まほ「聖グロリアーナ女学院、西住まほ。短期転校手続きは済ませてきた」   作:ゼブラーの野郎

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聖グロ生活 Ⅰ

 ―黒森峰女学園・食堂―

 

まほ「まずい」

 

まほ「非常にまずい」

 

まほ「これはまずいぞ」

 

エリカ「隊長、食堂でまずいまずい言わないでください」

 

まほ「このままではまずい・・・非常事態だ・・・」

 

まほ「お姉ちゃん警報発令ー」ウーウー

 

エリカ「あっ、これ触れない方がいいやつだ」

 

まほ「まーほーまーほーまーほー」ウーウー

 

エリカ「さっさとご飯食べて教室行こ・・・」パクパク

 

まほ「まーほーまーほー」ズイイ

 

エリカ「だーっ!もうっ!なんですか!なんなんですか隊長!目玉焼きのせのせハンバーグ食べてるのに邪魔しないでください!」

 

まほ「実は先日、実家で西住流お芋掘り大会が開催されたのだが、忙しい私に変わってみほが私に変装し、参加してくれたそうだ」

 

エリカ「出鼻から色々とおかしい」

 

まほ「だがどうやら、あまり上手くできなかったらしい」

 

 

 ~~~・・・西住流お芋掘り大会

 

まほ(みほ)「はあ・・・はあ・・・よいっしょ・・・うう~ん!・・・な、なかなか掘り起こせないよぉ~!」グググ・・・

 

しほ「イモ掘りホーイ」ザックザク

 

まほ(みほ)「はあ・・・はあ・・・お母さんはあんなにホイホイ掘ってるし・・・去年参加しなかったからナマっちゃったのかなぁ・・・」ゼイゼイ

 

しほ「まほ、何をしているの。そんな体たらくでは良妻賢母にはなれないわよ」

 

まほ(みほ)「は、はい!すみません!がんばります!がんばりますので!」

 

しほ「イモ掘りホーイ」ザクザク

 

まほ(みほ)「ひい・・・ひい・・・」ヘトヘト

 

 ~~~

 

まほ「みほは文字通りヒーヒー言ってたらしい」

 

エリカ「芋掘るのってそんなに大事なことなんですか」

 

まほ「古来より日本の女性は農作物を育て、採り、食してきたからな。良い大人の女性になるには欠かせぬスキルだ」

 

エリカ「こじつけにもほどがある」

 

まほ「考えてもみろ。戦車道は良妻賢母を育む武芸。つまり、素晴らしい大人の女性にならなければ、それ即ち戦車道を真に修めたことにはならないのではないか」

 

エリカ「もう反論するのもめんどいから同調しますけど、つまり副隊長・・・もとい元副隊長をしっかりした大人の女性に育てたいと?」

 

まほ「お母様に認められる程にはなってもらわないと困る。私もな。そこで」バン

 

エリカ「イギリスの観光雑誌・・・ま、まさか!」

 

まほ「聖グ口リアーナに短期転校する。みほと一緒にな」

 

エリカ「はーじまったはじまった!なにかと理由付けて遊びに行きたいだけなんじゃないですか!?観光雑誌出してる時点で確定でしょ!」

 

まほ「勘違いするな。これは全てみほのためだ。聖グロの戦車道は私にとってもいい刺激になるし、淑女とはなんたるかを学べるだろう」

 

エリカ「破滅的なポンコツになる以外にオチがないじゃないですか・・・」

 

まほ「淑女な西住姉妹になってみせるさ」

 

エリカ「淑女な・・・」ホワンホワンホワ~ン・・・

 

 ~~~

 

まほ「みほさん、髪に芋ケンピが付いているわよ。ほら、取っ手あげる。子供の頃からそそっかしいんだから」スッ

 

みほ「ありがとうございますお姉さま。あら、お姉さまだって、服に柿ピーが張り付いていますわよ」スッ

 

まほ「まあ、このシケり具合からして、2日は前のものね」

 

みほ「お姉さまったら、昔っからおトボケさんっ♪」コツン

 

 <オホホホホホ・・・

 

 ~~~

 

エリカ「う~~~ん・・・アリか?・・・いや、ナシか・・・う~~~ん・・・」

 

 

 ・

 ・

 ・

 

 黒森峰ヘリ<バババババ・・・

 

みほ「いきなり『一緒に来い』なんていうから慌てて準備してきたけど、一体なんなの?お姉ちゃん」

 

まほ「みほ、私達はこれから聖グ口リアーナに短期転校することになった。立派な淑女になるためにな」

 

