ってアンタたちに何の得があるの?」

 

 おれとルフィをまだ警戒しているのか険しい表情で聞いてくるナミ。

 

「あいつ、シュシュの宝のこのお店を狙ってたんです。私には関係ないお店ですけど、目の前で誰かの宝が奪われるのを見過ごすのはさすがに夢見が悪いので」

 

 ルフィやゾロも黙って見過ごしたりしないだろうけど、我ながら海賊の船に乗っている人間の発言ではないような気もする。

 でも、悪いことするよりは少しでも誰かにとって良いことになることをした方が気持ちも良いだろう。

 

「……なにそれ」

 

 海賊らしくないおれの発言で呆気に取られたのか再び唖然とした表情を浮かべるナミ。

 けれどその表情はさっきよりもほんの少しだけ、柔らかくなっている気がした。

 

 そんな中、ずっと何かをこらえるように黙り込んでいたプードルさんが怒号とともに両手を振り上げた。

 

「わしはもう我慢できーん!!」

 

「え!?」

 

「酷さながらじゃ! さながら酷じゃ! シュシュや小童どもがここまで戦っておるというのに、なぜ町長のわしが指をくわえて我が町が潰されるのを見ておらねばならんのじゃ!!」

 

「ちょっと町長さん、おちついてよ!」

 

 ナミがブードルさんを宥めようとするも、その怒りと勢いは止まらない。

 

「男には! 引いてはならん戦いがある! 違うか、小童!」

 

「そうだ、おっさん!!」

 

 止めようとするナミとは対象的にブードルさんを肯定するルフィ。

 ルフィにのせられたブードルさんはこの町の歴史について語っていく。

 

 かつて海賊によって町が滅ぼされ、それでも今までみんなで少しずつ少しずつ町を作っていった。

 その期間、実に40年。

 40年ってたしか大海賊時代が始まるよりも前だろう。

 そう考えると実に歴史の深い町に思える。

 

「町民達とこの町はわしの宝さながら! 己の町を守れずに何が町長か、わしは戦う!」

 

 自身の宝を奪うバギー一味に向けてブードルさんが宣言した、その時。

 

 凄まじい衝撃と轟音がおれ達に襲い掛かった。

 

「!?」

 

 民家や店が、まとめて砲弾に薙ぎ払われていく。

 その中にはゾロが寝ているブードルさんの家もあり、慌ててルフィがゾロの生存を確認する。

 

「あ―、寝ざめの悪ィ目覚ましだぜ」

 

「よかった! 生きてたか!」

 

「……何で生きてられるのよ……!」

 

 ナミに完全同意である。

 やっぱこいつら人間じゃねぇ。

 ……あ、おれも半分人じゃねぇんだった。

 

「胸をえぐられる様じゃ……! こんなことが許されてたまるか! 突然現れた馬の骨にわしらの40年を消し飛ばす権利はない! わしの許しなくこの町で勝手な真似はさせん!!」

 

「ちょっと待って町長さん!」

 

 今度こそ本気でナミが止めるもブードルさんは止まらない。

 無謀であることを承知しながらも待っておれ、道化のバギー! と叫びながらブードルさんは飛び出していった。

 

 自身の大切な物のために例え無謀であっても勇敢に立ち向かうブードルさん。

 おれにはその背中が苦しそうでありながらも、なぜか、どこか羨ましく思えた。

 

「しししし! いいよなァ、あのおっさん。おれはあのおっさん好きだ、絶対死なせない!」

 

「こんなとこで笑っててどっからその自信がわくのよ!」

 

 激昂するナミにルフィは冷静に返す。

 

「おれ達が目指すのは偉大なる航路。これからその海図を奪いに行く! 仲間になってくれ! お前も海図いるんだろ? 宝も」

 

 そう言って手を差し出すルフィ。

 差し出されたルフィの掌をぱんっと叩きながら。

 

「手を組むって言ってくれる? お互いの目的のために」

 

 さて、バギーの首を取るためにおれたちもブードルさんを追いかけるとするか。

 もっとも、バギーなら物理的に首を取っても死なないのだろうけど。




オレンジの町編読み直すまでブードルさんのことをずっとプードルさんだと思っていたことをここに懺悔しておきます。
ごめんねブードルさん。
夜にもう1話投稿します。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

秦こころ、ロックス海賊団の副船長です(作者:カラカラ侍)(原作:ONE PIECE)

普通の女子中学生だった少女は、ワンピースの世界に転生する。▼奴隷として地獄を見る中で、口にした悪魔の実で秦こころの姿に。▼表情を失った少女は、海の悪魔の船に乗ることに。


総合評価:2700/評価:8.36/連載:7話/更新日時:2026年09月01日(火) 21:43 小説情報

初代B小町にアイ超えスペック持ちTS転生者が入ってから始まる話(作者:るつまと)(原作:推しの子)

もしもアイを超える原石が芸能界に存在したら…。


総合評価:1191/評価:7.16/連載:8話/更新日時:2026年08月11日(火) 13:49 小説情報

愚かなオロチ(作者:毎日読書)(原作:ONE PIECE)

オロチ様が男?何を言っておられる。オロチ様は女性であろう。


総合評価:636/評価:8.56/連載:2話/更新日時:2026年08月30日(日) 23:04 小説情報

ジョジョ四部アアアアァァァーーーーwwwwwwwwwwww(作者:K.A.Raage)(原作:ジョジョの奇妙な冒険)

ジョジョ四部に足立レイとして転生した主人公が原作に関わったり関わらなかったり色々な物を唐揚げにして食べたりする話。▼「スタンドあるヤッター!!◯ねぇぇぇぇァァァァァ!!……」


総合評価:2572/評価:8.67/短編:7話/更新日時:2026年08月18日(火) 16:30 小説情報

TS憑依転生強化さやかちゃん(作者:愛しのマルゲリータ)(原作:魔法少女まどか☆マギカ)

▼映画館から家に帰る途中、不慮の事故に巻き込まれて死んでしまった俺の転生先は……まさかの美樹さやかだった。


総合評価:5705/評価:8.34/短編:7話/更新日時:2026年10月02日(金) 19:14 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>