●小題(登場キャラ)
の形式で区切っています
●いつかのどこかの未来の話(ハリー、ドラコ)
「ハリー…ハリー!」
「ん。……ドラコ。何か用かい?」
「お父様がお呼びよ。…約束の時間、とっくに過ぎてるじゃない」
「あっ…ごめん。つい、執筆に夢中になっちゃって」
「謝る相手はわたくしじゃないわよ。ほら、ちゃんとジャケットも着なさい。お父様に恥を掻かせるつもり?」
「うーん。…ルシウスさんの隣じゃ、誰も僕を見ないと思うけどなあ」
「あら、そんな事無いでしょう?わたくしの努力の甲斐あって体格は出来上がりつつあるし、お父様のご協力で姿勢も良くなっているもの」
「……僕の努力は?」
「それは、もちろん。…閉心術を除けば、だけど」
「うっ……なかなか、コツが掴めなくて」
「いつまでも荒野に岩1つでは困るわよ。…いい加減、その岩の中身をわたくしに見せてくれてもいいと思うのだけど?」
「えっと、その。…気長に、お願いします」
「はあ…そんな心持ちでどうするのよ。大戦の英雄ハリー・ポッターさん?」
「やめてくれよ…この間なんて街で写真とサイン頼まれて断ろうとしたら列ができてたんだよ?」
「あら、それは…懐かしいわね?」
「うん。コリンと初めて会った時みたいだったよ」
「…それで?誇り高き英雄様は当然、サイン入りの写真を差し上げたのでしょう?」
「そんな馬鹿なっ!逃げたよ!サインなんて書けないし」
「……ロックハートに弟子入りでもしたら?」
「それは…真剣に、検討しなきゃいけないかもしれないね」
「ええ。英雄として生きるならサインは必須だもの」
「うーん…。英雄って、難しいね」
「当然ね。…でも、その本だって、その為に書いてるんでしょう?」
「うん。でも、書くと決めた時はこんなに大変だなんて思ってなかったんだよ…」
「…今、どこまで書けてるの?」
「まだ、全然さ。…いざ書こうと思ったら、書きたいことがたくさんあって」
「そう。それなら、出掛けている間に今のところまでわたくしが添削しておいてあげる」
「えー。…ちょっと、恥ずかしいなあ」
「どうせ公開するんだから、早いか遅いかの違いよ。…いけない!話し込んでしまったじゃない!これ以上お父様をお待たせしないで!」
「わかった!わかったから押さないでよ!…ルシウスさんも、別の人を護衛に付ければいいのに」
「仕方ないわ。もっとも強くて、信頼がおける護衛が義息子なんだもの」
「…そっか。それなら…うん。仕方ないね」
「そうよ。仕方ないの」
「わかったよ。…それじゃ、いってくるよ」
「ええ。いってらっしゃい」
「さて。…本当に、全然書けてないわね」
「最初のタイトルは…『ハリー・ポッターと賢者の石』…?」