みほ「ええっ!?そ、そんな突然・・・すごく楽しそうだけど・・・でも一体全体何がどうなってそうなったの?」

 

まほ「もうすぐ着く。後は野となれ山となれだ」

 

みほ「もしかして何も考えてないの?」

 

 黒森峰ヘリ<バババババ・・・

 

オレンジペコ「ようこそ。西住まほさん、西住みほさん。お待ちしておりました」ペコ

 

まほ「出迎え感謝する。世話になるな」

 

みほ「突然押し掛けちゃってすみません。迷惑じゃないですか?」

 

オレンジペコ「はい。聖グ口リアーナ女学院はお二人を歓迎します。では、こちらにどうぞ。ダージリン様がお待ちです」

 

まほ「ああ。エリカ、送ってもらってすまなかったな。気をつけて帰ってくれ」

 

みほ「ありがとうございました、エリカさん」

 

エリカ「べ、別に大したことじゃないわよ・・・隊長のついでよ、隊長の」

 

 

オレンジペコ「ダージリン様、西住まほさんと西住みほさんがお越しになられました」

 

ダージリン「・・・」カチャ

 

まほ「面倒をかけてすまないなダージリン。短期転校を受け入れてくれて感謝する」

 

みほ「あ、あの・・・ふつつか者ですがお世話になります」ペコ

 

ダージリン「いらっしゃいみほさん。ここをあなたの第二の学び舎だと思ってくつろいでちょうだい。といっても、みほさんの場合第三の学び舎ということになるのかしらね」

 

みほ「あはは・・・ですね」

 

まほ「ダージリン、転校手続きの書類の件だが・・・」

 

ダージリン「・・・」プイッ

 

まほ「・・・?・・・ダージリン?」

 

アッサム「申し訳ありませんまほさん。ダージリンはご覧の通りゴキゲンナナメなのです」

 

まほ「それはまた一体どうしてだ?」

 

オレンジペコ「まほさんがアンツィオ、知波単、継続、プラウダ、サンダースに短期転校したという話は聞いていたのですが、一向に聖グロに来られないと、ヘソを曲げておられるのです」

 

まほ「えっ」

 

みほ「子供みたい」

 

ダージリン「別に腹を立てている訳じゃないわ。ただ、後回しにされたことが気分良くないだけよ」プイッ

 

まほ「すまん。後回しにしていた訳ではない。機嫌を直してくれ」

 

ダージリン「つーんっ」プイ

 

まほ「ほら、楽しみは最後にとっておくというじゃないか。ケーキのイチゴは一番最後に食べるとか、ああいうのと同じだ。私はイチゴそこまで好きじゃないが」

 

ダージリン「・・・」

 

まほ「イギリスは私も大好きで、聖グロに来るのをものすごく楽しみにしていたんだ。ダージリンがそんなことでは楽しめない。許してくれないか?」

 

ダージリン「・・・フフ、冗談よ、冗談。少しからかってみただけ。歓迎するわ、まほさん。ようこそ聖グ口リアーナ女学院へ」

 

まほ「ああ、ありがとう」

 

みほ「わ~・・・余裕のある渋いやりとり・・・なんだか大人っぽい・・・」キラキラ

 

オレンジペコ「ああいうのはめんどくさい人って言うと思いますよ」

 

ダージリン「ペコ、聞こえてるわよ」

 

オレンジペコ「では、お二人には我が聖グロの制服をご用意してます。こちらのお着替えBOXの中でどうぞ着替えてください」

 

みほ「ありがとうございます」シャ

 

ダージリン「シンキングタ~イム!」ズンドコズンドコ

 

オレンジペコ「ワードのチョイス間違ってると思いますよ」

 

ダージリン「さて、着替え終わったかしら?まずはみほさんから出てきてちょうだい」

 

 シャー

 

ダージリン「あら、随分お似合いね。素材がいいと何を着てもかわいく仕上がる好例」

 

みほ「そ、そうですか?ありがとうございます」セイグロ~

 

ダージリン「それじゃ、まほさんも出てきて」

 

 シャッ

 

まほ「・・・」ファイトフォーリバティー

 

ダージリン「フフッ・・・ちょっとまほさん、どうしてイギリスが生んだ喜劇王チャールズ・チャップリンのコスプレ衣装を着ているの。ご丁寧におひげとステッキまで。フフフ」

 

まほ「・・・用意されていた衣装がこれだったんだが・・・」カタカタンッ

 

ダージリン「あらまっ、靴までタップダンス用の靴。あなたそこまでフフッ、チャップリンのことが好きフフッ、私もうれしいわフフフッ」クスクス

 

