覇気だけが全てを凌駕する世界で「斬れぬものなど、あんまり無い!」   作:麦らァのみょん

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6話 この作品にガイモンさんは出てこないよ!大切なことだから二回言いました。

 オレンジの町をあとにしたおれ達は今日も元気に海の上をぷぅかぷか。

 次の島に向けて航海中。

 おれ達の小舟とナミがバギー一味から奪った船室付きの船が並んで進む。

 

 小腹が空いたおれはナミの船の船室で軽く料理をしていた。

 さすが魂魄妖夢、手際よく料理が作れる。

 見た目も味もしっかりしており大満足。

 

 ナミには使用料を要求されたがナミの分のご飯も作るということで勘弁してもらった。

 もともと奪った船だというのに金を要求するとは。

 この銭ゲバ猫め!

 

 そんなことを考えていたらナミに頭を小突かれた。

 

「あうっ」

 

「あんた今失礼なこと考えたでしょ」

 

「そんな、私がナミさんのことを銭ゲバだなんて思うわけないじゃないですか!」

 

「言っちゃってんのよ!!」

 

 ナミの拳骨をくらい頭にたんこぶができた。

 なんかぷしゅーって煙が上がってる。

 これが愛ある拳というやつなのか……!?

 

 悶絶するおれをよそに紙束をペラペラと捲るナミ。

 何かを確認しているようだった。

 

「何を見てるんですか?」

 

「賞金首のリストよ」

 

 そういえばナミは海賊専門の泥棒だったか。

 次のターゲットでも探しているのだろうか。

 

「なんだか厳つい連中ばっかりですね」

 

 この中におれが知ってそうなやつは一人も見当たらないけど。

 

「あんたって結構世間知らずよね」

 

 そりゃあ目が覚めたら無人島にスポーンしていたので。

 おれが知ってる世間はこの一味を除けばオレンジの町とバギー一味だけである。

 

「おお、すごい懸賞金」

 

 ナミがすぐにページを捲ろうとしたので手配写真と名前ははっきり見えなかったがかなりの高額。

 その賞金、実に2千万ベリー。

 

「かなりの高額ですけど、ルフィさんとどっちが強いんでしょうかねぇ」

 

「いくら化け物じみたあいつでも本物の化け物には敵わないわよ」

 

 そう言ってナミは賞金首リストを片付ける。

 ルフィでも敵わない相手かぁ。

 

「じゃあその時は私が戦います」

 

 おれだって半分は人間じゃないんだ。

 きっといい勝負になるだろう。

 

「その時お宝があったら貰ってきますね。ナミさんにプレゼントしますよ」

 

 ナミには麦わらの一味の航海士として活躍してもらわないといけないのだ。

 しかしおれが居ては変なバタフライエフェクトが起こって原作とは違う流れを辿ってしまうかもしれない。

 最悪金で釣れるようにおれも賞金稼ぎとかした方がいいのかもしれない。

 

「……ねぇ、あんたはなんで海賊なんかやってるの?」

 

 不意にそんなことを聞いてくるナミ。

 シュシュの一件の時、おれが海賊らしくないことをしたから疑問に思っているのだろうか。

 

「正直、成り行きですよ。記憶を無くして無人島に居たところをルフィさん達が連れてってくれただけですし」

 

 小心者なおれにはバギーのようなお手本のような海賊も、ルフィ達のように夢に向かってひたすらに突き進む明るい海賊も向いているとはまだ思えない。

 

「そう。それじゃあ海賊らしくないあんたはもしこの先で、あのシュシュみたいに大切な物を奪われそうな人を、奪われた人を見かけたら迷わず助けるの?」

 

 迷わず、かぁ。

 聖人じゃあるまいし、誰でも助けるなんてことはきっとできないけれど。

 

「私にとって大切な人なら」

 

 大切な人のためなら助けるよ。

 

 この後ルフィの船に戻ったらおれも食いたかったと騒ぎ出した。

 だっておまえら寝てたじゃねぇかよぉ。

 

 

△▽△▽

 

 

「孤島に着いたぞ!!」

 

 おれ達がやってきたのは森だらけのなにもない島。

 おれがスポーンした無人島と似たような雰囲気だ。

 

 たしか原作通りならここはワンピース屈指の超人気キャラ、ガイモンさんの居る島だ。

 ルフィに探検に行こうと誘われたがゾロが船の上で寝てるのでお断りした。

 さすがに一人で置いていくのは可哀そうだろう。

 ガイモンさんに会えないのはちょっぴり残念だが仕方ない。

 おれの返事を聞いたルフィはナミを連れて森の奥に向かって行った。

 

 

 ルフィとナミが森に入って少し経ったころ。

 小舟からのそのそとゾロが起き上がってきた。

 

「ん? ルフィ達はどこ行ったんだ?」

 

 起きてきたゾロにこの島に着いてからのことを説明する。

 

「へェ、ならちょうどいいか」

 

 説明を聞いたゾロが何故か刀を抜き始める。

 

「おい妖夢、ちょっと手合わせしてくれよ」

 

 いきなりの展開にえっと声がもれる。

 

「真剣だが、単なる勝負だ」

 

「いや、ちょっと待ってくださいよ。いくらなんでも唐突すぎます!」

 

 聞けばオレンジの町で油断してバギーに傷を負わせられたことにプライドが傷付けられたそう。

 それに加え、相手が違うとはいえ同じ剣士であるおれが無傷で敵に勝利したことが悔しかったらしい。

 

 おれは弾幕も使っての勝利なのでゾロのとは条件が違ったとも言ったがそれを言い訳にしたままでは自信の夢である世界一の大剣豪には到底辿り着けないとゾロは言う。

 

「……ルフィさんもゾロさんもどうしてそこまで直向きに夢に向かって走り続けられるのですか?」

 

 おれには夢とか、そういうのがない。

 半霊を探して記憶を取り戻すという目的で同行させてもらっているが彼らの掲げる目標とは意味が大きく違う。

 だから聞いてみたくなった。

 

 なんでボロボロになってまで戦い続けられるのか。

 

「親友との約束があんだ。この野望のためなら命を捨てる覚悟は出来ている」

 

 そのために今は世界一の剣豪と呼ばれる鷹の目の男を探していると。

 そう言ったゾロの姿には前、ブードルさんがバギーに立ち向かった時に感じたものと同じ羨ましさを覚えた。

 おれもルフィやゾロのようになりたいとそう思っているのだろうか。

 自身の大切な夢や宝のために進んでいけるような人間に。

 

「そういうことなら、いいですよ。私で良ければお相手します」

 

 おれだってしっかり稽古しなければいけないのだ。

 いつまでも半人前ではいられない。

 

 良い機会だと思ってゾロの提案に乗っからせてもらうことにした。

 

 

 こうしておれ達はルフィが戻ってくるまで勝負していた。

 

 勝敗? もちろんおれが負けましたよ。

 身体スペックがよくても中身のおれがクソ雑魚すぎる。

 

 要修行だなぁ。

 




原作だとガイモンさんの出番はシロップ村編の前ですがアニメだとウソップ加入後らしいですね。知らんかった。
夜にもう1話投稿します。
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