オレンジペコ「すみませんまほさん・・・ダージリン様のイタズラです・・・後回しにされた仕返しだと・・・こちらにほんとの制服がありますのでどうぞお着替えください。すみません」

 

まほ「・・・」カタッカタッカタッ

 

ダージリン「フフフッ・・・まほさんフフ・・・その靴で歩かないでちょうだい・・・フフフ・・・」ククク

 

まほ「・・・」

 

まほ「・・・」カタタタカタタタカタタカタタカタカタカタカタ♪

 

ダージリン「んフフフフッ!た、タップダンスしないで・・・フフッ、どうして上手いのよ・・・フフフッ」プククク

 

 

まほ「着替えた」セイグロ~

 

ダージリン「あ~勿体ない」チェッ

 

オレンジペコ「お二人の着替えも済んだことですし、次の――」

 

 ガチャ!

 

ルクリリ「大変です!ローズヒップがまた行方不明になってしまいました!」

 

みほ「ええっ!?」

 

まほ「なんと」

 

アッサム「・・・またですか」

 

ルクリリ「今朝の時点で姿は確認されておらず、またしてもどこかに迷い込んでしまったようです」

 

みほ「そ、それって大変じゃないですか!こんなに大きな学園艦で迷子なんて・・・すぐに探さないと!」

 

オレンジペコ「いえ、いつものことですから」

 

みほ「ふぇっ」

 

アッサム「ダージリン、アレを」

 

ダージリン「・・・」スゥッ

 

ダージリン「ヒッ、ヒッ、ヒィ↑~~~ップ。ロォ~ズヒィ~~~ップ」

 

 ガチャバターン!

 

ローズヒップ「お呼びでございますの!」バーン

 

まほ「すぐ来た」

 

アッサム「ローズヒップはダージリンが呼べばどこにいようともすぐに現れるんです」

 

ローズヒップ「あら?まほ様!まほ様じゃあ~りませんの!お久しぶりでございますわー」アクシュブンブン

 

まほ「ああ」ブンブン

 

みほ「え、お姉ちゃんローズヒップさんと仲良かったの?」

 

まほ「知波単学園に短期転校していた際にな。彼女も一緒に知波単の釜の飯を食った中だ」

 

ローズヒップ「聖グロのお食事よりもずーっと美味しかったですの!」

 

アッサム「そんなことよりローズヒップ!あなたまた学園艦で迷子になったの!?今週これで三度目よ!」

 

ローズヒップ「ごめんあそばせでございますわ!」

 

ダージリン「今日はどうして迷子になったのかしら?」

 

ローズヒップ「実は朝、学校へお登校中に風船さんがフワフワと飛んでおりまして、わたくしついつい連れられてフワフワと・・・」

 

ダージリン「あらま」

 

みほ「風船みたいな頭の子だね」

 

まほ「風船みたいな頭の子だな」

 

ローズヒップ「えへへへですわー」

 

ダージリン「まほさん、みほさん、貴方達は立派な淑女となるために聖グ口リアーナに短期転校なさったのでしょうけど、ローズヒップも今、絶賛淑女修行中真っ盛りなの」

 

ローズヒップ「わたくし、ダージリン様のようなスットボけた淑女になるために日夜がんばっておりますの!」

 

ダージリン「あなた達三人、花の同期生として共に淑女修行をすればきっと立派な淑女になれるわ。がんばってね」

 

みほ「は、はい」

 

ダージリン「では、あなた達が聖グロ公認の淑女になれた際に授けるティーネームを決めましょう」

 

まほ「えっ」

 

ダージリン「このBOXに皆で考えたティーネームくじを入れてあるわ。引き当てたティーネームを名乗れるようになるために努力してね」

 

みほ「は、はあ・・・つまりあだ名を決めて、がんばってその名で呼ばれるようになれってことですね」

 

オレンジペコ「では、引いてください。どうぞ」

 

みほ「え~っと・・・」ガサガサ

 

ダージリン「なにが出るかしら♪なにが出るかしら♪フフフフンフン♪フフフフフン♪」

 

みほ「これです!」パー

 

 【ミルクティー】

 

ダージリン「あら、みほさんらしいかわいらしい名前ね」

 

まほ「紅茶じゃないんだが」

 

ダージリン「ちなみに私が考えたやつ」ブイ

 

オレンジペコ「では、まほさんもどうぞ」

 

まほ「えいやー」ズボ

 

ダージリン「なにが出るかしら♪なにが出るかしら♪」フフフンフン♪

 

まほ「これだー」パー

 

 【抹茶】

 

ダージリン「決まりね」

 

まほ「待ってくれ」

 

ローズヒップ「わーい!私が考えた名前が採用されましたわー!バンザーイ!」ピョンピョン

 

アッサム「ローズヒップ、淑女はそんな風に下品にとび跳ねたりしないのよ」

 

ローズヒップ「はっ!そうでした!」

 

アッサム「淑女はそういう時、どうするのかしら?」

 

ローズヒップ「淑女大原則ひとーつ!よろこびを表現する時は、手を口に添えてオホホホ笑いをすべし!」バーン

 

アッサム「そうそう、そうよローズヒップ」エライエライ

 

ダージリン「抹茶さんも覚えておきなさいね」

 

まほ「待ってくれ」

 

みほ「ボケが渋滞してるよぉ・・・」

 

まほ「なぜ私だけ和のテイストあふるる名前なんだ。せめてグリーンティーの方がよくないか」

 

ダージリン「あら、公平に決まったのに辞退するの?西住流に逃げるという道は無いのではなかったのかしら?」

 

まほ「むっ」

 

ダージリン「西住まほともあろう方が逃げだすなんて、さぞかしお母様は残念でしょうね」

 

まほ「抹茶でいい。西住流は逃げたりしない。まほ逃げない」キリッ

 

ダージリン「ハイ♪決まりね♪」

 

みほ「お姉ちゃん・・・」

 

オレンジペコ「ダージリン様、そろそろ」チラ

 

ダージリン「あら、もうこんな時間。お昼にしましょう」

 

ローズヒップ「ゲーッ、ですの」

 

まほ「なんだ、そのゲーッというのは」

 

ローズヒップ「だって、お昼ご飯はぜ~んぜんおいしくないんですわゾ!」ウゲー

 

アッサム「ローズヒップ、ベロを出してゲーッとするのは淑女に相応しくないわ」

 

ローズヒップ「ごめんあそヴぁせ。でもまっじぃもんはまっじぃんですの!」

 

アッサム「たしかに」

 

オレンジペコ「右に同じです」

 

まほ「えっ」

 

みほ「ひどいいわれよう」

 

 

 ズラ~ッ

 

まほ「これが聖グロの昼食か。やはりイギリス料理なんだな」

 

みほ「こんなにお洒落なのにどうして皆さんイヤがるのかな」

 

アッサム「食べてみればわかりますよ」

 

まほ「ではこのフライのようなものをもらおう」

 

オレンジペコ「それはフィッシュ&チップスです。イギリスで有名なファストフードで、白身魚を揚げたものです。ウナギを揚げる地域もあるそうですが、ここではタラを使っています」

 

まほ「実食」パク

 

まほ「むっ!」クワ

 

みほ「どう?お姉ちゃん」

 

まほ「まじぃ~」

 

みほ「えぇ・・・」

 

ダージリン「みほさんもお一つどうぞ」スッ

 

みほ「う~ん、揚げればなんでも食べられるっていうし、マズくなるなんてそうそうないと思うんだけどなぁ・・・実食」パク

 

みほ「ん!」クワ

 

ダージリン「どうかしら?」

 

みほ「まじぃ~」

 

 

ダージリン「フフ、そうでしょうそうでしょう。聖グ口リアーナでは本場イギリスの料理を忠実に再現しているのよ」

 

まほ「なんでマズイのに得意げなんだ」

 

アッサム「材料に下味を付けずに油にドーン、揚がったらザバー、出来たぞパクー、というのがフィッシュ&チップスです。味も何もないので美味しくないんですよ」

 

まほ「わざわざ忠実に再現しなくても・・・」

 

ダージリン「身も心もブリティッシュになるのが聖グロの生徒よ」キリッ

 

ローズヒップ「私達は鰤のお魚ですのね!」

 

アッサム「ローズヒップ、ダージリンが言っているのはブリのフィッシュではなくブリティッシュよ」

 

ローズヒップ「あめんごそばせ!」

 

みほ「でもたしかにこれを食べるのはちょっとキツイですね・・・」

 

ダージリン「フフ、そんなことでは真の淑女にはなれないわよ。お洒落は我慢と言う言葉を知っている?私なんてもうすっかり慣れてしまったわ」パク

 

ダージリン「まじぃ~」

 

まほ「やっぱりまずいんじゃないか」

 

オレンジペコ「そこで私達は新たなる発見をいたしました。ケチャップやタルタルソースにつけて食べれば美味しいのではないかと」スッ

 

アッサム「イギリス料理店ではテーブルに各種ソースが備え付けられているのが基本だとも聞いています」

 

まほ「素では食べられたものじゃない。使わせてもらうぞ」ペロンチョ

 

まほ「うーむ、ケチャップを直に食べている気分だが、まだ食べられるな」

 

みほ「毎日こういう感じだとさすがに大変でしょうね」

 

ダージリン「あら、そうでもないわよ。慣れればこれくらい・・・まっじぃ~」パク ウェー

 

ローズヒップ「お昼食があんまりマズイのでいっつもお紅茶で口の中を洗い流してるのでございます」

 

みほ「聖グロの人が紅茶飲んでるのは口を紛らわしているからなのかぁ・・・」

 

ダージリン「でも安心してちょうだい。イギリスでは中華料理やデリバリーで補う人が多いというので、私達もたまに外注するの。ペコ、いつものを」

 

オレンジペコ「今日は人数が多いので少し大目に発注しますね」Pi

 

 ~~~

 

 ガチャバターン!

 

ペパロニ「ちわー!アンツィオピザでーッス!」

 

まほ「アンツィオピザ」

 

みほ「イギリスもへったくれもないやぁ」

 

ペパロニ「あっれー!マルゲリータの姉貴!こんなところで何してんスかぁ?」

 

まほ「実はコレコレシカジカ・・・」

 

ペパロニ「カクカクウマウマ・・・ってことッスかぁ!大変ッスねェー。また今度アンツィオにも遊びに来てくださいヨォ!」

 

みほ「お姉ちゃんいつの間にか交友関係広がりすぎ」

 

ダージリン「それよりペパロニさん、おたくは注文から25分以内の配達を約束しているのに、今日は28分かかっているわよ。どういうことかしら?」

 

ペパロニ「あっちゃ~スンマセン。急いで飛行艇トバして来たんスけど、途中の海上で漂流してる船を見つけたんスよ。なんか遭難してるっていうんで陸に届けてから来たもんで遅れちゃいました」

 

ダージリン「あら、それは大変だったわね。遭難者は無事だったの?」

 

ペパロニ「なんでも遭難慣れしてるから大丈夫だよって言ってたんで大丈夫そうでした!どっかで見た人達なんスけど誰だったかな~?こ~んな顔してる人ッス (∪v∪)」

 

まほ「・・・」

 

ダージリン「まっ、いいわ」

 

オレンジペコ「いいんですか」

 

ペパロニ「えーっとそれじゃあご注文の確認ッス。シー・・・えぇっとなんてったっけ・・・シーフ・・・海鮮のピザと、かしわ(鳥肉)のピザ、チーズいっぱいのヤツとソーセージのやつ」

 

ペパロニ「それからなんかこう新しい期間限定の海苔パラパラしてるヤツと、キノコがけっこう乗ってるやつ、全部L寸で~、海鮮とキノコのやつが半分コで段取りされてるッス」

 

ペパロニ「それが二人前で、かしわの奴とチーズめっちゃ乗ってるやつがそれぞれ一人前でソーセージ適当に撒いてるヤツが二人前で期間限定のなんか海苔散らしてるやつが一人前で・・・とりあえずいっぱい持ってきたんでどうぞ食べてくださいッス!」

 

ダージリン「ありがとう」

 

アッサム「お釣りは要りませんからチップとして受け取ってください」大金スッ

 

ペパロニ「うひょー!毎度どうもッス!これだから金持ち相手の商売はやめられねぇや!」

 

オレンジペコ「最後の一文はあんまり言わないほうがいいですよ」

 

 

ローズヒップ「うンまァァァ~~~いッ!と~ってもオイシイでございますわー!」パァー

 

まほ「イタリア語で美味しいといのはボーノというんだ。グーにした手を口元に当て、口から離しながらパーっと広げるジェスチャーをしながら言うんだぞ。イタリア語は手と口で話すんだ」

 

ローズヒップ「へぇ~っ、まほ様はダージリン様みたいにどうでもいい無駄知識をたくさん御存じですのね」

 

ダージリン「言い方」

 

まほ「アンツィオで教えてもらったんだ。君も色んな所へ行って見聞を広めるといい。知波単の時のように、今まで知らなかったものが知れて楽しいぞ」

 

ローズヒップ「はい!ですがわたくし、未だに立派な淑女になれていない未熟者なのでそういうのは少し早いかと思いますわ。まずは聖グロでしっかりとした淑女にならねば!」グッ

 

みほ「ローズヒップさんはどうしてそんなに淑女になりたいんですか?」

 

ローズヒップ「つまんねーことをお聞きにならないでくださいませ!」バーン

 

みほ「わっ」

 

ローズヒップ「女として生まれたからには、ダージリン様のようなスンゲー淑女になりたいのは当然でございますわ!」

 

ダージリン「フフ・・・」

 

ローズヒップ「わたくしはいつかきっとダージリン様のような使いどころの無い言葉や知識を振りまいて満足げにフフーンってするヘンな淑女になりたいのでございます!」

 

ダージリン「・・・ローズヒップ?」

 

ローズヒップ「ガルパン一のネタキャラ、お笑い担当、出てくるだけで面白いと評される屈指のお笑い淑女!女としてこの世にオンギャーしたからには、ダージリン様のような大爆笑淑女になりたいと思って当然!真っ当!」

 

ダージリン「ローズヒップ」

 

まほ「ひどいいわれよう」

 

みほ「あ、あの、お昼も食べたことですし午後の授業の準備をした方がいいんじゃないですか?」

 

ダージリン「その心配には及ばないわ。今日の午後ジューは校外学習だもの」

 

オレンジペコ「午後の授業を午後ティーみたいに言わないでください」

 

ローズヒップ「わぁい校外学習!ローズヒップ校外学習大好きですわの!」

 

まほ「どこへ何を学びに行くんだ?」

 

みほ「やっぱり聖グロリアーナみたいな気品あふれる大人~な学校だと、王宮とか国会議事堂とか厳格で厳かな場所に行くのかなあ」

 

ダージリン「動物園でいろんな動物さん達とふれあうのよ」

 

みほ「えっ」

 

 

 

 ――動物園

 

ローズヒップ「キーンでございますわー!」キーン

 

アッサム「ローズヒップ、公共の場で走り回らないの」

 

ローズヒップ「おっとっと、淑女大原則ひとーつ!キーン走りは安全第一で!」バーン

 

まほ「まさか高等学校の授業で動物園に来るとは」

 

ダージリン「あら、まるで子供っぽいとでも言いたげな物言いね。動物を学ぶのは自然界への適応の道筋や生命の特殊な生態など、様々なことを学べるのよ」

 

まほ「ふむ、一理あるな」

 

みほ「たしかに、天敵から身を守る術や獲物を狩る技能なんかは戦車道でも活かせるかもしれないね」

 

まほ「動物園、少し侮ってしまっていたな。反省せねば」

 

ローズヒップ「あっ!見てくださいまし!キリンさんですわ!首なっげーですのわ!」

 

オレンジペコ「木々の葉っぱを食べる為に首が長く進化したんですよね」

 

アッサム「高所恐怖症のキリンがいたら大変でしょうね。下見れないもの」

 

ダージリン「知っているかしら?キリンの鳴き声は牛と似ていてモ~って鳴くのよ」

 

ローズヒップ「へ~!ほしたらキリンさんも牛さんみたいにミルクをお出しになれるのですわね!」

 

ローズヒップ「あっ!こっちの檻にはアリクイさんがおられますわ!」

 

アッサム「大洗のチーム名にも採用されているわね」

 

ダージリン「アリクイは蟻だけ食べるんじゃなくて、基本なんでも食べるのよ」

 

ローズヒップ「表紙詐欺ですわ!」

 

ダージリン「ちなみに、地球上の全ての蟻の合計体重と地球上の全ての人間の合計体重は同じ重さなのよ」

 

ローズヒップ「ろぁ!?マジですの!?」

 

ダージリン「昔、ココリコの田中がテレビで言ってたわ」

 

アッサム「途端に信憑性が無くなったわね・・・」

 

ダージリン「あと、ディズニーランドのジャングルクルーズで待機列に並んでる時にキャストさんが出す動物クイズでも同じこと言ってたわ」

 

アッサム「じゃあ間違いないわね」

 

ローズヒップ「ダージリン様はやっぱりどーでもいい無駄知識を無駄にたくさん知っておりますの!」

 

ローズヒップ「あっ!象さんですわぞ!ぞ~ぉさんぞぉ~ぉさん!」

 

アッサム「ローズヒップ、淑女がクレヨンしんちゃんの真似をしないの」

 

ダージリン「知ってる?古代のマンモスは人間に牙を突き刺して栄養をチューチュー吸っていたのよ」

 

ローズヒップ「こっちにはワニがいやがりまっせ!ダンディーですわ!」ラコステラコステ

 

アッサム「今時の女子高生が知り得なさそうなネタを」

 

ダージリン「ご存知かしら?ワニはあらゆる爬虫類に変身ができるの。その正体はティラノサウルスの足」

 

ローズヒップ「あっ!チーター師匠がおられますわ!チィーッス!お疲れ様どすえ!」ペコ

 

アッサム「チーターに頭下げるのも貴方くらいのものね」

 

ダージリン「タレントの水前寺清子が愛称でチーターと呼ばれるのは動物由来ではなく、本名のたみこという名前を子役時代に『ちいさなたみこ』という意味合いを込めてチーターと呼ばれていたのよ」

 

まほ「お前ほんとにそういう情報どこで使う為に仕入れてるんだ」

 

みほ「もしかして無駄知識をひけらかすために動物園に来たんじゃ・・・」

 

ローズヒップ「あらぁ、こっちにはゴリラさんがいらっしゃいますわ。胸板デッケェデッケェですわ」

 

ダージリン「スーパーファミコンの初代『スーパードンキーコング』のキングクルール戦のBGMはアイアンメイデンのドラマーの演奏からインスパイアを受けて制作されたのよ」

 

まほ「ちなみにその続編の『スーパードンキーコング2』で屈指の名曲と名高い『とげとげタルめいろ』のBGMは元々水中ステージ用として制作された曲だ」

 

ダージリン「まっ……!」

 

ロースヒップ「へー!そうだったんでありんすねぇ!」

 

アッサム「まほさんも博識なんですね」

 

オレンジペコ「ダージリン様も顔負けですね」

 

ダージリン「ぐぬぬぬ……おやりになるわねまほさん」

 

まほ「ふっ、西住流はどんな戦いにも負けるわけにはいかない」

 

みほ「お姉ちゃん・・・ウチの看板に傷がつくよぉ・・・」

 

ローズヒップ「みてくださいまし!クマでっせ!デッカくて強そうなヤツ!」

 

みほ「えっ!ほんとですか!?」バッ

 

オレンジペコ「すごい食いつき」

 

 熊<ベアー

 

みほ「なんだ・・・全然ケガしてないや」

 

ダージリン「みほさんもだいぶイカれてるわね」

 

オレンジペコ「闇を感じますね」

 

アッサム「西住流怖っ・・・」

 

ローズヒップ「引きますわ」

 

まほ「ひどいいわれよう」

 

ダージリン「なにをどうしたらこうも歪んでしまうものなのかしら?」

 

オレンジペコ「幼い頃になにかあったとか」

 

アッサム「みほさんは幼少期からサイコだったんですか?」

 

みほ「ひどいいわれようぅ・・・」

 

まほ「みほは幼い頃からボコられ熊を気に入っていたよ。ただ、昔のみほは今と違って手が付けられないほどやんちゃだったな」

 

みほ「お、お姉ちゃん・・・」

 

オレンジペコ「意外ですね。イタズラばかりのおてんばさんだったのですか?」

 

まほ「それはもう、なんどお母様に叱られたことか・・・」

 

ダージリン「興味あるわね。是非みほさんの幼少期のお話を聞かせてもらいたいわ」

 

まほ「そうだな・・・昔のみほは――」ホワンホワンホワ~ン・・・

 

 

 ~数年前~

 

みほ(5才)「できたー!」テレレッテレー

 

まほ(6才)「なにができたの?」

 

みほ「おとうさんスイッチ!」ジャーン

 

まほ「ピタゴラスイッチのやつだね」

 

みほ「これでおとうさんにメイレイをだして、おもうがままにしたがわせてはかいのかぎりをつくすんだ!」

 

まほ「えっ」

 

みほ「おとーさーん!おーとーさーんー!」オーイ

 

 ガラ

 

常夫<・・・

 

みほ「おとうさん!おとうさんスイッチ!おとうさんスイッチやるから!」

 

常夫<・・・?

 

みほ「わたしがスイッチおすから、おとうさんはスイッチのとおりにやって!」

 

常夫<!

 

常夫<OK

 

みほ「おねえちゃん!うた、うたって!」

 

まほ「おとうさんスイッチ(むこようしも可)、いきますよ~♪」

 

みほ「いくよー!おとうさんスイッチ『さ』!」

 

常夫<・・・バッ

 

みほ「わっ」

 

まほ「わ」

 

常夫<ギュ~ッ

 

 【『さ』いあいのむすめたち】

 

まほ「わたしたち二人をどうじにだきあげるとは」

 

みほ「よーし、つぎはおとうさんスイッチ『し』!」

 

 ガラ

 

しほ「常夫さん?まほ達と遊んであげてるの?」

 

常夫<バッ

 

しほ「わ!」

 

常夫<ギュ~ッ

 

 【『し』ほさんもいっしょ】

 

まほ「お母さまとお父さまが抱きあってる」

 

みほ「おとうさんスイッチはすごい!」

 

しほ「つ、常夫さん!子供達の前ですよ!///」カァ~ッ

 

みほ「つぎはおとうさんスイッチ『す』!」

 

常夫<・・・ヌギヌギ

 

しほ「ちょっ!常夫さんなにをしているの!」

 

常夫<・・・ 【『す』っぽんぽん】

 

しほ「ふん!」

 

 > げ ん こ つ ! <

 

常夫<・・・シュ~

 

しほ「みほ、おとうさんスイッチで遊ぶのはいいけれど、アクションは貴方が指示しなさい。常夫さんのアドリブに任せてはダメよ」

 

みほ「は~い」

 

まほ「やはりロボットにじがをあたえてはいけない」

 

しほ「私は奥の部屋で仕事をしているからね」ピシャン

 

みほ「おとうさんおこられたー」ケタケタケター

 

常夫<・・・シュン

 

まほ「すさまじいパワーのげんこつであった」

 

みほ「じゃあつぎいくよ!おとうさんスイッチ『せ』!」

 

まほ「お父さまになにをさせるの?」

 

みほ「せんしゃごっこ!」

 

まほ「やはり戦車か。どんなしゃりょうにする?わたしも搭乗する」

 

常夫<乗員!

 

みほ「わたしがシャチョーやるから、おねえちゃんはソウジュウシュやって!」

 

まほ「わかった」

 

みほ「ほら、おとうさんはハイハイして!」

 

常夫<ハイ

 

みほ「しんがたせんしゃ、おとうさんごうはっしーん!どるるるるー!」

 

まほ「戦車ぜんしんー」

 

常夫<ギャラギャラギャラ・・・

 

みほ「ぜんしんぜんしんー!」

 

まほ「みほ、そろそろ旋回のしじを出さないと、このままでは戦車がフスマにげきとつしてしまうよ」

 

みほ「へいきだよ!せんしゃはカサイリューのなかでもすすむんだよ!フスマくらいつきやぶってすすめるよ!」

 

常夫<!?

 

みほ「ぜんしーん!」

 

常夫<・・・

 

みほ「ぜんしーん!」

 

常夫<・・・グッ

 

 バキバキベキベキバリバリバリィ!

 

しほ「どぅぉわぁ!」

 

 

しほ「ガミガミガミガミガミガミ!」

 

みほ「・・・」

 

まほ「・・・」

 

常夫<・・・

 

しほ「家の中で戦車ごっこは禁止!壁も襖もガラスも何も壊しちゃダメよ!わかったわね!」

 

みほ「・・・はーい」

 

まほ「・・・イゴ気をつけます」

 

常夫<・・・シュン

 

しほ「私は奥の部屋で仕事をしてるから、危ないことはしちゃダメよ!いいわね!」ピシャン

 

まほ「・・・」

 

みほ「おこられちった」テヘ

 

まほ「みほがムチャなしじを出すからだよ」

 

みほ「おとうさんごうよりおかあさんごうのほうがつよかったんだね」

 

常夫<・・・ニガワライ

 

まほ「みほ、ウチのそとではそういうことあんまり言わないほうがいいよ」

 

みほ「んじゃ!きをとりなおしておとうさんスイッチさいかい!」グァー

 

みほ「おとうさんスイッチ『そ』!」

 

 

しほ「・・・やっと静かになったわね。大人しくしてくれているみたい――」

 

 バキバキベキベキバリバリィ!

 

しほ「ほでゅわぁ!」

 

みほ「おとうさんせんしゃはケンリョクにくっしないのだー!どるるるー!」

 

常夫<・・・

 

みほ「おこられてもおこられても、あきらめずにたちむかう!どんなにやられてもたたかいつづける!おとうさんスイッチの『そ』は・・・」

 

 【『そ』れがボコだから】

 

しほ「 み ほ ! ! ! 」

 

 

 ~~~

 

まほ「――という感じでお母様にこっぴどく叱られていた。お父様も一緒にな」

 

みほ「お、お姉ちゃん・・・はずかしいよ・・・」

 

ダージリン「フフフッ、現在のみほさんからは想像もできないわね」

 

オレンジペコ「西住流もけっこうアホなんですね」

 

アッサム「どういう教育をしとるの」

 

ローズヒップ「みほ様もヤンチャガールだったのでございますね!でも大丈夫!いくらワイルドで消し去りたい過去があろうと、努力と根性で必ず立派な淑女になれますわ!」

 

みほ「別に消し去りたいとまでは・・・」

 

まほ「淑女って贖罪なのか」

 

オレンジペコ「それではみなさん、そろそろ日が暮れるので学校に戻りましょう」

 

 

 つづく

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